G'zOne TYPE-X 湯野 康隆編

G'zOne TYPE-X

 2010年は各キャリアがスマートフォンを続々投入し、年末にかけて、まさに“スマートフォン祭”とも言うべき状況となった。なので、俺のケータイ of the Yearもスマートフォンに……とも思ったが、へそ曲がりな筆者はあえて「G'zOne TYPE-X」を選んだ。

 いや、正直なところ、スマートフォンって、iPhoneにしても、Androidにしても、面持ちも同じだし、新機種を触った直後の感動はあるんだけど、しばらくすると飽きるとまでは行かないものの、ガジェットマニア的には所有感が持続しないんですわ。なんというか、それは昨今のPC事情にも似て、多少の違いはあれど根本的にはどれも同じ、という感じがするのだ。

 その点、G'zOne TYPE-Xの存在感たるや、もはや説明の必要も無いだろう。スペック面でも、13メガカメラにWi-Fiと、フィーチャーフォンとしては、現時点で考えられるほとんどの機能を実装している。唯一足りないのは、HD動画の撮影機能ぐらいではないだろうか。妥協せずに全部積んだら179g。決して万人受けするようなサイズでもデザインでもないが、今の時代において、これほど個性的な端末はほかにない。

 ハイブリッド車に注目が集まる中でスポーツカーを選ぶ。ケータイの世界にも、そんなこだわりというか、選択肢が残されていてもいいと思うのだ。もっとも、Android搭載のG'zOneなんていうのも見てみたい、という気持ちもあるが、そこは2011年以降に期待したい。

 


2010/12/27/ 13:04