レビュー

「MEDIAS W N-05E」ファーストインプレッション

2画面液晶を搭載したAndroidスマートフォンの魅力

MEDIAS W N-05E

 「MEDIAS W N-05E」は、「W」の名の通り2つの液晶ディスプレイを搭載したAndroidスマートフォン。1画面時は通常のスマートフォンとして利用でき、2画面を利用することで異なるアプリを2つのディスプレイで同時に表示したり、2画面を1つの画面としてアプリを大画面で表示するといった使い方もできる、一風変わったコンセプトのスマートフォンだ。

 2画面ディスプレイのAndroidは、ソニーが「Pシリーズ」というタブレットを発売しているが、こちらは折りたたみ時に液晶が内側になる機構となっており、MEDIAS Wのように液晶が外側にある形状とは真逆の構造。海外では京セラも2画面の「Kyocera Echo」を発売しているものの、こちらは国内では発売されておらず、2画面ディスプレイのAndroidスマートフォンとしては国内で初となる。

 発売は4月中旬を予定しているが、今回は先行してお借りした開発中の端末を使用し、2画面を活用した機能を中心にレビューをお届けする。なお、端末の発売が2カ月近く先ということもあり、開発機の仕様は製品発売時に異なる可能性がある。

折りたたみ機構は完成度が高いが操作は慣れが必要

 折りたたんだ状態でのMEDIAS Wの本体サイズは約136×64×12.2mm、重さは約183g(開発中のスペック)。前面だけでなく背面も液晶ディスプレイになっているという機構を除けば、折りたたみ時の外観は他のスマートフォンとさほど変わらない。本体サイズが横幅が狭く縦に長い比率になっているため、手にするとスマートフォンというよりストレートタイプのフィーチャーフォンのような印象を受ける。

折りたたみ時の本体前面

 背面のサブディスプレイは、本体を開くかカメラの切り替えを行わない限りは利用できず、アプリの操作はメインディスプレイで行うのが基本となる。本体を片手で持つときは必然的に背面のディスプレイを人差し指で抑えることになるため、背面のディスプレイは非常に指紋で汚れやすい。2画面を積極的に使う場合は液晶クリーナーなどを別途用意したほうがよさそうだ。

本体背面

 折りたたんだ状態での本体左側にはイヤフォンジャックと音量ボタン、電源ボタン、本体上部にmicroUSBポートを搭載。本体右側が折りたたみのヒンジになっており、本体を開くとメインディスプレイの右側にサブディスプレイが並んで表示される形になる。

左側面にイヤフォンジャックと音量ボタン、電源ボタン
本体右側にヒンジ
本体上部にmicroUSBポート

 フィーチャーフォン全盛期には「折りたたみのN」と呼ばれるほど折りたたみ型の端末で人気を博したNECカシオの端末に、折りたたみの操作感は非常に心地よく快適。本体を広げた時の「カチリ」という音はまさにフィーチャーフォンの折りたたみ携帯のような感覚だ。ディスプレイのガタつきもなく、2画面ディスプレイの機構は開発機の段階ながらも非常に高いレベルにあると感じた。

左側面にはディスプレイを開くための凹みがある
中央の凹みに指を合わせてディスプレイを開く
右方向に本体を開くことができる
本体を開いたところ

 なお、MEDIAS Wの本体は操作の主体となるメインディスプレイではなくサブディスプレイ側に存在しているため、1画面の時は左側にあったボタン類は2画面時に右側へ移動してしまう。スリープ解除を行うための電源ボタンの位置が真逆になってしまうため、ボタンの位置を探すのに手間取ることもあった。

本体はサブディスプレイ側にある
ディスプレイを開いた時の背面
ディスプレイを開くとボタン類は本体右に移動する

 本体はメインディスプレイ側にあったほうが使いやすいのでは、と最初は思ったものの、本体のあるサブディスプレイ側を上にすると画面が開きにくく、右手のみで画面を開くには現在の仕様のほうが使いやすい。試行錯誤の上でこの形状になったのだと推測されるが、ボタンの位置変更は慣れが必要そうだ。

