外でも家でもスマホしか使わない、パソコンも家の固定回線も必要ない、という人は意外と多いのではないだろうか。メールやSNSを使ったり、動画を見たり、ゲームアプリで遊んだりといった用途であれば、たしかにスマートフォンだけで十分かもしれない。モバイル通信もそれなりに高速だし、自宅にADSLや光などの固定回線は必要ない、とも考えられるだろう。

しかし、「スマホだけでいい」と思っている人の中には、「PCはほしいけど高い」とか、「PCはあるけど古くて使いものにならない」というように、主に金銭的な理由でPCを敬遠しているケースもあるのではないか、とも思う。スマートフォンだけでは、文書作成や画像編集なんかにもさすがに限界はある。PCを持っていればそういった実務的・趣味的な面で、存分に活用できる。それに、スマホで撮った写真や動画を管理・編集したりと、スマホとPCの連携でも可能性は広がる。「Evernote」などのスマホで人気のアプリも、PC版と連携することでさらに使いやすくなることが多い。

スマホで十分な用途もたくさんあるけど、スマホだとやりづらいこともたくさんある?
ちなみに、PCがあれば「艦これ」もプレーできる!

PCを持つなら、家に引く固定回線ももちろん用意したい。PCで快適にインターネットを利用できるのに加え、固定回線にスマートフォンをWi-Fi接続することで、安定して高速通信でき、パケット料金の節約にもつながる。スマホのLTE/3G通信ではあっというまに速度制限に達してしまうネット動画なども、固定回線があれば見放題だ。

PCと固定回線があれば、PCでインターネットを思う存分使えるほか、スマホの活用も広がる

ただ、やはり一番のネックは、PCとネット環境の両方をそろえるとなると、かなりの費用が初期投資として必要になってしまうことだろう。

そんな悩みを丸ごと解決するのが、インターネットプロバイダーの老舗@niftyが11月26日から提供開始した「@nifty レンタルサービス」。ネット回線の契約と合わせてPCを格安でレンタルできるというものだ。すでに法人ではレンタルやリースという形でPCを利用しているところも多いが、このサービスの内容を見ると、これからは個人でもPCをレンタルするという流れが広がりそうな予感がしている。

最新のPCをレンタルでき、3年間は何度でも無償修理。初期費用だけでなくトータル金額でも安価に

「@nifty レンタルサービス」は、FTTH固定回線サービス「@nifty 光ライフ with フレッツ」の新規契約者と既存契約者を対象に、月額料金でPCをレンタルして使えるというサービス。

月額料金はレンタルする機種によって異なるが、現在は「富士通 FMV LIFEBOOK AH42/M」と、同「LIFEBOOK AH56/M」が用意されており、それぞれ月額「2,982円(税込)」「4,032円(税込)」で利用できる(利用初月は無料)。また、「@nifty 光ライフ with フレッツ」を新規契約する場合は、2014年1月31日までに申し込むとレンタルサービスの月額料金が36カ月間割引になるキャンペーンを実施しており、たとえば「LIFEBOOK AH42/M」なら「利用開始翌月から36カ月間は月額2,079円(税込)」で利用できる。

「@nifty 光ライフ with フレッツ」自体は月額約4,000円前後からで、PCレンタル代の月額2,079円(税込)を合わせると月額料金は約6,000円から。他の割引施策の有無や、NTT東日本かNTT西日本か、住居が一軒家かマンションか、などによっても料金は変わるので、詳しくは「@nifty レンタルサービス」の案内ページとあわせて「@nifty 光ライフ with フレッツ」のページも参照していただきたいが、おそらくスマートフォンの1カ月間の維持費と比べても魅力的な金額になるはずだ。

さて、前述の通り、「@nifty レンタルサービス」では、レンタルするPCの機種によって月額料金が異なる。2013年12月現在、用意されているのは2種類のWindows PCだ。

