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「iPad」ファーストインプレッション

iPadは大きいiPhoneなのか?


iPad Wi-Fi+3G

 アップルのタブレットデバイス「iPad」がついに日本国内でも発売された。先行して発売された米国では、28日間で100万台が販売されたと報じられ、人気を理由に米国以外でのiPad発売が延期されたくらいだ。日本でも発売日にはアップルストアなどで行列ができるなど、注目を集めている。

 iPadには、Wi-Fi版とWi-Fi+3G版の2種類があり、それぞれにストレージ容量の違う16GB、32GB、64GBのモデルが用意され、ラインナップは合計で6モデルある。今回筆者は、Wi-Fi+3G版の64GBモデルを購入できたので、実機を触りつつレビューをお送りしよう。

iPad≒大きなiPhone?

 まずおおざっぱに言うと、iPadは「iPhone OSを搭載する10インチ級のタブレットデバイス」となる。

 iPhone OSを搭載するので、ソフトウェア面ではiPhone/iPod touchのような仕様になっている。たとえば、基本的に「電源を切る」必要はなく、代わりに「スリープ」を使う。スリープのイン・アウトは一瞬で、しかも完全に眠るわけではなくスリープ中もメールチェックなどは動作している。こうした振る舞いは、パソコンというよりむしろ、ケータイに近いところだろう。

 ユーザーインターフェイスもiPhone/iPod touchとほとんど同じだ。操作は指タッチで行う。OS自体もアプリも、みんなタッチパネルに最適化されてデザインされている。タッチスクリーン以外に、ホームボタンと音量調整ボタン、スクリーン回転ロックスイッチ、スリープボタンがある。

  つまり、ソフトウェア面ではiPhoneとあまり変わらない。iPhoneとの主な違いは、「大きさ」だ。


上面にスリープボタン、側面にスライド式のロックスイッチと音量調整ボタン 背面。Wi-Fi+3Gモデルは上部の一部が黒いプラスチックになっている

iPad Wi-Fi+3GとiPhone

 iPadの大きさは「ほぼB5サイズ」の242.8×189.7×13.4mm。普通のケータイやiPhoneに比べるとかなり大きく、モバイルノートパソコンに近い。しかし厚みは薄型ケータイ並なので、手に取ってみると「板」を持っているような印象を受ける。重さは、手元のWi-Fi+3Gモデルを計ったところ、約710gだった(カタログ表記は730g)。重さもモバイルノートパソコンに近いといえるだろう。

 しかし使い方は、ノートパソコンとちょっと異なる。iPadの場合、卓上や膝の上だけでなく、両手でつかみ、見やすい位置に持ち上げて使うことができる。つまり、机がなくても使えるのだ。

 710g(Wi-Fi版なら公表値680g)という重さは、決して軽いものではない。しかしこの重さは、週刊少年ジャンプなどの少年漫画雑誌とほぼ同じだ。このため普通の体勢で両手でつかむ分には、そこそこの長時間でもそれほど重たくない。

 しかし操作時、片方の手でiPadをつかみ、もう一方の手でタッチするときは、iPadを片手で支える分だけ、正直言ってちょっと重たいと感じる。

 iPadのディスプレイは、大きさ9.7インチで、解像度は1024×768ドットだ。実測してみると、だいたい193×149mmくらい。縦横比率は4:3となる。ドットの密集度が高いので、解像度以上に高精細に感じられる。また、視野角などに優れるIPS液晶を採用していて、角度によらず表示品質は良い。

 バッテリの持ちについては、時間の関係で実測はできていないが、スペック上は「Wi-Fi利用で最長10時間」もしくは「3G利用で最長9時間」と謳われている。9.7インチのIPS液晶を光らせ続けて10時間なら相当なものだ。ちなみにバッテリはボディに内蔵され、ユーザーの手では交換できない。

 内蔵するCPUは、「1GHz Apple A4カスタムデザイン高性能、省電力SoC(System on a Chip)」と公表されている。詳細なスペックはわからないが、画面が解像度が高くなっていても、たとえばブラウザのスクロールなどが遅いとは感じられない。しかしブラウザで画像が多いページを表示させるとき、データロードからレイアウト構築までは、iPhone 3GSよりは速く感じるものの、それでも普通のパソコンほどではなく、それなりに時間がかかっている。