本体がサブディスプレイ側にあるため右手のみでも開きやすい

 慣れという点ではサブディスプレイのデザインも気になった。メインディスプレイとサブディスプレイはロゴやカメラの有無を除けばほぼ共通となっており、一見するとどちらがメインディスプレイかわかりにくい。ポケットやカバンから取り出した際、どちらがメインディスプレイか一瞬で見分けることができず、電源ボタンの位置を探すのに手間取ることが何度かあった。

スペックは必要十分。ワンセグや防水といった国産系機能は非対応

 スペック面ではOSにAndroid 4.1を搭載し、CPUは1.5GHz駆動のデュアルコアCPU「MSM8960」、内蔵ストレージは16GB、メモリは1GB。2012年冬モデルからハイエンドスマートフォンの主流となりつつあるクアッドコア、2GBメモリに比べると数値面では劣るものの、実利用では十分なスペック。今回試用した端末も開発中ということもあり画面切り替え時にアプリが強制終了するといった事象は時おり発生するものの、操作時のレスポンスは十分に快適で不満は感じないレベルだった。

 カメラはサブディスプレイ側に810万画素の裏面照射CMOSを搭載。カメラ機能の詳細は後述するが、自分撮りする場合はファインダー表示をサブディスプレイに切り替えることで810万画素のままインカメラとして利用するという、2画面を活かしたユニークな機構になっている。

 機能面では下り最大100MbpsのXiや最大10台まで接続できるテザリング、Bluetooth 4.0などを搭載。一方、ワンセグ、防水、赤外線通信、NOTTV、おくだけ充電といった機能は非対応。他のMEDIASシリーズには搭載されているDTCP-IP対応DLNAアプリ「DiXiM Player」もMEDIAS Wでは非搭載となる。

 バッテリー容量は2100mAhと2000mAh超の大容量バッテリーを搭載。バッテリーは取り外しが可能になっており、バッテリーを外した内側にmicroSDカードとminiUIMカードを装着する仕様になっている。

バッテリーは着脱式

2画面を活用することで5通りの使い方が可能に

 MEDIAS Wの2画面ディスプレイは、2画面をそれぞれ別のアプリとして利用する「ダブルモード」、2画面を1画面として利用する「フルスクリーンモード」、2画面にまったく同じ画面を映し出す「スタンドモード」の3種類が用意されている。また、フルスクリーンモードの場合、メールやブラウザなど一部アプリは2画面に最適化した表示にカスタマイズが行われているため、実質的には4通りの使い方が可能。ディスプレイを閉じて1画面のみで利用するシングルモードを含めると5通りもの利用方法が可能になっている。

シングルモード
ダブルモード
フルスクリーンモード

 2画面を利用したモードの中で、機能として最もシンプルなのが「スタンドモード」。このモードはサブディスプレイを180度すべて開くのではなく、90度程度に開いた状態で横置きにすることで、2人で向かい合って同じ画面を見ることができる。開発機ではYouTubeアプリがスタンドモードに対応しており、メニューの「Wムービー」ボタンを選択することで2画面に同じ動画を表示できる。2画面を利用した面白い機能だけに、ムービーだけでなく他のアプリでも使ってみたい機能だ。

右下のボタンからWムービーを利用できる
Wムービーの注意事項
WムービーでYouTubeを再生。操作メニューはメインディスプレイにのみ表示される

 サブディスプレイを180度回転し、メインディスプレイと左右並べた状態にすると、1画面のみだったシングルモードからダブルモードまたはフルスクリーンモードへと自動で切り替わる。ダブルモードとフルスクリーンモードはサブディスプレイの下部に表示できるボタンで自由に切り替えが可能なほか、初回起動時にどちらのモードを表示するかも設定画面から選択することも可能だ。