まず「とにかく安く使いたい人向け」とされているのが2013年秋冬の最新モデルである富士通製「LIFEBOOK AH42/M アーバンホワイト」で、これはキャンペーン適用で月額2,079円(税込)(利用37カ月目以降は税込2,982円)のプランとなっている。

LIFEBOOK AH42/M。富士通の最新冬モデルノートで、「Microsoft Office Home & Business」最新版も付属

PCのスペックを軽く紹介すると、1.7GHzのCPUに4GBメモリ、750GB HDDを搭載し、さらに書き込み対応のDVDドライブが付いた15.6インチのWindows 8.1ノートブック。Word、Excel、PowerPointなどが含まれる「Microsoft Office Home & Business」も付属しており、3Dバリバリのゲームをプレーするにはやや力不足かもしれないが、SNSの利用や画像編集、ビジネス用途には十分過ぎるほどのモデルと言える。

「@nifty レンタルサービス」の場合は、最低利用期間が利用開始翌月から36カ月間に設定されている。初期登録費用として2,835円(税込)がかかるが、初月の利用料金は無料。仮に最低利用期間満期までレンタルしたとしても、初期登録費用2,835円(税込)+月額料金2,079円(税込)×36カ月間=7万7,679円(税込)で、初期費用が安くなるだけでなく、最低利用期間内の総額を見ても普通にPCを購入するより安く済みそうだ。

「LIFEBOOK AH42/M」をキャンペーン適用でレンタルした場合の初期費用と月額料金を合わせた累積支払金額を試算(@nifty 光ライフ with フレッツ 利用料金は除く)

また、「@nifty レンタルサービス」でレンタルできる富士通製PCには、自動的に「ワイド保証サービス(3年)」が付いてくる。落下によるディスプレイの故障や水こぼしによる本体の故障など、通常はユーザーが責を負うべき故障・トラブルもカバーしてくれて、期間内であれば何度も無償修理してくれるという充実の保障内容。通常1万9,800円(税込)かかるこのサービスが上記の月額料金に含まれ、ユーザーの負担は一切ない。それも考慮すると、おトク度はさらに高くなる。

非常に広範囲の修理保証。しかも3年間は何度でも修理を依頼できる(富士通 ワイド保証サービス サイトより引用)

レンタル可能なもう1つのPCである「LIFEBOOK AH56/M アルマイトブラック」はキャンペーン適用で、利用開始翌月から36カ月間は月額3,129円(税込)(初月無料。利用開始翌月から37カ月目以降は税込4,032円)と若干費用は上がるものの、最大3.2GHz動作のCore i7、8GBメモリ、1TB HDD、Blu-rayディスクドライブ搭載のWindows 8.1ノートブックで、しかもタッチ対応の15.6インチディスプレイを採用している。ハイスペックが要求されるゲームをこなせるのはもちろん、Windows 8.1の魅力をすべて引き出せるモデルだ。「エントリタイプ」にプラスたった1,000円で、ここまでのスペックになるのはけっこううれしい。もちろん、ワイド保証サービス(3年)付きだ。

LIFEBOOK AH56/M。強力なCPUや余裕のメモリー容量、そしてBlu-rayディスクドライブやタッチ対応など、充実のスペック。もちろんMicrosoft Office Home & Business付属。

こちらも最低利用期間は利用開始翌月から36カ月間となっており、そこまで使うと初期費用2,835円(税込)+月額料金3,129円(税込)×36カ月=11万5,479円(税込)となる。

ちなみに、利用開始翌月から36カ月間が経過して最低利用期間を満了したあともレンタルは継続可能で、最長で利用開始翌月から60カ月間まで利用し続けられる。5年間も同じPCを使い続けられるかというと、スペックの進化が早いPCにおいては正直なところあまり現実的ではないかもしれない。だいたいは利用開始翌月から36カ月目にサービスを継続するかどうかを検討することになるだろう。

