Xperia SO-01B 太田 亮三編

Xperia SO-01B

 2010年の私の「ケータイ of the Year」にはNTTドコモのXperia(SO-01B)を選んだ。発売直後に入手し、12月末に至るまで使い続けている。

 発売前には、幸運にもソニー・エリクソンの開発者に取材する機会に恵まれた。通常であれば、話を聞き、疑問点が解消すると満足感を得てしまい、期待が薄らいでしまう場合もあるが、Xperiaは話を直接聞いてなお期待が高まったのが印象的だ。日本とグローバルのチームが共同で開発したという素性も、スマートフォンに取り組むメーカーの体制の新しいトレンドを感じさせた。

 登場後はそうした期待の裏返しだろうか、マルチタッチ非対応という点や、OSアップデートを早く求める声が先端層(=初期のユーザーのほとんど)で相次いだ。2010年は特に、Android端末が世界市場を含めて急速に普及した年だ。新しいOS、新しい機能、当たり前にように搭載されるマルチタッチのパネル……そうした“激流”の中にあって、Xperiaが相対的に見劣りしてしまうのは仕方が無いことだと感じている。UIのこだわった見栄えなどもあって、OSのアップデートも最適なタイミングとは言い難かったが、それでもAndroid 2.1になったことで、最新のサービスが体験できるのは素直に喜ぶべきところではないだろうか。

 よく言われていることだが、スマートフォンの魅力の1つは、OSのアップデートにより、端末を買い換えたかのような機能の進化を享受できることだ。ハードウェアに起因する事柄はいかんともしがたいが、スマートフォンとアップデート、ハードウェアの限界といった、良い意味でも悪い意味でも、さまざまな話題を提供してくれたのがXperiaだった。なにより、そうしたゴタゴタ、飢餓感、先進感をまとめて体験できたという意味で、Xperiaはスマートフォン元年を象徴する端末だと思っている。

 


2010/12/27/ 13:03