端末を開いた時にダブルモード、フルスクリーンモードどちらで起動するかを選択できる

「メインディスプレイ+α」のダブルモード

 ダブルモードは、左側のメインディスプレイに加えて右側に独自アプリ「Utility Apps」を表示するモード。右側に表示できるのはUtility Appsのみに限られており、2画面といえどそれぞれの画面に好きなアプリを表示できるわけではない点は注意が必要だ。

ダブルモード。右側に表示できるのは「Utility Apps」のみ

 Utility Appsは複数のアプリを内包した統合アプリとなっており、メモ、Webブラウザ、ギャラリー、スクリーンショットに加え、画面上の文字を画像認識によって検索できるMEDIASシリーズ独自の機能「タップサーチ」の5機能が利用可能。サブディスプレイ下部に用意された5つのアイコンからそれぞれの機能を呼び出せる。

タップサーチ

 Utility Appsのブラウザ機能はMEDIAS Wの標準ブラウザアプリとは異なる別アプリになっており、標準ブラウザで表示したWebサイトをそのままUtility Appsのアプリに表示することはできない。標準ブラウザには「Utility Appsでページを閲覧」というメニューが、Utility Apps側には「他のブラウザで開く」というメニューが用意されており、Androidのインテントを利用して新たにWebページを開くことで、お互いのブラウザを行き来できるようになっている。

ブラウザの比較。メインディスプレイの標準ブラウザはタブブラウザだが、Utility Appsはタブブラウザに対応していない

 Utility Appsのブラウザは非常にシンプルで、タブブラウザ機能は備えていないため同時に表示できるWebサイトは1つのみ。ブックマークは標準ブラウザと共通となっており、どちらか片方で登録したブックマークを別のブラウザで開くことができる。標準ブラウザ、Utility Appsブラウザともにオフライン機能も備えており、任意のページを保存してオフラインで閲覧することも可能だ。

それぞれのブラウザで表示したWebサイトはインテントでやり取りできる
ブックマークは別のディスプレイで表示

 ギャラリー機能はシングルモードと同じギャラリーをサブディスプレイで開くことが可能。メインディスプレイでブラウザなど他のアプリを操作しつつ撮影した画像を単体で閲覧できる。インテントを利用することでサブディスプレイで画像を確認しつつ、FacebookやTwitterなどに画像を投稿するといった併用が可能だ。

Utility Appsのギャラリー機能

 スクリーンショットはサブディスプレイではなくメインディスプレイのみを保存する機能。サブディスプレイも含めてスクリーンショットを撮影したい場合、Android 4.0から標準機能として搭載されている電源ボタンと音量下ボタンの同時押しで撮影が可能だ。

 メモ機能はシンプルなテキストエディタ機能に加え、保存したスクリーンショットやWebサイトを一元管理できる。作成したメモはインテントを使ってメールなど他のアプリへ引用できる。また、ブラウザなどで選択した任意のテキストを、インテントを使ってUtility Appsのメモに保存するといった連携も可能になっている。

Utility Appsのメモ機能
ブラウザからメモへの保存や、メモをアプリへインテントする連携が可能

 2画面ということで「メインディスプレイには地図を起動しつつ、サブディスプレイではTwitterやLINEでコミュニケーション」といった自由な使い方を想像するかもしれないが、前述の通り利用できるのはUtility Appsのみのため、利用範囲はかなり制限される。ブラウザからログインできるFacebookやTwitterであればアプリと併用できるが、ブラウザに対応していないLINEは利用できない。2画面というよりも1画面プラスアルファ、という認識がよいだろう。

高解像度ながらアプリによって向き不向きがあるフルスクリーンモード

 フルスクリーンモードはメインディスプレイ、サブディスプレイを1つのディスプレイとして利用する機能。1つのディスプレイは540×960ドット(QHD)だが、2つを合わせることで約5.6インチ、1080×960ドットの大画面ディスプレイとして擬似的に利用できる。

