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ルネサス、「SH-Mobile」の事業戦略を説明

ルネサスのシステムソリューション第二事業部副事業部長の川崎郁也氏

2008年には年間生産5,000万個
 ルネサス テクノロジは、2月14日に発表された携帯電話向けプラットフォームの共同開発など、同社の今後の事業展開について説明会を行なった。

 ルネサスは、MCUやLCDドライバといった汎用製品事業、システムソリューション事業、フラッシュメモリ事業などを展開する半導体企業。携帯電話向けにはアプケーションプロセッサ「SH-Mobile」を供給している。

 同社はNTTドコモとともに、2004年7月よりW-CDMAとGSM/GPRS方式に対応したワンチップLSIの開発に着手。昨年8月にはサンプル出荷が開始された。「SH-Mobile G1」と名付けられたこのチップは、W-CDMAとGSM/GPRS方式の2つのベースバンドLSIと、従来のSH-Mobileをワンチップ化して提供するもの。今回の説明会では、2006年度の第1四半期に量産が開始されることが明らかにされ、さらに、富士通、三菱電機、シャープの3社の2006年夏モデル(FOMA)以降に搭載される予定であることがわかった。

 従来同社は、高機能携帯電話向け、中級機向け、スタンダード機向けの3つのラインナップでアプリケーションプロセッサを投入してきた。日本で採用されているものは高機能タイプのもので、中級機およびスタンダート端末向けのSH-Mobileは、海外のGSM圏などに提供している。現在までに累計3,300万個以上を供給しており、2005年度のみでも1,300万個を納入。2005年度の累計採用件数は230件で、その内海外メーカーの採用は114件に上った。

 SH-Mobile G1は、従来の3つのSH-Mobileのさらに上位に位置づけられる製品で、Gシリーズとして今後も展開される予定。SH-Mobile事業について説明したルネサスのシステムソリューション第二事業部副事業部長の川崎郁也氏は、「従来のアプリケーションプロセッサに通信部分のLSIを統合したことで、SH-Mobileは基幹部品となった」と語った。


高機能化に伴ってSH-Mobileの需要が拡大 SH-Mobileの機能イメージ

製品ラインナップ 2003年から海外需要が拡大

 さらに、今後の計画についても言及し、Gシリーズの第2弾として、NTTドコモ、ルネサス、富士通、三菱電機、シャープの5社で、SH-Mobile G2を含む携帯電話プラットフォームの共同開発へと展開するとした。

 プラットフォームの提供については、2月13日にドコモなどから発表されたものと同様。W-CDMAとGSM/GPRS方式に加えて、HSDPAや欧州のEDGEなど新通信方式もサポートされ、OSや電源ICといった共通デバイスも含まれており、当初はSymbian OS向けに展開し、今後Linux OSなどへの対応も予定されている。

 G2は、2006年第2四半期にもサンプル出荷が開始される予定で、2007年度第2四半期には量産化が開始される見込み。2007年後半にも富士通、三菱、シャープの各社から、このプラットフォームを活用した携帯電話が登場する見通しだ。

 さらにルネサスは、このプラットフォームを海外の端末メーカーなどにも展開していくとしている。同社では、2008年までにFOMA端末において50%のシェア獲得を目指しており、成長著しい海外3G市場でも2008年度までにSH-Mobileの売上比を50%まで引き上げたい考え。

 川崎氏は、今回のプラットフォーム戦略の競合として、クアルコムの名前を挙げており、今後の携帯電話向けのアプリケーションプロセッサなどは、プラットフォーム化しなければ拡大が難しいとの見方を示した。なお、現行の携帯電話には、クアルコム製ベースバンドチップにSH-Mobileが搭載されたものもあるが、「こうした関係は継続されるのではないか」としていた。

 なお、ルネサスでは、携帯電話プラットフォーム開発・販売の専任部署を4月にも立ち上げる予定。


デュアルモードLSIとSH-Mobileをワンチップで提供 開発ロードマップ

携帯プラットフォームの領域 プラットフォームのサポートへ拡大

プラットフォーム化に向けた新たな部署を設立 今後の目標


URL
  ルネサス テクノロジ
  http://japan.renesas.com/

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(津田 啓夢)
2006/03/01 14:55

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