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ソフトバンクが銀座でLTE-Advancedのデモ、下り773Mbpsを記録

 ソフトバンクモバイルは、次世代の通信方式「LTE-Advanced」を利用したデモンストレーションを記者向けに公開した。1月24日、東京・銀座周辺のエリアでバスを走行させながら実際に通信を行い、下りで約740Mbpsの通信速度が実現できている様子が披露された。

銀座で下り700Mbps、移動中に4Kテレビで4K動画の視聴も余裕で行えた

 実験は2013年8月に同社が実施し、結果を公表していたものと同様。通信方式はTDD方式の「LTE-Advanced TDD」を利用し、3.4GHz帯として、3480MHz〜3560MHz帯が利用されている。アンテナ4本を利用する4×4 MIMOを利用するほか、実験の80MHz幅は20MHz幅を4つ使ったキャリアアグリゲーションで用いており、理論値で下り最大約1Gbps、屋内の実験室では1.02Gbpsを実現したという。また、今回のフィールド実験では、TDD方式の下りの伝送比率を仕様の規程内で最大限に高めた設定になっており、高い通信速度を街頭で実現するための技術デモという位置付けになっている。

 実験対象のエリアでは、8カ所の基地局(マクロセル)と、1カ所の基地局(ピコセル)を利用。PHSやAXGP用に設置されている場所を利用した。実験用のアンテナ設備とGC局は光回線(ダークファイバー)で接続され、複数基地局間協調伝送技術(CoMP)の利用を容易にしている。

 デモでは、実験機材を搭載したバスを用意。ソフトバンクモバイルの本社がある汐留から銀座を回るコースで走行し、最大で約740Mbps、平均で約700Mbpsを記録する様子が確認できた。今回披露された実験と同じ条件で、これまでに最大で下り773Mbpsを記録しているという。

フィールド実験を行うバス。屋根にアンテナが装備されている
後部には端末にあたる実験装置を搭載
銀座にあるアンテナに実験用の設備を追加
今回のLTE-Advances TDDは、理論値で1Gbpsの通信速度
フィールド実験を行う銀座の特徴。昼間人口も多く、エリアとしては難しい地域という
実験の周波数帯や、対象エリアにおける基地局の概要
アンテナはPHSやAXGPの場所を利用
デモ走行のルート
700Mbpsの通信速度でできること
フィールド実験で700Mbpsを記録
銀座の街中を走行しながら700Mbpsでデータを受信できた

 デモでは通信速度の早さや安定した様子を分かりやすくするため、動画のストリーミング再生も披露された。ソフトバンクのテレビCM映像を特別に4K解像度にアップコンバートしたデータがYouTubeにアップロードされており、4K解像度に対応したテレビに映像を表示しながら、問題なく視聴できる様子が披露された。4K解像度の映像のストリーミング再生には、150Mbps程度の通信速度が必要とのことで、700Mbpsの環境では同じ回線で4〜5人が同時にデータを受信しても問題ないという。また、例えばYouTubeのストリーミング再生ではデータを受信する時間と受信しない時間があるため、実際には同時に利用できる人数はもう少し増えるとした。

 実験の説明を行ったソフトバンクモバイル 技術総合研究室の矢吹歩氏によれば、LTEは3G(W-CDMAなど)と比較すると「干渉に弱い」とのことで、3Gの基地局を置き換えただけでは、基地局同士の干渉がある境界のエリアでスループットが落ちるという。実験では3つの基地局をグループ化したCoMPで、安定してスループットが出る様子も確認できた。CoMP自体は基地局など設備側のみで実現する機能のため、端末側での対応は不要という。一方、今回の実験では4つの周波数帯を束ねて利用したキャリアアグリゲーションについては、端末側での対応が必要で、現在の携帯電話端末のチップセットでは規格や処理速度などの面で、4つのキャリアアグリゲーションには対応できないとしている。

4×4 MIMOとキャリアアグリゲーション
CoMPについて

 矢吹氏はこのほか、実験結果のアピールで用いた4K動画について、「2020年の東京オリンピックで使われるという話もあり、これから充実するのではないか。東京オリンピックの頃には、4K動画があたりまえになっているのではないか」との予想を示していた。

(太田 亮三)