レビュー

ドコモ最新4機種の実力検証

【バッテリー対決編】サイクリング、どこまで走れる?

 ドコモ夏モデルの“ツートップ”であるソニーの「Xperia A SO-04E」とサムスンの「GALAXY S4 SC-04E」が、ダントツの出荷台数を記録しているという。でも、夏モデルの他の機種もそれぞれに個性的で魅力があるし、機能や性能でツートップに劣っているようにも見えない。

 であれば、実際に比較してみるとどうなのだろう、というのが本企画。ツートップの2機種にシャープの「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」と富士通の「ARROWS NX F-06E」の“トップ下”2機種を加えた計4機種を同時に使って、どんな違いがあるのか明らかにしていこうと思う。

ドコモの夏モデル4機種

ナビ機能を連続使用で、電池はどれくらいもつか

 というわけで、第1回目は、4機種の電池の持続時間を比較することにした。ドコモでは夏モデルからスペック表に“実使用時間”を記載するようになったが、これはWeb、メール、動画、音楽など、特定の機能を一定時間使用するものと想定した際の値とされる。ある程度目安にはなるが、必ずしもユーザーの利用実態に完璧に沿っているわけではないし、連続して端末を使ったらどうなるのか、というのは見えてこない。

 たとえばGoogleマップのナビ機能を使ってサイクリングしたら、電池切れまで一体どれくらい走れるのだろう? 単純に電池容量の差で決まってしまうのだろうか。これは試してみないとわからない!

機種名 電池容量
Xperia A SO-04E 2300mAh
GALAXY S4 SC-04E 2600mAh
AQUOS PHONE ZETA SH-06E 2600mAh
ARROWS NX F-06E 3020mAh
マウントとスマートフォンでぎっしりのハンドル周り

 せっかくサイクリングするなら、目的地は海がいい。真夏はまだもう少し先だけども、梅雨が明けてしまうと海水浴客でごっちゃごちゃになる。梅雨の時期にもかかわらず、空梅雨なのか6月18日は都合よく晴れの予報。その翌日の19日からはまた雨になりそうだ。だったら今行かなくていつ行くのか?

 雨ざらしにしていたせいですっかりさび付いた自転車を急いで修理に出し、4台のスマートフォンをハンドル周りに取り付けるためのマウントキット類をかき集め、翌18日の朝、出発することにしたのである。

 なお、電池持ちの比較をするにあたって、各端末の使用・設定条件は以下の通りとした。

  • 各端末が独自に備える省電力に関わる機能はオフ
  • 手動で起動するのはGoogleマップのナビ機能のみ
  • 画面の明るさは最大、自動調整なし
  • ただしGoogleマップのナビ機能の設定では自動調光を有効に
  • GPSとWi-Fiのみオンにし、その他自動同期などの機能はすべてオフ
  • ソフトウェア更新とプリインストールアプリのアップデートは行っている
  • ホームアプリはdocomo Palette UI
  • その他の設定は初期状態のまま
  • ナビで指示された通りに走る

調布〜よみうりランド

【8:25 出発】
 自宅は調布、Jリーグの試合などが行われる味の素スタジアムの近くにある。ここからほぼ真っすぐ南下すれば海に、しかも日本有数の観光地である江ノ島にたどり着ける。

 事前の予想では、常時ナビを使いながら走行した場合、電池はだいたい3時間くらいはもつんじゃないか、と思っていた。海までの距離は48kmあるけれど、時速16kmといういい感じのペースで走ることができれば、ちょうど3時間で着く計算だ。間に軽い休憩を入れても途中でペースを上げれば十分間に合うだろう……(というのは後で大きな間違いだったことに気づいたが……)。途中で電池が切れたら道がわからなくなる問題は、とりあえず考えないことにした。

 そんなわけで、朝の準備に手間取り(つまり寝坊した)、中途半端な8時25分、江ノ島へ向かって出発したのである。

自宅前から江ノ島方向は、ほぼ真南。距離は48kmと出た
爽やかな青空の下、出発!
休日にはサイクリストや野球少年らであふれる多摩川も、平日の朝は静かなもの

【8:40 多摩川】
 15分ほど走って多摩川に到達。スクリーンショット左下の到着予想残り時間が2時間あまりとなっているが、これはクルマでの走行を基準にしたもの。実際にはもう少しかかるはずだ。

