スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Mac Proに乗り換えてみた!!

Mac Proに乗り換えてみた!!

 メインのパソコン環境を「WindowsからMacに移行」してみたワタクシ。まず手始めに「Mac mini」を使って「Macに移行したらどうなるか?」を試し始めたんですが、かなりイイ感じ。ただ、「Mac mini」だと多用するアプリの動作がちょっと遅く、「本格的にMac環境へ移行するならもっと速いMacが要る!!」と思いまして、結局、「Mac Pro」(Late 2013)を買いました

アップルの「Mac Pro」(Late 2013)。独特の筒型で、直径16.7×高さ25.1cm。質量は5kg。非常に高いパフォーマンスを発揮するわりには省スペースです。また、静音性も十分に高いと感じられます。間近で見ると、深く静かな光沢が印象的で、非常に美しい曲面はコンピュータを思わせません。
2013年10月にアップルが開催した説明会で展示された「Mac Pro」

 スペックは、プロセッサが3.0GHz 8コア、メモリが32GB(8GB×4)、ストレージが1TB SSD、グラフィクスはデュアルAMD FirePro D500 GPU。ワタクシ的にはかなり本気度が高い構成です。お値段は税別で79万2800円でした。

 ぶっちゃけた話、「Mac Pro」が発売された当初は「あんな高いマシン買う人少なそうだな〜どんな人が買うんだろう」と他人事のように思っていました。しかし「まさか」のワタクシが購入です。コンピュータ本体に80万円以上も払うなんて……とは思いましたが、考えてみれば一昔前は「Macintosh IIci」とか「Macintosh Quadra 840AV」を贅沢な構成で100万円前後の値段で買っていました(男の64回払いローンとかですが)。

 当時と比べたら、現在のMacのOSは非常に安定しています。また、上記スペックの「Mac Pro」は後述のように十二分なパフォーマンスを発揮してくれます。ですので、80万円なら高くはない……と机上の「Mac Pro」を見るたびに自分に言い聞かせつつ自らを洗脳しております。

 ともあれ以降、購入した「Mac Pro」についてアレコレ書いてみたいと思います。視点的には、「WindowsからMac環境へ移行したヤツ」が「Mac Pro」を使っての印象って感じです。

小さい、速い、そして静か♪

 まず思ったのは、前述のように「Mac Pro」本体が小さいということ。直径16.7cmの円筒ですので、A4の紙の上に余裕で収まるフットプリント。パワフルなデスクトップPCですが、設置場所の自由度が異様に高いという印象です。

 ただ、全てのインターフェースが本体背面(と思われる向き)にあるのが、若干残念です。USBポートやThunderboltポートなど、やや頻繁にケーブルを挿抜する場合は一工夫が必要。ワタクシの場合、外付けUSBハブおよびThunderboltケーブル×1本を汎用としてつなぎ、どうにかしています。

「Mac Pro」の表面は一部を除いてツルリとしています。インターフェースは、恐らく背面と思われる向きに集まっています。ちなみに、下部のスリットが吸気口で、ここから空気が吸い込まれてマシンを冷却し、上部の穴から熱気が緩やかに流れ出します。

 それから処理速度。ワタクシが常用するアプリは、ほとんどが十分実用的な速度で動作します。前のマシン「Mac mini」では「Adobe Photoshop CC 2015」の起動や一部フィルターなどの処理が遅かったり、「Adobe InDesign CC 2015」上でドキュメントへの日本語インライン入力をすると表示が追いつかなかったりしましたが、そういうストレスはほとんどなくなりました。「Adobe Photoshop CC 2015」が5秒以内で起動したりして快適です。「Adobe Premier Pro CC 2015」でのHDビデオ編集などもなかなか快適。表示は滑らかで編集作業時に「重い」と感じるコトもあまりありません。最終的なレンダリングや書き出しが爆速、というほどではありませんが、とても手軽にHDビデオ編集を楽しめます。