本体左側面にmicroSIMカードのスロットがある 本体下部にDockコネクタとスピーカー。ホームボタンはディスプレイ下にある

搭載アプリはiPhone/iPod touchとほぼ同じ

 iPadには、iPhone/iPod touchと同じようなアプリが標準搭載されている。しかしiPadのスクリーンサイズはだいぶ大きくなっているので、それに合わせてUIが変更されているアプリも多い。ここでは大ざっぱにそれら標準アプリをご紹介する。

 なお、3G+Wi-Fi版であっても通話やSMSの機能はないため、電話やSMS/MMSアプリは省かれている。カメラが内蔵されていないのでカメラアプリもないが、なぜかボイスメモや計算機、時計といったアプリもプリインストールされていない。


標準ブラウザの「Safari」。ツールバーが変わっている以外は基本的にiPhone/iPod touchと同じ。HTML5準拠の動画再生にも対応している 標準メーラーの「メール」。横画面時には2ペイン表示になるなど、iPhone/iPod touch版と比べて変更された部分も多い

パソコンから転送した写真を閲覧する「写真」。iPadはカメラを搭載しないが、別売りのキットでSDカードやデジカメから直接写真を取り込める パソコンのiTunesから転送したりiTunes Storeでダウンロードしたビデオを再生する「ビデオ」。HD動画にも対応

Youtubeは専用アプリで閲覧。こちらもHD対応。全画面表示だけでなく、コメントや関連動画リストを表示しながらも再生できる。パソコンより使いやすい気すらする iTunesから転送したりiTunes Storeでダウンロードした音楽を再生する「iPod」。しかしiPadでは音楽再生機能はあまり使わない気も……

動画や音楽をiTunes Storeから、iPodの「iTunes」アプリで直接ダウンロード購入できる。iPhone/iPod touchに比べると、情報量が多くて見やすくなっている アプリは「App Store」アプリでダウンロード。Safariで対応リンクをクリックするとiTunesやApp Storeのアプリが立ち上がる

「マップ」アプリ。スクリーンサイズが大きいので見やすい。GPSはWi-Fi+3G版のみだが、都心部だとWi-Fiベースの位置情報もそこそこ使える 「メモ」アプリも横画面で2ペイン表示になった。USBケーブル経由でパソコン上のメモとの同期が可能

「カレンダー」はUSBケーブル経由だけでなく、ネットワーク経由でMobileMeなどとも同期する。表示できる情報量もiPhone/iPod touch版に比べて格段に増えた 「連絡先」もネットワーク同期対応。横画面表示だと、本物のアドレス帳のようなデザインになる

こちらは標準アプリではないが、アップル純正Office Suite「iWorks」の表計算ソフト「Numbers」のiPad版。価格は1200円。タッチに特化した新しいUIを採用する 横画面でのソフトウェアキーボード。実際の大きさはノートパソコンなどのキーボードに近く、慣れればタッチタイピングのように手元を見ずに入力できる

ホーム画面。iPhoneに比べると、横画面に対応したほか、スクリーンの大きさに合わせて並べられるアイコン数が変わっている。 設定メニュー画面。iPhoneに比べると、2ペイン式になったのが新しい。こちらも横画面で操作できる

 すべてのアプリおよびメニューの画面表示は、iPadがどの方向を上にしていても、自動回転するようになっている。回転させたくない場合は、側面のロックボタンを使う。

 キーボードは外付けも可能だが、標準ではソフトウェアキーボードとなる。ソフトウェアキーボードは、さすがにパソコンには及ばないものの、横画面ならば十分な大きさがあり、それなりの速度でタイピングができる。ただし、立ったままで机のない環境での文字入力は、慣れの問題や片手と両手の差、本体の重さの違いから、フリック入力のiPhoneの方が使いやすい印象だ。また、外付けキーボードで高速に文字入力していると、iPhone OSの日本語入力の出来があまり良くないことが気になってくる。

