ケータイWatch
俺のケータイ of The Year

 ケータイWatchの筆者とスタッフが選んだケータイ of The Yearです。使い方や好みによって、ベストケータイは人それぞれ。このコーナーでは、そうした個人的な見地から、2000年のベストケータイを選んでいます。よろしければ、読者のみなさまのご意見も編集部あてにお寄せください。ご意見を複数お寄せいただけたら、年明けに掲載させていただきたいと思います。

【筆者の選出機種一覧】
法林岳之
J-フォン
J-SH04
スタパ齋藤
au
C401SA
広野忠敏
au
C404S
石井英男
ツーカー
TT03

【編集部スタッフの選出機種一覧】
工藤
DDIポケット
RZ-J90
湯野
NTTドコモ
N502it
白根
アステル
AJ-51
松下
J-フォン
J-SH05
池森
NTTドコモ
P502i


 法林岳之: J-フォン 「J-SH04」

J-SH04

 2000年ケータイ市場を見てみると、和音着信メロディに始まり、待受画面、カラー液晶ディスプレイ、端末上でゲームなどが遊べるエンターテインメント機能などが注目された1年だった。もちろん、iモードやEZweb、J-スカイなどのコンテンツサービス、メールなども充実したが、iモードが急増するユーザーのトラフィックに耐えきれず、ついにトラブルを起こし、EZwebでも先日の@mail移行時期に2日間に渡って初期設定ができないという障害が発生した。昨年の「『俺的』Mobile Product of The Year 1999」ではNTTドコモの通話品質について指摘したが、今年はコンテンツ/メールサービスにおいて、2社がトラブルを起こしてしまった。魅力的なサービスを提供することはユーザーとしてもうれしい限りだが、やはり、ケータイは「使えてナンボ」のものであり、今後は事業者として品質管理をしっかりしてもらいたい。

 さて、カタい話はともかく、筆者が選ぶ「ケータイ of the YEAR 2000」の話を進めよう。昨年の「『俺的』Mobile Product of The Year 1999」ではNTTドコモの「ブラウザボード」を選んだが、今年も各社から数多くのメール端末が登場し、ケータイWatchでもレポートを数多く掲載してきた。しかし、1年を通して見ると、4月に登場したNTTドコモの「ポケットポストペット」が品切れを起こすほどの人気を集めただけで、その他には突出した製品が登場せず、今ひとつ盛り上がりに欠けた感もあった。

 これに対し、この年末に急速な盛り上がりを見せ始めたのがPDAだ。Palm OS搭載マシン、Windows CE(Windows Powered)マシンなどの新製品が発売され、量販店のPDAコーナーはたいへん賑わっている。一時期のメール端末コーナーと勢いが入れ替わった感すらある。なかでもNTTドコモの「sigmarion」のデザインに対するこだわり、シャープの「ZAURUS MI-E1」のエンターテインメント性と実用性の調和は、今までPDAに否定的だったユーザー層も取り込むことができる可能性を秘めている。この2機種は2000年を代表するPDAと言えるだろう。

 PCについては、米トランスメタ社製CPU「Crusoe(クルーソー)」を搭載した製品が発売され、注目を集めている。10時間を超えるバッテリー駆動を実現するなど、モバイル環境には非常に魅力的な製品が多い。しかし、筆者としては、バッテリー駆動時間の長よりもDDIポケットが富士通製「FMV-BIBLO LOOX」で実現した「H" IN」という機能を評価したい。PCにPHS機能を内蔵し、オンラインサインアップでの新規契約や機種変更ができるのは、これからの携帯電話やPHSにとって、重要な機能のひとつであり、非常に存在意義のある機能と見ているからだ。

