レビュー

「Disney Mobile on docomo N-03E」レビュー

トップクラスのハイスペックと充実したコンテンツが魅力のスマートフォン

 「Disney Mobile on docomo N-03E」は、ウォルト・ディズニー・ジャパンとNTTドコモのコラボレーションモデル第3弾となる、NECカシオ製のAndroid 4.0搭載スマートフォン。Disney Mobile on docomoというブランドや5色展開の本体カラーなど、一見すると女性をターゲットにしたミドルエンドモデルにも思えるが、実は他のハイエンドモデルにも勝るとも劣らないスペックを搭載している。

Disney Mobile on docomo N-03E

 CPUは1.5GHzのクアッドコアCPU(APQ8064、Snapdragon S4 Pro)を搭載し、2GBのメモリ容量も2012年の冬モデルでは最大クラス。内蔵ストレージも32GBと、ドコモの冬モデルで最大容量を誇る「ARROWS V F-04E」の64GBに次ぐ容量だ。ディスプレイもHD解像度(720×1280ドット)の4.7インチ有機ELディスプレイを搭載しており、スペック面で冬モデルトップクラスの性能を誇っている。

 機能面でも100Mbps対応のXiや防水、おサイフケータイ、赤外線通信、ワンセグに加えてNOTTVもサポートするなどほぼ「全部入り」。無線LANはIEEE 802.11a/b/g/nとIEEE 802.11aをサポートしており、Bluetoothも最新バージョンの4.0を搭載。カメラも1310万画素のCMOSセンサーとトップクラスの画素数で、女性をターゲットにしたDisney Mobileの端末とは思えないほどの充実ぶりだ。

 一方、多彩な機能や大画面ディスプレイを搭載しているだけに、本体サイズは約136×68×8.6mm、重量は約145gとやや大きめで、手の小さな女性では片手で操作するのは難しいサイズかもしれない。電源ボタンは本体上部に配置されているためこれも手が小さいと押しにくそうだが、本体下部にはスリープ専用の物理ボタンが割り当てられているため、日常利用のスリープ解除は本体上部まで指を伸ばさなくても操作できる。

本体前面
本体背面
本体上部にMicro USB、イヤフォンジャック、ワンセグアンテナ
本体底面
本体右側面に音量ボタン
本体左側面は物理ボタンなし
充電用クレードル
本体は横向きに設置する
背面にMicro USBポート

通知パネルのカスタマイズや通知リマインダーが便利

 ホーム画面はAndroid標準のランチャーとNTTドコモの「docomo Palette UI」の2種類。初期設定ではランチャーが設定されているが、シンプルで使いやすい画面インターフェイスではあるもののホーム画面の遷移にややもたつきがあり、docomo Palette UIの方がホーム画面が高速に動作すると感じた。ホーム画面アプリはそれぞれ表示スタイルなども異なるため、画面の速度だけでなく使いやすさも含めて選ぶといいだろう。ホームアプリの切り替えは設定の「ディスプレイ」「ホームアプリ切替」から利用できる。

ランチャー
ランチャーのアプリ一覧
docomo palette UI
docomo palette UIのアプリ一覧

 ホーム画面下部には「戻る」「ホーム」「マルチタスク」がソフトボタンとして割り当てられており、その下の物理ボタンでスリープのオンオフを切り替えられる。Android 4.0としては標準の機能割り当てではあるものの、国内のスマートフォンではマルチタスクの代わりに「メニュー」が割り当てられている機種も多く、同じNECカシオの「MEDIAS U N-02E」は物理ボタンながらもマルチタスクの代わりにメニューボタンが割り当てられていることを考えると、N-03Eでもメニューボタンの割り当てが欲しかったところだ。

ホーム下部にはソフトボタン

 本体上部の通知パネルからは、マナーモードや無線LAN、GPS、Bluetooth、明るさなどの機能を設定できる機能スイッチを搭載。横にスライドすることで多数の機能スイッチを利用できるほか、設定から必要な機能だけを表示するカスタマイズも可能になっている。後述するワイヤレススクリーン機能もここから利用可能だ。

通知パネル
機能スイッチはカスタマイズできる

 また、歩行中などでメールや電話の通知に気がつかなかった場合、加速度センサーを利用して立ち止まったことを感知し、再度通知を行なう「通知リマインダー」機能も搭載。通知回数なども変更できるため、移動が多く通知に気がつきにくいというユーザーは重宝しそうだ。

