俺のケータイ of the Year

Ascend G6

Ascend G6

川崎 絵美 編

「Ascend G6」

 高価なスマホを選ぶより安くても使いやすさが素晴らしい、という理由から、私が選ぶ今年のNo.1はファーウェイ製のSIMフリースマホ「Ascend G6」だ。

 女性の手になじむ、薄くて軽い筐体。ちょうどいいサイズのディスプレイ(約4.5インチ)。ファーウェイ独自の使いやすく、統一感のあるUI。初めて手にしたとき、デザインがとても洗練されている印象を受け、ひと目で「これ好きだな」と思った。今年発売されたスマートフォンの中で、デザインでは間違いなく1番好み。

 それでいて、本体価格2万円台とあって、“コスパNo.1”だと言っても過言ではないだろう。もちろんスペック面で見ると、他の製品に劣る部分はそれなりにあるものの、たとえばメモリやチップセットの性能が少々良くて、解像度が高くて、デザインはまぁまぁ、価格は2倍~3倍! というのでは、正直、購買意欲は沸かない。その点、Ascend G6は性能とデザインのバランスが良く、音声通話対応SIMでの運用を組み合わせることで、高いコスパを実現できる端末だ。

 機能面で見た、Ascend G6のお気に入りポイントをいくつか挙げてみよう。まずはなんといってもカメラ機能。500万画素のインカメラには衝撃を受けた。iOSでも搭載されているけれど、秒数を選べるセルフタイマーが標準装備されている。細かい点だが、レンズに近い部分に小窓があり、自分の表情を確認しながら、カメラ目線で撮影できるのもありがたい。また10段階で調節できるビューティモードといった、女性には嬉しい機能も備えている。ただ、Ascend G6唯一の弱点は、食べ物が美味しそうに撮れないこと。もしかしたら私自身に問題があるのかもしれないのだけれど……。

 このほか、ウィジェットに設定された音楽プレイヤーや、無制限に設定できて時間軸にあわせて自動整列してくれるアラーム機能など。こうした機能の使い勝手の良さから、丁寧に作り込まれた印象を受ける。スペック表に書かれている数値は真実だけれど、それよりも心地良さや、ユーザビリティにこだわった製品だということが、使いながら感じられた。

ホームアプリが使いやすい
同じホーム画面上にウィジェットとアプリ一覧が表示できる
自動整列してくれるアラーム機能

 ところで、今年話題になったキーワードをあげてみると“新料金”、“格安スマホ・格安SIM(MVNO)”、“SIMロックフリー”、“自撮り(セルフィ)”などが思い浮かぶ。こうした日本市場でのムーブメントを見据え、ファーウェイはAscend G6を皮切りに「Ascend P7」、「Ascend Mate7」、「Ascend G620S」といったグレードの異なるSIMフリー端末のラインナップを次々に投入した。

 ここ数年、日本のスマートフォン市場においては、iPhoneのひとり勝ち状態が続いている。そうした中、国内メーカーが二の足を踏んでいる隙をねらい、MVNO各社とのパートナーシップを見事に成功させ、着実にユーザーを増やした今年のファーウェイは、見ていて気持ちがよいものだった。品質だけではなく、チャレンジングな戦略も含め、MVNO市場の成長にひと役買ったAscend G6を、私のNo.1としたい。

川崎 絵美