 一方、端末では、カラー液晶搭載モデルが急速に広がりを見せた。2000年はじめには3機種程度しか存在しなかったものが、今やモノクロ液晶を搭載した新製品が珍しく感じられるほど、カラー液晶全盛となっている。機能的にも当初は液晶ディスプレイをカラー化しただけの製品も多かったが、後半はカラー液晶を活かす『仕掛け』を用意した製品も登場した。こうした流れの中で、最もカラー液晶を活かす機能を搭載したと言えるのがJ-フォンのシャープ製端末「J-SH04」だ。約10万画素とは言え、ケータイにデジタルカメラを内蔵し、通常の端末と変わらないデザインにまとめ上げたのは見事と言えるだろう。

 また、端末そのものの機能ではないが、auのC404S、NTTドコモのS502iWMで実現されたシリコンオーディオ機能との合体は、今後の端末の進化を占う意味でも注目に値する。DDIポケットも三洋電機製「RZ-J90」で外付けながら、音楽機能を実現しており、2001年1月には一体化した「RZ-J91」の発売を控えている。ケータイと音楽の関わりは、着信メロディに限らず、今後、最も動向が注目されるジャンルと言えるだろう。

 こうして振り返ってみると、非常に数多くの製品が幅広い層に対して販売されてきたわけだが、筆者は今年の「ケータイ of the YEAR」として、J-フォンの「J-SH04」を選びたい。くり返しになるが、デジタルカメラをケータイに内蔵するという発想、通常の端末と変わらないサイズにまとめたデザインセンス、背面のカメラ部横にミラーを付けるというアイデアなど、今までの携帯電話とは明らかに一線を画した製品と言えるからだ。iモードは「話すケータイから使うケータイ」へ進化させたが、「撮る、見る、送る」というケータイの新しい遊び方を提案してくれたJ-SH04は、次世代携帯電話への可能性を見せてくれたものとして高く評価したい。

 スタパ齋藤: au 「C401SA」

C401sa

 くわッ!! 20世紀最後の年のベスト携帯電話端末と言えば!! それは!! その機種はッ!? 実は「これだッ!!」という決定的な機種が思いつかない拙者であり、この期に及んで「思いつきません」とは何事かッ!! そーゆー優柔不断の輩はこの俺が斬るッ!!

 ていうか強いて挙げればあるのだ、ベスト端末。だが、それを強いて挙げると、選抜プロセスが不純というか端末メーカーさんに対して失礼というか読者様的にも納得行きにくいというか、そんなふうに危惧する。でも敢えて挙げれば、それは、auのC401SAになる。cdmaOneのezweb@mail対応、フロントライトカラー液晶搭載の三洋電機製端末である。

 なぜこの端末なのかと言えば、まずそれがauの新サービスことezweb@mail対応であるから。ezweb@mail対応端末は他にも、C402DE、C403ST、C404Sがある。だが、C402DEは折り畳みタイプじゃない(=俺は折り畳みが好き)、C403STはC401SAよりも遅く発売された(=俺はC401SAを買ったばかり)、C404Sはいまひとつ気に入れない(=俺としては音楽再生のためにあのサイズ・価格というのは納得できない)ということで、残りは既に買って使っているC401SAなのである。だからC401SAが俺にとって今年ベストの端末となるのだ。……ね、なんか積極性がない絞り込み方法でしょ!?

 なんだこの野郎テキトーに端末選びやがってふざけてんのかコラ読者ナメたらあかんぜよ、と思われるかも知れないが、それでも俺はC401SAを選ぶ。ていうかむしろ!! 二つ折りでezweb@mail対応端末で納得できる程度のサイズ・価格ならオッケー!! つまり実はC401SAでもC403STでもオッケー!! でもC403STを使ったことないんで結局C401SA!! これだ!! またもや成り行きでの機種選択!! すすすすす、すいませぇん~!! でもこれしかないんですぅ!!

