どことなくINFOBARやtalbyの香りを感じるストレート型端末の「9」。とにかく四角いわけだが、ここまで角が立っていると、メールを打ったり、Webブラウジングしたりしていると、手のひらや指が痛くなってくる。スッキリしたデザインやコンパクトさは評価できるが、正直なところ、ここまでサディスティックな形状にしなくても良かったんじゃないかと思う。
機能面では、通話+メール+Webにほぼ特化した形なので、やはり今どきの端末としては物足りなさを感じてしまう。そうは言ってもカメラぐらいは欲しい、というユーザーも多いのではないだろうか。もっとも、ケータイの使い道がその3つに限定されているようなユーザーであれば、このサイズ感とデザインは魅力的だ。
実際に使ってみて気になるのは、側面のキーロックスイッチの挙動だ。ストレート型端末なので、この手のスイッチは必須の機能だと思うが、9の場合、待受画面でしか機能せず、待受画面以外では、一旦待受画面に戻らないと、キーがロックされない仕様となっている。また、Webブラウザで多少重いページを読み込んでいる最中に、ブラウザを強制終了させようと思った場合、終了までにかなり時間がかかってしまう。もっとも、それ以外の部分で不満に思うところは少ない。
現状のウィルコムのラインナップの場合、通話+メールでよければnico.、機能満載の端末が欲しければW-ZERO3[es]という風になるんだろうが、その間に来るであろうスタンダード端末にやや寂しさを感じてしまう。その隙間の一部をカバーするのが今回の9ということになるのだろう。W-SIM対応なので、データ通信端末のDDなどとセットで使うのも一つの手だ。