ケータイ Watch
最新ニュースIndex
【 2009/06/26 】
携帯フィルタリング利用率は小学生で57.7%、総務省調査
[17:53]
ドコモ、スマートフォン「T-01A」を28日より販売再開
[16:47]
ソフトバンク、コミュニティサービス「S!タウン」を9月末で終了
[15:51]
ソフトバンク、ブランドキャラクターにSMAP
[15:34]
カシオ、携帯での閲覧にも対応した画像変換ソフト
[14:56]
テレビ朝日、iモードで動画配信「テレ朝動画」を開始
[13:54]
ファーウェイ、東京に「LTEラボ」開設
[13:22]
SoftBank SELECTION、iPhone 3GS向けケース3種発売
[13:04]
「G9」の文字入力に不具合、ソフト更新開始
[11:14]
アドプラス、iPhone 3G向けコンバージョンレンズ
[10:41]

JR東日本、「モバイルSuica」を来年1月28日スタート

モバイルSuica専用ロゴも発表された

説明を行なったJR東日本理事で鉄道事業本部 Suica部部長の椎橋 章夫氏
 JR東日本は、おサイフケータイで電車に乗れる「モバイルSuica」を2006年1月28日午前4時から開始すると発表した。申し込み受付も同時に開始される。同社では14日、都内で報道関係者向け説明会を開催。JR東日本理事で鉄道事業本部 Suica部部長の椎橋 章夫氏から説明が行なわれた。

 「モバイルSuica」は、おサイフケータイに専用アプリをダウンロードして、カード型の「Suica」と同じようにJR東日本のSuica対応エリアで乗車できるサービス。対応店舗で電子マネーによるショッピングも行なえる。大きな特長としては、従来のSuicaとしての機能に加えて、携帯電話上で履歴や残高を確認、定期券・グリーン券の予約・購入、電子マネー(Stored Fare、SF)のチャージなどが挙げられている。

 利用するには、JR東日本が発行する本人名義のクレジットカード「ビューカード」が必要で、モバイルSuicaの初回起動時に行なう会員登録の際、氏名や住所などに加えて、ビューカードのクレジットカード番号も入力する形になる。ビューカードは、一部の提携カードを除き年会費が必要だが、これに加えて、モバイルSuicaの年会費も必要になる。ただし、同社では当面の間、モバイルSuicaの年会費は課金しない予定。

 対応機種は、NTTドコモのF902i/N902i/P902i/SH902i/N901iS/P901iS/SH901iS、auのW32H/W32S。ただし、W32Sは新バージョンへの対応が必要。

 椎橋氏は、各機能の説明を行なった後、「2006年度末には、会員100万人を目指したい」と語った。


利用手順の概要 サービス内容の概要

主な機能

SFのチャージや定期券が購入できる

グリーン券も購入可能
 モバイルSuicaが利用できるエリアは、Suicaが導入されている首都圏や仙台地区のほか、来年1月21日に導入予定の新潟エリアも含まれる。また、Suicaが利用できる東京モノレール、りんかい線も乗車できる。電子マネー(SF)として利用する場合は、現在対応している全店舗で利用可能。

 定期券機能では、現在利用されているSuicaのカード型からモバイルSuicaへの移行が可能。ただし、モバイルSuicaからカード型への移行はできない。また、切り替えできるのは、会員登録時のみとなっている。定期券機能では、区間の変更や払い戻し、継続購入などはおサイフケータイで手続きする形になる。なお、グリーン券購入は、過去の履歴を利用することもできる。ただし払い戻しは携帯電話での操作のみに限られている。

 あらかじめSFをチャージしておくことで、運賃精算時に利用できるほか、駅構内のキオスクや一部飲食店、自動販売機などでショッピングすることもできる。チャージは携帯電話の通信機能を活用する形となる。

 定期券やグリーン券の購入、チャージ時の決済手段は、ビューカードでの支払いとなる。同社では、将来的に銀行口座からSFのチャージができるようにしたい考え。また、携帯向けサイトで購入した商品の決済手段としてSFを利用できるようにするという。


画面上で履歴なども確認できる 利用にあたっての注意事項

 モバイルSuicaの開始にあわせ、JR東日本では専用窓口となる「モバイルSuicaコールセンター」を新設し、対応にあたる予定だ。電話での受付となり、SFの履歴確認や、Suica定期券の再発行、モバイルSuicaの退会などを受け付ける。基本的に朝5時に窓口はオープンし、基本的な問い合わせは翌2時まで受け付けるが、SFの履歴確認や定期券の再発行受付は翌0時50分まで、退会受付は23時45分までとなっている。

 万が一紛失した場合は、コールセンターに申し出るか、パソコン上から申し込むことになる。紛失処理された携帯電話は、その情報が各リーダーライターに通知されるため、ショッピングや乗車することはできない。新しい携帯電話があれば、当日中に再発行することが可能だが、SFの残額は翌日以降に戻ってくる形になる予定。


新たにコールセンターが設けられる。また、手続きなどは24時間利用できるわけではない 紛失、故障時にはコールセンターに

機種変更手続きは?

