携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度がスタートして初めての三連休がやってくる。連休中はMNPを利用する人も多く混雑が予想されるが、先週末のようにシステム障害が発生すると、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性がある。ここで少し転出方法などをおさらいしておこう。
■MNPの転出方法
MNPを利用する場合、まず現在利用している携帯電話会社との間で解約予約をしなければならない。受付窓口は、Webやコールセンターへの電話、各携帯電話会社のショップの3つ。窓口で解約予約にあたる「MNP予約番号」を取得して、転入先の携帯電話会社のショップや量販店などで解約手続きと新規契約を同時に行なうと乗り換えは完了だ。
ただし、同制度を使った携帯電話会社の乗り換えには、手数料や年間割引などの解約料がかかる場合がある。詳細は、本誌「MNPのギモン~今のキャリアからの転出方法は?」や、「番号ポータビリティ特集」をご確認いただきたい。
なお、MNP予約番号は15日間のみ有効。この間に携帯電話会社を乗り換えなければ、あらためて取得し直す必要がある。15日間を過ぎれば、元の携帯電話会社との契約がそのまま継続する。
ただし、ソフトバンクショップのスタッフのみ、元の携帯電話会社との契約が再開した場合でも、「家族割などが解除されている場合があるため、確認して欲しい」と話していた。同社は、MNPが始まった最初の土日(10月28日、29日)にMNPシステムに障害を起こしており、総務省やドコモ、auに改善を求められた。現在はMNPのシステムと通常の業務システムを切り分け、システムダウンを起こさない対策を講じている。
■解約処理は新規契約時に
こうした一連のMNPの利用方法の中で、もう1つの解約方法がある。一部のショップ店頭では、通常の解約方法とともに説明を行なっているようだ。
前述の通り、MNPで携帯電話会社を乗り換える場合、元の会社でMNP予約番号を取得し、転入先の会社で新規契約とともに解約処理を行なう。これに加えて、元の携帯電話会社との間でMNP予約番号を取得すると同時に、その場で解約処理も行なえるのだ。
イレギュラーな方法となるため、ショップでは説明しない場合もあるようだが、解約を先に済ませてしまえば、転入先で新規契約するまでの間に利用料がかからない。もちろん、その間は電話も使えないことになるが、「少しでも安く」と考えて利用するユーザーもいるようだ。
しかし、先週末の28日と29日、この方法を利用したユーザーが辛い思いをすることになった。28日と29日は、ソフトバンク側のシステム障害が原因で、MNPのシステムがダウン。ドコモとau間を除く、MNPの利用ができなくなってしまった。これにより、先に解約処理を行なって乗り換えようとしたユーザーは、携帯電話が使えないまま土日以降を過ごすことになってしまったのだ。
三連休となる11月3日~5日は、MNPの利用も通常より多くなるものと見られている。先週末のように、MNPのシステムが再びダウンしないとも限らない。若干安くなる場合もあるとはいえ、転入先で新規契約と解約処理を行なった方が安全といえるだろう。。
■ソフトバンク、連休中は機種変更手続きなど中止
なお、ソフトバンクでは、前述のシステムダウンの影響を考慮して、11月1日~5日かけて機種変更手続きやプラン変更といった、既存顧客向けの受付を停止する。MNP利用者とソフトバンクへの新規受付に注力し、その間、既存ユーザーに対しては解約や故障、修理受付のみ対応する。
既存ユーザー向けの施策として、11月中に機種変更したユーザーには500円分のポイントが提供される。
(津田 啓夢)
2006/11/02