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国内で実験中の京セラ技術担当者に聞く
無線ブロードバンド技術「iBurst」

 昨年末より京セラが「iBurstシステム」の国内実験を開始した。同社の横浜事業所周辺で行なわれている実験だが、「iBurst」そのものは昨年3月より豪州で商用サービスとして提供されている。

 下り最大1Mbpsという通信速度を実現できる「iBurst」は、どのような仕組みとなっているのか。技術担当者である小山 克志氏に話を聞いた。


データ通信に特化した無線ブロードバンド技術

京セラ 小山 克志氏

京セラ 小山 克志氏
 ――そもそも「iBurst」とはどのようなものなのでしょうか?

小山氏
 「iBusrt」の技術自体は、米ArrayCommと共同開発したもので、4〜5年前に開発をスタートしました。京セラはかねてより、PHSの基地局・端末を提供しており、PHSをベースにした「スーパーWLLシステム」というサービスも供給してきました。

 「スーパーWLLシステム」は、固定電話を無線にするというイメージで、音声通話に向けた内容でしたが、PHS市場はデータ通信中心になってきており、「iBurst」は無線によるブロードバンド通信を実現しようとしたものです。有線でのブロードバンド環境は、利用する場所に必ず固定網を引かねばなりませんが、無線であれば基地局とクライアント端末があれば良いですから。

 昨年3月からは豪州で「iBurst」による商用サービスが開始され、今はシドニーなどで利用可能です。現在、当社からはADSLモデム風の形状であるデスクトップタイプと、PCカードタイプの2種類のクライアント端末を供給しています。サービス開始当初は、ビジネスユースがメインになると考えていましたが、今はデスクトップタイプのほうが人気のようです。

 というのも、現地にADSLサービスは存在するのですが、交換局から距離があると高速と言えるほどの通信速度は実現できません。そこに「iBurst」が登場し、下り最大1Mbpsという速度でインターネットアクセスできることになりましたので、固定網の代わりとして需要があるようです。比率としては、PCカードタイプが3割、デスクトップタイプが7割という形ですね。

 通信速度は、「どこで使用するか」ということによって変わってきます。極端な話、基地局から見通しの良い場所で、屋外であればどこでも下り最大1Mbpsが実現できます。しかし、基地局から遠い場所で屋内という環境では、減衰しますので通信速度も低くなってしまいます。

 基地局がカバーできるエリアは、見通しの良い場所で半径10km程度です。もちろん高層ビルが建ち並ぶような場所では一概に言えません。どのようにエリアをカバーしていくか、これはメーカーである当社ではなく、通信事業者が考えられることになります。

 ちなみに、当社が推奨する利用周波数帯は、600MHz〜2.5GHz帯です。セキュリティ面でも「iBurst」独自の規格を採用しており、セキュアな通信環境の実現をはかっています。


オーストラリアで人気を得たADSLモデム風の端末 PCカードタイプの端末も提供されている

干渉に強く、電波の利用効率が良い

下り最大1Mbpsという通信速度を実現できる
 ――「電波の利用効率が良い」というのが「iBurst」の特長とされていますが、具体的には、どのような技術で利用効率を向上させているのでしょう?

小山氏
 「iBurst」は、5MHz幅で1基地局につき、下り24Mbps、上り8Mbpsという通信速度になります。1基地局に収容できるユーザー数は、最大640人ですが、同時に接続するとハイスピードは実現できません。理論上、24人までの同時接続であれば下り最大1Mbpsで楽しんでいただけます。これを超える同時接続数の場合には、通信速度が徐々に落ちることになります。

 どこでも最大1Mbpsを実現しようとするならば、それなりに基地局を設置することになります。つまり、基地局の配置設計をどのようにするか、通信事業者のポリシーによって通信速度が変わります。