Safariの縦画面表示時

 機能面では、iPhone/iPod touchと大きな差があるわけでもない。しかし、ディスプレイが大きくなっただけで、使い勝手は大きく変わっている。たとえばWebブラウザのSafariは、縦長表示時の幅768ドットでも、ほとんどのサイトは拡大表示しないで読むことができる。そして縦は1024ドットになるので、スクロールも最小限で済む。Webを紙面のように読める、この感覚は強烈だ。

 強烈なのはWebだけじゃない。画面が大きくなったおかげで、さまざまなコンテンツが劇的に見やすくなった。アプリの「産経新聞」も、1段階の拡大で十分に読める。1ページに表示できる文字数が多いことは、スクロールの手間が減ることに繋がり、電子書籍は格段に読みやすくなる。動画も720pクラスのHD動画が再生できる。

 ただし、コンテンツはまだ出揃っていない印象だ。目玉の電子書籍ストア「iBooks」は、現時点では日本ではあまり使い物にならない。HD動画もiTunesにはないため、YouTubeを見に行くしかない。

 iPad向けのアプリも多数登場しているが、発売されたばかりということもあってか、iPhoneで便利だったものを高解像度対応にしたというレベルで、まだまだ「iPadならでは」と思わせるアプリは少ないようだ。

 現時点では正直、コンテンツ面でiPadの魅力は薄い。しかしiPhoneの例を考えると、今後、魅力的なアプリやコンテンツが続々と登場することが予想される。日本向けコンテンツが米国ほど充実するかは未知数だが、それでも期待をせざるを得ない。

3Gはデータ通信専用で音声通話は不可

プリペイド契約の確認は設定メニューから行える

 前述した通り、iPadには無線LANのみの「Wi-Fi」と、3G回線も内蔵する「Wi-Fi+3G」の2タイプがある。Wi-Fi+3G版は、日本では現在のところソフトバンクのSIMロックがかかっているものしか販売されておらず、ソフトバンクと定額かプリペイドのいずれかの契約をしなければ買うことができない。

 ちなみにWi-Fi+3G版は、3G(W-CDMA)だけではなく、GSMも内蔵する。今回は試せていないが、海外ローミング時などにGSMネットワークを使えるものと思われる。

 今回レビューしているモデルはWi-Fi+3G版だ。プリペイド契約で購入している。料金については、ケータイ Watchの「損しないためのケータイ料金再入門」を参照されたい。

 なお、プリペイドとは言うものの、契約時にはクレジットカード登録が必要となる。海外でのデータローミング時などは、プリペイドのチャージ外で課金が発生するようだ。パケットの単価設定や315円の接続料、30日でチャージが消える仕組みなど、正直言って、ちょっと残念な仕様のプリペイド版である。

 チャージなどの手続きは、設定メニューの[モバイルデータ通信]-[アカウントを表示]から行える。まだ試していないが、チャージが切れた状態でも、iPadだけでチャージ手続きができるのかもしれない。わたしの場合、購入時に初期登録をしなかったため、初回登録は自分で行う必要があった。登録にはクレジットカード、契約時に作った暗証番号(4桁)、自前のメールアドレスが必要だ。


契約内容の確認・手続きには4桁の暗証番号を入力する 契約時にはクレジットカードとメールアドレスが必要。誤入力に注意!

 Wi-Fi+3G版では、3Gネットワークを介したデータ通信が可能だが、音声通話やSMS/MMSは利用できない。GPSを内蔵するのはWi-Fi+3G版のみだが、デジタルコンパスはWi-Fi+3G版だけでなく、Wi-Fi版も搭載しているのが面白い。また、Wi-Fi+3G版ならば、ソフトバンク独自のEメール(i)が使える。

 Wi-Fi圏内で電源ケーブルを繋いでおくと、スリープ中もWi-Fi接続を続け、メールチェックなどが行われる。当然、3G網でも同様だ。電源ケーブルを外すと、省電力設定となるためにWi-Fiは切断されるが、それでも定期的にWi-Fi接続してメールチェックするようだ。

 なお、Wi-Fi機能はIEEE802.11a/b/g/nに対応する。5GHz帯の11aと11nに対応するのは、スマートフォンとしては珍しい。11nは最大300Mbpsの通信規格だが、そもそも54Mbpsの11gだって、iPadにとってはオーバースペックなくらいで、速度的には十分だ。それよりも11aと11nは、混雑しにくい5GHz帯を使えることの方が嬉しい。