 要するに、俺が真にグッとキたのは、auが開始したezweb@mailそのものなのである。他のキャリアにもこれとやや近いサービスがあったりするものの、cdmaOne端末の音の良さおよび通話の安定性(=常用携帯電話としての信頼性)に、ケータイでの電子メールサービスとしてはほぼ万全と思えるezweb@mailが付加されたという、この実用性の高さについて、絶対に声を大にして「この内容が今年のベストだと言えますよ~」と言いまくっていきたい!!

 いや~、マジな話、ezweb@mailは非常に快適っス。サービスの詳細に関してはauのezweb@mail解説ページを参照いただきたいが、まずは送られてきたメールがC4XX端末に対してプッシュされて自動的に届く(全文一括受信)という点が激快適。ドコモのiモードでのメールのように(とは言っても最近じゃiモードメールって遅配が多いけどネ)ユーザーは何もしなくてもメールの方から勝手にやってきてくれる点が非常に安楽。

 それから、受信で最大5000文字(日本語2バイト文字)、送信で最大500文字(日本語2バイト文字)までイケるから、まずほとんどのメールを携帯電話上で全文読める感じ。送る場合もこの程度の文字数送れれば全然問題なし。受信時は250文字で約1.89円というパケット料金で、もしかしたらスパム来まくりだったりしたらヤバいかもしんないとは思うものの、全文一括受信じゃなくて選択受信モードもしておけば、読みたいメールだけを読み出せるので料金面でも安心感が高い。

 その他、ccやBccの指定をしての同報配信や、電子メール上の電話番号やメールアドレスやURLに対してワンタッチでリンク(電話したりメール出したりウェブサイトに飛んだり)することができるPhone to/Mail to/URL to機能もナイス!! 携帯電話で快適にメールの送受信を、特に受信をビシッとやっていきたいって向きには最もイケてるサービスだと思うのだ、ezweb@mailは!! というわけで、ezweb@mailが使えるC401SA。

 一応、純粋な端末として見たC401SAについて書くと、二つ折りってことでコンパクトに持ち歩けて、液晶面裏側に時刻やメール着信を表示する液晶パネルを装備しているって点で、実用性アリ。ソフトウェア的インターフェイスもまずまず……ていうか今の時代においては可もなく不可もなくという感じだが、使いやすい部類に入ると思う。C4XX系端末に共通して使える外付けデジカメユニットのPashaPaなんかもオモシロイので、まずまず納得できる端末だと言えよう。苦言を呈するとすれば、最近の反射型・フロントライト付きカラー液晶端末の多くに言えることだが、なーんかいまひとつ画面が暗いっていうか眠いっていうかシャキッとしておらず、個人的にはドコモのN502itやJ-フォンのJ-SH05のようなクッキリした液晶であって欲しかったところ。そんな感じで、端末自体にはそーんなに強い魅力を感じておらず、結局、ezweb@mail対応であると同時にそこそこ納得のいく端末がC401SAってことなのであった。

 広野忠敏: au 「C404S」

C404S

 今年のケータイof the Yearってことになると、なんといってもイチオシは、MSウォークマン相当のオーディオプレイヤー内蔵のハイブリッドケータイであるauの「C404S」。ケータイっていうと、もはや一般的な日常に溶け込んでいる機器のひとつ。だけど、そうしたフツーのアイテムなのに、強烈な個性を持ち、色々と自慢できるポイントがあるのがいいのだ。

 まず、大きな自慢のポイントはハイブリッドであること、ケータイに音楽プレーヤーがついてるわけだから自慢のネタには困らない。本体だけでCDなどの音楽ソースからメモリースティックに録音できるし、MGメモリースティックリーダー・ライタがあれば、パソコンを使ってインターネットで購入した音楽も聞けるし、MP3データの取り込みもできるという点もポイントが高い。

 もうひとつの自慢のポイントは洗練された「男の子向け」デザインであること。ブルーとシルバーを基調に、一部にスケルトンな部品を使った本体。さらに、怪しくブルーに光るボタン(ボタンの白文字は見難いけど)。などなど、デザインが妙にカッコいいのだ。女のコに自慢(笑)してもかっこいいケータイだねっていわれることも多かったりするしね。ついでに、メモリースティックに音楽も聴かせてあげて、16和音の着メロとか音声取り込みの着メロも聴かせてあげたりしましょう。

