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ソフトバンク株主総会、携帯事業もNo.1を目指す

 ソフトバンク株式会社は、6月22日、東京国際フォーラムで、第27回定時株主総会を開催した。

 2006年度の事業報告では、昨年4月からの携帯電話事業の開始に伴い、売上高、営業利益、経常利益は過去最高となったことを示した。ソフトバンクモバイルによる携帯電話事業では、契約者数が69万8,600件増加の1,590万8,500件となり、シェアが16.4%増となったことに触れ、新規から解約数を差し引いた純増数では、1月から3月まで3カ月連続で10万件を突破。第4四半期だけで41万2,000件増加したことを示した。また、第3世代携帯電話の契約者数は462万2,500件増加し、766万100件。構成比は48.2%となったほか、4月末には5割を突破したことを明らかにした。

 ソフトバンクモバイルでは、3G携帯電話ネットワークの充実、3G携帯電話ラインアップの充実、携帯コンテンツの拡充、営業体制の充実の4点を重点課題としており、端末数で35機種159色を発売、第3世代の基地局数は2万9,409局となったことなどを示しながら、今後もこの4点の課題には継続的に取り組んでいくとした。


ソフトバンクモバイルとヤフーの連携強化

ソフトバンクの孫氏。写真は5月22日の夏モデル発表時のもの
 一方、同社では、対処すべき課題として、移動体通信事業に係わる取り組み、ブロードバンドインフラ事業に係わる取り組み、固定電話事業に係わる取り組み、グループシナジーの追求、総合デジタル情報カンパニーへの取り組み、内部統制の構築・整備に係わる取り組みをあげた。

 ブロードバンドインフラ事業に係わる取り組みでは、ADSLに続く新たな技術として、FTTR接続サービスの商用化に向けた試験サービスや、高速PLCサービスなどの研究開発を行なっていくほか、固定電話事業に係わる取り組みでは、法人向けデータサービスの提供、ソフトバンクモバイルのサービスを活用した法人向けモバイルソリューションの開発、提供を行なうとした。

 グループシナジーの追求では、ソフトバンクモバイルとヤフーの連携強化のほか、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムが一体になって事業に取り組むことで、ネットワーク統合によるコスト削減、顧客基盤、販売チャネルの拡大などを追求する。

 総合デジタル情報カンパニーへの取り組みでは、既存の総合通信事業者の枠に収まることなく、動画ポータルサイトのYahoo!動画をはじめとするブロードバンドコンテンツの提供、インフラ、ポータル、コンテンツの全てにおいてサービスを提供していくとした。


5月のTCA、初の純増トップを報告

 孫正義社長は、2006年度の実績および今後の事業計画について説明。「ボーダフォンの買収は、いままでで最も大きな投資であった。株価が下がり、ご心配をいただいたこともあった。また、MNPによって、ソフトバンクのお客が1/3ほど他社に移ってしまうのではないかという事前の調査結果があった。経営陣にとっては、大変怖い状況であった。では、いま振り返ってみて、本当に買収は成功だったのか。私たちは、この買収は成功だったと考えている。当初は、資金はどうするのか、収益性はどうか、ユーザーが激減するのではないか、一般消費者向けに活用していなかったソフトバンクというブランドに力はあるのかという4つの懸念があったが、買収の懸念は無事に乗り越えた」とした。

 また、「純増数を巡って、毎月激しく競争しているが、5月には、かつてのボーダフォン、それ以前を含めて、初めて月間純増数で一位になった。社員、販売店が自信を持ったといえる。純増数は着実に右肩上がりになっており、この1年間で100万人を増やすことができた。前年に比べると4倍も増えている。同時に、解約率が減ったことが大きい。解約には大きなコストがかかる。かつては、第3世代携帯電話の解約率が2〜3%あった。これが、この5月には0.99%と1%を切った。1%を切るのは、あと半年後にできればいいと思っていたが、これが早くできた。今後10年間も、携帯電話ナンバーワンを目指して駆け上っていく」とした。

 さらに孫社長は、5月に純増数で初めて一位になったことを自ら分析。「毎月、1番になるかはわからないが、これは、偶然や一時的なものではない。当社の経営体質が変わってきているため」として、「これまで重点課題として取り組んできた3G携帯電話ネットワークの充実、3G携帯電話ラインアップの充実、携帯コンテンツの拡充、営業体制の充実の4点での改善が影響している」とした。


