F-04B 関口 聖編

F-04B

 あなたが選んだケータイが人の目にとまって、驚かれたことはあるだろうか。デザインケータイやキャラクターケータイといった物珍しい外観で注目されることもあるだろうし、ここ2~3年では「それってiPhone?」なんて話しかけられた経験がある人もいるだろう。

 そうした「人を驚かせるケータイ」の1つながら、その理由が他のケータイと一線どころか、二線も三線も画して登場したのが“セパレートケータイ”「F-04B」だ。

 仕組みとしてはフルタッチ型のケータイにBluetoothでキーボード部を接続と、現実的な形に仕上げられたが、そのギミックを初めて目にした人はほぼ全員が驚く。関口の個人的経験に限っても、米国ラスベガスの「CTIA WIRELESS 2010」のドコモブースで、来場者(おそらく米国人)とともにセパレートの方法がわからず、四苦八苦したことを皮切りに、某量販店で「iD」決済したとき、あるいは海外から来日したキーパーソンへインタビューしたときなど、私の手でセパレートした「F-04B」を見た人は、一様に目を見開いて息をのんだ。

 コンセプトモデルとして初披露されたとき、どうやって実現させるか、いぶかしんだ人は少なくないはずだ。それが実際に形になり、商品となった。2010年後半はスマートフォンで沸いた日本のケータイ業界だが、「F-04B」の開発時期は、どちらかといえば、悲観的な話題が占めていたように思う。そうしたなかで、“未来のケータイ”を実現させた方々に敬意を表したい。多種多様な発展を遂げてきたケータイの中でも、「F-04B」は2010年を代表する、子供へ語り継ぎたいケータイだ。

 


2010/12/27/ 13:04