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シャープ、ドコモ向け端末開発者インタビュー

新UI「Feel UX」の登場背景とコンセプト


 シャープ製の2012年夏モデルには、3キャリア横断でホームアプリ「Feel UX」が搭載されている(一部モデルを除く)。「Feel UX」とは、「Feel Logic」と呼ばれるシャープのスマートフォンにおける共通の開発思想に基づいて、frog designと共同開発されたシャープ独自のUIである。これまでも「SHホーム」を提供し、ユーザーからは一定の評価を受けてきた同社だが、なぜ今あえて新UIの開発に踏み切ったのだろうか。

 その辺りの背景や、「Feel UX」の特徴、および、NTTドコモ向け新端末3機種の特徴について、シャープの通信システム事業本部 グローバル商品開発センター 副所長 河内厳氏、ブロダクト企画部 副参事 小林繁氏、係長 小野直樹氏、三枝卓矢氏、パーソナル通信第一事業部 商品企画部 部長 多伊良教文氏、林里奈氏に伺った。

スマートフォンを人の感性に近づけたいという思い

河内巌氏

――「Feel UX」というインターフェイスは、どのような背景で登場したのでしょうか。

河内氏
 フィーチャーフォンからスマートフォンへの買い換えが進む中、お客様が直面している大きな問題があります。それは、操作に慣れているフィーチャーフォンとは全く違うインターフェイスのため「わかりにくい」と感じてしまう点です。パソコンが最たる例だと思いますが、スマートフォンでも、お客様が自分で学習して使う必要があります。しかしこれが大きな壁になる。そこで、スマートフォンを、いかに人に優しく、人の感性に近づけるために、どういう取り組みをするかというのが鍵になってきました。

 そこで弊社では、学んで使いこなせるのではなくて、人の感性に近づけるための心遣いが必要ではないかと考え、スマートフォンにおける共通の開発思想という位置づけで「Feel Logic」をキーワードに、新しい取り組みを始めました。

 「Feel Logic」には3つのポイントがあります。1つめは、誰にでも直感的に操作できる「Feel Operation」、2つめは、匠の技のようにきめ細やかな技術で快適さを提供する「Feel Meister」、3つめは、新しい体験を次々と簡単に楽しめる「Feel Creation」です。

 それぞれのポイントの中に、さらに具体的な取り組みが含まれているのですが、「Feel UX」は、「Feel Operation」の中で提供する、初心者の方でも、ある程度使いこなせる方でも、気持ちよく操作ができるものを目指していきたいという思いを込めた、新しいユーザーインターフェイスです。

 開発に関して、我々だけでやりきれればいいんですが、日本のUIは特殊だという意見もありますし、これからはグローバルスタンダードも目指さなければいけないということで、1年ほど前から、デザインハウスのfrogと共同開発して参りました。Appleの初期のデザインやUIを担当されていた非常にクリエイティブな集団なので、我々が変なこだわりを持っているようなところも、こういうところとディスカッションすることで、考え方も変わってくる。いい刺激になりましたね。

――なるほど。「Feel UX」では、これまでのUIと具体的にはどのような点が違うのでしょうか。

河内氏
 大きな違いは、従来のロックスクリーンに代わって、「ウェルカムシート」を、従来のホーム画面の代わりに「3ラインホーム」という構造を導入したことです。

 「ウェルカムシート」は、誤操作防止だけでなく、お気に入りの壁紙を5枚楽しみながら、メールや電話の着信、時間、お天気などの最新の情報を得たり、音楽プレーヤーを操作したり、アクセススピードが要求される、カメラ、電話、メールがすばやく起動できるようになっているのが特徴です。

 この「ウェルカムシート」を解除すると、「3ラインホーム」が現れます。「3ラインホーム」は、「アプリケーションシート」「ウィジェットシート」「ショートカットシート」の3つのシートで構成されていて、画面を横にフリックすることで切り替わり、それぞれのシートは縦にスクロールします。