 また、これまで使ってきたWindows環境を丸ごと「VMware Fusion 8」に移行して使っています。前のマシン「Mac mini」では「遅くて無理」という感じでしたが、「Mac Pro」上ではわりとサクサクとWindows 7が動作しています。ただ、仮想マシン上のWindowsでは、音楽系ソフト、たとえばスタンドアロンのソフトウェアシンセサイザーを使うと、ほんの少し遅延が感じられます。リアルタイムで演奏するには気になる遅延です。まだ細かく設定していないのですが、今後設定などでこの遅延がどうにかなるか試そうと思います。

「VMware Fusion 8」でWindowsを使っている様子。現在の設定では、Windows 7の起動〜初期的な処理がだいたい完了するまで45秒程度かかります。サスペンドからの復帰は10秒弱。シンセサイザーやDAWなどの音楽系ソフトも動いていて、まずまず実用レベルというイメージでしょうか。

 といった感じで、全体的に「必要十分かそれ以上」のパフォーマンスが出ており、とても快適に使えています。今後は、4K動画編集などにトライしてみたいと思います。

 それから静音性。「Mac Pro」導入当初、本体を机の上のキーボードの左側、顔から30cmくらいの位置に置いていたんですが、耳を疑うほどの静かさに驚きました。上部の排気口付近に耳を近づけると、やっとファン(というか空流)の音が聞こえてくるというレベルです。振動はほぼ皆無。重い処理を行ってもファンの音が大きくなるような気配は感じられません。

 ただ、重い処理を続ければ本体はそれなりに熱くなります。筒状の外装上部が最も熱くなり、周囲も熱を持ちます。しかし触れるレベル。室温が30度くらいの日に「これはチャンス!!」(!?)と思って重い処理を続けてみましたが、発熱が顕著に増えるとかファンの音が大きくなるということは感じられませんでした。現在のところ、いちばん熱くなっても、自販機で「あったか〜い」と表示して売られている缶飲料より低い温度、という感じです。

 ともあれ、この「Mac Pro」、ワタクシがこれまで使った「静音PC」においてトップクラスの静音性です。率直な話、「2015年においてとても速いと感じられるマシン」なんですけど、それと同時に驚くべき静音性を備えていて、この部分の満足度はとりわけヒッジョーに高いです。

4Kディスプレイを快適に使える疑似解像度モード

 個人的に期待していたのは、「Mac Pro」で使える疑似解像度モード。「MacBook Pro Retina ディスプレイモデル」でも使える表示モードで、高解像度ディスプレイで精細な表示を保ちつつ表示サイズをわりと自由に変えられる表示設定ですな。HiDPIモードやRetinaモードとも呼ばれているようです。

 前のマシン「Mac mini」では使えなかったこのモードですが、そのために若干困りました。というのは、使用しているディスプレイが「FlexScan EV3237」で、31.5型・4K(3840×2160ドット)というスペック。このディスプレイにMac OS Xの表示をドットバイドットで表示すると、UIの文字などが小さくて見づらいのです。

 かと言って、表示解像度をそれ以下に設定すると(疑似解像度モードが使えないマシンの場合は)、ディスプレイ側でスケーリング処理が施されるため、表示が少しボヤケてしまいます。「せっかく4Kディスプレイなのにこのネムい表示は悲しい……」という気分に。なので「Mac mini」のときは、最大解像度にしてドットバイドット表示としつつ、各アプリの表示を拡大するなどして可読性を高めていました。

 それでも、一部表示は小さ過ぎて見づらかったりしました。また、ウェブブラウザなんかだと、あるページは読みやすい倍率に拡大できるけれど、ほかのページは表示が大きすぎて倍率を元に戻さないといけないなど、面倒だったり気持ち悪かったりするのが実情でした。一瞬、「こんなことなら43型とか50型の4Kテレビを買ってソコに「Mac mini」をつなごうかな」とか思ったりもしました。

 そういった表示関連の問題が、「Mac Pro」で使える疑似解像度モードで全解消しました。細かいコトを言うと4Kディスプレイ「FlexScan EV3237」の解像度全てを文字やグラフィックの情報量として享受できていることにはならないんですが、十分広い画面で、十分な情報量を、非常にクッキリと鮮明な見栄えで利用できるようになってとても満足しています。

