編集部で503iシリーズのパフォーマンスを見るために利用した、iアプリ対応のNTTドコモ 503iシリーズ用ベンチマークプログラム「BenchPro 1.0」および「FunctionPro 1.0」を、プログラムを作成した株式会社オブジェクトビジョン様のご好意で、ケータイWatchの読者の方にお使いいただけるよう、公開できることになりました。503iシリーズの比較用に、また開発の補助ツールとしてご利用いただければ幸いです。(編集部)
■ BenchProとは
BenchProは、おもな項目について、503iシリーズの端末機種間の性能比較を行なうiアプリです。最新バージョンは1.0です。
■ BenchProの使い方
【1.ダウンロードする】
下記URLにドコモの503iシリーズ携帯電話からアクセスしてください(iアプリ対応機以外のiモード端末からもページにはアクセスできますが、iアプリのダウンロードはできません)。
メニューから「オブジェクトビジョンのiアプリダウンロード」を選択。BenchPro 1.0かFunctionPro 1.0を選択すると、利用規約が表示されます。「同意してBenchPro 1.0をダウンロード」を選択すると、ダウンロードが開始されます(同意いただけない場合はダウンロードできません)。なお、同じ内容の利用規約は本ページにも掲示しています。
◇iモード用URL
http://k-tai.impress.co.jp/i/
【2.ベンチマークをとる】
BenchPro 1.0をダウンロードしたら、お手持ちの503iシリーズ携帯電話でiアプリのソフト一覧を表示し、「BenchPro 1.0」を選択してください。BenchProをダウンロードした時の設定により、BenchPro起動時に「ソフトのネットワーク接続を許可しますか?」と聞いてくることがあります。この場合、必ず「はい」を選択してください。BenchProが起動します。
BenchProが起動したら、計測項目のメニューが表示されます。このメニューが選択された状態(メニューが赤い枠で囲まれた状態)で一度クリックします。これで、計測する項目が選択できるようになります。計測したい項目を選んで押すと、ベンチマークプログラムによる計測が始まります。処理の遅い端末では、スタート時にしばらく白い画面が表示されることがありますが、すでにその時点でプログラムが走っていますので、そのままお待ちください。また、終了時にもしばらく画面が白いままになることがありますが、計測結果を表示する準備をしている状態ですので、そのままお待ちください。
■ BenchProの機能概要一覧
BenchPro メニュー項目 | 機能概要 | 処理内容 |
ALLテスト | BenchProで測定する項目をすべて測定し、各項目の結果および、総計を画面に表示する |
CPU測定 | 携帯端末のCPUの処理スピードを計測する | 0~99までの素数を「エラストテネスのふるい」のアルゴリズムで取得する処理の処理時間を計測(整数演算) |
矩形描画 | 携帯端末の矩形描画の描画スピードを計測する | “com.nttdocomo.ui.Graphics”クラスの“fillRect”メソッドにて125個の矩形を画面に描画するスピードを計測・表示 |
多角形描画 | 携帯端末の多角形描画の描画スピードを計測する | “com.nttdocomo.ui.Graphics”クラスの“fillPolygon”メソッドにて125個の多角形(5角形)を画面に描画するスピードを計測・表示 |
Image描画 | 携帯端末のイメージ描画の描画スピードを計測する | “com.nttdocomo.ui.Graphics”クラスの“drawImage”メソッドにて125個のイメージを画面に描画するスピードを計測・表示 |
文字描画 | 携帯端末の文字描画の描画スピードを計測する | “com.nttdocomo.ui.Graphics”クラスの“clearRect”メソッドにて125個の文字を画面に描画するスピードを計測・表示 |
SP Write | スクラッチパッドへの書き込みスピードを計測・表示する | “java.io.OutputStream”クラスの"write"メソッドにて1Byteのデータを50回スクラッチパッドに書き込むスピードを計測・表示する |
SP Read | スクラッチパッドからの読み込みスピードを計測・表示する | “java.io.OutputStream”クラスの“read”メソッドにて1Byteのデータを50回スクラッチパッドから読み込むスピードを計測・表示する |
SP Read | スクラッチパッドからの読み込みスピードを計測・表示する | “java.io.OutputStream”クラスの“read”メソッドにて1Byteのデータを50回スクラッチパッドから読み込むスピードを計測・表示する |