 技術的な話になりますが、5MHz幅で8キャリア分使えます。1キャリアにつき、最大1Mbpsという通信速度になり、従来であればユーザー1人が1キャリア使うと占有する形になるのですが、「iBurst」では複数ユーザーにサービスを提供できる「SDMA」を使用しており、1キャリアにつき最大3人まで使用できます。つまり、1基地局で24人、最大24Mbpsですね。

 また、“アダプティブアレイアンテナ”というアンテナ技術を採用しています。これは、干渉にも強い技術で、アンテナ自体は無指向性なのですが、ユーザーがいる場所に対して絞って電波を送れます。通信しやすい環境を整えると同時に、干渉波は抑えられるのです。

 1キャリアで最大1Mbpsという通信速度を実現しているのは、さまざまな要因があるのですが、大きなところでは符号化変調技術によるものがあります。下りは24QAM、上りは16QAMという変調方式を使っています。これらによって、電波の利用効率は向上していると言えるでしょう。


京セラ 横浜事業所に設置されている実験用のiBurst基地局 モジュール構成となっている

実験で一番大きいのは「日本でやれること」

基地局のサイズは、「携帯電話用より小さく、PHS用より大きい」(小山氏)とのこと
 ――国内での実験は、商用サービスと異なる点があるのでしょうか。

小山氏
 内容としては、すでに海外で商用サービスが開始されている「iBurst」の機能・性能に加え、さらに高度化をおこなうための電波特性やスループット特性など各種機能、性能特性の測定評価をおこなっています。ただ、日本で実験できるということが一番大きいかもしれません。

 当社の横浜事業所周辺で実験を行なっていますが、基地局を1つ、アンテナを12本設置しています。当事業所から約6kmほど離れた、新横浜駅前のホテルの上層階でも、見通しがよい地点ですので電波を受信できます。基地局のバックボーンは、IP網です。つまりイーサネットケーブルが引いてある場所であれば、どこでも基地局を設置できるわけです。新たなバックボーンを構築する必要はありませんので、コスト面でもメリットがあると考えています。

 TDD方式ですので、基地局間の同期を取るため、基地局にはGPSアンテナ2本も設置されています。事業所周辺がカバーエリアですので、実験では車に乗った状態での通信も検証しています。この近くには、東名自動車道が通っており、近い将来、もう1カ所実験局を増設して、高速道路での通信実験も行ないたいと考えています。

 国内でも、「iBurst」だけで全国をカバーするという形にこだわらず、ラストワンマイルをカバーするものとしても、採用していただきたいですね。


実際に電波を発するアンテナ 約6km離れた、新横浜駅前のホテル上層階でも受信できるという

VoIPのサポート、通信速度の向上を目指す

小山氏は、今後も速度向上やVoIPのサポートを目指していくと語った
 ――「iBurst」を高度化PHSと呼ぶ声もあります。

小山氏
 確かに同じTDD方式ではありますが、PHSは音声通話をベースに規格が制定されたシステムであり、「iBurst」はデータ通信をベースに考えられたシステムです。

 今後のロードマップとしては、年内にも下り最大2Mbpsを計画しており、その後5Mbps、10Mbpsと通信速度を向上させていく予定です。バージョンアップしやすいように基地局も設計しています。また、VoIPのサポートも視野に入れており、年末には何らかの形で発表できるのではないでしょうか。

 クライアント端末の形状は、現在、PCカードタイプとデスクトップタイプの2種類ですが、小型化を進めるのであれば、コンパクトフラッシュ型やUSBタイプも可能です。

 ライバルとしては、米Navini社のTD-SCDMA(MC)方式、米IPWirelessのTD-CDMA方式がよく挙げられます。標準化に関しては、IEEE 802.20での採用を目指しています。「iBurst Forum」という組織も立ち上げており、他社にもどんどん参画していただきたいですね。


■ 京セラ
  http://www.kyocera.co.jp/


京セラ、国内で下り最大1Mbpsの「iBurst」システムの実験開始


(関口 聖)
2005/03/09 16:11

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