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新料金プランが次々登場、各社のプランはどう違う?

通話定額、データシェアやギフト……特徴をチェック

 2014年夏、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社が、いずれも通話定額に対応した、新たな料金プラン、そして新しい形のデータ定額サービスを発表、利用できるようになった。ドコモは「カケホーダイ&パケあえる」、auは「カケホとデジラ」、ソフトバンクは「スマ放題」という名称で、既にドコモとソフトバンクは提供をスタートし、auはまずキャンペーンが提供され、その後8月13日から本格的に提供される。

 サービス名称はいずれも、使い放題を示すもので、微妙に足並みを揃えた格好だが、ネーミングだけでなく、中身も一見すると、似たように感じるかもしれない。今回は各社の新料金プランについて、基本的な仕組み、そして異なっている部分を解説しよう。

 なお、価格表記はすべて税別だ。また今回紹介しない期間限定のキャンペーンなどもあり、一部のサービスは開始時期が遅れるものがあるため、契約する際には注意が必要だろう。

基本的に横並び

 NTTドコモの「カケホーダイ&パケあえる」、auの「カケホとデジラ」、ソフトバンクの「スマ放題」はともに同じような金額、料金プランを採用している。スマートフォンで利用するなら、基本料金プランとネット接続オプション、データ定額パックの3つの組み合わせが基本となる。

 データ定額パックは容量ごとに複数の種類が用意されていて自分の利用スタイルに応じて選べるが、最低容量(2GB)のデータ定額パックを使うと、最低料金は以下のようになる。この価格は全キャリア一緒だ。

スマートフォンでの料金(データ通信量は2GB)
ドコモ au ソフトバンク
基本プラン
(通話定額)
カケホーダイ
2700円
電話カケ放題プラン
2700円
通話し放題プラン
2700円
ネット接続 spモード
300円
LTE NET
300円
S!ベーシックパック
300円
データ定額パック(2GB) データSパック
3500円
データ定額2
3500円
データ定額パック(2GB)
3500円
合計 6500円

 このほかユニバーサルサービス料(半年ごとに改定、2014年7月時点で月額3円)、各種コンテンツなどのサービス、定額範囲外の通話やデータ通信(国際通話やローミング時の利用など)、データ追加オプション料金(後述)などが利用に応じてかかる。逆に端末購入時に付与される割り引きなどがここから適用される。

 どのキャリアも「長時間過ぎてネットワークに影響があると判断した場合、通話を切断することがある」といった主旨の注意書きがあるものの、切断されるだけで定額対象の通話ならば追加料金はかからない。そのため、どの料金プランでも通話料金の単価は提示されていない。

 ちなみにソフトバンクのスマ放題は当初、1回の通話で3分以上について従量課金する料金制度で発表されていたが、これは提供開始前に撤回され、制限がなくなっている。同じく当初はデータ追加オプションの自動購入を解除するための有料オプション契約が必要とされていたが、これも撤回されている。

データ定額に各社の個性あり

 各キャリアとも、新料金プランにおけるデータ通信では、新たな考え方を採り入れた。そうしたこともあって、既存のプランと組み合わせることはできない。

 ドコモの「カケホーダイ&パケあえる」とソフトバンクの「スマ放題」は料金も内容も似ている。ソフトバンクがNTTドコモのコピーをした形だ。一方、auは料金の設定が細かく、10GBのパックはauだけが安くなっている。ただしソフトバンクはキャンペーンの形で、10GBパックをauと同じ額にする予定で8月分から適用される。

ドコモはシェア型

 ちなみにデータ定額パックの名称を見ると、ドコモは「パケットパック」、auは「データ定額」、ソフトバンクは「データ定額パック」となっている。余談だが、通話定額と比べればこちらのネーミングは無難だ。