2画面を1画面として1080×960ドットの解像度でブラウザを表示できる

 「擬似的に」いう言葉を使ったのは、実際の1画面とは視認性が異なるためだ。メインディスプレイとサブディスプレイは両端に縁が存在するため、フルスクリーンモードにした場合にはメインディスプレイとサブディスプレイの境界が1つの黒い線となって画面を分割してしまう。

 画面サイズ自体は非常に大きく見やすい一方、画像や動画などは表示が分断されてしまうため、視認性は1画面より劣ることもある。テキストであればさほど分割もさほど気にならないが、テキストだけでなく画像も使われるブラウザでは、画面の中心に画像が来たときに同様の課題が発生する。

フルスクリーンモードでケータイWatchを表示。キャプチャではわからないが、実際には2つのディスプレイの縁が境界線となりサイト表示を分断する
YouTubeをフルスクリーンモードで表示。ブラウザよりも境界が目立つ

 一方、地図アプリであれば中央の分断もさほど気にならず、広範囲の地域を一度に確認できるので便利。ブラウザも前述のような問題はあるものの、本体を横持ちして分断を横方向にすることで、縦の分断よりは見やすいブラウジングが可能だった。

Googleマップ。左右ディスプレイのつながりが動画ほどは気にならない
横持ち時はディスプレイの境界が文字の方向と並行になるため違和感は薄まる

 フルスクリーンモードと相性が良いと感じたのは電子書籍。いくつかの電子書籍アプリでは、左右それぞれにページを表示できるため、まるで文庫本のような感覚で書籍を読み進められる。ただし、電子書籍アプリのフォントサイズによっては画面中央で文字が分断されてしまうこともあり、文字が読みにくくなるケースもあった。

「Reader Store」で電子書籍を表示
「Booklive」はフォントサイズ次第でテキストが中央に表示されてしまう
Kindleもフォントサイズ次第でテキストが分断される

 また、多くの電子書籍アプリではコミックが画面の中央に表示されるためこちらも画面が分断されて読みにくい。Kindleは左右それぞれにコミックのページを表示するものの、なぜかコミックの左右がカットされてしまい、正しい表示で読むことができなかった。アプリ側の問題か端末側の問題かはわからないが、改善を望みたいポイントだ。

Bookliveのコミック表示。コミック1ページが中央に表示される
Reader Storeのコミック表示。同様に1ページを中央に表示
Kindleはコミックを左右に表示できるが両端が切れてしまう

 文字入力は2画面用にカスタマイズされており、10キーモード時には数字キー、日本語と英文字を入力できるキーボードを分割して表示。キーボードの左右入れ替えも可能なほか、2画面を横断してQWERTYキーを表示するモード、左右それぞれに入力エリアを設けた手書き入力モードなども用意されている。

キーボードは2画面用にカスタマイズ
左下のキーボードボタンからキーボード種別を切り替え
QWERTYキー
手書き入力
キーボードの縦幅や横幅は自由に変更できる

 両手持ちの際は文字切り替えの頻度も少なくて済むため便利な機能だが、片手で持っている時は反対側のキーを押すために指を伸ばすのが大変。地図を見ながら移動する時などは片手で持つことも多いため、フルスクリーンモードでも片手で操作できるキーボード配列も欲しいと感じた。

フルスクリーン用にカスタマイズされた一部アプリは分割表示に対応

 フルスクリーンモードでは、前述の通り一部アプリが専用にカスタマイズされており、1つのアプリを分割して表示し、左右のディスプレイで使い分けることができる。

 メールアプリは左側のメインディスプレイにメール一覧を、右側のサブディスプレイにメールの内容を表示し、返信の際には右にメール作成画面、左側には返信するメールの内容を表示することで、返信したいメールを参照しながら新規メールを作成できる。ただし、この2画面表示に対応しているのは独自のメールアプリのみでGmailの場合は1画面として表示される。また、spモードメールは端末が開発中のため動作しなかった。