 「アプリケーションシート」は、いわゆるランチャーになっていて、アプリのアイコンは「セパレーター」で区切って、グループごとにまとめられます。画面のスクロールも、「セパレーター」単位で止められる設定を用意しているので、使い方によってはページやフォルダの感覚で利用できます。

 「ウィジェットシート」というのは、ウィジェットをまとめて配置できる画面です。これまでですと、貼りたいウィジェットがあっても、ホーム画面の空きスペースがなくて思ったところに配置できないといった悩みがあったかと思いますが、「ウィジェットシート」は専用画面なので、存分に配置できますし、プッシュ配信された情報を、まとめて見られるというメリットがあります。

 「ショートカットシート」というのは、ショートカット専用画面です。ショートカットというのは、アプリだけでなく、ブックマークだったり、連絡先だったりといろいろあると思いますが、深い階層までショートカットが作れ、それらをセパレーターで区切りながら配置できます。

 「Feel UX」の全体構造としては、このほかに、上からスルッと引き出すおなじみの「ノティフィケーション」と、「Feel UX」の各種設定を行う「ホームメニュー」があります。

――「3ラインホーム」は、最初からアプリのアイコン群、ウィジェット群、ショートカット群で分類されてるということですね。なぜこのような考えに至ったのでしょうか。

河内氏
 Androidには大きく3つのポイントがあると思っています。1つがウィジェットです。我々の調査によると、多くの方が活用されていないのことがわかりました。使わない理由はいくつかあると思うんですが、ウィジェットがいま1つフィーチャリングされてない、お客様に理解していただけていない部分があるのだろうと考えています。

 2つめはショートカットです。今は買ったときには、ある程度決められたショートカットが置かれていますが、一度ランチャーを開いて、そこからショートカットを用意しないと上階層のホームに貼り付けられない。結構操作の導線が難しいということで、このショートカットも見直す必要があるだろうと考えました。

 3つめが壁紙ですね。調査結果でも日本人は壁紙が大好きであるという結果が出ています。しかし、従来のホーム画面は、背景に壁紙を置けるんですが、その上にアイコンがたくさん乗るので、純粋に壁紙として楽しめない。写真や画像を見るだけなら、ピクチャーアプリを起動すればいいのですが、よくいく画面に自分の好きな画像を貼りたいわけです。

 今のAndroidは、ロックスクリーンと、ホーム画面と、アプリのランチャー画面があって、見え方としては3層構造になっていますが、結局みなさん、毎回ランチャーを開いてからアプリを起動しているんですね。多くの方が、3回のタッチ操作を要していることから、まずユーザーの導線を短くできないかと考えました。そこで、間をとっぱらって2階層にしたのが「Feel UX」ですね。もちろん上級者に対するケアもしっかり必要だということで、カスタマイズ性も高めております。
小林繁氏

小林氏
 Androidの標準的なHome UIには待受け画面とアプリリストの2つが別々に存在します。さらに、待受け画面には、アプリ自体のショートカットや、「メールを書く」などのアプリの機能へ直接つながるショートカット、ウィジェット、ブックマークなど多種多様な機能の呼び出し方法をお客様が、使い分けられるようになっています。これらを理解されていればとても便利なのですが、初めてお使いになられるお客様にとっては使いこなすまでに時間がかかってしまいます。

 3ラインホームでは、アプリリスト、ウィジェット、ショートカットの3ラインを独立して扱うことにより、最初は、どなたでも分かりやすい概念である「アプリリスト」から使い始めて、使っているうちに慣れてくれば情報がすぐに確認できる「ウィジェット」へ、さらにカスタマイズして使いこなしたいお客様は「ショートカット」へと、慣れに応じて使い方が階層的に深くなっていくタイプのUIとも言えます。

――「アプリケーションシート」はセパレーターで区切れるということですが、フォルダは作れないのでしょうか。

河内氏
 作れます。アイコンを重ねればフォルダになるので、そこはこれまで通りですね。

――「3ラインホーム」では、ウィジェット、ショートカットと、アプリが同じ画面で共存できないですよね。目的別に利用できないという側面があると思います。ですから「Feel UX」ではなく、従来通りがいいというユーザーもいると思います。それについてはいかがでしょうか。