ドコモ au ソフトバンク
2GB 3500円 3500円 3500円
3GB 4200円
5GB 5000円 5000円 5000円
8GB 6800円
10GB 9500円 8000円 9500円(キャンペーンで8000円)
13GB 9800円
15GB 12500円 12500円
20GB 16000円 16000円
30GB 22500円 22500円

 ここで言うデータの容量とは、「1カ月間にこの容量までは速度制限なしで利用できる」ということ。自分が契約したプランの容量を超えると、通信速度は最大128kbpsと厳しく制限される。ただし、容量を追加する有料オプションを購入することで、一時的に速度制限を解除できる。

 容量追加オプションの価格は、全キャリア、1GBにつき1000円だ。auだけは、もう1つ、500MBにつき550円というメニューも用意している。各社いずれも追加オプションを自動購入することもできる。ただ、自動購入は料金が際限なく増える可能性がある。個人で使う場合には、基本的に自動購入しない契約にしておき、通信量の制限を超えないような運用をおすすめしたい。

ソフトバンクは繰り越し可能、auは追加

 ここまでを振り返ると、ドコモとソフトバンクが同等、そしてauは13GBまでのプランにおいて、より細かなメニューを用意していることがわかる。

 それ以外の部分では、違いがある。

 たとえばソフトバンクの5GB以上のデータ定額パックでは、余ったデータ容量を100MB単位で翌月に繰り越せる。当月で使い切れなかった通信量を翌月にも使える、という形だ。ただし「家族データシェア」を適用している場合は、繰り越しは不可となる。

 auは、容量追加オプション「データチャージ」の有効期限が62日に設定されている。他社では追加しても購入した当月しか使えないので、これはちょっと便利な要素と言えそう。また後述する通り、「データギフト」という仕組みを採り入れていることも大きな特徴だ。

データシェアのドコモとソフトバンク、データギフトのau

 NTTドコモとソフトバンクでは、親回線(主回線)のデータ定額の通信量を子回線でも共有できる。たとえば親回線で10GB分、契約して、家族4人(4回線)で利用すると、その4回線であわせて10GB使う、ということになる。この場合、子回線側の料金は、基本料金とネット接続料金、シェアオプション料金(月額500円)。データ定額の利用料自体は親回線だけとなって、子回線では不要となる。ただしこのシェアの仕組みは、親回線が10GB以上のデータ定額パックを契約していないと利用できない。

 1人でスマートフォンやタブレットなど複数回線を利用する場合、ドコモやソフトバンクでは2GBか5GBのデータ定額パックが用意されており、月額500円のシェアオプションを契約すると2回線で、2GB、あるいは5GBを使う、ということになる。

 auは、このシェアという仕組みがない。そのため家族で利用する場合、これまで通り、1人1人がそれぞれデータ定額パックを契約する必要がある。その代わり、家族間で余ったデータ容量を送りあえる「データギフト」という仕組みが用意されていることが大きな特徴だ。ただしこの「データギフト」は2014年12月開始、と少し先にならないと利用できない。

 なお、auユーザーが1人で、複数回線を使う場合は、データシェア(現在はキャンペーンの形、12月に正式版登場予定)を使うことになる。

auは12月に提供する「データギフト」が大きな特徴
ソフトバンクは7月1日にサービスを開始した

割引やセットは?

 新料金プランにあわせて、割引でも新たなものが発表されている。こうした施策のうち、キャンペーンという形であれば、いつ内容が変更されるかわからないこともある。その一方で、期間限定ではなく、ずっと利用可能な割引として用意されているものがある。

