レビュー

「ドコモメール」ファーストインプレッション

ついにスタート、クラウド対応でどうなった?

 24日、NTTドコモのスマートフォン向けメールサービス「ドコモメール」がいよいよ利用できるようになった。今回は、その使い勝手をスクリーンキャプチャを交えながら紹介しよう。

クラウドになったメールサービス

 これまでも「spモードメール」として利用できたメールサービスだが、スマートフォンやタブレットの広がりなどから、新たにクラウドに対応。メール本文がサーバー上で保存されるようになった。また当初、動作がもたつき、不安定な挙動などから厳しく評価されていた「spモードメール」アプリも、「ドコモメール」用に一新され、メニューなどが変更されている。

 当初は、これまでのメールと同じような使い勝手だが、クラウド化することでバックアップが基本的に不要となり、機種変更後も新しい端末でこれまでのメールデータにすぐアクセスできるようになる。さらに今後はパソコンやタブレットなどからの利用、そしてドコモメールアプリ以外からの利用が可能になる予定だ。対応機種はAndroid 4.0以降。ちなみにiPhone 5s/5cは、12月中旬から利用できるようになる。

ドコモメールの特徴

メール本文がクラウド上に保存(端末内にも保存可)
機種変更時のメールデータ転送が不要に
メール保存容量は最大1GB/2万件
Webメール対応(12月、パソコンやタブレットのブラウザで利用可能に)
IMAP対応(2013年度中、パソコンなどのメールアプリで利用可能に)
迷惑メールおまかせブロック(12月)

 Webメール対応、そしてIMAP対応になることで、手元のスマートフォンだけではなく、パソコンなどから利用できるようになる。ドコモでは、11月13日に、「docomo ID」の発行サイトをオープンする。ここでdocomo IDを取得するとパソコンなどから、ブラウザやIMAPメールアプリを使って「ドコモメール」を利用できるようになる。ドコモでは他キャリアユーザーでも各種サービスを利用できるよう、「docomo ID」を本格的に整備する構えだが、「ドコモメール」についてはドコモ回線が必須のサービスという位置付け。ドコモ回線があれば、他キャリアのスマートフォンからでも利用できる。

容量が上限に達したら? spモードメールのデータは?

 実際に利用し始めて、わかったことやドコモに確認して判明したことをご紹介しよう。

 まず基本的な考え方として「ドコモメール」はクラウド対応になって、メールデータは「クラウドに保存」になる、という点が一番大きな変化だ。

 ドコモメールの受信BOXには、「クラウド」「ローカル」という2つのタブが用意されているが、spモードメール時代のメールや外部メモリカードに保存したメールは「ローカル」にあり、「ドコモメール」にアプリを切り替えて以降は全て「クラウド」にメールがある。ローカルのデータをクラウドへアップロードすることはできないが、自分宛に転送すれば、クラウド側にメールデータが保存されることになる。

こちらはローカルタブ、フォルダ構成はクラウドタブ側と同じ
メール振り分けルールも引き継がれる

 保存容量は最大1GB/2万件で、上限に達すると古いデータから削除される。保存しておきたいメールは、これまでのメールと同じく保護すればいい。

 spモードメールのデータはローカルタブからアクセスできる。またspモードメールアプリで作成したフォルダ、メール振り分けの条件は、そのまま「ドコモメール」へ引き継がれる。

一時的なキャッシュも可能

 「メールデータがクラウド」ながら、ローカル、つまりスマートフォン内にメールデータを自動的に取得して、キャッシュすることもできる。その件数は「0件」「300件」「1000件」「5000件」「全て」のいずれかから選択可能だ。ちなみにメールの差出人やタイトルといった情報は常に端末内にある。

 キャッシュ件数を0件にしていた場合でも、一度目にしたメールは、1週間、端末内でキャッシュされる。

 この設定は、先述した通り、自動的に取得する件数だ。つまり、0件にしていると、圏外ではメール本文を閲覧できない。一方、300件以上のキャッシュを指定していた場合、メールが届くと本文もあわせて取得してキャッシュするため、圏外でも閲覧できる。

本文保持件数設定
キャッシュ0件の設定時にメール通知を受信。本文を見る前に、モバイル通信やWi-Fiをオフにしてから閲覧しようとしてもメール本文が表示されない
通信をONにして再読込すると本文を取得

写真で見るドコモメール

インストール時の画面。今回は「ELUGA P」の設定メニュー→「ドコモサービス」から更新した
検索機能を搭載
フォルダ一覧をタップしたところ
メール作成画面
他のアプリとの連携も可能。デコメール作成アプリなどがある
通知バー上のメール通知。タップすると直接そのメールが表示される
受信BOX
メール本文
ローカル内のメール一覧。spモードメールで受信していたものだ
デザインを変更できる。最初は「スタンダード」のみ
メールにフラグを設定できる
フラグを立てたメールがあるフォルダにもマークが付く
フォルダ上の旗をタップするとフラグを立てたメールだけ表示される
フラグに関する設定
フォルダ一覧でのサブメニュー
設定メニュー

スムースな動作には満足、わかりにくいところも

 一通り利用したところ、「ドコモメール」はスムーズに動作しているという印象だ。個人的には、ユーザーインターフェイスがすっきりして見やすくなり、メール受信時に通知バーから直接メールへアクセスできるなど便利になった点は素直に評価したい。機種変更時の手間も省けるし、仮に端末を紛失してもメールは残り続ける。これからマルチデバイスに対応するということで、さらに便利になりそうだ。

 ドコモメールは、当初1月にスタートする予定だった。また、機種によってドコモメールが利用可能になる時期にばらつきがあり、来年まで利用できない機種もある。こうした点から、ドコモメールに対して厳しい視線を向ける人もいる。そうした批判は確かにその通りで、特に今後の対応機種の広がりについては、スピーディな進捗を望みたい。その一方で、メールというサービスに万全を期すというのもユーザーとして求めたい品質レベルであり、全ての機種で準備が整うのを待つよりも準備ができた機種から利用できるのはありがたい、というのも偽らざる気持ち。

 またこれからは、さらにスマートフォンユーザーが増加し、初めてのスマートフォンで「ドコモメール」に触れる人もいるだろう。「クラウド」「ローカル」という2つのタブの存在は、これまでのメールサービスにはないだけに、戸惑う人も少なくないはず。そしてspモードメールと比べてこれまでと何が違うのか伝わりにくいし、「クラウド」はもちろん「フラグ」や「アプリ連携」など、どの機能で何ができるのか、ちょっとわかりにくい。店頭やWebサイトなどでは、もう少し丁寧な紹介が欲しいところで、入門編のようなコンテンツもあればいいかもしれない。

 LINEに代表されるメッセージングアプリ、あるいはTwitterやFacebookなどのソーシャルサービスなど、キャリアメールを利用せずにコミュニケーションする人々は増え続けている。キャリアメールはもう古いサービス、と見なす人もいるだろう。ただ、世の中の全ての人がスマートフォンへ移行するわけではない。筆者自身、身の回りの友人、知人とのやり取りでは、LINEやFacebookだけではなく、まだまだメールを活用している。「ドコモメール」関連の記事に対するソーシャルサービス上の反応も多い。スマートフォンでもフィーチャーフォン、パソコンで利用できるメールサービスは、ある種、ユニバーサルな存在であり、誰もが安心して、気兼ねなく使えるよう高い品質が求められる。ドコモメールの今後の進化にも期待したい。

(関口 聖)