俺のケータイ of the Year

GALAXY S5 Active

GALAXY S5 Active

関口 聖 編

 のっけから申し訳ないが、筆者が今、ハマりにハマっているゲームでは、スマートフォン側に相当なスペックが要求される。街中を舞台にした陣取りゲーム「Ingress」においては、自陣を拡げるために強烈な攻撃をごく短い時間に、何度も繰り返す。そうすると画面上には、爆発のエフェクトが幾重にも拡がる。しかも東京は今秋、プレイヤーが激しく戦う“ポータル”と呼ばれる場所が劇的に増大した。攻撃対象が増え、プレイヤーも増えたことで、画面描画の処理が高まり、スムーズな通信でリアルタイムでの同期が求められ、何時間もの戦いに耐えられるバッテリーも必須。Ingressが求めるスペックはかなりのものだ。

 そのなかでiPhoneはIngressがかなりサクサク動く、とプレイヤーの中でも知られているのだが、iOS版Ingressが登場した当初はいくつもの機能が未実装で、Android版のほうがフルスペックなアプリだった。また、他のユーザーとのチャット機能も、現在はずいぶん改善されたが、タップするだけでアプリ全体がフリーズすることがあり、ストレスを貯める人も少なくない。

 ところが、今夏に登場した「GALAXY S5」は、iPhoneにかなり近いレベルでサクサク動き、チャット機能でもフリーズしない。アプリもフル機能が利用できる。かなりオススメだ……と思っていたところ、この冬に登場したNTTドコモの「GALAXY S5 Actice」がその印象を上回った。性能はほぼ同じで、さらにタフネス性能が加わった、というのだから、屋外で動き回るエージェント(プレイヤー)にはピッタリの機種なのだ。

「GALAXY S5 Actice」

 タフネスと聞けば、ゴツゴツとした印象が強いかもしれないがGALAXY S5 Activeは、比較的スッキリした仕上がり。ハイスペックなGALAXY S5がベースなだけあって、繰り返しになるが、キビキビ動く。寒くなってきた今も、手袋を装着したまま操作できるモードがあって申し分ない。

 さて、Ingressというゲームの視点だけではなく、GALAXY S5 Acticeは2014年を代表する個性的な1台であることは間違いない。1年前、本コーナーでは、これから同質化が進むのではないかと記した。確かに、iPhoneやGALAXY S5、Xperia Z3などが各キャリアから登場し、今注目のMVNOでも取り扱われる機種の顔ぶれは同じで、スペックだけ見ると似た部分が多い。だが、フレームレスの「AQUOS CRYSTAL/CRYSTAL X」や、「isai FL」など、特定のキャリアでしか入手できず、個性を打ち出した機種も登場した。GALAXY S5 Activeもまた、そうした機種の1つで、なおかつ「タフネス」という、分かりやすく、魅力的な特徴を持つ。

 誰も彼も同じスマホを手にしてる世界なんて面白くない。日本はiPhoneが人気を得ているからこそ、人とは違うスマホを手にしたい。そんなこだわりを持つ人を含め、G'zシリーズなき今、日本では貴重となったこのタフネスなスマホは、頼れるパートナーたり得る1台だと、太鼓判を押そう。

関口 聖