 そんなわけで、久しぶりに「所有する楽しさ」、「自慢する楽しさ」を満足できるケータイって感じかな。問題はちょっと値段が高価なこと。まあ、ケータイに4万円から6万円も出す酔狂な人はそれほどいないだろうから、さらにC404Sを希少価値的存在にしている点も自慢できる要因の一つだと思う。

 石井英男: ツーカー 「TT03」

TT03

 筆者は、もう6年以上ツーカーのケータイを使っている。関東では「浜崎あゆみ」効果で健闘しているツーカーだが、KDDIグループの傘下に入ったことで、auブランドで展開しているcdmaOne端末との将来的な棲み分けが不明確になった感は否めない。純粋に通話を行なうだけなら、現状のPDC端末でそう不満はないのだが、IMT-2000ベースのケータイが登場すれば、また新たな可能性を開拓できるであろう。とはいえ、ずっと使ってきたキャリアを変更するというのは、電話番号が変わってしまうことや継続割引サービスが切れてしまうといったデメリットがあり、なかなか踏み切れない。SIMカードなどを利用することで、キャリアが変わっても、電話番号や継続割引サービスをそのまま引き継げるようにすることは、技術的には不可能ではない。そうなれば、キャリア間でのユーザー獲得競争(料金値下げや魅力的なケータイを投入するなど)がさらに熾烈になり、ユーザーにとってはありがたい状況が生まれる。早くそうした状況が到来することを望みたい。

 という苦言はここまでにして、俺のケータイ of The Yearということだが、それまで使っていたケータイがソニーのTH281という2年以上前に発売されたシロモノで(ドコモのN501iも持っていたが、メインはずっとツーカー)、さすがにバッテリもへたってきた。そこで、新しいケータイに変えようとツーカーの新製品動向をチェックしていたのだが、なかなかこれだという製品が登場してこない。筆者が新しいケータイ端末に要求していたポイントは、以下の3つである。

 1. 液晶画面の見やすさ(カラー表示が望ましい)
 2. 操作性
 3. 待受時間の長さ

 EZwebなどのインターネット対応機能を軽視しているわけではないが、今現在そうした機能を利用しなくても、あまり不便を感じていないので、ケータイとしての基本機能を最重視することにした。通話中心なら、液晶がカラーである必然性もあまりないのだが、待受画面などをカスタマイズして利用するには、やはりカラーのほうが楽しめるだろう。上記の3条件を満たしたケータイとして筆者が選んだのは、12月初旬に発売されたばかりのTT03(東芝製)である。TT03は、144×121ドット256色の大型カラー液晶を搭載したケータイで、色や明るさのムラも少なく、STN液晶としてはトップクラスの視認性を実現している。操作性についても、ソニー製端末のジョグダイヤルを愛用してきたので、当初やや違和感があったが、慣れてきたらそう気にならなくなった。待受時間は約300時間であり、TH281の約200時間に比べて1.5倍も長くなっている。

 FM音源16和音による着メロも高音質で、人の声や黒電話のベル音といったさまざまな効果音(ヴァーチャル・サウンド)を着信音などに使えるのも面白い。EZwebにはEZ PIMというPIMサービスがあり、アドレス帳やスケジュール、タスクリスト(ToDo)をEZweb対応ケータイ端末で利用することができるのだが、TT03では、EZ PIMとは別に、端末単体で完結するプチスケジュールという簡易スケジュール機能を内蔵している。アイコン表示機能やアラーム機能も備えており、筆者程度のスケジュールの詰まり具合なら、実用的に使えそうだ。トータルでみて、ケータイとしての完成度はかなり高いといえる。