 本体ロック画面は、ロック解除ボタンのほかにカメラボタン、しゃべってコンシェルボタンが用意されており、本体ロックを解除することなくそれぞれの機能を起動できる。ただし、これらの機能はロック解除にパターンやパスワードを設定すると利用できない排他仕様となっている。せっかくの便利な機能がセキュリティを考慮すると使えなくなるのは残念なところだ。

通知リマインダー機能
本体ロック画面からカメラとしゃべってコンシェルを起動できる。ただしロック設定とは同時に利用できない

ベンチマークはトップクラス。操作も快適

 本体のベンチマーク測定結果はクアッドコアCPU搭載モデルだけに非常に優秀。Quadrant Professional Editionのスコアは6374と、同じクアッドコアCPUのHTC One XやTF201を上回る結果となったほか、AnTuTu BenchmarkやMobile GPU Markでも優秀なスコアを記録した。

クアッドコア搭載「ARROWS V F-04E」との測定結果比較
Antutu Benchmarkの測定結果
Quadrant Professional Editionの測定結果
Mobile GPU Markの測定結果

 実際の操作感も非常に滑らかで快適。また、電源起動時の速度やスリープ状態からの復帰速度も向上が図られており、2011年冬モデルの「MEDIAS PP N-01D」と比べて電源起動時の速度は約1.8倍、スリープ状態からの復帰速度は約2.4倍まで改善されている。

 タッチ操作時に「押した感覚」をもたらす「フィーリングタッチ」機能も搭載。アイコンのタッチやファイルのダウンロード、電話の途中終了、アイコン移動時などにかすかに振動することで、タッチパネル操作ながらも押した感覚を擬似的に体感できる。フィーリングタッチのテーマ名称が「エレクトリック」「マイルド」など、実際の動作がわかりにくいのが難点だが、地味ながらタッチ操作を向上させる便利な機能だ。

フィーリングタッチ機能。名称から違いがわかりにくい

バッテリーは取り外しが可能で、容量は1980mAh。画面輝度を最低にして無線LANとGPSおよび同期設定をオフにした状態でTwitterクライアントを3分単位で更新、さらにフルHD動画を再生し続けたところ、4時間半でバッテリーが空になった。実際の利用シーンではつねに動画を表示し続ける状態は少ないことに加え、バッテリが一定の残量を切ったタイミングで画面の輝度やバックライト、ワイヤレス機能などをオフにできるecoモードを活用すれば実利用時間はもっと伸びるだろう。

バッテリーは取り外し可能。容量は1980mAh
ecoモード
項目ごと細かくカスタマイズも可能

充実したディズニー関連コンテンツ。ディズニーリゾート連動アプリも

 スペック面も充実したN-03Eだが、やはり最大の特徴と魅力はディズニー関連のコンテンツやデザインだろう。本体デザインは画面上部にミッキーマウスのマーク、背面にミッキーマウスとミニーマウスのシルエットがあしらわれているほか、本体カラーもディズニーキャラクターをイメージした5色が用意されており、3色展開が標準となっているNTTドコモ冬モデルでは最多のカラーバリエーションとなっている。

5色のカラーバリエーション
Pinkはミニー、Orangeはくまのプーさん、Greenはティンカーベル、Blueはドナルドダックをイメージ

 アイコンやウィジェットのデザインもディズニーにカスタマイズできる。カメラもシャッターボタンがミッキーマウスのデザインになっているだけでなく、フォーカス枠もよく見るとミッキーマウスが両手で構図を決めているかのようなデザインになっている。ディズニーファンにはたまらない仕様だろう。

 コンテンツ面ではプリインストールされている壁紙やデコメ素材に加え、通常は月額315円が必要なディズニー公式スマートフォンアプリが無料で利用できるほか、ディズニー映画を毎月20時間まで視聴できる「Disney シネマ」、海外ドラマやバラエティ番組が視聴できる「Dlife」、ディズニーグッズに印刷された専用マーカーと連動したARアプリ「Magic Camera」など多彩。マチキャラもクラシックバージョンのミッキーマウスがプリセットされているが、残念ながら声はミッキーマウスではなく通常の音声でガイドされる。

