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Google Developer Day 2011、開発者にAndroid 4.0の魅力を紹介


 グーグルは11月1日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、開発者向けの講演イベント「Google Developer Day 2011」を開催した。基調講演では、AndroidやChrome、Google+といった同社が提供するアプリやサービスについて、最新の状況が紹介された。本稿では、Android向けの内容を中心に基調講演の模様をレポートする。

  Androidについて語ったGoogle Developer AdvocateのTim Bray氏

 

 各分野の担当者が代わる代わる登壇する基調講演において、Androidの解説を行ったのはGoogle Developer AdvocateのTim Bray氏。

 Bray氏は「GoogleはAndroidに大きな賭けをした。しかし、もっと大きなことはモバイルに賭けたこと」と、モバイル向けサービスに尽力している様子を示し、「モバイルは多くの人の生活に密着しており、ビジネスを考えるならモバイルは考えるべきだ」と市場の大きさを改めて強調する。

 そのGoogleが筆頭となって注力するAndroidの現状については、2010年2月で1日あたり6万台の新規登録だったところが、2010年12月には30万台、2011年7月には55万台と、爆発的に増加している様子をグラフで示し、累計の登録台数は1億9000万台、48社が端末を供給し、137カ国で販売されているとした。アプリについても、累計のインストール数は80億件に達する見込みであるとした。

 一方で同氏は、アプリのインストール数について、「まだまだ始まったばかりだ」とさらに拡大すると予測。Androidマーケットには30万件のアプリが登録されているとのことで、「際立つためにはさらなる努力が必要になる」と、競争の激しい市場になっていることも示した。

 そのAndroidマーケットについては、2010年にWebサイト版を提供したことや、キャリア課金に対応したことなどに触れ、特にキャリア課金への対応については「日本ではキャリア課金が主流で、売上の半分近くにもなっている。このキャリア課金を世界のキャリアにも展開したい」と、各国の市場にも広げていく構え。加えて、アプリ内課金への対応についても「開発者は、ユーザーと長期にわたる関係を築いてほしい」と語りかけた。


世界におけるAndroid端末の新規登録は1日あたり55万台という数に 累計は1億9000万台に
アプリインストール数も急激な伸びをみせる Androidマーケットのアプリ数は30万件を突破
日本の開発者が製作した、音声通話も同時通訳のように翻訳できるアプリ「セカイフォン」のデモ キャリア課金が大きく伸びているとする
アプリ内課金も拡大している ユーザーごとにおける、プラットフォーム別のアプリインストール数。最近のプラットフォームほど積極的にダウンロードされている

 

Android 4.0をデモで紹介

Google Developer AdvocateのTony Chan氏がAndroid 4.0のデモを披露

 最新のAndroidプラットフォームの話題では、Google Developer AdvocateのTony Chan氏が登壇し、「GALAXY Nexus」を用いてコードネーム「Ice Cream Sandwich(ICS)」で知られる「Android 4.0」について、デモンストレーションでその特徴を解説した。開発者向けのイベントということもあり、例えばGmailの受信ボックスから、送信者のアイコンをタップすると、「クイックコンタクト」機能により、その送信者と連絡がとれる手段として、通話やメール、LinkedInなどのアイコンが表示される様子を紹介。「クイックコンタクトは開発者向けに開放されている」としたほか、同じくデモで紹介したNFC利用のデータ送受信機能「Android Beam」やインカメラを利用した「フェイスアンロック」機能も「APIをICSで提供する」とし、それらを活用したユニークなアプリの開発を呼びかけた。

 ICSではまた、端末内で利用するGoogleカレンダーについても公式なAPIが提供されるほか、ICS自体のソースコードも公開される予定。

 Bray氏はAPIで提供するプロファイルやカレンダー、インテントフィルタといった開発者向けの機能を紹介する一方、「ユーザーは個人情報の扱いに敏感になっている」と、プライバシーへの配慮や個人情報の取り扱いに注意するよう呼びかけることも忘れなかった。

 Bray氏は最後に、「2日おきに、100万台のまっさらな端末がユーザーの手元に届いている」とAndroid端末の急速な拡大を改めてアピールし、アプリやサービスの一層の展開を集まった開発者に呼びかけた。


「GALAXY Nexus」を用いてAndroid 4.0のデモが披露された クイックコンタクトの表示画面。さまざまな手段・サービスで連絡を取れる様子が示されている

 

徳生氏が3つの心構えを説く

 基調講演ではこのほか、パソコン向けWebブラウザの「Chrome」やSNSの「Google+」、開発者向けのクラウドコンピューティング環境「App Engine」の最新動向が紹介された。

 基調講演の最後にはグーグル 製品開発本部長の徳生健太郎氏が登壇し、「Three More Things」として、開発者に向けて3つの提言を行った。一つ目は、「なにごとも エンジニアありき」というもので、プロジェクトにエンジニアが参加していないと、プロジェクトの実現性の見通しが悪く、成功する確率が低くなるとする。「こういう考え方はIT関連の企業でも浸透していないと、よく聞く。こうした文化を作っていただければ」と会場の開発者に呼びかけた。

 二つ目は「百聞は一デモに如かず」。同氏は、Googleマップの検索結果に写真を加えるアイデアについて、とりあえず2週間で形にして動かし、結果的に世界で同時に提供を開始した経緯を振り返って、「議論を繰り返していては前進はできない。とりあえず手を動かし、試行錯誤を繰り返し、動かせるものを作る。そうすることで否定論があっても打破する機会を得て、より積極的なステップにもっていける」と解説した。

 三つ目は、「日本で『イケる!』と思ったら、世界のみんなも同感するかも」というもの。前述のGoogleマップの例などを挙げ、徳生氏は「日本に住んでいても、世界に発信できるものがあるはず。ユーザー目線でものをつくっていくことの大切さ、デベロッパーの誇りを忘れずに取り組んで欲しい」と集まった開発者に語りかけた。

グーグル 製品開発本部長の徳生健太郎氏 「なにごとも エンジニアありき」
「百聞は一デモに如かず」 「日本で『イケる!』と思ったら、世界のみんなも同感するかも」

 




(太田 亮三)

2011/11/1 16:08