■ FunctionProとは
FunctionProは、端末の機能を調べるために作成したコードを集めて、開発者向けの便利ツールとして公開するものです。最新バージョンは1.0です。
■ FunctionProの使い方
【1.ダウンロードする】
下記URLにドコモの503iシリーズ携帯電話からアクセスしてください(iアプリ対応機以外のiモード端末からもページにはアクセスできますが、iアプリのダウンロードはできません)。
メニューから「オブジェクトビジョンのiアプリダウンロード」を選択。BenchPro 1.0かFunctionPro 1.0を選択すると、利用規約が表示されます。「同意してFunctionPro 1.0をダウンロード」を選択すると、ダウンロードが開始されます(同意いただけない場合はダウンロードできません)。なお、同じ内容の利用規約は本ページにも掲示しています。
◇iモード用URL
http://k-tai.impress.co.jp/i/
【2.FunctionProを使う】
FunctionPro 1.0をダウンロードしたら、お手持ちの503iシリーズ携帯電話でiアプリのソフト一覧を表示し、「FunctionPro 1.0」を選択してください。BenchProをダウンロードした時の設定により、BenchPro起動時に「ソフトのネットワーク接続を許可しますか?」と聞いてくることがあります。この場合、必ず「はい」を選択してください。FunctionProが起動します。
FunctionProが起動したら、項目のメニューが表示されます。このメニューが選択された状態(メニューが赤い枠で囲まれた状態)で一度クリックします。これで、項目選択ができるようになります。チェックしたい項目を選んで押してください。
■ FunctionProの機能概要一覧
BenchPro メニュー項目 | 機能概要 | 処理内容 |
画面サイズ | 携帯端末の画面サイズ(縦・横ピクセル)の表示、および、標準フォントで出力可能な最大文字数を表示 | 画面サイズの取得・表示、および、標準フォントでの出力可能な最大文字数を計算・表示 |
液晶テスト | 端末によって違う、発色・レゾリューションなど、液晶の表示能力を視覚的に確認 | HSLカラーパターンをRGB形式に変換して、携帯端末の液晶に1ピクセルごとに色を変えながらグラフィックス表示を行なう |
RGB表示 | R、G、Bの各パラメータを変化させることにより、実際の色を確認できる | Red,Green,Blueの各パラメータフィールドに色の値をセットするか、またはナビゲーションボタンの右・左でリアルタイムに色パラメータを変化させる。出力結果のバックグラウンド色で確認する
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メモリ容量 | 携帯端末がJAVAアプリで利用できる最大メモリ容量を表示する | 最大メモリ容量を計測・表示する |
携帯機能 | バックライトON/OFFなど携帯端末独自の機能へのアクセステストを行なう機能 | 入力フィールドから「属性の値」と「属性への設定値」を入力して実際に携帯の機能へアクセスする。結果は携帯端末に依存する |
フォント | iアプリ仕様書に規定されているフォントの属性を指定して、その属性のフォントを画面に表示テストする機能 | フォントの属性を入力フィールドで入力。入力された属性のフォントで文字を出力する。結果は携帯端末に依存する。 |
【FunctionPro Version1.0の特記事項】
1)液晶テスト
液晶テストでは、液晶の色再現性能を視覚的に確認するため、1ピクセル毎に色を変化させながら液晶にグラフィックスを描画しています。このため、この機能は描画終了まで、P503iでは約3分、F503iでは約1分の時間がかかります。
また、描画中は処理を中止できません。処理を中止する場合はアプリケーションを終了させてください。
2)携帯機能
NTTドコモの定義では、バックライトON/OFFのみが全携帯端末で標準で機能します。その他の値は、携帯端末により挙動が違います。
○バックライトOFF
Attribute 0
Value 0
○バックライトON
Attribute 0
Value 1
3)フォント
F503iではフォントは1フォントしかないため、どの属性を指定しても同じフォントが表示されます。P503iはサイズが「SMALL」のフォントとそれ以外のフォントのみがあるため、SMALLかそれ以外のフォントが表示されます。
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BenchProおよびFunctionProは、以下の利用規約に同意された上でご利用ください。ダウンロードされた時点で、利用規約にご同意いただけたものとします。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
