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大画面とS Penで新しい利用スタイルを目指した「GALAXY Note」

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows 7」「できるポケット docomo AQUOS PHONE SH-12C スマートに使いこなす基本&活用ワザ150」「できるポケット+ GALAXY S II」「できるポケット au INFOBAR スマートに使いこなす基本&活用ワザ150」(インプレスジャパン)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。


本体前面。基本的なデザインはGALAXY S IIやGALAXY S II LTEなどと同じ。メニューキーとバックキーは使っているときに、内側からのライトで浮かび上がるようになっている。
ボタンを備えたS Penが付属する。本体底面から背面側に格納することができる。海外ではこのS Penを少し太くして、持ちやすくするアダプタなども販売されているそうだ。

 昨年9月にドイツで開催されたIFAで発表されて以来、欧州をはじめ、各国で高い注目を集めているサムスンの「GALAXY Note」。3月28日、その日本向けモデル「GALAXY Note SC-05D」がNTTドコモから発表された。すでに、予約の受付も始まっているが、ひと足早く実機を試すことができたので、レポートをお送りしよう。

スマートフォンに求めること

 改めて語ることでもないが、ここ数年のスマートフォンの勢いには、目を見張るものがある。世界はもちろん、日本でもモバイルの主役は完全にスマートフォンに移行しつつあり、本誌を愛読してくれている読者のみなさんも多くの人がすでにスマートフォンを手にしていることだろう。

 ところで、みなさんはスマートフォンをどんなことに使っているだろうか。Webページの閲覧、メール、通話といった基本機能をはじめ、カレンダーやマップといった便利ツール、FacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークを通じたコミュニケーション、音楽や映像、ゲームといったエンターテインメント、スマートフォンならではのアプリなど、さまざまな用途に活用しているはずだ。

 では、こうしたスマートフォンの多彩な用途を快適に使うために、どんなことを求めているだろうか。プロセッサのパフォーマンス、持ちやすいボディサイズなど、いろいろな要素が考えられるが、やはり、さまざまな情報を表示し、フルタッチでの操作が中心であることを踏まえると、ディスプレイがスマートフォンの快適性に与える影響は大きい。

 しかし、その一方で、スマートフォンは常に持ち歩くアイテムであるため、画面が大きくなれば、ボディサイズが大きくなり、ポータビリティが失われてしまう。ただ単に画面が大きければいいというわけではなく、持ち歩きに適したサイズが求められるわけだ。スマートフォンに続き、タブレットも各社から魅力的な製品が発売され、注目を集めているが、通話機能などが制限されているモデルもあるうえ、画面が大型化するにつれ、ボディサイズも大きくなってしまうため、スマートフォンのリプレイスというより、モバイルノートPCのリプレイスという位置付けになっているのが実状だ。


本体背面はわずかにラウンドしていて、持ちやすい。デザイン的にはGALAXY Tab 7.0 Plusなどに近いイメージ 背面パネルを取りはずすと、2500mAhの電池パック、miniUIMカードスロット、microSDカードスロットが見える。背面カバーにはNFCのアンテナが内蔵されているため、端子が備えられている

 今回、NTTドコモから発表されたサムスン製スマートフォン「GALAXY Note SC-05D」は、スマートフォンに求められる要素をもう一度、見直し、これまでユーザーがスマートフォンで行なってきた多彩な用途をいかに快適に実現できるかを追求した製品となっている。本誌の発表会レポートをご覧いただいてもわかるように、GALAXY Noteは約5.3インチという大画面のHD Super AMOLED、S Penと呼ばれるペンによる操作などが特徴だが、これらは単純にハードウェアの差別化として搭載されたものではなく、すでにスマートフォンを使ってきたユーザーのニーズを分析し、その結果、導き出されたものとなっている。