小林氏
 もちろんそういうご意見があるのは認識していて、今まで通りがいいという方には「SHホーム」をダウンロードしていただく形で提供する予定でおります。

――デザイン的には、iidaのUIを結構意識されたのかなという印象も持ちました。

河内氏
 iidaのUIの良さは当然我々自身も理解していますが、ベースにしているわけではありません。我々のやりたいことに対する答えとして、frog社と協議した結果がこのような形になった、という感じでしょうか。

――ユーザーは、やっとAndroidの作法に慣れてきて、これから最初の買い換えという方も出てきていると思います。そこでガラリとUIが変わるというのは、かなりチャレンジングな試みだと思います。使い方が分からないと近くの人に聞くケースは多いですが、まったく違うUIとなると、サポート面でそれなりにリスクもあると思います。今あえて「Feel UX」を導入されたのはなぜでしょう。

河内氏
 たとえば、ソフトバンク向けの端末「104SH」に導入したホーム/ランチャー画面のようなことは、今後もできるかもしれません。これはこれでかなり高い評価をいただきました。しかし、これだけ多くの機種が登場してくる中で、これだけではあえてシャープの製品を選んでいただく理由にはなりにくいと考えてます。

 「やっぱりシャープの端末は使いやすいよね」と言っていただくための1つの方法論としては、Androidの作法を生かしながら、使いやすいUIを提供していきたいと考えております。今は2度目の買い換え時期かもしれませんが、これから3回目、4回目の買い換えがあるわけで、同じところで止まっていては、この先戦えません。遅れれば遅れるほどできなくなりますから、今だからこそやる必要があるわけです。やっと慣れたところかもしれませんが、これを使っていただいたお客様に「これいいね」と言う声を上げていただけるようにすることが大事だと考えています。

――なるほど。今後のOSのアップデートへの対応はいかがでしょうか。

小林氏
 新しいOS・プラットフォームがどのようなものになるかによりますし、当然ちょっと頑張る必要はありますが、もう弊社の開発陣も慣れてきていますので大丈夫だと思います。

アプリの制御をユーザーにゆだねた、新しい「エコ技」

――「Feel Meister」の技術に、冬モデルから登場した「エコ技」が含まれていますが、進化した点などがあったら教えてください。

河内氏
 「エコ技」については、発売後いろんな方から非常に効果があるという声をいただきました。今回は「エコ技」のパート2ということで、エコ技の効果をまずお客様に見ていただき、ダウンロードされたアプリが、実際にどの程度動き、電力に影響を及ぼしているかお知らせし、お客様ご自身で省エネ効果を確認しながら、制御するアプリを選んでいただけるよう大幅に改良しています。

――これまでの「エコ技」ですと、「通常」以外のモードにして画面をオフにしていると、どんなアプリも無条件に動作が抑えられていたと思うのですが、そこを緩めた、ということでしょうか。

河内氏
 その通りです。実は、画面オフ時にタイマーのような予約アプリが動かないということがございまして、一部のお客様や開発者の方からご指摘をいただいておりました。予約系のアプリは、「エコ技」の「通常モード」なら動くんですが、省エネ効果が高い「技あり」に設定されると、画面オフ中は、アプリの起動が抑えられてしまっておりました。

 そこで、一律止めにかかるのはまずいだろうと判断しまして、お客様にある程度の判断基準を示すことで、アプリをどうするか、お客様ご自身で選択していただくという“成長型のエコ技”に変えております。

――ということは、ある程度設定してからでないと、省エネ効果は期待できないかもしれない、ともとれますね。

小林氏
 そうですね。ただ、画面が消えているときに動いているアプリのリストを表示しておすすめすることにより、省エネ待受けの制御対象にアプリを指定しやすくする配慮をしています。お客様に“成長”させていただけなければエコ技効果はプリセットアプリに限定されますが、一方で動くと思っていたダウンロードアプリが機能しなかったというトラブルは防げます。Google様とも相談しつつ、開発者の方々への配慮とエコ効果のバランスを心がけました。