 来年1月スタートとあって、機種変更とともにモバイルSuicaを移行させる、というユーザーが登場するのはしばらく先と見られるが、現在のところ、JR東日本では機種変更時の手続きとして、サーバー経由でデータを移す形にする考えを明らかにした。

 具体的には、旧機種側で機種変更の手続きを申し出て、SFの残高や定期券機能などをサーバーに預けて、新機種にダウンロードする形になるという。


将来の機能について

スタートに向け、駅構内でキャンペーンが実施される。モバイルSuica対応の携帯電話も販売されるという
 JR東日本でのみ提供されているSuicaだが、似たようなサービスとしてJR西日本がICOCAというサービスを提供している。既にカード型であれば、ICOCAの対応地域でSuicaを利用できるが、モバイルSuicaについては、今後検討されるという。

 カード型でも東京駅で乗車し、大阪駅で下車するということはできないが、モバイルSuicaでも同じくエリアをまたがった利用はできない。万が一、そうなった場合は、下車時に窓口に申し出て、精算する必要がある。

 同社では14日付けでリクルートと協力し、モバイルSuicaの会員向けサイトを構築すると発表。具体的なサービス内容は不明だが、電子クーポン提供の考えや、リクルートの携帯サイトとの連携などが検討される。詳細は未定だが、有料コンテンツが含まれる可能性もある。

 また、モバイルSuicaのメニュー項目として、「運行情報」「時刻表」が明らかにされたが、これらはJR東日本企画提供の携帯サイトへのリンクが設けられる形になるとのことで、実際に利用するには、モバイルSuicaの会員登録に加えて、運行情報サイトの会員になっておく必要があるという。

 また、将来的には新幹線定期券機能・グリーン券定期券機能のサポートや、モバイルSuicaから新幹線チケットを予約し、そのままチケットレスで乗車できるサービスの提供も予定されている。椎橋氏は「年会費をいただくことになるとすれば、月額制は用意せず、年間1,000円程度で提供することを考えている。ただし、スタート時の機能のまま、年会費を課金という形ではお客様に納得していただけないだろう。新幹線関連の機能を追加するなど、アップグレードした際に年会費をいただく形にしていければ」と説明した。


対応機種は9種類

W32Hでの利用イメージ

P901iSでの利用イメージ
 既に触れた通り、対応機種は、NTTドコモのF902i/N902i/P902i/SH902i/N901iS/P901iS/SH901iS、auのW32H/W32Sの計9機種となる。なお、ドコモの「SO902i」については、今後試験が行なわれる予定。JR東日本では「通過試験を行なった結果、合格した機種を対象としている」と説明。今後、新たな対応機種が明らかになった場合は、順次発表していくという。

 JR東日本の発表を受け、NTTドコモでは「JR東日本の独自試験を経て発表されたもの。その判断理由の詳細はわからない」と説明している。また、KDDIでは、バージョンアップが必要とされたW32Sについて「具体的な方法は検討中だが、モバイルSuicaの開始までには詳細を決める」としている。

 703SHfをリリースしたものの、対応機種が存在しないボーダフォンでは「モバイルSuicaへの対応は検討中。今後の機種についても現時点では未定」としている。

 おサイフケータイでは、非接触ICの電源は端末側のバッテリーから供給される形となる。このため、バッテリーが抜かれた状態や完全に電力がない状態であれば、モバイルSuicaも使えなくなる。万が一、改札を通過して乗車した後にバッテリーが完全になくなってしまった場合は、窓口に申し出て運賃をあらためて支払う形になる。窓口側に充電器などは用意されない。

 また、FOMAカードやauカードを抜いた状態でもバッテリー残量さえ残っていれば乗車することは可能。また、機種変更時にSFの残高を旧機種に残しておいても、バッテリーさえあればそのまま使うことができる。ただし、SFのチャージなどは通信機能を用いるため、残高がなくなれば利用不可になると見られる。


902iシリーズでは、4機種が対応。今後SO902iの試験も行なわれるという 901iSシリーズでの対応機種は3機種

auのW32Sは、バージョンアップが必要だ


URL
  ニュースリリース(PDF形式)
  http://www.jreast.co.jp/press/2005_2/20051110.pdf
  JR東日本
  http://www.jreast.co.jp/

関連記事
携帯で改札を通れる「モバイルSuica」、2006年1月にスタート
ドコモとJR東日本、Suicaの普及に向けて共同事業
JR東日本、「モバイルSuica」のフィールドテストを開始


(関口 聖, 津田 啓夢)
2005/11/14 16:19

ケータイ Watchホームページ

ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
Copyright (c) 2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.