もし「それでも期間が長すぎる」ということであれば、利用期間に応じて一定の「契約解除料」を支払う必要があるものの、途中解約も可能となっている。

月額負担累計額と途中解約金の合計金額をグラフにしてみた(@nifty 光ライフ with フレッツの料金は除く)。途中解約金は利用開始翌月から13カ月目、25カ月目のタイミングで安くなり、利用開始翌月から37カ月目以降は費用がかからなくなる

ちなみに、最低利用期間満了後の商品買取り等については@niftyのサイトに記載がある。

というわけでサービスについて見てきたが、どうしてもほしいPC機種がある、というのなら話は別だが、「今はスマホだけ使っているけれど、高速・安定した光回線がほしい」と思っている人、「PCの買い替え時期で、固定回線も変えてもいい」という人であれば、間違いなく「@nifty レンタルサービス」が選択肢に入ってくるだろう。

Windows XPのサポート切れも環境移行の好機。クラウドの普及も「レンタル」の後押しに?

昨今のWindows周辺の話題としては、Windows 8.1のリリースもあるが、もっと重要なのが2014年4月9日にWindows XPがサポート期限を迎えること。それ以降はWindows XPに対するアップデートは一切なくなり、セキュリティに関わる重大な問題も修正されなくなってしまう。これは企業にとっても、個人にとってもかなり深刻な問題だ。OSをアップグレードできればそれに越したことはないが、そもそもWindows XP時代のマシンでは最新OSにハードウェアが追いつかない部分もありそうに思える。ということは、実際にはPCの買い替えが必要になると考えておくべきだ。

Windows XPのサポート終了を予告する案内。2014年4月以降は重大なセキュリティリスクも解決できなくなる

現在持っているPCが古いWindows XPマシンしかないのであれば、とりあえず「@nifty レンタルサービス」を利用して最小限の費用で最新PCにスイッチすることが考えられる。すでに固定回線がある場合は@niftyに切り替えることで、これまでのプロバイダーのメールアドレスが使えなくなってしまうけれど、スマートフォンユーザーならほとんどの人が使っているであろうGmailなどのクラウド型メールサービスに移行した方が、スマートフォンとの相性を考えると都合がいいのではないだろうか。その他、DropboxやEvernoteといったさまざまなクラウドサービスを活用することで、オフィスにあるPCと自宅にあるPC、そしていつも持ち歩いているスマートフォンともデータ連携でき、しかも自宅では高速な光回線で快適に利用できる。

もしレンタルを途中解約したり、36カ月後に返却して新しいPCを購入することになると、PC環境の移行が面倒、と思うかもしれないが、Windows 8.1ではMicrosoftアカウントとひもづけて各種設定やWindows ストアアプリをPC間でカンタンに同期できるようになっている。また、Windows 8.1になってOSと統合が進んだ「SkyDrive」を使い、レンタルしたPCで作ったデータをクラウド上に保存しておけば、レンタルPCを返却してもデータはそのまま使い続けられる。以前ほどPC環境の移行に手間取らなくて済むようになったのは、ありがたい限りだ。

Windows 8.1からは「SkyDrive」を使ってOSの設定を他のPCと同期できる

「スマホだけ」から「スマホ+PC」に踏み出したい人におすすめ

「@nifty レンタルサービス」は、とにかく初期費用が安価なので、これまでかたくなに「スマホで十分」と言い張っていた人でもPC導入をしやすいし、年明け4月の新生活のスタートに向けて検討するのにもタイミングはいい。あるいはこれからPCやインターネットを使い始めたい、PCを買い替えたいと思っている両親などにも勧めやすいと思う。特に、古いPCを使い続けている両親は、もしかするとWindows XPのサポートが切れることを知らないかもしれず、サポートが切れるということが何を意味するのか正確にわかっていない可能性もある。年末年始の実家の帰省時にWindows XPがまだ使われていないかどうかチェックして、フォローしてあげるのも子供の役目、と筆者自らも胸にしっかり刻み込んでおきたい。