記事検索
レビューバックナンバー

「iPad mini」レビュー

iPhone 5と、iPad miniを持って札幌に行ってきた!


 2012年11月2日にiPad miniが発売になった。早速、iPad miniの64GB版 ブラック&スレートカラーを入手した。筆者は、米サンノゼで10月23日(米国時間)に開催された発表イベントにも参加し、その場で実機を触れることができたが、やはり改めて手にしてみると、質感と持ちやすさを両立したそのデザイン性に再び納得する。今回、札幌に出向く機会があったので、KDDI版のiPhone 5 16GB版との組み合わせを手にして、札幌に飛んでみた。


すでに入荷待ちとなっているiPad mini

 iPad miniの人気ぶりは、11月2日の東京・銀座のアップルストア銀座に、300人以上の行列ができたことからも裏付けられるだろう。

第4世代iPadとiPad mini

 ちょうど手元に、BCNから入手できた最新の販売データがあるのでそれを見てみると、2010年5月28日に発売になった初代iPadの初期3日間の販売台数を100とした場合、iPad miniの3日間の販売台数は、その1.31倍に達しており、これは2011年4月28日に発売したiPad2の1.42倍に次ぐものとなっている。

 iPad miniは、すでに予約販売となっており、直販サイトのAppleStoreでは、出荷まで2週間待ちの状況が続いている。アップルでは、11月6日に発表した全世界でのiPad miniおよび第4世代iPadの販売台数が3日間で300万台に達したことを発表したリリースのなかで、ティム・クックCEOのコメントとして、「iPad miniは売り切れたが、この素晴らしい需要に素早く応えるべく、生産台数を増やすように努力している」とし、増産にも意欲をみせている。

 入手したiPad miniは、64GB版 ブラック&スレートカラー。BCNの調べによると、容量、色別に用意された6モデルのうちでは、4位となる。最も売れたのは、16GBのブラック&スレートで全体の40.8%を占めた。また、容量別では、16GBが56.0%と過半数に達しており、64GBは20.2%。色別ではブラック&スレートが71.0%となっている。


KDDI版iPhone 5のテザリングを活用

 札幌に向かうために、事務所を出たところで、一度、手元のiPhone 5をチェック。ここは川を挟んでKDDI本社がある場所。KDDI本社の近くということもあって(?)、LTEの表示が出ている。

 今回は、KDDI版ではすでにサービスを開始しているiPhone 5のテザリング機能を使い、iPad miniとペアリング。この2台持ちで札幌への旅行を楽しんで来ようという魂胆である。

 iPad miniのWi-Fi版が、Wi-Fi+Cellularの出荷を待たずに、これだけの人気を博している背景には、家庭や屋外での無線LANの普及などもあるだろうが、やはりiPhone 5から提供が開始されたテザリング機能によって、iPad miniを利用しようという、アップルユーザーならではの狙いもあるだろう。回線を複数契約せずに、所有するスマートフォンのテザリングを利用できるのはありがたい。

 そうなると、やはり気になるのはLTEの接続である。山手線内でのLTE接続率が注目を集めているが、出張や旅行の際にはやりは主要都市や観光地でのLTE接続も気になる。これからの時期に雪と美味しい料理が楽しめる札幌という場所は、そうした意味でもいい検証になると考えた。

iPad miniをテザリングで接続。左上にペアリングしているマークが表示される iPhone 5とテザイリング接続していることがわかる iPhone 5側にはインターネット共有をしていることが青いバック地に表示


羽田空港、新千歳空港はLTE接続ならず

 まずは羽田空港に向かった。今回は全日空を利用したため、第2ターミナルであったが、ここではなんと3Gの表示。LTEサービスエリアとなっていたが、手荷物検査場付近や搭乗待合室でもLTEは表示されないままだった。代わりにau Wi-Fi SPOTを拾ってくれたが、公衆無線LANよりは、やはりLTEのサクサク表示を期待してしまう。

 手荷物検査場では、iPad miniを、パソコンを検査するためのトレーに置く。これみよがしにアップルのロゴが見える背面を上にしてみたが、検査場の人たちにはまったく反応がなく、ちょっとがっかりであった。

飯田橋近辺はLTEがしっかりと入る。奥の高いビルがKDDI本社が入るビル 羽田空港第2ターミナルの手荷物検査場付近。au Wi-Fi SPOTをキャッチ。LTEは捕まえられず 搭乗待合室でも3Gの表示だった

 LTEでの接続はあきらめ、いよいよ札幌行の便に搭乗。ここでは、iPad miniを持ちだしてみた。

 まずは鞄から取り出すときの手軽さがあり、これまでのiPadに比べて楽である。また、 エコノミークラスのテーブルの上にもちょうどいい感じに収まる。

 国内線の場合、座席ごとにはディスプレイがついていないため、その代わりiPadを使って、フライト時間を楽しんだり、有効に使うという人も多い。iPad miniの場合、飛行機の席に座って視聴するというシーンでは、仕様上、iPadに比べて画面が小さくなったという印象をほとんど感じることなく、視聴することができる。テーブルと座席の距離感にもよるのだろう。もちろん、ここではSmart Coverを利用したほうが、より便利だといえる。