パソコン上のiTunesと同期。USB経由のファイル転送にも対応

iTunesからiPadとファイルを共有できる

 iPad購入時の店頭で、パソコンは必須だと言われた。実際のところ、Wi-Fi版はパソコンなしでもそこそこ使えると思うが、Wi-Fi+3G版の場合、前述のようにキャリア設定がダウンロードされていないことがある。とりあえずはパソコンと最新のiTunesが必須だと考えておくべきだろう。

 音楽や写真、アドレス帳などのデータ、メールアカウントなどの設定は、パソコン上のiTunesと同期できる。iPhoneのバックアップデータから復元することもできるようだ。アドレス帳などのデータはネット経由でMobileMeなどのサービスと直接同期することもできる。

 このあたりはiPhone/iPod touchと同じだが、iPadならではの新機能として、iPad上の特定アプリに対してUSB経由でファイルを転送できる機能が追加された。対応アプリがインストールされていると、アプリタグに[ファイル共有]という項目が加わる。

iPhoneよりも充実の純正周辺機器

純正ケースで角度を付けた状態。左側の部分を下にして、ほぼ垂直にも立てられる

 今回は同時発売のアップル純正オプションの中から、セミハードケース「iPad Case」とデジタルカメラの画像をiPadに直接取り込める「iPad Camera Connection Kit」を購入した。

 iPad Caseは、セミハードのフォルダ型ケースだ。変形させることでiPadを立てたり角度を付けてデスクなどに置くことができる。外出時に本体を保護するだけでなく、卓上に置くときなどに角度を付けられるのが便利だ。しかし、ちょっと出し入れがしにくい。入れたら入れっぱなしにするべきだろう。ちなみに価格は3980円。

カメラキット。Dockコネクタに接続する

 iPad Camera Connection Kitは、デジタルカメラで撮影した画像をiPadに取り込むためのアダプタだ。SDカードアダプタとUSBアダプタの2つが同梱されている。iPadをフォトストレージ兼ビュアーとして活用するときに便利だ。

 このほかにも、Bluetoothキーボードもサポートされている。おすすめしたいのは、アップル純正のJIS配列キーボードだ。[英数]や[かな]などが使える。アップル純正でないキーボードも、いちおうは接続が可能。

 キーボード接続時、日本語・英語の切り替えはCommand(Alt)+スペースだ。アップル純正キーボードなら、[英数]と[かな]キーで切り替えられる。また、純正キーボードのイジェクトキーは、ソフトウェアキーボードの表示切り替えに使える。

 キーボード特有の操作としては、シフトキーを押しながらカーソルキーでテキストを選択、Command(Alt)+Cでコピー、といった操作もできる。しかしCtrlキーとのコンビネーションによるカナや英数変換は使えなかった。

iPadとは何なのか?

 まだ数時間くらいしか触っていないが、それだけでも、iPadはこれまでにないユニークなデバイスだと実感できる。板のような薄い形状に高精細なIPS液晶が搭載され、それでWebなどのコンテンツが快適に楽しめる。それだけで、「画期的だっ!」とか「時代が変わるっ!」とか思ってしまいそうになる。

 しかし、本当に何かが変わるのだろうか。確かにiPadはこれまでのケータイやスマートフォン、パソコンなどとは異なるジャンルのデバイスだ。これまでのデバイスと異なる使い方を生活に取り込めば、ライフスタイルが変わる可能性がある。では、iPadは果たしてどのように使うデバイスなのだろうか。誰がどこで何に使えるのか。これは使い手次第だとは思うが、筆者なりに考えてみた。