【8:50 さっそく急坂に悶える】

よみうりランド手前は心臓破りの峠道

 最初の難所、よみうりランド手前の急坂。運動不足の身体にはかなりこたえる。まだ出発から30分もたっていないのに膝がプルプルしている。酸素も足りない。

【8:55 第1回途中経過報告】

息も絶え絶えに、コンビニエンスストアに到着
現在地

 写真撮影しながら呼吸を整え、なんとか頂上にあるよみうりランド前のコンビニエンスストアにたどり着く。ちょうど30分経過したので各端末の電池状態をチェック。スクリーンショット取得などの操作にちょっぴり時間がかかってしまうので、数分の時間差が生まれてしまうのはご了承いただきたい。

AQUOS PHONE ZETA SH-06E
ARROWS NX F-06E
GALAXY S4 SC-04E
Xperia A SO-04E
順位 機種名 電池残量
1 AQUOS PHONE ZETA SH-06E 87%
2 ARROWS NX F-06E 86%
3 GALAXY S4 SC-04E 85%
- Xperia A SO-04E 85%

 ここまではAQUOS PHONE ZETAが残量87%でトップ。しかし他とは1〜2%しか差がなく、まだまだ勝負の行方はわからない。

よみうりランド〜江ノ島

(9:25 第2回途中経過報告)

コンビニで再び休息しつつ電池チェック
現在地

 よみうりランドからは下りが続き、体力も回復。快調に飛ばしてさらに30分が経過したところで再びコンビニエンスストアが現れた。

ARROWS NX F-06E
AQUOS PHONE ZETA SH-06E
GALAXY S4 SC-04E
Xperia A SO-04E
順位 機種名 電池残量
1 ARROWS NX F-06E 77%
2 AQUOS PHONE ZETA SH-06E 76%
3 GALAXY S4 SC-04E 75%
4 Xperia A SO-04E 74%

 ARROWS NXが77%で、AQUOS PHONE ZETAを逆転しトップに立ったが、それでも最下位のXperia Aとはわずか3%の差しかなく、順位の入れ替えは続きそうな予感。

右上の“LTE”アイコンの左にあるものが「持ってる間ON」が有効になっていることを表すマーク

【09:33 「持ってる間ON」が有効になっていた……】
 ここでふとARROWS NXの画面に目をやると、以前ARROWS Xを使っていたときによく見たアイコンが光っているのに気がついた。端末独自の機能はすべてオフにしていたつもりなのだが、端末を手で持っているかどうかを認識してディスプレイのオン・オフを切り替える「持ってる間ON」の機能をオフし忘れていたらしい。とんだミスである。

 「持ってる間ON」の設定に関わらず、画面は常時点灯状態で使用しているので、問題はセンサーの処理にどれくらい電池を消費しているかだが……。今から引き返してやり直すのも気力・体力的に難しい。もしこれが結果に大きく影響を与えそうであれば、日を変えてもう1往復するしかない、と腹を括り、前に進むことにする。

【10:25 第3回途中経過報告】

1時間走行に集中して距離を稼げたか?
現在地

 よみうりランド前で予想外の急坂に遭遇したり、撮影などに手間取ったこともあって、思ったようにペースが上がっていない。1時間半ほど走っているのにサイクルコンピュータの示す走行距離は20km程度。いったん30分ごとの計測はやめ、走行に集中し、前回から1時間経過したところで電池残量をチェックした。

ARROWS NX F-06E
Xperia A SO-04E
AQUOS PHONE ZETA SH-06E
GALAXY S4 SC-04E
順位 機種名 電池残量
1 ARROWS NX F-06E 55%
2 Xperia A SO-04E 52%
3 AQUOS PHONE ZETA SH-06E 51%
4 GALAXY S4 SC-04E 51%

 3020mAhの実力だろうか、それとも「持ってる間ON」をオフにしたためか、ARROWS NXが残量55%と、誤差ではない明らかな違いが出始めた。この中では最も容量の少ない2300mAhのXperia Aが、意外にも健闘して現時点で2位。