――1タップで効果が得られる手軽さも魅力だったので、ある程度知識がないと制御できないのでは、と不安になる人もいると思うのですが、その辺りは対策されていますか。

小林氏
 さきほど説明致しましたおすすめ機能によって、お客様のアプリ利用状況に応じて、設定しやすいように配慮しています。また、エコ技機能そのものの説明についても、これまでは「動かないかもしれない」といったような、曖昧なアラートだったのですが、今後は「こういうものは動かなくなる」といったように、より具体的な内容に変えています。

ブラウジングを快適にする「クイックツールBOX」

クイックツールBOX

――「Feel UX」や新しい「エコ技」以外で、注目すべき新たな機能があったらご紹介ください。

河内氏
 「Feel UX」と同じ「Feel Operation」に含まれる「クイックツールBOX」がお勧めです。大画面化しているため、ウェブブラウジング中の操作が、片手でしにくいといった悩みがあるかと思います。そこで、ブラウザの隅をフリックすると、横からブックマーク、戻る、進むといった利用頻度の高い操作メニューが出てくるようにしました。

小林氏
 開発当初は「意味あるのかな?」と思ったこともありましたが、実際操作してみると思いのほか便利で、我々も驚いたほどです(笑)。まさにかゆいところに手が届く感じですね。チューニングも相当行っています。画面拡大しているときは、横にフリックすると画面が動かせますよね。その動きと「クイックツールBOX」を出す動きを切り分けて判断するように、かなり入念に調整してるんです。

河内氏
 それから、液晶にもこだわりました。スマートフォンでネットショッピングをされる方も増えていると思いますが、スマートフォンの液晶を鮮やかにチューニングしていると、色で選びたい商品は、実際の商品の色味と大きくことなってしまう場合があります。そこで、ネットショッピングのときに簡単に切り替えられるような「ナチュラルカラーモード」というのを搭載しました。

 また、ハイエンドモデルには、「S-CGS LCD System」という技術を導入し、省エネと画質の両立を実現しています。具体的には透過率を従来の2倍にすることで、同じ輝度であればバックライトの消費電力を1/2に抑えられるようにしています。同時に、液晶モジュールにVRAMを乗せることで、画面が静止状態では無駄なデータ伝送をしない工夫をすることで、システム全体の省エネ効果を高めています。

 このほかにも、タッチ操作への反応性を追求して、なめらかなスクロールを実現した「Direct Tracking技術」や、HDRに対応し、0.4秒という業界最高レベルの起動スピードを誇るカメラ、文字入力時に、QWERTYキーボードと、フリック入力するかなキーが横スクロールですばやく切り替えられる「かんたん入力切り替え」、漢字仮名交じりの手書き入力も変換できる予測変換機能なども注目していただきたいポイントです。

ドコモ向け2012年夏モデル3機種の特徴

多伊良教文氏

――それでは、ドコモ向けの2012年夏モデルにラインナップされた、「Feel UX」搭載モデルについてご紹介ください。

多伊良氏
 SH-07D、SH-09D、SH-10Dの3モデルをご用意しました。まずSH-07Dですが、「AQUOS PHONE st SH-07D」といいます。10代後半から20代前半、高校生から大学生の男性をメインターゲットにした、デザインと音楽がキーワードの小型コンパクトモデルです。SH-09Dは、「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」といいまして、省エネと高画質を両立した4.7インチ大型液晶を搭載した、全部入りのフラッグシップモデルとなります。SH-10Dは「AQUOS PHONE sv SH-10D」といい、4.5インチの液晶を搭載した、エンタメ系モデルです。スマートフォン向け放送局「NOTTV」に対応しているのが大きな特徴ですね。

 液晶サイズだけでみると、3.4、4.7、4.5と3サイズありますが、それぞれユーザーニーズに合わせて展開していく形になります。
(左から)AQUOS PHONE st SH-07D、AQUOS PHONE ZETA SH-09D、AQUOS PHONE sv SH-10D