「メール」アプリはメール一覧とメールの内容を別ウィンドウで同時に表示
受信メールを参照しながらメールを作成できる
Gmailアプリは2画面分割に対応していない

 設定画面もメールと同様、左側に項目、右側に内容を表示できるため操作がわかりやすい。Androidタブレットは同様の操作が可能になっているが、通常はスマートフォンサイズながらも2画面にすることでタブレット並みの画面サイズを実現できるMEDIAS Wならではの機能だ。

設定画面も項目と内容を分割して表示できる

 ブラウザはNECのタブレット「MEDIAS TAB UL N-08D」にも搭載されている「デュアルタブブラウザ」がMEDIAS W向けにカスタマイズされた形で搭載されている。2画面を合わせて1画面として表示できるだけでなく、画面左上のアイコンからブラウザを2つに分割し、それぞれのディスプレイで表示することが可能だ。

フルスクリーン時のブラウザ
2画面それぞれにブラウザを分割して表示できる
縦表示のほか横表示でも分割できる

 MEDIAS TAB ULの場合、2画面表示できるのは縦に2画面のみだったが、MEDIAS Wは縦持ち時は左右に、横持ち時は上下にそれぞれブラウザを表示できる。片方のブラウザではFacebookやTwitterを開きながらもう片方でWebサイトを閲覧するなど、1画面では実現できない使い方が可能。タブを長押しタブを長押しして表示されるメニューから、タブをもう1つの画面に移動することもできる。

タブ長押しでもう片方の画面へ移動できる

 ブックマークも2画面用にカスタマイズされており、1画面で利用している場合は左側にブラウザ、右側にブックマークを分割して表示。デュアルタブブラウザで利用している場合、ブックマークを選択した画面とは反対側にブックマークを表示し、Webサイトを表示したままブックマークを確認できる。また、Webサイトを開いているディスプレイからブックマーク側のディスプレイにフリック操作することで該当のWebサイトをブックマークすることも可能だ。

ブックマークは反対側のディスプレイに表示
フリック操作でブックマークの登録が可能

 ギャラリーも2画面表示用にカスタマイズされており、フルスクリーン全体にサムネイルを表示する形式のほか、片方のディスプレイにサムネイル、もう片方に選択した画像を表示するという分割表示にも対応。縦持ち時には左側にサムネイル一覧、右側に写真を横持ち時には上側に写真、下側にサムネイルを表示することで、撮影した画像を一覧で確認しながら選ぶことができる。

ギャラリーは片方にサムネイル一覧、もう片方に画像を表示できる
画面全体のサムネイル表示も切り替え可能

 フルスクリーンモードの場合、1つの大きな大画面として利用しようとすると前述の通りディスプレイの間の縁がどうしても気になってしまうが、1つのアプリをうまく2画面で分割して使う場合には非常に効率よく便利に使いこなせると感じた。NECカシオ独自のカスタマイズが行われているメールやブラウザ、ギャラリーなどはどれも2画面ならではの使いやすさが実現されており、こうした2画面用アプリの拡充も期待したい。個人的にはGmailアプリも2画面表示に対応して欲しいところだ。

MEDIASシリーズおなじみのカメラや文字入力機能を搭載

 2画面を活用した機能だけでなく、スマートフォン本来の機能も触れておこう。なお、繰り返しではあるがいずれの機能も開発中のため、製品版と異なる可能性があることはあらかじめ理解しておいてほしい。

 文字入力はATOKをベースにT9をサポートするNECカシオならではの仕様。前述の通り2画面用のカスタマイズも行われており、ATOKの変換候補の優秀さも手伝って非常に使いやすい。