1)BenchPro及びFunctionPro(以下、本ソフトウェア)のすべての著作権は、株式会社オブジェクトビジョンにあり、株式会社オブジェクトビジョンに無断で転載することを禁止します。
2)本ソフトウェアの信頼性を保持すべく株式会社オブジェクトビジョンは最善の努力を払いますが、その正確性、完全性は保証いたしません。
3)株式会社オブジェクトビジョンならびに株式会社インプレスは、本ソフトウェアの使用による事故、損害については、その内容に関わらず賠償の責任を一切負いません。ご利用は自己責任において行なってください。
4)本ソフトウェアは、無料で提供されますが、本ソフトウェアの携帯電話へのダウンロード及び利用において、NTTドコモのパケット通信料がかかります。
5)株式会社オブジェクトビジョンは本ソフトウェアおよび本利用規約を、予告なく改定、追加、変更、廃止することができるものとします。
BenchPro 1.0を使用して、編集部でベンチマークを取った結果です。5回計測して平均をとっています。数値が小さい方が処理速度が速いことを示します。
なお、同じ端末でも、計測時の条件などにより多少の誤差が出る場合が考えられます。また、携帯電話では基本ソフトウェアのマイナーバージョンアップが製品発売後も継続的に行なわれている場合があり、生産の時期により性能にじゃっかんの差が出る場合もあり得ます(編集部では発売直後に購入した端末を利用しています)。あくまで参考としてご覧ください。
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P503i |
F503i |
N503i |
SO503i |
D503i |
CPU測定 |
29586 |
10740 |
6300 |
1900 |
4586 |
線描画 |
7209 |
2920 |
800 |
975 |
1507 |
矩形描画 |
7097 |
2950 |
1300 |
1000 |
2055 |
多角形描画 |
7360 |
2890 |
1300 |
450 |
892 |
Image描画 |
18014 |
47830 |
5000 |
2225 |
3458 |
文字描画 |
18346 |
4270 |
2700 |
1000 |
1737 |
SP Write |
5085 |
13870 |
4600 |
700 |
1968 |
SP Read |
4641 |
2300 |
3300 |
700 |
945 |
Total |
97338 |
87770 |
25300 |
8950 |
17148 |
●BenchPro開発経緯
BenchPro、FunctionProプロジェクトは、社内でのNTTドコモ 503iシリーズのJAVA実装調査の研究用途に開発されました。
オブジェクトビジョンでは主に、企業向けの大規模データベース、それに付随するWebアプリケーションの開発を行なっているのですが、携帯端末サービスの急速な普及により、各キャリアの独自仕様部分(一昔前ならCHTML、MML等にあたり、現在はiアプリやBREWなど)の調査を行ない、自社開発物に実装するための技術評価やツールの作成を行なっています。
FunctionProは携帯の機能を調べるために作成したコードを集めて開発者向け便利ツールとしたものです。
BenchProは主な項目の機種間の性能比較を行なうためのツールです。数多くのテストをコンパクトにまとめる点に留意して開発しました。503i用の必須アイテムとしてご活用いただければ幸いです。
●企業情報
オブジェクトビジョンは、オブジェクト指向技術に精通するエンジニアにより1999年に設立されました。オブジェクト指向技術によるソフトウェア開発、ネットワーク普及にともなう分散オブジェクト技術を駆使し、多くの先進的な企業のシステム開発を行なっております。
【株式会社オブジェクトビジョン】
設立年月 平成11年11月
本社:東京都港区浜松町1-14-2
代表取締役:石井竜一
http://www.object-vision.co.jp
コアテクノロジー:
・携帯電話・ワイヤレスサービスに関するテクノロジー
・Web、メールサービス
・オブジェクト指向分析・設計・開発テクノロジー全般
・Javaテクノロジー
・XMLデータ交換テクノロジー
・データベース・テクノロジー
・Apple社製 WebObjectsテクノロジー
・OLAP、データマイニングテクノロジー
・データウェアハウス構築
・SNMPリソース監視技術
オブジェクトビジョン問合せ/連絡先:webmaster@object-vision.co.jp
2001/05/08
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