 筆者は、ツーカーSSショップで機種変更を行なったが、前のケータイを約2年使っていたので、端末代金は6800円であった(もしもサービスに入っていれば、さらに半額ですむ)。コストパフォーマンス的にも、非常に満足感の高い機種変更であった。

 編集部工藤: DDIポケット 「RZ-J90」

RZ-J90

 実は、今年1年を通していちばん長く、またもっともよく使った端末はドコモのD502iで、画面スクロールが遅いことと、ややアンテナが弱いように感じること以外は今でも満足している。ともかく使いやすいインターフェイス、いち早く自社サイトでの画像や着メロダウンロードサービスを実施し、まめに更新しつづけているユーザーサービスに対する熱意がお気に入りのポイント。Dユーザーなら有料待受画面は必要ないくらいです。だからD502iにしようかどうか非常に迷ったのだけれど、今回はfeel H"第一弾であるRZ-J90を選びたいと思う。

 RZ-J90について、正直言って細かい不満はある。たとえば昼間クルマの中で使おうとするとまったく液晶が見えない(外とクルマの中の明るさの差がありすぎるため、反射型液晶にはつらい状況)。アンテナが3本以上立ってるのに突然接続が切れることがある。操作性も素晴らしく良いというわけではない。またこれはサービスの話になるが、H"LINKはiモードに比べると、情報サービスとしての使い勝手がもうひとつ。
 でも、そうした細かい不満を吹き飛ばすのが、この良い音。これだけでもわたし的には買い。auやJ-フォンは16和音でfeel H"は12和音だけれど、やはり音色のきれいさではfeel H"がダントツだと思う。とくにピアノの音色は素晴らしい。この音源を共同開発したカシオと沖電気では、2001年度にはGM音源128音色24和音をリリースする予定とのこと。feel H"もさらに進化するのでしょう、きっと。
 また、RZ-J90は、Sound Marketに別売リモコンプレーヤーで対応可能、ケータイ初の音楽配信端末だということもイチバンに選んだ理由のひとつ。これはH"端末が64kbps通信対応だからこそできたサービスだ。個人的には64kbps通信は購入前にはあまり意識しなかったけれど、12和音着メロのダウンロードがともかく速いので、そうだ64kbpsであるのだよなあ、と思ったしだい。速いというのは素晴らしいことです。コスト的にも安くあがるし。
 さらに、別売のデジカメ「Treva」にも対応。そして人気の二つ折りタイプに仕上げ、大型のカラー液晶を採用したこと。feel H"端末第1弾ながら、ここまで欲張りな仕様で出てきたことを高く評価したい。最後に、個人的に光るH"ロゴが非常に気に入ってます。バクゼンと光るんじゃなくて、ロゴが光るところがグッとくるポイント。

 編集部湯野: NTTドコモ 「N502it」

N502it

 私の「ケータイ of the Year」は、なんと言ってもiモード端末の超定番「N502it」だ。

 今年9月の発売当時、折りたたみ&大画面で人気のNシリーズがカラーになったということに加え、一般向け販売の前に沖縄サミットで各国のV.I.P.や記者向けに貸し出されて話題になっていたこともあり、一部販売店には行列ができるほどだった。その後の売れ行きも好調で、発売されてから常に売れ筋ランキングの上位に顔を出しているというところも注目に値する。

 120×160ドットという大画面で、明るくて発色のよいカラー液晶の見やすさは、今でこそJ-フォンのTFT液晶搭載端末「J-SH05」に一歩譲るとはいえ、iモード端末の中では現在もなおダントツの美しさを誇っている。大画面なのでメールが読みやすいという従来の特長に加え、カラーになったことでNシリーズでお馴染みのアイコンスタイルのメニューが随分とわかりやすくなった。カラー画面に映える内蔵ゲーム「パニックルート」も暇つぶしにはもってこい。
 そして、着信メロディもFM音源4和音対応と、iモード端末の中では今でも最強。数ある着信メロディ配信サービスも、N502itなら、まず間違いなく利用できるはずだ。また、ちゃんと4和音の着信メロディも自作できるので、なにかと音にうるさい私にはピッタリなのだ。
 渋いところでは、対応カーナビとの連動機能「iナビリンク」にも対応しているほか、所定の書式で日時と内容を記述したメールを送ると、簡単にスケジュール帳にデータを登録できる「Schedule To 機能」なんかも付いている。