左が「Mac Pro」、右が「Mac mini」の表示です。4Kディスプレイに対して3008×1692ドットで出力したときの一部分を撮影しています。「Mac Pro」では疑似解像度モードが使えるので非常にクッキリした表示になりますが、「Mac mini」でディスプレイの最大解像度以外を選ぶとディスプレイ側でスケーリングされるため表示がボヤケた感じになってしまいます。
「Mac Pro」と「FlexScan EV3237」の組合せでは、5種類から解像度を選べます。まずはディスプレイ最大解像度の3840×2160ドット。ドットバイドットの表示になります。右はその表示を撮影したものです。ディスプレイ左側の白いものはA4用紙(サイズ感確認用)です。この解像度でもUI表示は読めますが、小さいので長時間見ていると疲れます。
3008×1692ドットでの表示。ワタクシ的にはちょうどいいサイズで、可読性と情報量のバランスが良いと感じられます。文字などはボヤケた感じはなく、全体的に非常にクッキリしています。
2560×1440ドットでの表示。全体的にちょっと大きめのUI表示となります。情報量より可読性を重視した場合、この表示が快適かもしれません。
1920×1080ドットでの表示。31.5型のフルHDディスプレイと同等です。文字がかなりデカいです〜。
1504×846ドットでの表示。31.5型ディスプレイにはアンバランスな解像度ですな。

 疑似解像度モードについて、使ってはいますが、じつはあまりよく理解していないワタクシです。ただ、表示の精細さやディスプレイの表示モード、スクリーンショットのドット数などから考えると、疑似解像度モードでは設定した解像度より大きなデスクトップ等の表示を生成してMac OS X内部でスケーリングし、それをディスプレイの最大解像度で出力しているようです。

 ともあれ、疑似解像度モードだと、どの解像度を選んでも「表示がボヤケ気味でネムい」という印象はありません。画面サイズに最適なUIサイズを選べて快適〜♪ また、Mac OS Xのフォントは相変わらずキレイですが、4Kディスプレイを最適な設定で使ったときは改めて「やっぱ文字がキレイに表示されるな〜」と痛感します。いったんRetinaディスプレイを使うと後戻りできない感覚と同様に、この先は4K未満のディスプレイに戻れないような気がしております。

にしても、Macはラク〜♪ でも慣れない部分も

 8ビットマイコン野郎→MS-DOS野郎→Mac野郎→Windows野郎→Mac&Windows野郎……てな感じでコンピュータを使ってきたワタクシですが、ここ10年以上はWindowsをメインに使ってきました。OS X世代のMacは、ノート系を趣味の範疇で使ってきた程度です。

 そんなヤツ的な視点で今のMacを感じるに、イロイロとラクですな。まずMacからMacへの環境移行がヒッジョーにラクです。感覚的には「MacをMacへコピーする」というイメージ。Mac OSのユーティリティである「移行アシスタント」を使い、2台のMacをWi-Fiやケーブルで接続すれば、アプリも各種ファイルも設定もほぼコピーされ、旧Macから新Macへ乗り換えられ、すぐ「これまでと同じ環境」で使い始められます。

「移行アシスタント」を使えば、たとえば現在使っているMacから追加購入したMacへの「環境丸ごとコピー」も簡単です。Macどうしのケーブル接続は、比較的に爆速でコピーできるThunderbolt接続が超オススメ。

 Windows野郎としての意識で、Macの環境移行を想像すると、「とは言ってもアプリが動かないとか特定のファイルは移行できないとか多発しそう……」って感じですが、そういうコトもありません。「なんでナイの?」って不思議に思うほどありません。まあ、クラウドサービスのパスワードを再入力するとか、そういう「そりゃそうか」的な一手間はありますが、「環境移行ってこんなに簡単だったのか」ってほどラクです。