【10:55 第4回途中経過報告】

江ノ島まで14km。あともう一息
現在地

 江ノ島が標識にも現れ、いよいよ海が近づいてきたことを実感する。残り14kmというところで前回チェックから30分経過したので、電池残量をチェック。

ARROWS NX F-06E
Xperia A SO-04E
GALAXY S4 SC-04E
AQUOS PHONE ZETA SH-06E
順位 機種名 電池残量
1 ARROWS NX F-06E 47%
2 Xperia A SO-04E 43%
3 GALAXY S4 SC-04E 41%
4 AQUOS PHONE ZETA SH-06E 40%

 どの端末も50%を切って心細くなってきたが、ARROWS NXがここでもトップを堅持。AQUOS PHONE ZETAとGALAXY S4の順位が入れ替わったものの、1%ではほとんど誤差の範囲かもしれない。

【11:25 第5回途中経過報告】

藤沢近辺の交差点。ゴツイハンドル周りに注目する人々のことを気にする余裕はもうない
現在地

 蒸し暑さもあり、疲労はかなり蓄積してきているが、なんとか藤沢付近に到達。おそらくこれが江ノ島に着く前の最後の電池チェックになるだろう。

ARROWS NX F-06E
Xperia A SO-04E
GALAXY S4 SC-04E
AQUOS PHONE ZETA SH-06E
順位 機種名 電池残量
1 ARROWS NX F-06E 34%
2 Xperia A SO-04E 31%
3 GALAXY S4 SC-04E 27%
4 AQUOS PHONE ZETA SH-06E 25%

 あいかわらずARROWS NXが首位を守り続けるも、電池容量の少ないXperia Aの健闘具合がすごい。AQUOS PHONE ZETAはIGZOディスプレイの効果が思うように発揮できていないのか、2回連続で最下位に沈む。頑張れIGZO。

江ノ電のレールを颯爽と横切る

【11:38 江ノ電の線路を通過】
 江ノ電のレールが走る最後のカーブを抜け、海へ一直線。もう少しで海が見える。

江ノ島だ!

【11:40 到着】
 3時間15分もの長丁場を走り抜き、ついに海岸へ。走行距離は48km余りで、平均時速は約14.9kmということになる。目標としていた平均時速16kmには及ばなかったが、それにしてもすべての機種で電池切れになることもなく、目的地までしっかりナビを使えたのはすばらしい。予報では気温が30度に達するとのことで、時には厳しい日差しが降り注いだが、温度上昇の警告などは一切表示されなかった。

サイクルコンピュータが示していたのは48.37km
現在地
ARROWS NX F-06E
Xperia A SO-04E
GALAXY S4 SC-04E
AQUOS PHONE ZETA SH-06E
順位 機種名 電池残量
1 ARROWS NX F-06E 30%
2 Xperia A SO-04E 25%
3 GALAXY S4 SC-04E 21%
4 AQUOS PHONE ZETA SH-06E 20%

 電池残量はARROWS NXが唯一の30%台で今のところ首位。電池容量からは考えられないほどの頑張りを見せているXperiaが、5%の差で2位となり、GALAXY S4とAQUOS PHONE ZETAは、またしても1%の争いとなっている。

江ノ島〜フィニッシュ

今度は来た道を引き返す

【11:46 復路出発】
 さて、当初の目的通り海を見ることができたので、今度は自宅へ向けて出発である。海で泳ぎたいとか、江ノ島でお土産を買いたいとか、海辺のレストランでゆっくりランチしたいとか、新江ノ島水族館でイルカのショーを見たいとか、そんなことはひとつも思ってなんかいない。

AQUOS PHONE ZETAが残量15%を切った地点

【11:56 AQUOS PHONEが警告を発する】
 引き返し始めてから10分、最初に電池残量が15%を切ったという警告を発したのはAQUOS PHONE ZETAだった。IGZOディスプレイの省電力特性は、ナビのように動き続ける画面にはやはり効果が薄いのだろうか。

GALAXY S4が残量15%を切った地点

【11:57 すかさずGALAXY S4も】
 そのわずか1分後、今度はGALAXY S4が15%切りの警告。電池容量がAQUOS PHONE ZETAと同一ということもあるのか、このままだとほとんど同じタイミングでストップしそうだ。

