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接続料やメール転送はどうすべき? 情通審が答申


 総務省は、情報通信審議会(情通審)から、「電気通信市場の環境変化に対応した接続ルールの在り方について」と題する諮問への答申を受けたと発表した。設備競争やサービス競争を促進するため、接続料やローミング義務、アンバンドル規制などについて幅広い分野において、一定の方針が示されている。

アンバンドル規制について

 他社がキャリアの設備・機能のうち必要なものだけを利用できるようにする「アンバンドル」については、一種指定・二種指定に応じた考え方が示されている。通信事業者には接続約款の認可制などを義務付けられている「一種指定」と、接続約款の届出義務に留まる「二種指定」がある。たとえばNTTは一種、NTTドコモ・KDDIは二種、ソフトバンクモバイルとイー・モバイルはどちらにも指定されていない。

 一種指定事業者に対しては、競争促進の観点から、技術的に可能であればアンバンドルする、というのが基本的な考え方となる。一方、二種指定事業者については、これまでアンバンドルに関する規制はない。二種事業者のドコモは「アンバンドル制度は不可欠設備を対象にしたもの。携帯電話は不可欠設備ではなく、アンバンドル規制を導入する必要はない。事業者間の協議で対応できる」と主張している。

 答申では、モバイル市場では競争がある程度進展していることなどを踏まえ、各社の協議による合意形成を尊重する制度にすべきとしている。まずは各社の協議にまかせ、トラブルになればアンバンドルすべきかどうか総務省が判断する、といった段階的な対応を提言。この考え方に基づいて、総務省から2009年度内に「第二種指定電気通信設備制度の運用に関するガイドライン」を策定し、二種事業者におけるアンバンドル制度を規定することとしている。

接続料、鉄塔共有、ローミングについて

 一時、携帯各社が互いに主張を繰り広げた接続料ついても一定の方向が示されている。現在は、原価に適正な利潤を加えた上で接続料を設定するようになっているが、適正利潤の考え方などで違いがある。答申では、接続料算定の考え方の整理が必要と指摘した上で、具体的には「原価算定プロセス」「適性原価の範囲」「適正利潤の範囲」についてガイドラインが示された。ドコモでは「全事業者が接続料算定方式を統一すべき」などと主張していたが、これに対し、情報通信審議会の答申では、二種指定事業者に対するガイドラインが策定されることから、「規制拡大ではなく、二種以外の事業者が二種事業者と同じ取り組みをすることが適当」としている。

 鉄塔共有については、設備競争促進の要素になっている現状やこれまで関係各者の自主的な取り組みで進められてきたことを指摘した上で、「MNOに義務付ける必要はない」としている。ローミングの制度化では「サービス競争・設備競争それぞれの観点で検討すべき」とし、ローミングに関する事例が出てきたときには、「当事者が合意している/していない場合」「携帯電話/WiMAX/XGP/PHSなど市場が同一か、同一でないか」「他社網の利用を希望する事業者が新規/既存か」「他社網を利用する合理的理由がある/ない」といった分類で、それぞれのケースにおけるガイドラインが示されている。

課金機能、メール転送機能など

 通信プラットフォームやコンテンツ配信分野については、課金機能やGPS情報、SMS接続機能、Eメール転送機能などについて答申が出された。

 課金機能・コンテンツ情報料の回収代行機能では、キャリアと他事業者との協議が進められており、そこでの合意形成を尊重すべきとしているものの、コンテンツプロバイダにとって重要な機能であることから、必要に応じて適切な対応が必要と、規制する余地を残す判断となった。GPS情報の取り扱いについては、現在公式サイトのみ利用できる状況だが、答申では個人情報を保護するための対策をとっている一般サイトへ提供することに問題はないと指摘。各社間の協議の進展を注視する方針だ。

 SMSに関しては、既に各社間の垣根を取り払い、相互接続する方針が事業者側から発表されている。答申では「注視すべき機能に位置付けた上で、必要に応じて適切な対応を行うべき」とした。

 現在、キャリアを乗り換えるとメールアドレスを引き継げない現状に対し、携帯電話のEメール転送機能が実現すれば、利便性が向上しMNP(携帯電話番号ポータビリティ)による競争を促進する効果が見込めるとしている。ただし、SMS相互接続が優先的に協議されており、現状ではまだEメール転送機能について協議中という状況。基本的に解約者向けサービスとなることから、協議が進まない可能性があることにも言及し、各社間の協議の進捗を注視すべきとされた。

 このほか同答申では、固定通信に関する方針も示されている。総務省では答申を踏まえた関係法令の改正などを行っていく考え。

 



(関口 聖)

2009/10/16 19:41


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