iPhone 4 村元 正剛編

iPhone 4

 スマートフォンが本格的な普及期に入った2010年。昨年までの「俺のケータイ of the Year」ではフィーチャーフォンを選んでいたが、今年はiPhone 4を選ばせていただいた。Xperia、LYNX SH-10B、IS02、GALAXY Sなど、いろんなスマートフォンを使ってはみたが、「なんだかんだ言っても、iPhoneはスゴイ!」というのが率直な感想だ。

 ボクは2008年に発売されたiPhone 3GからiPhoneを使い始めて、このiPhone 4が3台目になる。従来はフィーチャーフォンと併用し、iPhoneは主にネット用に使っていたのだが、iPhone 4に機種変更してからはフィーチャーフォンの電話帳もiPhoneに移し、これ1台で電話もメールもツイートも写真撮影も済ませるようになった。デジカメを持ち歩くことも少なくなった気がする。

 iPhone 4について、まず評価したいのが、日常的に携帯するアイテムとして満足できる質感であることだ。ガラスとスチール素材によるリッチな質感は飽きが来ないし、ときどきクロスで拭き拭きすることさえも楽しくなる。

 ディスプレイの解像度が向上したため、デジタル一眼レフで撮ってMacから取り込んだ写真や、App Storeからダウンロードしたミュージックビデオ、メールに添付されて届いたPDFファイルなどを見るにも欠かせないものとなった。

 ボクはiPadも使っているのだが、11月にiTunes Storeの映画配信が始まってからは、自宅で暇な時間にiPadで映画を観て、その続きを電車の中などで観るという楽しみ方もしている。大画面のiPadのほうが見やすいことは言うまでもないが、画質ではiPhone 4が勝り、小さな字幕も難なく読み取れるのだ。新幹線の車内で感動して泣いてしまうほどにハマっている。

 最も評価したいのはカメラだ。iPhone 4のカメラは5メガピクセル。画素数としてはケータイの中ではミドルクラスだろう。しかし、使い勝手では他機を圧倒するものだと思う。ボクの個人的な意見ではあるが、ケータイのカメラは「撮りたいときに即キレイに撮れる」ことが最重要だと思っている。加えて「撮った写真で楽しく遊べるとなお良い」と考える。

 iPhone 4のカメラは、細かい設定メニューがないので、起動して即撮影でき、被写体にかなり近づいてもタッチでキレイにピントが合う。ちょっと暗いかなぁ~と思ったときは画面の暗い部分をタッチすると露出がプラス補正される。デジカメの真似をするのではなく、iPhoneのタッチインターフェイスに合わせたシンプルな操作性になっていることに好感を持てる。

 iPhone 4からはHD動画の撮影にも対応したが、これも簡単・キレイに撮影できる。App Storeから入手できる「iMovie」というアプリで簡単にビデオ編集も行え、編集したビデオは任意のサイズにリサイズしてからメールで送ったり、YouTubeにアップロードしたりもできる。HD動画が撮れるケータイやスマートフォンは他にもたくさんあるが、ボクが積極的に動画を撮って編集を楽しんだのはiPhone 4が初めてだ。ハードウェアのスペックだけでなく、ハイスペックを活用するためのソフトウェアが用意されていることも重要だよなぁ~と再認識した次第だ。

iOS4の使い勝手も良好だ。最初のバージョンでは、動作が不安定で、写真やメールが同期できなくなって「復元」せざるを得ないというトラブルにも見舞われたが、現在は安定し、マルチタスキングやアプリフォルダなどの新機能の利便性を享受している。

 iPadと同じA4チップの恩恵であろうか、かなりハードに使い倒してもバッテリが長持ちするようにも実感している。ゆえに「電話もiPhoneでしちゃおう」と思ったわけだ。

 ボクにとっては、iPhone 4が電話としても使う初めてのスマートフォン=ケータイになった。なので、「ケータイ of the Year」に選んで差し支えないだろう。

 


2010/12/27/ 13:05