 使えて遊べるiモード端末。そんなバランスのよさから、今年の1番はN502it!

 編集部白根: アステル 「AJ-51」

AJ-51

 iモード、EZweb、J-スカイ、H"LINKに続き、ついに始まったアステルのインターネット接続サービス「ドットi」。そのドットi対応端末第1弾「AJ-51」。学生時代からアステルユーザーをやっている白根がチョイスするのは、当然のごとく問答無用でAJ-51である。

 AJ-51の最大の特徴は新サービスのドットiに対応していることである。ドットiは「オープンインターネット」を売りとする、ケータイとしては非常にユニークなサービスだ。たとえばiモードなどのほかのケータイインターネットサービスの場合、キャリアが用意するアクセスポイントからインターネットに接続するしかないのだが、ドットiではキャリアのアクセスポイントだけでなく、PCで使っているプロバイダでインターネットに繋ぐこともできる。深夜料金はドットiのアクセスポイントよりも通常のデータ通信料金のほうが安いので、時間帯に応じて使い分けるのもよいだろう。

 同様にキャリアが提供する「@phone.ne.jp」のメールアドレスだけでなく、PCで使っているメールアドレスも使用可能だ。メールは16KBまでならばTXT、GIF、PNGの添付ファイルも見られるので、普通のメールならばたいていOK。起き抜けに眠い目をこすりながらメールボタン長押しでメールを一気に受信し、ヌクヌクパラダイスな布団の中でメール閲覧ができる。PCの電源を入れる必要などない。もちろん出先でも同じ使い心地であり、地下鉄の駅構内でも使用可能だ。AJ-51では10字×10行の表示ができるので、普通の長文メールを読むのもそれほど苦ではない。

 さらにドットiはコンテンツプロバイダーに対してもオープンである。勝手サイトの作成は推奨されているし、記述言語は作りやすいコンパクトHTMLだ(iモードと同じ)。位置情報の利用も可能で、地図や乗換案内、お天気情報など、数々の実用系サービスが提供されている。勝手サイトで位置情報を使うことすらできるので、2点間の距離を「目標まで方位:北北西、距離:4.73km」といったデータで表示するサイトを自作し、東京をフィールドに鬼ごっこもできる(やりたいかも)。

 ドットiは非常にオープンなサービスである。オープンゆえに、わかりにくかったり、危険が伴う部分もある。POP3がナニモノであるか理解できなければドットiの価値半減だし、うかつに位置情報を送って自分の居場所をネットに配信することにもなりかねない。しかし、このオープンぶりは応用性の高さを物語っている。今後のドットiの展開は、非常に楽しみである。そんなわけでわたしはAJ-51を今年のケータイにチョイスする。なんだかAJ-51自体についてぜんぜん書いていないがが、それはケータイ新製品SHOWCASEに書いたのでそちらも参照して欲しい。

 編集部松下: J-フォン 「J-SH05」

J-SH05

 今年出た機種の中で私がいちばん欲しいと思った端末は、現時点では携帯電話初のTFT液晶を搭載し、またJ-フォンではNEC製「J-N02」以来の登場となる折りたたみ式シャープ製端末、「J-SH05」です。