 ドコモでは、長く同社回線を利用するユーザーを対象にした割引「ずっとドコモ割」を提供する。これはデータ定額オプションに適用される形式で、契約年数が長いほど、そして、契約するプランの通信容量が大きいほど、割引額も大きくなる。また、25歳以下向けの「U25応援割」は500円の割引に加え、追加容量が1GB分、多く用意される。

 auは、もともと「auスマートバリュー」という固定回線とauの携帯電話のセット割を提供しており、新料金プランでも利用可能だ。これまではスマートフォンだけだったが、新プランではフィーチャーフォンも「auスマートバリュー」の対象となっている。こうした固定回線とのセット割はauだけだ。ただし、その割引額は、契約するパックによって異なる。たとえば2GB(3500円)や3GB(4200円)では割引額が934円となる。従来のプランで提供されている「最大2年間1410円割引」は、新プランでは5GB以上のユーザーに適用される。また、auの長期契約者向け特典は、価格面での割引ではなく、データ定額パックの容量増加という内容だ。契約期間が長く、データ定額パックの容量が大きいほど、追加容量も大きくなる。

auの長期契約者向け特典
プラン 1〜5年目 6〜8年目 9〜10年目 11年目以降
データ定額2
データ定額3
+0.5GB +0.75GB +1GB
データ定額5以上 +1GB +1.5GB +2GB

 ソフトバンクもNTTドコモと同様の「U25ボーナス」を提供する。また、家族契約時の2年間限定の割引サービス「家族おトク割」も用意されているが、こちらはなぜかデータシェアやU25ボーナスと併用できないので、NTTドコモに比べると若干使いづらい。

既存プランは?

 どのキャリアでも自分でプランを変更しない限り、既存プランを利用し続けることが可能だ。しかし既存プランの新規受付の終了を予定するキャリアもある。

 たとえば3G対応の携帯電話からLTE対応の携帯電話へ機種変更する際などでは、料金プランの変更が必須となる可能性がある。そうしたタイミングで既存プランの受付が終了していると、新プランしか選べなくなる。ドコモやauでは、将来的に既存プランから新プランへ一本化したい、という意向を表明している。もしかしたら今後、キャリアが実施するキャンペーンの中には、機種変更時、「新プランならば月々の割引額が満額になる」といった施策が含まれる可能性もあり、新プランへの切り換えが促進される可能性もある。

 NTTドコモは今年8月末で既存プランの受け付けを終了する方針だ。ただし終了するのはLTE(Xi)の既存プランで、3G(FOMA)のプランは引き続き契約できる。

 auは、既存プランの新規受付の終了時期を未定としているが、将来的には新プランへ一本化する方針のようだ。

 ソフトバンクは既存プランについてはとくに発表はしていない。ソフトバンクはドコモやauと異なり、もともと料金プランの選択肢は多かったが、その方針を継続している形だ。

 月に数回しか通話しないような人にとっては、既存プランの方が安く済むケースが多い。通話頻度によっては、LINE電話などIP電話を活用した方が安上がりになるかもしれない。

 また、新プランは既存プランに比べ、データ定額の料金と通信容量の関係が変化していることにも注意が必要だ。基本料とネット接続料、そしてデータ定額の料金全てをあわせると、新プランのほうが値上がりしているようにも見える。

データ容量 料金総額 通話定額の有無
新プラン 2GB 6500円
既存プラン
(ドコモのみ)
3GB 5743円 ×
新プラン 5GB 8000円
既存プラン 7GB 6743円 ×

 やはり既存プランと新プランでは、通話定額の有無は大きな違いとなっている。既存プランは通話すればするほど従量制の通話料がかかる。一方、データ部分だけを見れば、容量が減りつつ総額は増えており、実質的な値上げとも受け取れる。ただ、ここは家族間での利用などでは総額で安くなることもあり、一概には言えない部分だ。

新料金プランってどこがお得なの?

 新プランを各キャリアで比較すると、基本的な価格面では、それほど大きな差はない。家族で利用するのか、長期契約者がいるのか、あるいは自宅の固定回線はどこか、といった要素も絡んでくる。

 現在は、auの「データギフト」が12月登場ということもあり、他キャリアへMNPで乗り換えるほどの大きな差は見出しづらい。また価格面をひたすら追求するのであれば、既存プランの利用や、最近注目されているMVNOの各種料金もあわせて検討した方が良いだろう。

(白根 雅彦)