AQUOS PHONE st SH-07D

林里奈氏

――ではまずSH-07Dについてお伺いします。「st」とついていますが、これはどういう意味でしょうか。

林氏
 ストリートの「st」です。通学や通勤でいつも音楽を聴いている、友達のつながりが一番大事と思うような、ケータイはデザインで選ぶ10代後半から20代前半の“いまどき男子”をターゲットにしたモデルです。やっとスマートフォンに興味がでて、どうしようかなと考えている方々に、デザインと音楽をキーワードに、ユーザー層を広げられないかなと考えて企画しました。

――つまり、音楽プレーヤーとしての機能に力を入れた端末ということですね。液晶が大型化する中、3.4インチとかなりコンパクトですが、それもプレーヤーを意識してでしょうか。

林氏
 そうですね。ポケットに気軽にいれたり、手に持っていろんなところに出かけて、使っていただきたいと考えたためです。音楽をよく聴くユーザー層を調べてみると、iPodなどの音楽専用プレーヤーと携帯電話の2台持ちが多いんですね。スマートフォンにも音楽再生機能はあるのに、電池持ちが心配、プレーヤーが使いにくそう、スマートフォンでは音質が悪そうといった先入観があると分かりました。そこで、SH-07Dでは、スマートフォンとして使いながらも音楽も安心して楽しめるよう、約55時間の連続音楽再生時間を実現しました。

 また、音楽専用プレイキーを設けることで、操作も簡単にしました。当然のことながら、音質もかなりこだわってます。イヤホンを繋いで再生すると、従来機に比べてかなり高音質になっています。このほかにも、ワンセグ、赤外線、おサイフケータイもきちんとサポートしておりますし、防水防塵対応ですので、アクティブにご利用いただけると思います。

 デザインも、あえてメタリック調のフレームを採用し、今までにない素材感を出して、カジュアル感を演出してみました。触っていただくと分かるんですが、リアカバーもラバー風の触感塗装にしておりまして、高品位な肌触りで、手に馴染みやすい仕上げにしています。左下にストラップホルダーがありますが、これもあえて崩しのあるグラフィックスで表現して、今までにないスマートフォンの形を演出しています。

――スマートフォンだけど音楽プレーヤーという部分で、こだわった部分などはありますか?

林氏
 SH-07Dは「おくだけ充電」に対応してるんですが、ワイヤレスチャジャーに置くだけで、設定しておいた音楽ファイルを端末の中に転送できる仕組みも用意しました。家に帰って、バッテリーをチャージしながら音楽も転送できるので、ぜひお試しいただきたいです。

AQUOS PHONE ZETA SH-09D

三枝卓矢氏

――次に、SH-09Dについて伺います。こちらは名前に「ZETA」がついていますが、これはどういう意味があるのですか?

三枝氏
 ギリシャ語で、最終形を目指していく、はじまりから終わりまで、全部入った力強さとか、王道とかそういった意味を含めてます。スマートフォンの購入が2周目に入るにあたって、メリットだけでなく、デメリットもようやく出そろってきました。そこでメリットを最大限生かしながら、デメリットをカバーした端末が必要だろうと思いました。つまり、SH-09Dは、大画面でパフォーマンスがよく、Xi対応で高速でありながら、省エネで防水と、いろんな技術をソフト、ハード両面から結集した端末ということなります。

 防水防塵でワンセグ、おサイフケータイをサポートしているのはもちろんですが、先ほどの「Feel Logic」でもご紹介したDirect Trackingや、新しいエコ技、クイックツールBOX、0.4秒で起動するHDR対応の12メガカメラ、綺麗で省エネの液晶などの最新技術はすべてサポートしています。さらに、ステレオマイクでのフルHD動画撮影も可能です。

 多機能化すると、どうしても保存容量も気になってきますので、内蔵メモリは16GBという大容量にしてありますし、さらにSDカードはmicroSDXCをサポートしていますので、存分に撮影を楽しんでいただいたり、アプリをダウンロードしていただけます。あとは、自動切断も可能な、省電力に配慮したFMトランスミッターにも対応しました。

