地震による携帯電話への影響、15日の状況


 3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、携帯電話が利用しづらかったり繋がらなかったりする状況が続いている。通信事業者のサービス状況については、総務省がとりまとめ、定期的に情報が開示されている。各社の発表を見ると、地震から5日目となる15日も影響は続いているが、徐々に改善されつつある。

NTTドコモ

 10時時点において、サービスを中断している基地局は約2470局(昨日午前から約730局復旧)で、そのうちFOMAは1830局。地域別に見ると、青森20局、岩手510局、秋田10局、宮城880局、山形30局、福島180局で、関東は200局となる。北海道では、停電の影響でムーバのパケット通信が一部で利用しづらい状況だったが3月14日20時58分に回復した。

 音声通話の発信規制は、宮城・岩手・福島が0~70%、茨城が0~80%で実施されている。パケット通信での規制は実施されていない。

 行政機関などに対しては、衛星携帯電話324台、携帯電話362台が貸し出されている。移動基地局は約30台が運用される予定で、15日10時までに、岩手県宮古市の宮古市立山口小学校でのサービス提供が開始されている。このほか、移動電源車約30台、可搬型発電機約400台、マルチチャージャー約80台が順次運用されている。

 災害用伝言板サービスの利用件数(15日0時)は、登録112万1446件、確認173万3333件となっている。このほか、東京電力の計画停電については、非常用電源があるため利用はできるものの、停電が長引いたり、頻繁に停電が発生したりすると、バッテリー電力がなくなる可能性もあり、通信サービスが利用できなくなる可能性があるとしている。また携帯向けコンテンツも停電により影響する可能性も指摘している。

【追記 2011/3/15 18:55】
 NTTドコモによれば、15日17時時点で、FOMAの基地局が約200局、ムーバの基地局が約50局、あわせて約250局が復旧し、サービス中断局は約2220局となった。音声通話の発信規制は、宮城・岩手・福島・山形が0~50%、茨城が0~30%で午前中よりやや緩和される一方、新たに東京で0~20%、神奈川で0~10%の規制がかかっている。

KDDI

 auで停波している基地局は約1500局(昨日午前から約380局復旧)で、東北が1190局、関東が310局となる。通信規制は音声通話のみ対象となり、東北では発信20%、着信15%、関東では発着信どちらも5%となっている。このほか、各県の災害対策本部からの要請で衛星携帯電話を14台貸し出しており、さらに10台の貸出を準備中とのこと。

 移動基地局が稼働しているのは、釜石合同庁舎(岩手県釜石市)、大船渡市役所(岩手県大船渡市)、気仙沼市役所(宮城県気仙沼市)、多賀城市役所(宮城県多賀城市)、石巻羽黒町基地局内(宮城県石巻市)となる。これまで移動基地局によるサービスが提供されていた宮古合同庁舎(岩手県宮古市)と岩沼小学校(避難所)前(宮城県岩沼市)の2箇所は、周辺にある通常の基地局が復旧しており、移動基地局のサービス提供が停止している。

 宮城県仙台市で充電ができるauショップは、新たに2店舗追加された。また東北支社(仙台市青葉区一番町4-1-25)でも19時まで充電できる。

  • auショップ宮城の萩大通り(仙台市若林区志波町3-26)
  • auショップ六丁の目(仙台市若林区六丁の目北町2-11)
  • auショップ仙台名掛丁(青葉区中央2-6-1)
  • auショップおおまち(青葉区一番町3-6-5)
  • auショップ仙台一番町(青葉区一番町4-3-29)
  • auショップ西多賀(太白区4-28-45)

 

ソフトバンクモバイル

 現時点で携帯電話が利用しづらいエリアは、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、栃木県、千葉県、神奈川県各県の一部地域となる。9時時点で停波している基地局は1157局(昨日午前から652局復旧)。

 通信規制は実施されていない。なお同社では、11日から1週間、全てのメールを無料としている。被災地に向け、携帯電話や充電器などの無償貸出が実施されている。

イー・モバイル

 12時時点で中断している基地局は155局となる。通信規制は行われていない。

ウィルコム

 9時時点で、基地局約3800局が停波している。通信規制は行われていない。被災地に向けてPHS端末と充電器の貸し出しを準備している。

UQコミュニケーションズ

 昨日から約40局復旧し、現在は約60局が停波中とのこと。

 



(関口 聖)

2011/3/15 14:51