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ウィルコムなど4社、W-ZERO3のセミナーを開催

 ウィルコムとマイクロソフト、シャープシステムプロダクト、システムズナカシマの4社は、27日、東京都内で「W-ZERO3 ビジネスソリューションセミナー」を開催した。W-ZERO3を使ったビジネスソリューションについて、4社のキーパーソンが講演を行なった。


マイクロソフト佐野氏「環境が整い、PDAも流行の兆し」

マイクロソフト 戦略技術室 室長 佐野 勝大氏
 最初に登壇したマイクロソフト 戦略技術室 室長の佐野 勝大氏は、PDA市場の変化やWindows Mobileの利点についてスピーチを行なった。まず、W-ZERO3の好調な出だしについて触れ、その背景について「ビジネスのスピードが急激にあがっている」と指摘。これまで日本でも何度かこうしたPDAのブームがあったが、そのブームが根付かなかった理由について、佐野氏はこれまでのPDAは通信機能を持っていなかったこと、パソコンとの機能のギャップが大きすぎたこと、情報漏洩などセキュリティに対しての安心感がなかったことの3点を挙げた上で、現在の状況について、「現在はこういった部分がプラットフォーム化された。指紋認証やデータの暗号化、認証が必要なドメインへのアクセスなど、環境が整ってきたので、今、流行の兆しが見えるのでは」と分析し、明るい見通しであることを示した。

 しかし、携帯電話が高度化し、パソコンも軽量化が進んでいるため、PDAタイプの端末の存在価値について、疑問視する意見もある。それについて佐野氏は、「今、携帯電話でもJavaやBREWによりいろいろなことができるが、やはり画面が小さい。グラフィカルな表現があまりなく、テキストが中心になっている。W-ZERO3であれば、画面が携帯電話に比べて大きいので高度なアプリケーションが作れるというのが大きな違いだ」と述べ、PDAタイプの端末も市場性があることを主張した。

 W-ZERO3に搭載されているWindows Mobile 5.0については、「Eメールに添付されたWordファイルやExcelファイルを開き、編集できる」とアピール。さらに、今後のWindows Mobileでは、リモートから端末を管理する機能を搭載し、端末紛失時に遠隔操作してデータを消せるようになるなど、より法人向けの機能を強化する予定だという。

 佐野氏は最後に、「モバイルはコストの削減に使われることが多かったが、今後はビジネスの武器になるような道具として、発展させていきたい」と語り、スピーチを締めくくった。


無線通信技術や生体認証の進化によって、PDA市場にも変化が訪れているという 今後は、セキュリティや企業ネットワーク関連の機能を追加していく予定

シャープ増本氏「キーボードにはこだわっている」

シャープ 情報通信事業本部 新携帯端末事業部 商品企画部販売促進グループ 副参事 増本 哲夫氏
 次に登壇したシャープ 情報通信事業本部 新携帯端末事業部 商品企画部販売促進グループ 副参事 増本 哲夫氏は、W-ZERO3のデバイスとしての魅力を中心にプレゼンテーションを行なった。

 増本氏はまずW-ZERO3の命名の由来について説明。「Wは“Willcom”、“Windows”、“Wireless”、ZEROは“ゼロから作り出す新しい世界”を、3は“W-SIM対応端末第3弾である”ことと、“PHSを使ったデータ、音声、そして無線LANの3つのコミュニケーション手段が用意されている”ことを示している」という。

 さらにW-ZERO3については、「AQUOSで培った液晶技術やザウルスで育ててきたキーボード、思い入れのある技術を投入した」とした。特に強調していたのはキーボードで、「扇形にキーが配列されているのは、親指で操作しやすいように配慮しているから。暗いところではキーがLEDで光るようになっている」と、W-ZERO3へのこだわりについて語った。

