みんなのケータイ

 「GALAXY Note Edge SC-01G」を購入した主な理由は前回このコーナーで紹介したとおりだが、この機種にはもう1つ期待していたことがある。対応周波数帯が広いというのが、それだ。ドコモが販売している端末なので、同社が言うところの「フルLTE」にはもちろん対応。国内では、2GHz帯(Band1)、1.7GHz帯(もしくは1.8GHz帯のBand3)、1.5GHz帯(Band21)、800MHz帯(Band19)が利用できる。

 おもしろいのが、このほかにも対応している周波数帯があること。GALAXY Note Edgeでは、「APT700」とも呼ばれる700MHz帯(Band28)や、北米向けの700MHz帯(Band17)も利用可能だ。また、日本ではAXGPやWiMAX 2+として知られるTD-LTEにも対応。こちらは、2.6GHz帯(Band38)、2.5GHz帯(Band41)、1.9GHz帯(Band39)が利用できる。ドコモは、これらの周波数帯でサービスを行っておらず、基本的には、国際ローミング時に現地のキャリアに接続するための対応という位置づけだ。ただし、700MHz帯(Band28)については、ドコモも2015年にサービス開始予定で、GALAXY Note Edgeで利用可能になると見られる。

SIMロックを解除して、台湾のネットワークに接続した「GALAXY Note Edge」
台湾モバイルのショップ。写真は、6月に撮影したもの

 ここで気になってくるのが、SIMロックを解除したときの挙動。GALAXY Note Edgeも、SIMロック解除対象機種で、海外渡航時などに現地のSIMカードを挿すことができる。現地のLTE対応SIMを挿せば、上記の国際ローミング用周波数を利用できるのかどうかという点が、気になっていた。そんな中、11月上旬にGoogleのイベントを取材するため、台湾を訪れる機会があった。台湾では、台灣大哥大(台湾モバイル)というキャリアが、9月にLTE対応のプリペイドSIMカードを発売した。台湾モバイルは、1.8GHz帯(Band3)と700MHz帯(Band28)でLTEを開始しており、日本と同様、電波が回り込みやすい700MHz帯でエリアを広げている。GALAXY Note Edgeを使うには、ピッタリのキャリアというわけだ。

 現地に着いたら、早速台湾モバイルのショップに駆け込み、SIMカードを入手した。LTE対応の料金プランは2つあり、300台湾ドル(11月19日現在、約1140円)で1.2GBのデータ通信、100台湾ドル(約380円)分の音声通話が利用できるプランと、500台湾ドル(約1901円)で2.2GBのデータ通信、195台湾ドル(約741円)分の音声通話が利用できるプランがある。テザリングまで使いたい筆者は、後者のプランを選択した。

700MHz帯は端末側から見えているが、ネットワークに弾かれ、圏外になってしまった

 ところが、いざGALAXY Note EdgeにSIMカードを挿してみると、まったくLTEにつながらない。再起動やフライトモードへの切り替えなど、思いつく限りの手を試してみたが効果がなかった。3Gでもそこそこ速度が出るため、このまま使ってみようかと考えたが、テザリングも利用できない。これでは、せっかくLTE対応のSIMカードを買った意味がない。

 電波状態を確認してみようと、GALAXY Note Edgeのテストモードを開いたところ、1.8GHz帯(Band3)と700MHz帯(Band28)は、端末側からは見えていることが分かった。ただし、接続の段階で、ネットワーク側に弾かれているようだ。この状態をTwitterに投稿。ネットワークに詳しいフォロワーの方々に見解を求めてみたところ、「もしかしたらVoLTEがオンになっているのがいけないのではないか」という回答をいただけた。

 確かに、台湾ではまだVoLTEが始まっていない。そこにVoLTE対応端末を持ち込んで、設定がオンのままネットワークにつなごうとすれば、何らかのトラブルが起こっても不思議ではない。そこで、音声通話の設定から、VoLTEをオフにして、再起動をかけたところ、アンテナピクトが変化、あっけなくLTEにつながった。LTEにつながったあとは、なぜかテザリングも利用できた。

アドバイスに従い、VoLTEをオフにしたところ、あっけなくLTEにつながった
速度も安定しており、通信環境に困ることはなかった

 LTEが開始した直後ということもあり、速度もまずまずの速さ。下りは10〜20Mbps程度の速度が出て、滞在時に通信環境で困ることはなかった。気になった点としては、テザリングをオンにした際の挙動がやや不安定になることを挙げておきたい。オンにすると、国内にいるときと同様、すぐにテザリングに切り替わるのだが、オフにした際に3Gにフォールバックしてしまう事象が何回か起こった。その際に、LTEに復帰できない。端末を再起動すると再びLTEにつながったが、挙動としては少々不安定だ。

 VoLTEの件も含め、痛感したのは、やはりGALAXY Note Edgeはドコモのネットワークに最適化されている端末だということ。SIMロックを解除した際に他のネットワークで使おうとすると、今回のようなトラブルはまま起こる。以前、ドイツでNexus 5を試した際も、LTEにつながるまでにさまざまな手を試したが、やはりLTEは、端末とネットワークの相性が3Gよりシビアなようだ。今回は、そこにVoLTEという要素も入ってしまい、さらに事情が複雑になった。

台湾ということで、それっぽい写真も載せておきたい。「GALAXY Note Edge」で撮影したが、ピントが高速で合うため、すぐにご飯を食べられたのがうれしい

 翻って、日本では、総務省でSIMロックの解除が義務化されることが決定した。個人的には、今回記事にしたように、海外で現地のSIMカードを挿して使えるため、歓迎したい気持ちがある半面、ネットワークにつなげないなどのトラブルが起こらないかが心配だ。キャリアが他のネットワークにつないだときの挙動まで担保できるわけもなく、SIMロックを解除した端末を持ち込む際には「自己責任」が求められる。SIMロック解除を義務化する前にこのような考え方を根付かせないと、サポートセンターがパンクする事態になってしまいかねない。利用者が少なければ大した影響がない可能性もあるが、大々的に報道されているだけに、トラブルが頻発しないかは気になるところだ。