 もう少し具体的に説明すると、ここ数年、スマートフォンが普及する中、スマートフォンに移行しながら、画面サイズの小ささやタッチパネルの反応に不満を感じたり、経済的な負担が増えるものの、スマートフォンとフィーチャーフォンの2台持ちをしたり、さまざまなユーザー動向が見られた。こうしたユーザーの声に耳を傾けてみると、「画面は大きく見やすいものがいい」「持ちやすいボディサイズが欲しい」「タッチパネルの反応が大事」「ハードウェアキーの方が押しやすい」「電池の持ちが重要」「スリムで軽いものがいい」など、相反する要素が求められていることがわかった。そこで、これらのニーズにバランス良く応えるために導き出された解が約5.3インチというディスプレイサイズ、S Penによるペン操作というわけだ。

 GALAXY Noteは昨年9月、ドイツで開催されたIFAで発表され、昨年末から欧州を中心に発売されている。昨年から今年に掛けて、欧州に旅行などで出かけた人であれば、一度くらいは観たことがあるかもしれないが、「Phone? Tablet? It's GALAXY Note!」というキャッチコピーを使ったテレビCMや街頭広告を大々的に展開し、たいへん注目を集めている。今年1月に催された2012 Consumer Electronics Show、2月に催されたMobile World Congress 2012では、GALAXY Noteをイラストレーターに持ってもらい、その場で来場者の似顔絵を描くというイベントを実施し、順番待ちの列が途切れなく続くほどの人気を博していた。同様のイベントは、「GALAXY Note Studio」と題し、欧州やアジア各国で展開されてきたが、今回の発表を受け、日本国内でも約150カ所で実施される予定だ。

手帳感覚で持ち歩けるボディサイズ

GALAXY Note(左)とGALAXY S II LTE。画面がひと回り大きいというのもあるが、解像度がHD表示に対応しているため、GALAXY Noteの方が格段に使いやすい

 少し前置きが長くなってしまったが、これまでのスマートフォンともタブレットとも違う新しいジャンルの製品として、GALAXY Noteがどんな魅力を持っているのかを実機を見ながら、解説しよう。

 まず、ボディは前述の通り、ディスプレイサイズによって、大きく変わるため、約5.3インチのHD Super AMOLEDを搭載するGALAXY Noteは、4.5インチクラスを搭載するGALAXY S II LTEなどに比べると、ひと回り大きい。ボディ幅で比較すると、GALAXY S II LTEの約69mmに対し、GALAXY Noteは約83mmと、14mmもワイドだ。ただ、ボディの厚みが約9.7mmに抑えられているため、実際に持った感覚としては、ポケットサイズの手帳に近い印象で、意外に持ちやすい。このサイズになると、右手で片手持ちをしたとき、親指だけで左上のアイコンをタッチすることは、手の大きな筆者でもさすがに難しいが、画面サイズが大きい分、アイコンのサイズも大きいため、タッチしやすい位置にショートカットなどを配しておけば、問題なく、使うことができる。ちなみに、ボディカラーはホワイトのみだが、他のGALAXYシリーズがブラックを発売後、ホワイトを追加してきたことを考えると、国内の反響次第では定番のブラックや海外で販売されているピンクなど、他のカラーが追加される可能性もありそうだ。

 ボディ周囲のパーツのレイアウトは、基本的にGALAXYシリーズものを踏襲しており、前面中央下にホームボタン、その左右にタッチセンサーによるメニューボタンとバックボタン、右側面で電源/終了ボタン、左側面に音量調整ボタン、上面に3.5φのヘッドホン接続端子、右上角にワンセグアンテナ、底面中央にmicroUSBによる外部接続端子を備え、その隣にS Penが格納されている。

 本体の背面カバーを取りはずすと、microSDメモリーカードスロット、UIMカードスロット、着脱可能な内蔵バッテリーが装着されている。バッテリー容量は2500mAhで、一般的なスマートフォンが1000〜1500mAhのバッテリーを搭載していることを考慮すると、約1.6倍以上の容量ということになる。注意が必要なのがUIMカード(SIMカード)で、ドコモminiUIMカードが採用されているため、通常サイズのドコモUIMカード(FOMAカード)を利用しているユーザーはGALAXY Noteへの機種変更とXi契約に伴い、ドコモminiUIMカードに交換される。