ホワイトプランの成果をアピール

 ネットワークでは、「ボーダフォン時代には今後3年間で3万基地局にするとしていたものを、半年間でやった。今年度上期中に4万6,000基地局にし、つながらないといった状況を一変し、接続に対する満足度は26%改善した」としたほか、端末では、「昨年度に投入した端末の色数におけるシェアは5割。ドコモとauとを足した数を当社だけで出している。もちろん、機種を多く出せばいいのではない。ワンセグという重要な製品において8カ月続けて業界でナンバーワンを獲得し、かつては外人向けといわれるほどの厚さがあったものも、圧倒的に薄くし、スリムナンバーワンとした。今年春の調査でも、端末に対する満足度調査は一気にあがった」と語った。

 携帯コンテンツの拡充では、Yahoo!ケータイによって、ポータルサイトのページビューは1年間で61倍となったことを示したほか、営業体制の充実では、店舗を全国2,140店とし、店舗の雰囲気を一新したこと、業界に先駆けて割賦販売制度を導入し、同制度の加入者が500万人を突破。新規加入の97〜98%がこれを採用していることにも触れた。ホワイトプラン、Wホワイトプラン、ホワイト家族24を発表したことに関する成果も強調。「重点課題を改善するという公約を果たした」とした。

 説明のなかでは、2つの新CMも公開。キャメロン・ディアスが登場する雪のなかでのホワイトプランの新CMについては、「夏なのに雪が降っているシーンとしたが、少しでも涼しい気分になってもらう」と、笑いを誘った。


事業者間競争は料金競争だけではない、大人の戦いに

 さらに、「今後についてはどうか、といえば、いくつかの調査結果から飛躍への予感がある。ソフトバンクの加入者のなかで、そのまま継続して使いたいという人が増加しており、今後、使ってみたい携帯でもトップになった。2年前の調査では、使ってみたい携帯電話ではauがトップであり、その後、同社は連続して純増数トップを獲得した。この実績を見れば、将来が期待できると私は思っている。また、ドコモのユーザーがどこの携帯電話に乗り換えたいかという調査では、auに肉薄し、auユーザーに対する同様の調査では、この半年間でソフトバンクに移りたいという人が増加している。将来の成長を予感させる」とした。

 また、孫社長は、「ソフトバンクの創業以来のDNAは、なんでもいいからナンバーワンになる、一番でなくては嫌だ、というもの。創業時の事業であるソフト流通は、依然として8割のマーケットシェアを持っており、インターネットのヤフーもナンバーワン、ADSLによるブロードバンドでもナンバーワン、インターネットの動画でもナンバーワンとなっている。このDNAを活かしていきたい。携帯電話は、いかにつながるかというインフラ中心の競争から、ケータイでどう楽しむか、どうコンテンツを利用するかといった点に競争の場が移行することになる」としたほか、「通信事業者の競争は、固定通信、移動体通信、インターネットコンテンツ、モバイルコンテンツの4つになる。NTTグループとKDDIにはインフラはあるが、インターネットコンテンツであるヤフーがない」と前置きし、「オセロゲームは、四隅を抑えないと勝てない。先行して真ん中で勝っていても仕方がない。この4つのポイントを、戦略的に抑える。400メートルリレーに例えれば、当社のスタートラインは一番後ろ。これから一気に抜いていきたい。4つの部分がバランス良くできて、お客に喜んでもらえる。これからは料金競争だけではない、大人の戦いになってくる。数年前に比べて、少しだけ大人になったソフトバンクに期待してほしい」とした。


1兆7,000億円の買収劇は「安い買い物だった」

 会場からの質問では、ボーダフォン買収は高いと思ったか、という質問が飛び、「最初に金額を聞いたときは、高いかなと思った。だが、すべて自前でやったらとしたら、もっとお金がかかる。ドコモの資産価値が9兆円、KDDIの資産価値が4兆円。それに対して、1兆7000億円という金額は安いともいえる。もし、お客を減らしたら高い買い物だっただろうが、増やせる自信があれば安い買い物。昨年10月には冷や冷やしたが、いま振り返ると、やっぱり安い買い物だったと思う」とした。

 離職率が高いと言われることに関しては、「ボーダフォンを買収してからの半年間は、企業カルチャーに合わない、あるいはゆっくりと仕事をしたいという人たちが離職した。いまは、離職率は急激に減っており、ソフトバンクBBなどと一緒の水準になっている」と回答した。