プリインストールされているディズニーコンテンツ
ディズニー公式アプリが利用できるディズニーマーケット
ディズニー映画た楽しめる「Disney シネマ」
海外ドラマなどが視聴できる「Dlife」
アラームアプリもディズニーデザイン
ディズニーゲームズはGREEとモバゲーで提供するゲームを紹介

 東京ディズニーリゾートと連動した「待ち時間ナビ」もDisney Mobile専用に提供。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの地図上で、アトラクションやファストパス、パレードなどの時間をチェックできる。なお、ディズニーマーケットやDisney シネマ、DlifeなどはSIMカードの認証を行なっており、SIMカードが装着されていない状態では利用できない。

待ち時間ナビ
GPSに連動してアトラクションも待ち時間を確認できる
アトラクション一覧
地図を拡大してアトラクションを細かく確認
アトラクション詳細

 また、「待ち時間ナビ」を含むディズニー公式スマートフォンアプリは月額315円の「ディズニーマーケット」を契約することで、ディズニー・モバイル端末以外からも利用可能だが、Disney シネマやDlifeといった映像コンテンツはディズニー・モバイルのみ。また、ディズニー・モバイルの場合は手動受信ながらも「@disney.ne.jp」というメールアドレスをspモードメールとは別に併用できる。

スマートフォンの画面をワイヤレスでテレビに出力

 充実したディズニーの動画コンテンツをさらに楽しむための機能が用意されている、同梱のセットトップボックス「ワイヤレススクリーンボックス」を利用したワイヤレススクリーン機能だ。ワイヤレススクリーンボックスとテレビをHDMIで接続し、N-03Eから無線LAN経由でワイヤレススクリーンボックスに接続することで、N-03Eの画面をワイヤレスでテレビに映し出すことができる。

ワイヤレススクリーンボックス
HDMIとmicroUSBポートを搭載
N-03Eと本体サイズを比較

 セットトップボックスというと弁当箱サイズの大きさを思い浮かべるかもしれないが、ワイヤレススクリーンボックスは84×56×16mmと、N-03E本体よりも小さい小型サイズ。接続インターフェイスもHDMIのほかは給電用のMicro USBポートのみで、USB給電に対応したテレビであればACアダプタ不要で設置できる。

 ワイヤレススクリーンボックスとの接続は、宅内のアクセスポイント経由で接続する方法と、N-03Eから直接ワイヤレススクリーンボックスに接続する方法の2通りが用意されている。アクセスポイント経由の場合、無線LANアクセスポイントがWPSに対応している必要があるが、最近のルーターやアクセスポイントはほとんどがWPSを標準搭載しているだけにさほど問題は無いだろう。

 ワイヤレススクリーンボックスをUSB経由で給電した状態でテレビにHDMIで接続すると、テレビ画面にはセットアップの方法が映し出される。WPSを利用してアクセスポイント経由で接続する場合は本体のボタンを2回押し、2分以内にアクセスポイント側のWPS機能を利用すれば接続が完了。あとはN-03Eの通知パネルの「スクリーン」から該当のアクセスポイントを選択すると、テレビにN-03Eの画面が映し出される。

テレビ画面に設定方法が表示される
指示された時間内に接続設定

 N-03Eから直接接続する場合はボタンを2秒長押しするとワイヤレススクリーンボックスがアクセスポイントとして動作するので、テレビ画面で指示されたアクセスポイントに接続。その後は同様に通知パネルの「スクリーン」からアクセスポイントを選択すればいい。

接続完了後に通知パネルから「スクリーン」を選択
表示されたアクセスポイントに接続

 ワイヤレススクリーンボックス接続後はN-03Eの画面がそのままテレビに映し出され、ディズニーの動画コンテンツ以外にYouTubeやブラウザといった機能もテレビで利用可能。音声もワイヤレス経由でテレビから出力される。ただし、ワンセグとNOTTVはワイヤレススクリーンボックス非対応なほか、すべてのアプリが動作することを保証するものではないため、別途インストールしたアプリなどは表示されない場合もあるという。