フリップカバーを装着し、閉じた状態。受話口にスリットが空いているので、このまま持って、耳に当てて、通話することも可能

 背面カバーについては、すでにGALAXY Noteが販売されている国や地域で、交換用カバーが数多く販売され、人気を集めているが、NTTドコモが販売する日本向けパッケージには「フリップカバー」と呼ばれるサムスン純正のカバーが同梱される。フリップカバーは背面カバーと交換する形で取り付けるもので、ディスプレイ面を覆うデザインとなっているため、GALAXY Noteを手帳のように使うことができる。

 ちなみに、欧州など販売されているGALAXY Noteも基本的に同じデザインを採用しているため、背面カバーやフリップカバーが流用できそうな印象もあるが、日本向けモデルは韓国版をベースに開発されたため、欧州版とは爪の部分などが微妙に違い、欧州版の背面カバーやフリップカバーを日本向けモデルに装着することはできない。また、背面カバーも本体を構成するパーツのひとつであり、GALAXY Noteの背面カバーにはNFC対応のための端子が備えられていることを考えると、仮に韓国版の背面カバーがそのまま装着できたとしても国内での利用は、厳密に言えば、法に触れる可能性があることを付け加えておきたい。


フリップカバー背面にはSAMSUNGのロゴがあしらわれている。前面の革のような材質に対し、背面側は樹脂製で、指紋が付きにくい加工が施されている フリップカバーを開いた状態。フリップカバーのディスプレイ面と当たる部分は、フェルトのような柔らかい素材が採用されている

 ディスプレイはくり返しになるが、1280×720ドット表示が可能なHD Super AMOLED(有機EL)を採用する。HD表示が可能なSuper AMOLEDはすでにGALAXY Nexusでも採用されているが、発色も良く、視認性に優れている。GALAXY Noteは後述する『S Pen』と呼ばれるペンで画面をタップして操作することもあるため、画面の強度などが気になるところだが、公式にはアナウンスされていないものの、従来のGALAXYシリーズで多く採用されてきた実績があるうえ、欧州版で採用されているという指摘があることから、おそらくCorning製GORILLA GLASSが採用されているものと推察される。少なくとも数日間、利用した範囲では、傷が付くこともなく、安心して利用することができた。ただ、画面サイズが大きいため、キレイに使いたいのであれば、前述のフリップカバーに加え、保護シートなどを貼ることをおすすめしたい。

 背面にはオートフォーカス対応800万画素カメラ、ディスプレイ上には200万画素インカメラも備える。顔検出、笑顔検出、美肌モード、手ブレ補正などの撮影機能も充実しており、本体を横に動かしながらのパノラマ撮影にも対応する。動画については1080pのHuluHD動画の撮影に対応し、別売のHDMI変換ケーブルをmicroUSB端子に接続し、市販のHDMIケーブルを組み合わせることにより、家庭用の大画面テレビなどに映し出すこともできる。

 ワンセグは本体左上の内蔵アンテナを伸ばして視聴でき、フレーム補間やジャンル別のオーディオ効果、字幕表示などにも対応する。番組表や日時を指定しての視聴予約や録画予約も可能だ。横方向に持ち、全画面表示をすると、ワンセグで送られる映像の解像度が低いため、HD表示が可能なディスプレイでは粗く見えてしまうが、従来の4インチクラスのスマートフォンで見ていたワンセグ映像と比較すると、GALAXY Noteはひと回りサイズが大きいため、かなり迫力がある。数人でいっしょに視聴するスタイルにも適している印象だ。

 この他のハードウェアのスペックとしては、CPUは現時点で最高スペックに位置付けられる1.5GHzのデュアルコアプロセッサ、内蔵メモリーは16GB、microSDHCメモリーカードは最大32GBまで対応する。無線LAN(Wi-Fi)はIEEE802.11a/b/g/nに対応しており、無線LANの簡易設定はWPSボタン設定に対応する。最近は住宅街でもWi-Fiスポットが乱立してきたことにより、Wi-Fiの2.4GHz帯で十分なパフォーマンスが得られないケースがあると言われるが、5.2/5.3GHz帯を利用するIEEE802.11aにも対応しているのは、ユーザーとしても非常にうれしいところだ。Bluetoothについては3.0+HS対応で、Bluetooth Low Energy対応機器が利用できるBluetooth 4.0には対応していない。