エコノミークラスのテーブルの上に置いたところ。なかなか使い勝手はいい すでに札幌は全員がコートを着用。女性用のダウンコートのポケットに入れるにはちょっと大きすぎる

 新千歳空港に到着し、到着ロビーで早速、iPhone5の電源を入れてみたが、ここでも残念ながら表示は3G。さらにau Wi-Fi SPOTをキャッチしたものの、LTEは捕まえられなかった。新千歳空港もLTEサービスを行っているとされていたが、いまのところ、空港でのLTE接続は全滅だ。残念な気持ちを持ったまま、JRで札幌に向かうことにする。

新千歳空港でも3Gの表示か、au Wi-Fi SPOTの表示に留まり、LTEはキャッチできなかった 帰りにももう一度挑戦してみたが、やはり表示はLTEにはならなかった

 新千歳空港から札幌に向かうJR快速エアポートでは、テーブルがないため、ひざの上に置くような形でiPad miniを開けてみた。ちなみに、快速エアポートに乗車中もiPhone 5の接続は3G。この区間がLTEだと、札幌市内に向かう途中にさらに様々な情報を入手しやすくなり、LTEの効果をより体感できたはずだ。

 札幌駅までの約35分間は3G接続しながら、iPad miniで、メールのチェックやブラウジングといった用途で過ごすことは可能だ。

 札幌駅に着くと、北海道に入ってから、初めてLTEをキャッチした。

 ところどころで3Gになる場所もあるが、結論からいうと、札幌市内であれば問題なくLTEを利用できるといっていい。

新千歳空港から札幌に向かうJR快速エアポートに乗車中も3G。この区間がLTEだとありがたいと感じる JR札幌駅に到着。ここではLTEをキャッチした。さっそくiPad miniでネット接続 札幌駅構内でも場所によっては3Gか、au Wi-Fi SPOTの表示。このとき、イーモバイルのPocket Wifi LTEはしっかりとLTEを捕まえていた

 札幌駅から直結するJRタワー内のホテルに宿を取ったが、ここの高層フロアでも、iPhone 5は、LTEをしっかりとキャッチしてくれる。実際に32階フロアでも、LTEを利用できた。

 こうした環境で、高速回線を利用できるのはありがたい。仕事柄、出張先から編集部宛てに数10枚単位の写真を送信したり、場合によっては動画を送信するという場合もある。ホテルに帰って写真を入稿する際にLTEは強力な武器になる。札幌では写真や動画をアップロードするという作業にも、対応できる環境が整っているというわけだ。

JRタワーのホテルでは32階という高さでもLTEをキャッチ



 

札幌市内は地下を含めてLTE接続がOK!

 続いて、地下鉄「さっぽろ」駅から、地下鉄南北線に乗って、すすきのに向かってみた。

 目的はラーメンを食べることであったが、久しぶりの札幌ということもあり、目的地の場所が不確か。そこで、iPad miniのマップを利用してルート検索。これを頼りに目的地に向かった。

 持ち歩いていても、iPadのような大げさ感がなく、それでいて、iPhoneよりも視認性がいいという点では、iPad miniは最適だ。

 すでに日中でも10度を切っている札幌市内の場合、コートは必須。厚手のものとはいえ、ジャケットで歩いているのは筆者ぐらいのものだった。

 コートの季節は、iPad miniにとってもいい季節だ。大きめに作られているコートのポケットにiPad miniが入れやすいからだ。女性用のコートのポケットには、やや入りにくいようだが、男性用のコートであれば、かなりの確率でiPad miniが入りそうな印象だ。

 アップルでは、ポケットに入れることよりも、iPadの機能を削らずに、iPad miniの7.9型のサイズを決定したとするが、こうして持ち歩いてみると、あと1cmぐらい小さくなっただけでも、ポケットへの出し入れはしやすくなると感じる。とくに冬場は、アルミのボディが冷たくなるので、必要なとき以外はポケットに入れたままといった使い方をしたり、あるいは、落としにくいすべり止めがつき、それでいてタッチが可能な手袋が欲しくなる。

 一方で、ラーメン屋やカフェなどでの食べ物写真撮影も、iPad miniで行ってみた。スマホでの撮影に比べると手軽さは劣るが、それでも画面が大きいことや、片手でも取り出せる点では、使い勝手はいい。

 ところで、この間のiPhone 5の方だが、引き続き、LTEで接続していた。

 すすきのまでの3駅の間は、駅に滑り込むとLTEを表示。地下でもLTEが利用でき、さらに地上にあがっても同様にLTEが表示されたままだった。

 このあと、時計台、大通り公園といった場所を回ってみたが、ここでもLTEに接続。来年2月5日からは、恒例のさっぽろ雪まつりが大通り公園で開催されるが、LTE環境を使って、現場から大量の写真や動画をすぐにアップロードできるような環境がすでに整っているといっていい。