 増本氏は最後に「W-ZERO3はケータイの機動性とPCの機能性のいいとこ取りをした端末」とまとめ、スピーチを締めくくった。


「ケータイの機動性とPCの機能性の融合がW-ZERO3の魅力」だという W-ZERO3のキーボードには、ザウルスで培われた「こだわり」が詰まっているという

ウィルコム丸氏、「W-ZERO3向けIPsecクライアントを春以降に提供」

ウィルコム ソリューション営業本部 第三営業部 課長 丸 正宏氏
 ウィルコムのソリューション営業本部 第三営業部 課長の丸 正宏氏は、料金プランおよび法人向けソリューションを紹介した。まず、ここで大きくアピールされたのは、ウィルコム同士で音声通話無料、Eメールし放題で話題となったウィルコム定額プランだ。丸氏は「2,200円でウィルコム同士が定額になるのはもちろん、今や発信の多くを占める携帯電話への発信も一般の携帯電話より安く設定されている。確実にコストダウンに貢献する」とアピール。また、W-ZERO3とともに登場した「データ定額」についても、「ウィルコム定額プランと組み合わせれば、PC接続をどれだけ使っても合計8,500円。携帯電話にはない料金設定だ」とし、コスト面での優位性を強調した。

 一方、ウィルコムが提供する法人向けソリューションとして、インターネットを経由せずにオフィスのサーバへとアクセスできる「アクセスポイント認証サービス」や、NTTやKDDIによるセキュアアクセスサービスにも対応していることを紹介。さらに、W-ZERO3向けに、IPsec準拠のクライアントソフトを春以降に提供する予定であることも明らかにされた。

 なお、丸氏によると、W-ZERO3の法人への販売状況について、「大型の受注案件はないが、約2,000社で動作検証が行なわれている」という。


「ウィルコムのパソコン接続をも含めた完全定額制は、携帯陣営にはないメリット」だという 「法人向けにも個人向けにも、ウィルコム定額プランとデータ定額の組み合わせがW-ZERO3にベストマッチ」と、そのわかりやすさをアピール

 この後、システムズナカシマ 東京支店システム営業二課 係長の藤田裕三氏が、W-ZERO3向けの営業業務報告書作成アプリケーション「NICE営業物語Light」を紹介。このアプリケーションは、営業マンが出先から直接、外回りの目的や進捗状況などをW-ZERO3のメール機能を使って送信できるもの。さらに高機能の有料版、サーバー版の販促として、現在無料で配布されている。


システムズナカシマのW-ZERO3向け業務管理アプリケーション「NICE営業物語Light」 講演終了後はタッチ&トライコーナーが設けられた

ウィルコム垣田氏「バックボーンを整えて、携帯にキャッチアップ」

 セミナー終了後、ウィルコム ソリューション推進部 クロスサポートグループ 課長の垣田 朋滋氏に、今日発表された、最大408kbpsの高度化PHS規格「W-OAM」についてお話を伺った。

――W-OAMの概要について簡単にご説明ください。

垣田氏
 これまでは、回線を束ねることによって速度を上げてきたわけですが、今回のは回線そのものの速度を1.6倍にすることで、トータルの通信速度をアップさせようという試みです。

――高速化というと、携帯電話陣営が今夏にも、数Mbpsクラスの定額通信サービスを行なうのではと噂されていますが、それに対抗する商品、と考えればいいのでしょうか?

垣田氏
 もちろん、それはありますが、そもそも携帯電話陣営にはデバイスの性能や、そういう面でかなうとは思っていません。我々は今、バックボーンからIP化を推し進めています。ただ通信技術を高度化するのではなく、こうしたトータルでの取り組みを行なっていくことで、携帯陣営にもキャッチアップできるでしょう。

――256kbps対応の音声端末も出ていない現状では、408kbps対応の音声端末やW-SIMは難しいですか?

垣田氏
 まず、現在の段階では高速化していっても端末側の性能がついていかない、という問題はありますね。さらに、我々の場合は複数の回線を束ねて使う方式になるので、音声端末の場合はあまり技術的にフィットしない、という側面もあります。W-SIMについては、正直なところ、128kbpsにまとめるときでさえ、世界中から条件を満たすアンテナの部品を探したくらいですから、すぐに同じサイズで実装することは難しいでしょう。

――ということは、これまでと同じように、まずカード型でどんどん高速化していき、音声端末やW-SIMへの応用は機が熟してから、といった方針でしょうか。

垣田氏
 そうですね。高速な通信をもっとも引き出せるのはやはりパソコンなので、順序としてはそういうことになると思います。

――ありがとうございました。



URL
  ウィルコム
  http://www.willcom-inc.com/

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(伊藤 大地)
2006/01/27 18:55

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