 まず筆者は、外出先で使うデバイスとしてiPadは最適ではないと感じた。たとえばフルスペックのパソコンが必要になったとき、自宅ならばデスクに置いてあるパソコンを起動させれば済むが、外出先ではそうはいかない。仕事ならば、モバイルノートパソコンを持ち運ぶべきだろう。ノートパソコンの機能が不要というのならば、ポケットに入るiPhoneでも十分だ。

iPadをプレゼンするアップルのジョブズCEO

 では、自宅で使う端末としてはどうだろうか。今年1月28日のiPad発表会で、アップルのスティーブ・ジョブズCEOは、カウチに座りながらiPadの実機プレゼンテーションをしていた。筆者はこの模様をストリーミング配信で見ていて、iPadは「カウチで使うデバイス」なのだと感じた。より広く考えると、「自宅にいるけどデスクに座っていないときに使うデバイス」なのではないだろうか。

 自宅でインターネットコンテンツを楽しむとなると、やはりデスクに置かれたパソコンが主役となる。しかしデスクを離れるとどうだろう。居間でテレビを見る、お菓子を食べながら家族と談笑する、カウチに座って読書をする。そんな場面にはキーボードやマウスを置けるデスクはなく、パソコンは使いづらい。別にiPhoneなどスマートフォンでも良いのだが、もっと自宅ならばもっと画面が大きくても良い。そこでiPadの出番、というわけだ。

 もちろん、人によってさまざまなライフスタイルがあり、慣れたデバイスがあり、アクセスしたいコンテンツがある。結局のところ、iPadの価値は、使い手次第というわけだ。これから購入を検討している人は、いったい生活のどこにiPadが入り込むのか、しっかり想像し、その上でモデルを選ぶことをお薦めしたい。

28日は大混乱、予期せぬエラーでトホホな顛末

 5月28日の発売日は、各店舗ともに行列ができ、けっこうな混乱だったようだ。筆者も少々面倒な経験をすることとなった。

 筆者はビックカメラ渋谷東口店で購入した。予約時、開店90分前に店頭に並ぶことで、2番目という絶好のポジションをゲットし、当日はの受け取りは最速の8時枠に入ることができた。ビックカメラではiPhone発売時にも、予約と受取時間指定の制度を導入していたが、この制度、並ぶ時間が最小限になって非常にありがたい。

 だが、予約まではスムーズだったものの、発売当日のiPad売り場は大混乱で、とくに筆者は「なぜか64GB版のプリペイド購入手続きができない」というエラーに見舞われた。

 手続き終了までに要した時間は1時間。それから20分ほどで開通する予定だったが、開通作業を行うセンター側も混雑しているようで、さらに1時間待たされることになった。ついでにレジの無線回線も輻輳気味で遅いというありさま。8時前には店頭についていたのだが、受け取ったのは結局10時半、予約時よりも時間がかかってしまうことになった。

 ――しかし、トラブルはそれだけではなかった。

 家に帰ってiPadをiTunesと同期させ、いろいろセットアップをしたところ、Wi-Fiではインターネットに接続できるのに、3G回線では接続できないことに気がついたのだ。設定メニューを見ると、[モバイルデータ通信]の[APN設定]に何も記載されていない。

 すぐさまコールセンターに電話をかけて聞いたところ、[すべてのコンテンツの設定を消去]を選んでから、改めてiTunesに接続すれば良いという。試したところ、あっけなくキャリア設定がiPadにダウンロードされた。

 ようやく繋がる、と思って接続を試すも、まだ繋がらない。どうやらプリペイドの初期設定がなされていないらしい。これも自分でやったのだが……これがうまくいかない。コールセンターの担当者は、「店頭でなんらかの設定がされたかも知れないので、店頭に行って改めてこちらに電話をください」と言う。

 しかたがないので再び店頭に行き、スタッフを呼ぶも、店頭は依然として混雑中で、なかなか対応してもらえない。途方に暮れつつ、待ち時間にふともう一度同じ手順でプリペイドの初期設定をやってみると……、すると今度はうまくいった。ようやく、まともに動くiPadを手に入れることができたのだ。このときの時刻は12時半を過ぎていた。入手にお金だけでなく時間と手間のかかる端末だ。

 ちなみに、プリペイドの初期登録がうまくいかなかった理由は、クレジットカード名義、「Masahiko」となるべきところが「Masahikok」となっていたためのようだ。どうやらiPadの慣れないキーボードでミスタイプをしていたらしい。誠に恥ずかしい限りである。



(白根 雅彦)

2010/5/28 21:10