テレビにはN-03Eの画面がそのまま映し出される
ケータイWatchを表示。初期状態ではスマートフォン向け表示
PC向け表示に切替えたところ

 ワイヤレス接続のため多少の遅延はあるものの、動画を再生する分にはほとんど支障はない。本体がスリープ状態になっても画面の表示は継続されるため、一度動画の再生を開始したらN-03E本体を操作する必要もない。家族でも楽しめるディズニーの動画コンテンツが充実しているだけに、スマートフォンだけでなくテレビでも楽しめるこのソリューションは非常に魅力的だ。

起動の早さが魅力のカメラ。SNS連携機能も搭載

カメラのインターフェイス

 カメラは1310万画素のCMOSイメージセンサーを搭載し、最大4160×3120ドットの静止画やフルHD(1920×1080ドット)の動画撮影が可能。インカメラは130万画素のCMOSイメージセンサーを搭載し、自分撮りの際に最大1280×1024ドットの静止画が撮影できる。

 本体起動と同様、カメラの起動スピードも特徴の1つで、カメラ起動は約0.6秒、撮影間隔は0.2秒を公称。実際に使ってみても起動スピードは非常に速く、撮りたいときにスマートフォンを取り出してさっと撮影できる。

 0.03秒間隔で撮影する連写モードやIS3200での高感度撮影、HDR撮影、シーン別撮影といった機能に加え、画面タッチでオートフォーカスから撮影までを行なうタッチ撮影設定も利用できる。撮影時のフィルター機能は搭載していないが、ギャラリーからはAndroid標準の編集機能を利用した加工も可能だ。

撮影サンプル

 N-02Eなど同じ2012年冬モデルに搭載されている「SNSシェア」機能も搭載。シャッターボタンの上下左右4方向にアプリを割り当てることができ、撮影前にフリック操作でアプリを指定してから指を離すと画像が撮影され、指定したアプリへ自動で送られる。TwitterやFacebookへ写真を投稿したい、という時にアプリをSNSシェアに割り当てておくことで、手軽に写真を投稿できる。

SNSシェア機能

文字入力はATOKとT9をサポート。プリインアプリはシンプルながら充実

 プリインストールアプリは、ファイル管理アプリ「ファイルマネージャー」、Office文書に対応した「QuickOffice」、DTCP-IP対応のDLNAアプリ「DiXiM Player」、ワンセグとTwitterを併用できる「ついっぷるテレビ」といった機能を搭載。DiXiM Playerは最新バージョンの3.3ではなく3.1のため、DTCP-IP ダウンロード型ムーブには対応していない。

 文字入力はATOKに加えて、NEC製の携帯電話に搭載されてきた「T9入力」もサポート。ATOKの「ケータイ入力」、「ジェスチャー入力」、「フリック入力」、「2タッチ入力」とT9入力という合計5種類の文字入力方式から選択が可能になっている。

プリインストールアプリ
文字入力はATOKを搭載
ジェスチャーやフリックに加えてT9もサポート
キーボード

ハイスペック端末としても魅力の1台

 冒頭でも触れたとおり、Disney Mobile on docomoというブランドながら同シーズンの他機種に負けないほどの高いスペックに加え、Disney Mobile on docomo限定の動画コンテンツ、無料で利用できるディズニー公式スマートフォンアプリなどコンテンツ面でも非常に充実したN-03E。ディズニーブランドという特徴はもちろんのこと、全部入りのハイスペック端末としても選んでも魅力的な1台だ。

 同梱するワイヤレススクリーンボックスも、家庭内でスマートフォンをより活用するソリューションとして非常に優れている。HDMI出力機能を備えたスマートフォン自体は多いが、ケーブル接続の場合はどうしてもテレビと一定の距離内でしかスマートフォンを操作できず、リビングなどで楽しむには少々不便だ。

 映像をワイヤレス出力するという点でワイヤレスHDMIという規格も存在はするが、対応機器が高価だったり、ACアダプタが必要なモデルはケーブルの取り回しが不便だったりと、ワイヤレススクリーンボックスに比べると利便性は下がる。動画のワイヤレスソリューションとしてはコストパフォーマンスも含めて非常にすぐれているだけに、個人的には単体販売も期待したいほど魅力的に感じた。

 本体カラーも5色から選択でき、男性が持っても違和感のないカラーに仕上がっている。本体スペックの高さも含め、女性だけでなく男性にもお勧めしたいモデルだ。

(甲斐祐樹)