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損しないためのケータイ料金再入門

第8回:ドコモの“2台持ち”料金を比べる


 4月に発売されるソニー・エリクソン製のXperiaに合わせ、NTTドコモは「パケ・ホーダイ ダブル」と「Biz・ホーダイ ダブル」を統合した。従来は、一般的なケータイといわゆるスマートフォンで異なっていた料金体系を、1つにまとめた格好だ。これによって、1枚のFOMAカードで2つの端末を使い分ける“2台持ち”の敷居も低くなった。Xperiaをはじめとしたスマートフォンはiモードやおサイフケータイに非対応のため、2つを上手に使い分けたいというユーザーも増えてくるはずだ。そこで、今回はドコモに焦点を合わせ、2台持ちでの料金を検証した。

FOMAカードの入れ替えならおトクな2台持ちが可能

 4月1日から、「パケ・ホーダイ ダブル」と「Biz・ホーダイ ダブル」が1つになる。現状では、iモードに対応した一般的なケータイにはパケ・ホーダイ ダブルが、そのほかのスマートフォンにはBiz・ホーダイ ダブルが適用される形で、料金体系が分かれている。電話番号などの契約者情報はFOMAカードと呼ばれるUSIMカードに格納されており、どちらの端末に挿すこともできるが、端末とプランが合っていないとパケット定額制が利用できないというわけだ。一般的なケータイとスマートフォンの両方を持ち、パケットもある程度使うという場合は、回線も2つ必要になる。

 しかし、統合後はそれぞれの端末を1つのFOMAカードで使うことが可能になる。料金は下限が390円で、iモードのみの場合は4410円が上限。iモード端末のフルブラウザや、スマートフォンにFOMAカードを挿して利用すると、上限が5985円に上がるという仕組みだ。パケットの単価は変わらず0.084円。両方の端末を同時に使えず、わざわざ一度電源を切ってFOMAカードを挿し替えるという面倒はあるが、iモード対応端末とスマートフォンを1台分の料金で使え割安だ。

 この新しいパケ・ホーダイ ダブルでFOMAカードを差し替えて2台の端末を利用した場合と、従来のようにそれぞれを別回線にした場合を比較してみた。料金の詳細は以下の表を参照してほしい。なお、変数を減らすため、通話料はタイプSSバリューにつく無料通話分の範囲に収まり、スマートフォンでは電話をしないと仮定した。スマートフォンのアクセスポイントには、メールなどのオプションがつかないmoperaUの「Uライトプラン」を選択している。また、「ファミ割MAX50」などの年間契約がある割引はすべて活用した。

  基本料 パケット代 その他 合計
1回線 980円
(タイプSSバリュー)
390円〜
5,985円
315円〜630円
(iモード付加機能使用料
+moperaU Uライトプラン)
1,685円〜
7,595円
2

iモード端末 980円
(タイプSSバリュー)
390〜
4,410円
315円
(iモード付加機能使用料)
――
スマートフォン 780円
(タイプシンプルバリュー)
0円〜
5,985円
0〜315円
(moperaU Uライトプラン)
――
小計 1760円 390円〜
10,395円
315円〜630円 2465円〜
12,785円

 この表を見る限り、ほとんど(もしくはまったく)通信しなければ両者の差は780円に収まる。一方、2台とも上限に到達するまで通信すると、2回線契約は5190円高い。多少の不便があっても金額を優先するなら、FOMAカードを使いまわした方がよさそうだ。

2回線での2台持ちはパケット代を意識しながら使いたい

 ただし、データ通信のほとんどをスマートフォンに集約するというのであれば状況が変わってくる。iモード端末ではたまに届くメールの受信と電話だけというのであれば、パケ・ホーダイ ダブルは下限の390円に収まる可能性が高い。これを考慮した試算は以下のとおりだ。

  基本料 パケット代 その他 合計
1回線 980円
(タイプSSバリュー)
5,985円 630円
(iモード付加機能使用料
+moperaU Uライトプラン)
7,595円
2

iモード端末 980円
(タイプSSバリュー)
390円 315円
(iモード付加機能使用料)
――
スマートフォン 780円
(タイプシンプルバリュー)
5,985円 315円
(moperaU Uライトプラン)
――
小計 1760円 6,375円 630円 8,765円

 2回線契約だと、基本使用料やパケット代が少しずつ高くなるが、両者の差は1170円に収まる。FOMAカードが2枚あるので、iモード端末で電話しながら、スマートフォンで調べ物をするといった使い方も可能だ。1170円の差を、“利便性に払う対価”だと考えることができれば、2回線契約も悪くはない。ただし、あくまでもこの料金の計算は、iモード端末でほとんどデータ通信をしなかった場合を想定している。受け取るメールの数が多かったり、iモードにしか対応していないサイトをたくさん見たりすれば、支払う料金がより高くなることは覚悟しておきたい。2回線契約の場合は、“いかにiモード端末の通信を抑えるか”がポイントになるだろう。

スマートフォンを「定額データプラン」にするウラ技も

 スマートフォンでは絶対に電話をしないと決めているのであれば、通常のプランではなく、PC用の「定額データプラン スタンダードバリュー」を契約するのも手だ。2年間の縛りがある「定額データ スタンダード割」を申し込めば、料金は1000円から5985円の範囲に収まる。定額対応のプロバイダー料が別途必要だが、moperaUを選んだとすると525円。合計で6510円となる。基本使用料がかからない分だけ、若干だが通信料は割安。また、パケットの単価は0.042円と、パケ・ホーダイ ダブルの半額だ。さらに、このFOMAカードをデータカードや内蔵モジュール入りのPCに挿せば、そのまま通信を行うことが可能。移動中のデータ通信はスマートフォンで、外出先で席についてゆっくりと通信する場合はPCでと、シーンに応じた使い分けもできそうだ。

  基本料 パケット代 その他 合計




iモード端末 980円
(タイプSSバリュー)
390円 315円
(iモード付加機能使用料)
――
スマートフォン 780円
(タイプシンプルバリュー)
0円〜
5,985円
0〜315円
(moperaU Uライトプラン)
――
小計 1760円 390円〜
6,375円
315円〜630円 2,465円〜
8,765円
P
C




iモード端末 980円
(タイプSSバリュー)
390円 315円
(iモード付加機能使用料)
――
スマートフォン 不要 1,000円〜
5,985円
525円
(U定額HIGH-SPEEDプラン)
――
小計 980円 1390円〜
6,375円
840円 3,210円〜
8,195円

 パケ・ホーダイ ダブルと定額データプラン スタンダードバリューの2ケースを上の表にまとめた。上限までパケットを使った場合、定額データプラン スタンダードバリューの方が、570円割安だ。定額データプラン スタンダードバリューのパケット単価を考えると、使い方によっては上限に達しない可能性もある。一方、ほとんどデータ通信を行わなかったと仮定すると、下限の安いパケ・ホーダイ ダブルが有利。スマートフォンでのデータ通信は、パケット量が多くなりがちですぐに上限に達してしまうが、長期の海外出張などがありほとんど国内では使わないというようなケースでは得になる。

 このように、2台持ちにも様々なパターンがあり、それぞれにメリット・デメリットが存在する。自分のライフスタイルや利用するデバイス、支払える料金の上限などを総合的に考慮して、最適なプランを見極めたい。

 



(石野 純也)

2010/3/17 12:15