――これは液晶が4.7インチ、バッテリーが1900mAhとサイズアップしているのに、全体が大きくなった感じはしませんね。

三枝氏
 今回は端末の幅が67mmなんですが、「Edge to Edge設計」により、4.7インチの大画面が実現できました。「おくだけ充電に対応」し、バッテリー容量も増えているので、若干厚みは増してますが、ボテッと厚くならないよう、グリップ感にも配慮しました。また、容量が増えたからといって充電時間が長くかかってはいけませんので、少しでも短くということで、「おくだけ充電」中の充電電流を従来の0.4Aから0.7Aにアップしています。

――液晶の下にあるアーチ型の部分はなんでしょうか。

三枝氏
 3色LEDによるイルミネーションです。スマートフォンというと、ディスプレイが上にあって、下に電池があって、とあまりデザインの代わり映えがないんですが、今回は液晶を上に敷き詰めることで、下にできたスペースに透明パーツを付けて、イルミネーションにしたんです。金属調のリングをかぶせたので、非常に情緒的な光り方をします。こういう演出は、これまでのスマートフォンにはなかなかなかった部分だと思いますので、楽しんでいただけると思います。

AQUOS PHONE sv SH-10D

小野直樹氏

――最後にSH-10Dについてお伺いします。こちらには「sv」がついていますが、どのような意味がありますか。

小野氏
 SH-10Dは映像コンテンツの視聴などのエンタメ系に力を入れた端末で、「sv」は「Super Viewer」を意味しています。スマートフォンユーザーは動画をよく見ているという調査結果をもとに、移動中などの隙間時間にスマートフォンを有効活用して、動画を見たいという、20代から40代の男性ユーザーをメインターゲットに開発しました。Xi対応で、防水で、なおかつ1900mAhのバッテリーを搭載しているので、先ほど説明があったSH-09Dとの違いについてよく聞かれるのですが、基本的な部分はSH-09Dとほとんど変わりません。画面が4.5インチ、NOTTVの対応、内蔵メモリが8GBでイルミネーションがないという違いはありますが、決してSH-09Dの派生モデルではないですよ。

――では、SH-10Dならではの機能というと?

小野氏
 発売が8月なのでまだ開発段階なんですが、スマートフォン向け放送局「NOTTV」を外部ディスプレイに出力することを検討しております。Wi-Fiを使用して、対応テレビやパソコンのディスプレイに画面を表示できる「ワイヤレス出力」、HDMI接続によって映像を大画面のテレビに720pで出力できる「HDMI(MHL変換)出力」、NOTTVの音声を外部スピーカーで聞ける「FMトランスミッター」の対応を検討しております。その他の外部機器連携としては、BDレコーダーの録画コンテンツをスマートフォンで視聴したり、撮影した映像をDLNA対応テレビに出力できる「Smartfamilink(DLNA)」にも対応しております。

 もう1つの特徴として、スタイリッシュなクレードル「Viewer Dock」があります。これまでのクレードルは、充電するだけの充電台という位置づけで、自宅のリビングに置いたとき、家具にマッチしなくて味気ないものが多かったと思うんです。そこで、家具に調和するような、スタイリッシュなアンテナがついた、ステーショナリー感覚のものをご用意させていただく予定です。

――アンテナ付きということは、機能的には充電のみではないのですね。

小野氏
 マルチメディア放送のアンテナもそうなんですが、ご自宅でワンセグが映らないというお客様も結構いらっしゃいまして。ですからそのアンテナもワンセグ対応にさせていただこうと思っています。それだけではもったいないので、そのクレードルにセットして充電を開始すると、NOTTVやワンセグ、DLNAで録画した最新の録画情報や、YouTubeのお勧め動画などをサムネイルで表示する「Dock to Play」という機能や、時計表示、フォトフレームとして使える機能も検討しているところです。

 SH-10Dは、とにかく外部機器との連携が強化されていますから、いろんな動画を大画面で、とことん楽しんでいただけると思います。

――本日はどうもありがとうございました。




(すずまり)

2012/6/19 13:51