 通信環境については、前述の通り、NTTドコモのXiに対応しており、受信時最大75Mbpsの高速通信が利用できる。Wi-Fi/USBテザリングにも対応しており、パソコンやゲーム機などと組み合わせて利用することも可能だ。Xi対応スマートフォンについては、電池の持ちが良くないことが指摘されているが、GALAXY Noteは2500mAhの大容量バッテリーを搭載している。実際に使ってみた範囲でも他のXi対応スマートフォンより、長時間、利用できる印象だ。

スマートフォンの新しい使い方が見える「S Pen」

S Pen

 今回発売されたGALAXY Noteで、もっとも特徴的なポイントと言えば、やはり、『S Pen』と呼ばれるペンによる操作を可能にしていることだろう。現在、国内外で販売されているスマートフォンの多くは、基本的に指先で画面に触れるタッチ操作を前提にしており、それ以外はダイヤルキーやフルキーボードのハードウェアキーを搭載したモデルがごく一部にラインアップされている程度だ。

 GALAXY Noteは指先で画面に触れるタッチ操作を前提としているが、本体に格納されたS Penを使うことにより、手書きメモの入力やお絵かきなど、今までのスマートフォンとはちょっと違った使い方を実現している。ペンでの操作というと、10年以上前のPDA時代のスタイラスペンを思い出してしまう人も多いだろうが、GALAXY NoteのS Penはワコムの技術供与によって開発された専用のペンで、静電容量式のディスプレイでありながら、128段階の筆圧を感知できるようにすることで、細かいタッチ操作による多彩な表現を可能にしている。


Sメモの画面。4種類のペン先を選ぶことができる。カラーは16色があらかじめセットされているが、下側のエリアで自由に色を選ぶことも可能 S Penを使ってキャプチャーを撮ると、すぐにアプリが起動し、キャプチャした画像が読み込まれる。切り抜きやペンでのドローイングなどが可能

日本語手書き入力には7notes with mazecを搭載。手書きでメモをしておき、あとからテキストに変換することも可能
Sメモのお絵描き機能

 たとえば、プリインストールされているアプリ「Sメモ」では、S Penを使い、文字を入力したり、絵を描くことができる。文字入力については、他のスマートフォン同様、ソフトウェアキーボードからの入力も可能だが、7notes with mazecによる手書き入力に対応する。この7notes with mazecの手書き入力は、S Penで入力エリアにひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字などを書くと、自動的に文字が認識されるのだが、「会ぎしつ」「休か」「映ぞう」のように、漢字とひらがなが混在する交ぜ書きで入力しても「会議室」「休暇」「映像」のように候補が表示される。認識率も良好で、文字と文字の間隔を少し広めに空けて書くようにすると、認識しやすくなる印象だ。

 また、7notes with mazecのアプリを起動してのメモでは、手書きメモが取れるだけでなく、取った手書きメモをあとからテキストに変換することもできる。たとえば、急いでいるときはサッと手書きでメモを取っておき、あとで時間ができたときにそれを清書する感覚で、テキストに順次、変換するといった使い方ができる。あまり長い文章を変換するのは手間が掛かるが、ちょっとした文言のメモであれば、すぐに変換できるので、実用的だ。

 お絵描きについては、筆者はあまり絵心がないため、絵の得意な人に試しに描いてもらったところ、S Penで画面に触れた場所と実際に画面上に線などが描かれる場所に若干のズレがあるところを覚えてしまえば、画面も大きいため、手軽に絵を描くことができるそうだ。パソコンなどでペンタブレットを使っている環境では、画面と手元を見比べながら描くことが多いが、GALAXY Noteでは直接、画面に描けるため、直感的に使える印象だ。Sメモのペン設定もスマートフォンとしてはかなり多彩で、4種類のペン先から選べ、太さや色も自由に設定することができる。ペン先でマーカーを選ぶと、周囲と中央で濃さを変えられるなど、細かい設定もできる。前述の「GALAXY Note Studio」のイベントでは、このSメモのお絵描き機能を利用して、来場者の似顔絵を描いているわけだ。

