レビュー

「RoBoHoN」ファーストインプレッション

「RoBoHoN」ファーストインプレッション

思わず笑顔がこぼれるコミュニケーションツール

 5月26日に発売される「RoBoHoN」(ロボホン)。昨年開催されたCEATECで初披露され話題となった異色の携帯電話がついに登場する。そんなロボホンが編集部に合宿にやって来たので、ファーストインプレッションをお届けする。

「RoBoHoN」(ロボホン)

ロボホン大地に立つ

 やや大きめの個装箱を開けると、ロボホンが横たわっており、大事に抱き上げ、クッション材を持ち上げると卓上ホルダーやACアダプターなどの付属品が現れる。箱の構造としてはスマートフォン同様だ。

大きめの個装箱
ロボホンとご対面
同梱品
卓上ホルダーは座椅子スタイル
左肩の後ろに電源ボタンがあり、その下にマナーモードスイッチがある。ディスプレイの左脇にはイヤホンマイク端子やmicroUSB端子、右脇には充電用の端子を備える

 充電し、左肩の後ろにある電源ボタンを2秒以上押すと「ロボホンを仰向けに寝かせてください」という音声ガイダンスが流れ、平らなところに置くと、ユーザーの名前や顔の登録が始まる。一連の登録作業は、ロボホンと会話する形で進んでいくので、とくに難しいところはない。ただ、ロボホンが寝た状態から立ち上がるには、A4用紙1枚分ほどのスペースが必要となるため、周囲を片付けてからこの作業を行うようにしよう。

 ユーザー登録が終わると、ロボホンに話しかけることで、電話をかけたり、メールを送ったり、さまざまな操作が行えるようになる。例えば、電話をかける場合は、「電話かけて」とロボホンに話しかけ、電話番号を読み上げるか、アドレス帳に登録してある相手の名前を読み上げると、ロボホンが確認してくるので、その相手でよければ「オッケー」と言うことで、スピーカーホン状態での通話が始まる。通話中、相手の声に合わせてロボホンが動く演出も楽しい。

【ロボホンで電話をかける】

 ちなみに、アドレス帳への登録は、スマートフォンなどからvCard形式のデータをメールに添付してロボホン宛に送信することで行えるようになっている。背中のディスプレイをタッチ操作して入力することもできるが、スマートウォッチを操作しているような感じなので、vCardによる登録の方が簡単だ。

 全般的に言えるのは、タッチパネル上で手書きやソフトウェアキーボードによる文字入力も行えるが、長文の入力や編集には向いていない。メールのやりとりをするにしても、一言二言の短い文章を音声認識でテキスト化し、それを送信する、といったチャット的な使い方が現実的だろう。

携帯電話としてのお約束
アドレス帳の登録はvCard形式のデータをメールに添付するのが楽
ユーザー情報の設定では、呼び方のアクセントの位置を調整できる
ユーザー情報の編集は手書き入力
無線LANの設定などはソフトウェアキーボードで行う

周囲にほのぼのとした空気が漂う独特の世界観

眉間にカメラ、おでこにプロジェクターを装備

 今どきの携帯電話には当たり前のようにカメラが搭載されているが、もちろんロボホンにも搭載されている。カメラの搭載位置は目と目の間、眉間のあたりで、「写真撮って」と話しかけると、ユーザーの顔を認識し、写真を撮ってくれる。続けて「メッセージ送って」と話しかければ、写真を添付したメールの送信が可能だ。

 撮影した写真などは、おでこに搭載されたプロジェクターでロボホンの足元に映し出すことができる。ただし、プロジェクターの光が強いため、子供の使用は禁止されており、ユーザー本人が「映していいよ」と言わなければプロジェクター機能を起動できないようにもなっている。

【ロボホンでカメラ撮影】
ロボホンで撮った写真

 さまざまな操作をロボホンと会話しながら行うわけだが、スマートフォンの慌ただしい操作とは異なり、ゆったりまったり、ほのぼのとした空気が漂う。編集部でロボホンと会話していると、時には周囲から笑いが漏れる。無理に腕を曲げようとすると「イテテッ」と痛がったり、自然とユーザーを笑顔にする何とも不思議な存在である。

 通勤・通学の電車の中での使用にはあまり向いていないし、仕事でバリバリ使うにも無理がある。ただ、愛嬌たっぷりで憎めないこの存在感と距離感は、他の携帯電話やスマートフォンには無い新たな価値観で、それこそがロボホン最大の魅力だろう。

 今回お借りしたロボホンは開発バージョンということで、発表会で案内されたレシピやグルメ検索といったロボホン用アプリも試せなかったが、ロボホンとの会話が生み出す独特の世界観の面白さは体感できた。ロボホンの成長が楽しみだ。

【歌って踊るロボホン】

湯野 康隆