 基本料が安く、ソフトバンク同士の通話料無料の仕組みによって、どこで儲けるのかという質問に対しては、「ソフトバンクモバイルのシェアは他社よりも低く、他社に電話をかける例がそれなりにある。また、かつては、データパケット収入が極端に少なかったものが、第3世代携帯電話の比率が高まり、高い収入を得られる顧客の比率が増加している。結果として、一人当たり平均収入はあまり変わらず、顧客の数は増えている。さらに、1年間で30%以上も解約していた比率が、5%程度に下がっており、割賦販売によって、2年間コミットしていただいている。経営の体質が変わり、収益構造がよくなっている」とした。

 また、「競合他社が、採算を度外視して料金競争を仕掛けることは、合理的判断として説明がつきにくい。他社は、破れかぶれのようなことはやらないだろう。かつて当社では、ADSLで基本価格を大きく引き下げた経験があるが、結果として、顧客1人あたりの売り上げは常に増え続けてきた。基本料金では競争をしても、オプションサービスを付加するという実績をあげてきた経緯がある。競争は競争、収益は収益としてやっていく。任せてほしい」とした。

 WiMAXへの取り組みについては、「WiMAXについて関心を持っている」としたに留まったが、「FTTRという新たな仕組みに対する研究を進めている。新たな技術に関しては、採算性とともに、公正な競争ができる制度面が整い次第、取り組んでいく。いまは準備中」とした。


シニア向けマーケティングを強化

 携帯電話端末の品揃えに関しては、「シニア向け携帯電話として、新たな端末を設計しており、今後は、シニアに対するマーケティングを強化したい」としたほか、「若者が熱狂するような端末を出したい。来年には、それがいくつか出せるだろう。私自身も、期待を込めて、開発中のものを見ている」とした。

 また、海外戦略については、「ボーダフォンと、ワールドワイドでのジョイントベンチャーを作る計画があり、準備は進めている。だが、海外にも当社自身が鉄塔(基地局)を建てるのは時間、コスト、リスクの面で問題がある。技術、ノウハウ、コンテンツを海外に輸出し、利益を上乗せできる戦略を考えている。国内を優先して、足下の戦いを固めたら、海外に打って出たい」とした。

 一方、年間配当が2円50銭であることが、他社に比べて水準が低いということに対して、「マイクロソフトが長年無配としていた例からもわかるように、成長が著しいハイテク企業の多くは、成長への投資を先行する傾向がある。当社も、まだ成長できると考えており、剰余金を成長に投資する。赤字の時にも、安定配当を行なってきたし、利益が出ても、もうしばらくは安定配当を優先する。成長が鈍化し、先行投資や企業買収に投資するよりも、株主配当を増やした方がいいと判断する時期がくれば、そこで検討したい。株主のみなさんには、配当だけでなく、株価があがるという点も楽しみにしてほしい。サラリーマン経営者ではなく、私自身も株主であり、みなさんと同じように利害を共有していくという点をご理解いただきたい」とした。

 同社では、株主優待として、株主がソフトバンクモバイルに新規加入した場合には、10,000円の金券を還元し、家族や友人を紹介した場合には、株主には5,000円、紹介された側に5,000円分を還元する仕組みを用意している。


孫氏「天下りは100年受けない。損しても正義」

 一方、ソフトバンクは孫社長がいなければ成り立たないとの認識が株主にもあり、健康に対する質問も飛んだ。孫社長は、「かつて、一度肝臓を煩ったが、いまその欠片もない。医者からも大丈夫だといわれている。たまの休みにはゴルフをし、歩くことにも心がけている。健康に留意し、多くの責任を果たしたい」と語った。
 また、官公庁との折衝などに関する質問では、「戦うところでは戦う。だが、官公庁からの天下りは100年間受けない。人的ワイロを得るのは嫌だといっている。損しても正義だ」として、自らの名前にひっかけて回答した。

 なお、同株主総会は、午前10時からスタートし、12時26分に終了。剰余金処分、取締役および会計監査役選任に関する第1号議案から第3号議案まではすべて可決された。株主から提出された年間配当増配の動議は否決された。



URL
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/
  ソフトバンクモバイル
  http://mb.softbank.jp/mb/

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(大河原克行)
2007/06/22 15:52

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