 S Penを利用した機能は、手書き入力やお絵描き以外にもいろいろなものが用意されている。たとえば、S Penにはボタンが装備されており、このボタンを押しながら、画面をダブルタップすると、すぐに「Sメモライト」というアプリが起動し、すぐに手書きやテキスト入力で、メモを取ることができる。前述のSメモと違い、他のアプリを使っているときでもすぐにできるので、ブラウザでWebページを閲覧中、Facebookでニュースフィードを購読中、通話中など、さまざまなシチュエーションで、「あ、ちょっとメモ」と思ったら、すぐにS Penでボタンを押しながらダブルタップでSメモライトを起動という使い方ができるわけだ。


切り抜きは長方形だけでなく、ペンでエリアをなぞって、切り抜くことも可能。写真の人物や建物を切り抜いて、Sメモなどに貼り付けることも可能 キャプチャした画像をSメモに貼り付け、手書きで文字を書き加えたうえに、さらにテキストを手書き入力できる。交ぜ書き入力にたいおうしているため、一部がひらがなでも漢字が変換候補に表示される

 S Penを使って、画面キャプチャを撮ることもできる。キャプチャーを撮りたい画面を表示した状態で、S Penのボタンを押しながら、画面をロングタップすると、その画面がキャプチャされ、その画像を読み込んだ状態でアプリが起動し、直接、S Penでメッセージや情報を書き込んだり、キャプチャした画像の一部を切り抜くといったことができる。そして、できあがった画像をメールで送ったり、FacebookやTwitterに投稿することが可能だ。たとえば、Android標準のマップで目的地の地図を表示し、その画像をキャプチャして、必要な情報を書き込み、相手にメールで送るといったことも簡単にできるわけだ。ちなみに、従来のGALAXYシリーズ同様、電源/終了ボタンとホームキーを同時に押して、キャプチャーを撮ることもできるが、S Penを使ったときと違い、キャプチャーを撮って保存するのみで、アプリは自動的に起動しないので、別途、プリインストールされているフォトエディターなどで加工することになる。

 S Penに対応したアプリは、ここで説明したSメモやSメモライトなど以外に、プリインストールされている「フォトエディター」なども利用できる。サムスンが提供する「Samsung Apps」内の「S Choice」と呼ばれるコーナーでは、世界中で開発されたS Pen対応アプリが公開されており、ダウンロードすることができる。ちなみに、S Pen対応アプリを開発するためのSDKも公開されており、日本の開発者が開発したアプリも世界へ向けて公開できるようになる予定だ。

 また、標準的な操作におけるS Penの操作性だが、GALAXY Noteは画面サイズが約5.3インチと大きいため、ブラウザでWebページを表示していても指先でリンクにタッチできるものの、S Penを使えば、先端が細いため、より確実にリンクを選択することができる。特に、PC向けWebページでは表示を拡大してからリンクを選ぶという使い方をすることが多いが、S Penを使ったブラウジングでは拡大をしなくてもリンクを選ぶことができるケースが多い。

 ところで、S Penは今までのスタイラスペンと違い、非常にレスポンスも良く、快適に操作ができるのだが、ディスプレイ下に装備されているメニューキーやバックキーをタップしても反応しない。これはメニューキーやバックキーが人の指先に反応するタッチセンサーを採用しているため、S Penには反応しないわけだ。そうなると、それぞれの画面でメニューを表示したり、ひとつ前の画面に戻るとき、その都度、指先で操作しなければならないように思われそうだが、S Penのボタンを押しながら画面の上方向にドラッグするとメニューを表示し、左方向にドラッグするとバックキーを押したときと同じ動作をするしくみとなっている。ブラウザなどのマウスジェスチャならぬ、ペンジェスチャで操作できるわけだ。