地下鉄南北線を利用して「さっぽろ」から「すすきの」まで移動。この間、地下鉄のホームでもLTEが利用できた
札幌駅や時計台、大通り公園、すすきのなどの市内の主要な場所はLTEでの接続が可能
マップ機能を利用し、目的地までのナビ。iPhoneよりも画面が大きく視認性は高い カフェでの写真撮影も、iPadに比べると楽に使うことができる 簡単に片手で持つことができるのはiPad miniの魅力だ


市外の観光地は3G接続環境に

 ここでレンタカーを借りて、少し遠出をしてみることにした。

 まず向かったのは、定山渓。テレビで、紅葉がきれいだという情報を数日前に得ていたのだが、紅葉の時期は短く、すでに現地は冬支度の真っ最中という様相。ここでも、iPad miniを使って撮影してみた。屋外でも画面への映り込みは感じられず、ズームなどの操作も行いやすい。iPhoneよりも、イメージを掴みやすく写真が撮影できた。

 札幌市内から定山渓への移動中、自動車に着いていたカーナビは使用せず、iPad miniを使用した。こちらの方が直観的に、いまどのあたりを走行しているのかが掴みやすい。搭載されているカーナビの画面よりもサイズが大きく、それでいて、信号で止まった際など、助手席と運転席とで手渡ししやすく、情報の確認もしやすい。助手席では必要に応じて欲しい情報を入手するといった操作も可能だ。こうした使い方が増えるのならば、iPad miniを使っていないときに、車内に置いておける専用スペースがあるといいと感じた。

 札幌市内から定山渓には、国道230号線を利用したのだが、藻岩山のあたりまでくるとLTEの表示は3Gに変わり、その後、定山渓までの約25kmは3Gのままだった。

 続いて、定山渓から小樽市内に向かって、さっぽろ湖や札幌国際スキー場、朝里川温泉を経由する定山渓レイクライン(北海道道1号線)を利用した。さっぽろ湖のあたりでは「○」と表示されるところもあったが、ほとんどのところは3Gの表示であった。

 小樽市内に着き、まずは観光の定番となる小樽運河に向かったが、iPhone 5の接続状況を確認すると、表示は「3G」のまま。念のため、再起動してみたが、やはり「3G」のままだった。

 KDDIでは、小樽市内はLTEのサービスエリアとしていたが、ここでも空港同様に、LTE接続することはできなかった。サービス可能に地域とされていても、まだ接続がうまくいかない場所もあるようだ。

レンタカーを借りて少し足を伸ばしてみる。カーナビを使わず、iPad miniをナビに使用。画面が大きくてみやすい。助手席では必要に応じて欲しい情報を操作してみることができる iPad miniを利用し定山渓で写真を一枚。北海道ではすでに冬支度が始まっている風景だ 小樽市内もサービスエリアとされていたが、残念ながら一度もLTEはキャッチできず

 その後、札幌市内を経由して、再び、新千歳空港に戻り、帰途に着くことにしたが、細かく電波状況を確認したいため、高速道路は利用せずに国道5号線を利用。札幌運転免許試験場の最寄駅であるJR稲穂駅近くまで戻ってくると、LTEに表示が切り替わり、その後、札幌市内はLTEの表示のまま。そして、国道36号線を豊平川にかかる豊平橋を超えると再び3Gの表示に変わった。36号線沿いには、札幌ドームもあり、その横を通過する際にも確認してみたが、表示は3Gのまま。KDDIでは、札幌ドームもLTEのサービスエリアとしているが、国道上ではLTEの表示にはならなかった。

 再び空港でも確認してみたが、残念ながら、LTE表示はなく、結果として、LTEの文字を見ることができたのは札幌市内だけとなった。
 

可搬性に優れたiPad mini

 札幌市内の移動に限れば、LTEサービスの安定ぶりには驚いた。今後、札幌市内以外における観光地での安定的な接続を期待したいところだ。

 一方で、iPad miniだが、実際に持ち歩いてみて、その可搬性の高さには納得した。持ち歩く際に、iPadのような大げさ感がないのは、結構、日本人にはぴったりなのかもしれないということも感じた。女性のカバンのなかにも、さっと入れられる点でもいいサイズだ。そして、自動車でのナビとして使用する際には、7型のタブレットよりも、7.9型というサイガが見やすいとも感じた。ポケットには入らないものの、7.9型は持ち歩いて使うのに適当なサイズだといえることを実感できた旅だった。

 ちなみに羽田に向かった便は最新鋭のボーイング787。このテーブルでもiPad miniはぴったりと収まっていた。
 




(大河原 克行)

2012/11/8 06:00