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ドコモ株主総会、営業利益9000億円に向けて8つのチャレンジ


ドコモの山田氏

 NTTドコモは18日、第19回定時株主総会を開催した。

 ドコモでは当期の取り組みを紹介する中で、年間純増シェア31.5%で首位を獲得したことや、解約率が0.46%とさらに低減したことをアピールした。また、パケット定額サービスの加入者数が2577万人、iコンシェルの利用者数が420万人と報告したほか、iDの読み取り機の設置台数は44万台、iDの会員数は1420万人、DCMXの会員数は1126万人などとした。

 なお、ドコモの契約数は5608万契約に達し、FOMAユーザーは全体の95%、5320万契約を超えた。研究開発に関しては、オペレーターパックやLTEのプラットフォーム開発、4Gへの取り組みを紹介。ドコモでは、2009年度は研究開発費として1099億円投資したことなどが伝えられた。

 このほか、携帯電話について勉強する安全教室を年間5500回実施し、述べ80万人が受講したこと、シニア向けの携帯教室も開始し、800回述べ1万4800人が利用したことなどが報告された。

8つのチャレンジ

 株主総会の議長を務めたNTTドコモの代表取締役社長の山田隆持氏は、2010年度について、「2012年度の営業利益9000億円を目指し、その足固めをしたい」と語った。ドコモは昨年、ある調査会社の顧客満足度調査で法人部門の首位となった。山田氏は2010年度は個人部門についてもトップを目指すと述べた。

 山田氏はドコモのチャレンジ項目として8つのポイントを挙げた。

・パケットARPUの伸びによる成長
・LTE導入とネットワークの進化
・サービスのパーソナル化
・ソーシャルサポートサービスの展開
・融合サービスの展開
・端末のさらなる進化
・海外でのビジネス展開
・国内出資・提携の推進

 同氏は、各項目の中でパケットARPUがもっとも重要とした。データ通信量の拡大によって、2010年度はパケットARPUが110円上昇し、音声ARPUを逆転、データ通信収入が1100億円増加すると述べた。

 データ通信収入を増やすために、ミドルおよびライト層では動画サービスを軸にiモード事業を展開する。スマートフォンのラインナップを拡充し顧客拡大を図りつつ、データ通信端末の拡販していくという。

 データトラフィック増加によって、より効率的なネットワークが求められる時代が到来する。ドコモでは2010年12月からLTEを導入し、需要の高いエリアから順次拡大していく予定だ。山田氏は「LTEは3Gエリアに重ねていく。両方が使える端末にする」と話し、3GとLTEのデュアル対応端末が登場することを説明した。

 スマートフォンに関して、ドコモは2010年度を「スマートフォン新時代の到来」と位置付けて強化していく。山田氏は、冬モデルも拡充していくとしたほか、9月からスマートフォンでiモードメールが使えるようになると話した。

質疑応答

 総会では株主からさまざまな質問が飛んだ。

 ドコモのグローバル戦略関する質問では、インドのTATAにおいてiチャネルサービスを展開していることが紹介され、インドで人気のクリケットの試合結果などが配信されることなどを伝えた。山田氏は、「海外への投資は資本投下だけでなく、実業をしっかりやっていきたいと思っている。ドコモのサービスや技術をいかに使ってもらえるか、出資した会社が成長していくような“グローカル”を目指していく」などと語った。

 SIMロックフリーに関する質問には、マルチメディアサービス、技術担当の代表取締役副社長である辻村清行氏が回答。同氏は総務省を中心にSIMロックフリー化の検討が進められていることを紹介し、「おそらく今後はそうなっていくのだろう」と語り、スマートフォン時代にはSIMロックフリーの端末が増えてくると予測した。

 このほか、基地局に関する質問では、現在の8万局の基地局に加えて、2010年度に1万局追加するとした。顧客満足度1位を目指すドコモに対して、サポートセンターなどの対応向上を求める声もあった。

 また株主からの質問では、ソフトバンクへの対抗策などに関する質問が目立った。

 「ドコモの経営陣は、ソフトバンクモバイルの代表取締役社長 兼 CEOである孫正義氏のように外向的でなく、友人的でない」「孫氏はスマートフォンを使って、アップルのCEOであるスティーブ・ジョブズと仲良くしている中で、ドコモの経営陣の中でスマートフォンを使っている人はいるのか」「CMで白い犬に負けている」などと厳しい声が飛んでいた。

 山田氏は「XperiaやiPadを役員も使っている。iPadはWi-Fiルーターを利用してドコモの3G回線で使える」などと切り返した。

 このほか、“ガラパゴス”な携帯電話では海外で戦えないとする意見については、辻村氏が「世界の携帯電話販売数は11〜12億台ぐらいだが、日本のメーカーの数は非常に小さく残念。日本の携帯電話がガラパゴス化していると揶揄する声もあるが、携帯インターネットやおサイフケータイなど、世界的に見ても一歩進んでいる。それではなぜ世界に出られないのか。NECとカシオや、富士通と東芝などメーカー同士の連携が始まっており、ドコモとしても海外進出をサポートしていきたいと思っている。たとえば出資先のTATA(インド)など、日本のメーカーが出やすいよう取り組んでいきたい」と話した。


 



(津田 啓夢)

2010/6/18 16:19