Xperia Aが残量15%を切った地点

【12:10 Xperia Aの息が上がる】
 その後しばらくは何事もなく北上を続けるが、正午を回った12時10分、ついにXperia Aも残量15%未満に。

ARROWS NXが残量15%を切った地点

【12:12 ARROWS NXもいよいよ残量が少なくなる】
 2分後、ARROWS NXも残量15%を切った。海岸到着時にはXperia Aとは5%もの差があったはずなのに、かなり差を詰められた感がある。これはむしろXperia Aのスタミナをほめるべきだろう。

現在地

【12:20 いきなりGALAXY S4が……】
 さて、次は残量5%を切った時に再度警告が出るはずである。そう思って一生懸命ペダルをこいでいたところ、突然GALAXY S4の画面が真っ暗になり、沈黙。何が起こったのかわからずボタンを押しまくるも、反応はない。スタートから3時間55分、GALAXY S4は5%切りの警告を発することなく、不意に電池切れを迎えたようである。無念の最下位。

 一方、GALAXYと1%の争いを繰り広げていたAQUOS PHONE ZETAは、15%切り以来平静を保っている。

完全に沈黙したGALAXY S4
気を取り直して3台で再スタート
現在地

【12:23 進撃のAQUOS PHONE ZETA】
 AQUOS PHONE ZETAが残量5%切りとなった。しかし、AQUOS PHONE ZETAは、ここからさらに想像もしなかった驚異の粘りを見せてくれることになるのである。

AQUOS PHONE ZETAが残量5%を切る
現在地

【12:35 Xperia Aも5%を切る】
 AQUOS PHONE ZETAから遅れること11分、Xperia Aが5%切り。ARROWS NXには及ばないかもしれないが、このまま順当にいけば2位は確実だろう、と思っていたのだが……。

Xperia Aが残量5%を切る
現在地

【12:45 AQUOS PHONE ZETAが……と思いきや】
 てっきり次に電池切れを迎えるのはAQUOS PHONE ZETAだと思っていた。しかし、電池表示が赤い打ち消し線状態であるにもかかわらず、しぶとく画面を表示し続ける。ひたすら健気に画面を表示し続ける。そうこうしているうちに、なんとXperia Aがシャットダウン。スタートから4時間20分、2300mAhの比較的小さな電池容量ではあったが、GALAXY S4よりも長持ちしてフィニッシュした。

電源が切れたXperia A
また1台減り、2台で再スタート
現在地

【12:52 AQUOS PHONE ZETAがついに電池切れを迎える】
 残量4%からの驚異的な粘りを見せつけたAQUOS PHONE ZETAも、電池切れへ。残量がわずかになると最適化処理みたいなものが働く仕組みになっているのだろうか、と思えるような健闘っぷりで、スタートから4時間27分、フィニッシュとなった。

AQUOS PHONE ZETAが最後に見せ場を作った
さらに減り、最後の1台となった

 その直後にARROWS NXも残量5%切り。あとはどこまで記録を伸ばせるか、だけである。

ARROWS NXも残量5%を切る

【13:03 ARROWS NXがバッテリー対決を制する】
 国道246号線まであと少しというところで、ARROWS NXも電池切れとなった。スタートしてから4時間38分、走行距離にしておよそ68km。圧倒的、とまではいかないが、大容量の電池をもつARROWS NXがナビでは最も長持ちする、ということがここに判明した。

今回のバッテリー対決を制したARROWS NX F-06E
距離は68kmを超えた
スマートフォンもそうだが、自転車もよく働いてくれた
各端末の電池切れ地点
最終順位 機種名 走行時間
1 ARROWS NX F-06E 4時間38分
2 AQUOS PHONE ZETA SH-06E 4時間27分
3 Xperia A SO-04E 4時間20分
4 GALAXY S4 SC-04E 3時間55分
味の素スタジアムに到着したのは15時過ぎ。膝とお尻、日焼けした顔や腕が痛い

【15:08 帰着】
 その後さらに2時間かけ、なんとか自宅近くの味の素スタジアムに到着。走行距離はおよそ98km。

 次回の検証にも乞うご期待! でも、しばらく自転車に乗るのは遠慮したい気分である。

(日沼諭史)