独自のスケジュールアプリ「Sプランナー」はピンチ操作や右側に表示されるタブで、年、月、週、日などの表示を切り替えられる Sプランナーでスケジュールを登録するとき、Sメモのデータにリンクさせることができる

 この他に、GALAXY Note独自のスケジュールアプリ「Sプランナー」もプリインストールされる。標準のカレンダー同様、Googleカレンダーとの同期にも対応しているが、年、月、週、日の表示をマルチタッチのピンチ操作やタブ切り替え操作などで切り替えられるうえ、メモとの連動も考慮されており、非常に使い勝手が良い。これまでに発売された多くのAndroidスマートフォンは、Android標準のアプリを搭載するか、Androidマーケットなどで公開されている有料アプリをプリインストールする程度だったが、標準で独自の使いやすいアプリ、なかでもスケジュールアプリという手帳らしいアプリを搭載しているあたりに、GALAXY Noteの今までのスマートフォンとは違う方向性の一端をうかがうことができる。

新しい利用スタイルを目指した新ジャンルのスマートフォン

 ここ数年、急速にスマートフォンへの移行が進み、各社から魅力的なモデルが登場してきたが、Androidプラットフォームを採用したモデルについては、各社とも仕様が似通ってきてしまい、なかなかオリジナリティを発揮しにくい状況だとも言われている。そんな中に登場したGALAXY Noteは、約5.3インチという視認性に優れたひと回り大きなディスプレイ、S Penを使ったペン操作というアナログな表現力によって、今までのスマートフォンとは一線を画した新ジャンルを目指したモデルだ。

 今回、「GALAXY WORLD TOUR JAPAN」と銘打たれた新製品発表会の席において、壇上に立ったサムスン電子ジャパンの石井圭介専務は「今日、ペンを持たずに会場に来られた方はいらっしゃいますか?」と問いかけ、「私たちは目まぐるしく移り変わる最先端社会に生きていますが、驚くべきことに未だにペンとノートを持ち歩いています。ノートパソコンやスマートフォン、タブレットのような製品をほとんどのみなさんが持っているとしてもペンのようなアナログデバイスが相変わらず私たちの生活に貴重な役割を果たしているということなのです」と述べ、スマートフォンやタブレットというデジタルデバイスに、ペンというアナログデバイスを融合させたことの意義を説明したが、実際にGALAXY Noteを使いはじめると、その意味合いが少しずつ理解できてくる。

 スマートフォンはこれまでのケータイなどに比べ、インターネットで提供されるサービスと連携がしやすく、アプリでカスタマイズができるなど、今やビジネスでもプライベートでも欠かせない存在だが、タッチ操作になかなか慣れなかったり、微妙な表現ができないなど、現在のスマートフォンであるがゆえの限界も見えはじめている。これに対し、GALAXY NoteはS Penというアナログの表現力を持つペンデバイスを加えることにより、今までのスマートフォンにはない新しい利用スタイルを実現しようとしている印象だ。ペンという意味では、これまでもスマートフォンやフィーチャーフォンにおいて、スタイラスペンを採用したモデルがいくつか発売されたが、その多くはプリクラのように、撮影した写真に絵を少し描き加えるなど、どちらかと言えば、やや「オマケ」的な意味合いが強かった。GALAXY NoteのS Penは絵や情報を書き加えるだけでなく、画像を切り抜いたり、メモを取ったり、手書きで文字を入力したりと、ペン操作によって便利に活用できる機能をしっかりと取り揃え、ユーザーが利用しやすい環境を整えている。S Choiceを通じて、今後もS Penを利用した新しいアプリが登場し、さらにその利用シーンは拡大していくことになりそうだ。

 今後、サムスンではGALAXY Note Studioというイベントを全国150カ所以上で展開する予定だが、ドコモショップの店頭のデモコーナーなども含め、大画面ディスプレイとS Penによる新ジャンルのスマートフォンの楽しさをぜひ一度、体験していただきたい。

 




(法林岳之)

2012/4/4 14:03