 Mac OS Xのバックアップ環境である「Time Machine」もラクです。バックアップ先のHDDなどを指定しておくだけでOK。あとは「Time Machine」に「丸投げ」って感じで、全て任せておけます。バックアップから特定の時期の一部ファイルを復活させたり、バックアップからMac環境を丸ごと復元することもできます。前述の「移行アシスタント」の移行元として「Time Machine」を指定することもできます。

「Time Machine」はMacを丸ごとバックアップするしくみです。ファイルの復旧などを直感的に行えるほか、バックアップも全自動でラクです。

 スリープ機能もイイです。超ツカエます。ワタクシは、Windows 98〜Windows 2000の時代には、Windowsでスリープ機能をよく使いました。かなり安定して使えていたと記憶しています。が、それ以降はな〜んか「スリープからちゃんと復帰しないこと」が多くて使っていません。たまに試したりしますが、ハードウェアを認識しなかったり、ソフトウェアが無反応になったりしがちで、Windowsのスリープ機能にはあまり良い印象を持っていませんでした。

 Mac OS X世代のMacでは、スリープ機能を常用しています。というのは、ほとんどトラブルが起きないからです。消せないファイルが出現したとかアプリの動作がオカシイとか、ハードウェアをつなぎ直すといった場合、ときどきシステム終了や再起動を行いますが、そういう場合以外はずっとスリープ&復帰を繰り返しています。パッと使ってサッとスリープにできる軽快さ、そして、そうしても問題が出ない安定感がスーパーナイス♪ これはデスクトップのMacでもMacBookでも同様です。

 ほかにもイロイロとMacの良さを再発見している最近です。たとえばFinderやプレビューなどのOS標準機能がナニゲに超便利で、「もしかしてMac用のファイルブラウザや画像ブラウザの類が少ないのはFinderやプレビューでだいたい済むからか?」なんて思えたりします。Mac版iTunesとiOSデバイスを組み合わせて使うと非常にスムーズ&快適で、「Windows版iTunesが調子悪いのって……アップルがわざとやってるのか!?」などと邪推してしまうほどです。

Finderは、Windowsの「エクスプローラー」にあたるファイル操作機能です。いろいろなスタイルでファイルをブラウズでき、非常に高機能です。ワタクシはファイル名を連番付きで一括変更できる機能に軽く驚きました。プレビューは画像やPDFをクイックに開ける機能で、簡単な画像処理機能もあります。軽快で使いやすい機能です。

 ほか、色の管理がラクだとか、レジストリとかないからアプリのアンインストール後の不調とかもほとんどナイとか、PDFを扱うのが何かと快適だとか、いろいろ良いところがあるMacっていうかMac OS X。最新Mac OS Xこと「El Capitan」にしたら動かないアプリが一本出ましたが、1週間後にEl Capitan対応となり一安心しました。

 ただ、「これはちょっとなあ……」と思う部分があったり、まだ慣れていなくて使いにくいところがあったりするのも事実です。

 たとえばワタクシ的には、マウスのポインタの加速がオフにできないのが困りものとか、日本語等幅フォントで英数字がプロポーショナル(可変幅)になっちゃうものが多くて残念とか、細かな問題がけっこーあったり。また、周辺機器やアプリケーションは、やはりパソコン用OSのデファクトスタンダードであるWindows用のほうが遙かに豊富ですな。

 あとですね、軽く困ったことに、ガッツリと気に入れるMac用キーボード(US配列)がまだ見つかっていないんですよ。アップル純正キーボードもイイ感じなんですが、フルキーのほーとワイヤレスのほーで、一長一短。サードパーティー製キーボードも試しているんですが、シックリとくるものに出会えていない状態。Windows用キーボードをMacにつないでキー配列を変える方法とかはあるんですが、そーゆーコトせずに「入手性の良いMac用US配列キーボードをつなぐだけで労せず使う」ようにしたいんですな。

 と、Macに関してあーだこーだ言う事柄はまだまだ多々あるんですが、現在はこんな感じです。また何か新たなトピックがあれば、本連載やスタパブログなどで書きたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします〜♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。