 まずJ-フォンでは、他キャリアにはないオリジナルなサービスとして、即時性・地域性に長けた一斉配信型の無料情報配信サービス「ステーション」が利用できるという点に魅力を感じ、J-フォン端末から選ぶことにしました。自分が欲しい情報だけをあらかじめ登録しておけば、自分からアクセスしなくても勝手に情報が降ってきて、なおかつピンポイントにまで絞り込んだ地域に特化した情報が閲覧できるから、使い込むと結構便利そうでプライベートでも活用してみたいサービスです。

 J-フォン端末の中でも「J-SH05」がいいなと思ったのは、毎日手にしていても飽きのこないシンプルでスッキリとしたデザインがカッコよくて、まずお気に入り。液晶画面の美しさも、iモードの「N502it」が出た当初はその明るく鮮明な画面に目からウロコものだと思ったけど、それを上回る鮮やかさ。液晶解像度は「N502it」も「J-SH05」も同じ120×160ドットだけれど、やはりTFT液晶の6万5536色カラーは画期的なまでに鮮やかでした。そして、機能についてもステーションやカラオケに対応しているほか、この端末以外では現状カメラ付きの「J-SH04」しか対応していない、16和音・ADPCM・テキスト・画像などの各データを融合して再生させる「シンクロ機能」に対応しているという点。シンクロ機能を利用したエンターテイメント系のコンテンツ(カラオケなど)も、いち早く楽しめます。これに加えてカメラが付いていたりしたら申し分ないのですが、バッテリーの持ち時間の都合か、さすがに今回はバラ売りということで。

 カメラをとるか、画面のキレイさをとるかで、「J-SH04」とどちらにするか迷いましたが、決め手はやはり、女の子のあこがれ(?)「折りたたみ式」というところでこの端末に決めました。現在、実際にプライベートで使用している端末は軽さ(66g)を最優先事項で決めたので、もし折りたたみタイプに機種変更するならこの端末にしようかなと思っています。

 編集部池森: NTTドコモ 「P502i」

P502i

 最初に私が携帯を選ぶ時にどうしてもはずせないこと。それは重量。最近では、軽量化よりもデザインや付加機能に傾倒している感がある携帯端末ですが、荷物が多い私はやっぱり携帯くらいは軽くなくちゃという観点で選んでしまうのです。シティフォンからiモード端末に機種変をする時に、候補に上げていたのがN502iとP502iでした。最後までどちらにしようか悩んだのですが、N502iの重量は98gで69gしかないP502iと比べると約30gも重いし、端末のカラー「プレシャスブルー」が気に入ったのでP502iに決定しました。
 基本的にiモード端末をコンテンツの閲覧よりもメールを書くために使っている私としては、モノクロ画面も全然気になりません。普段スケジュール帳を持ち歩かないので、このP502iがスケジュール帳の役割も果たしてくれています。月表示しかできないし、簡単なコメントとアイコンしか表示できないけれど、予定が入っているかどうかがわかればいいというタイプにはシンプルだしおすすめ。電話している時に背面についているMEMOボタンが青く光るのが、携帯電話を使っている姿を素敵に演出してくれて好きです。端末の真ん中にあるコマンドナビゲーションボタンが、ジョイスティックのように突出していて使いやすい。

 個人的にはグループ設定が10グループまで分けることができ、それぞれ電話がかかってきた時の着信メロディや待受画面が設定できるので、「すぐにでなくてもいいや」と、とっさの判断ができ便利です(ひどいです)。あと、伝言メモの応答メッセージがグループ毎に設定することができるので、自分の趣味に走った応答メッセージは親しい友人からかかった場合しか聞けないようにしています。端末に搭載されているゲームが3つあるのもポイントです。携帯なので片手でゲームを楽しむことができるので、立ったままでもプレイが可能だし、待ち時間など暇つぶしにもってこいです。
 今のところ、P502iへの不満はないのですが、できればこの端末の大きさと重さで、パナソニック製のカラー端末が発売されれば機種変したいなあと思います。


2000/12/27


ケータイWatchホームページ

ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2000 impress corporation all rights reserved