文字入力はT9に対応した独自のATOKを搭載

 カメラはサブディスプレイ側のみ810万画素のCMOSを搭載。通常は1画面で撮影し、自分撮りのときはサブディスプレイに切り替えるか、2画面にすることで撮影できる。せっかくの2画面を利用して大きな画面でカメラを使いたいところではあるが、そうするとメインディスプレイ背面にカメラを配置する必要があるため、機構的に難しいのだろう。

カメラ機能の画面インターフェイス

 カメラ機能はNECカシオの他機種と同様、撮影画像を指定アプリに送れるSNSシェア機能、タッチした瞬間に撮影できるクイックショットといった機能を搭載。撮影した写真はやや白っぽい印象を受けるが、このあたりは製品時までのチューニングで大きく変わる部分のため、あくまで参考程度として欲しい。

シャッターボタンを押して上下左右にフリックすることで指定アプリに画像を送ることができる「SNSシェア」
カメラ機能
作例
作例
作例

 通知パネルに各種設定を割り当てられる機能スイッチのカスタマイズや、加速度センサーを利用して持ち主が立ち止まったことを感知し、再度通知を行う「通知リマインダー」機能といった機能、省電力のecoモードなどNECカシオモデルならではの機能も搭載。同時に発表された「MEDIAS X N-04E」に搭載されているブルーライトカット機能にも対応している。Officeアプリ「QuickOffice」、ファイラーアプリ「ファイルマネージャー」など、ビジネス用途でも使いやすいアプリがプリインストールされている。

通知パネルは機能スイッチや通知リマインダー機能などを搭載。ブルーライトカットも機能スイッチから切り替えられる
機能スイッチのカスタマイズ画面
省電力のecoモード
QuickOfficeやファイルマネージャーをプリインストール

 なお、他のMEDIASシリーズで搭載しているDTCP-IPソフト「DiXiM Player」はMEDIAS Wでは搭載されていないが、別途「Twonky Beam」をインストールすることでDTCP-IPには対応可能。nasneなどDTCP-IP対応レコーダで録画した番組を、宅内のネットワークでストリーミング再生することができた。

「Twonky Beam」でDTCP-IP経由での動画再生が可能

1画面をより便利に使いこなすための2画面。今後の完成度向上に期待

 前面と背面に2つの液晶ディスプレイを搭載したスマートフォン、という特長だけを見ると非常に奇抜な端末に思えるMEDIAS Wだが、実際に使った感想はまったく異なる。単に2画面の液晶を搭載しただけという投げっぱなしの仕様ではなく、2画面をいかに有効活用するかという配慮が細部まで行き届いていると感じた。

 レビューでも触れた通り、MEDIAS Wの2画面ディスプレイはユーザーが好きなアプリを自由に使えるわけではない。フルスクリーンモードは解像度こそタブレット並みだが中央に境界があるため画像や動画の視聴にはやや難がある。また、2画面を別々に操作できるダブルモードも、サブディスプレイはUtility Appsに固定されているため自由度はさほど高くない。

 こうした特性を理解した上で利用するのであれば、MEDIAS Wの2画面は非常に魅力的。2画面用にカスタマイズされたメールやブラウザ、ギャラリーは1画面のスマートフォンよりも格段に使いやすく、メインディスプレイの補完的な存在であるUtility Appsも、必要最低限の機能ながらメイン画面を有効に使うための機能が取りそろえられていると感じた。スタンドモードのような一風変わった機能もあり、自分だけでなく友達と一緒に使っても楽しい。

 実際の発売は2カ月先で、現状の仕様も製品時には大きく変わる可能性もあるというが、実際に使ってみた感じではすでに十分な完成度と感じた。2画面の特性を理解した上であれば非常に便利に活用できるだろう。製品発売までの2カ月間は、2画面を活用したアプリの拡充や、電子書籍アプリの表示崩れなどの対応を進めることで、より完成度が高まることを期待したい。

(甲斐祐樹)