スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

40型4Kディスプレイ、その使用感はどう?

40型4Kディスプレイ、その使用感はどう?

 去年のスタパブログでも少し書きましたが、アイ・オー・データ機器の40型4Kディスプレイ「LCD-M4K401XVB」を買いました。ネット通販で9万円弱。2015年12月24日の発売日から使い始め、現在も使用中です。

アイ・オー・データ機器の4Kディスプレイ「LCD-M4K401XVB」。40型(可視領域39.5型)で最大解像度は3840×2160ピクセル(4K UHD)です。入力端子は、HDMI×3、アナログRGB(VGA)、DisplayPortで、DisplayPortおよびHDMI(1)では4K(3840×2160)/60Hz(60p)表示も可能です。

 このディスプレイは、Mac Proと接続して使うために買いました。4Kで動画を観るとかゲームをするとかいう目的ではなく、汎用のPC用のモニターとして使うためですな。4K(3840×2160ピクセル)解像度で得られる情報量を、見やすい画面サイズで使いたいから、というのが購入の動機です。

 で、結果、どうだったのかと言えば、いくつかビミョーな残念点を感じますが、基本的にはヒッジョーにイイ感じ♪ 快適に利用できています。4Kで40型(可視領域39.5型)という解像度/画面サイズのバランスが使いやすく、多くのアプリにおいて作業効率がズギャッと高まっております。てなわけで以降、「LCD-M4K401XVB」の使用感等々について書いてみたいと思います。

3つの残念点

 まずイキナリですが前述の「ビミョーな残念点」から書いてしまいましょう。ワタクシ的には「これどうにかなってくれないかな〜」という残念さを3つ感じました。

 ひとつは発色です。使用中のEIZO製PC向け4Kモニター「FlexScan EV3237」と比べると、発色のバランスが悪いという印象です。初期設定だと赤が強く出てしまう感じ。また、ディスプレイ側でもコンピュータ側でも発色の調節を行い、「これなら、まあいいかな」くらいまで調整しましたが、それでも赤が強め。FlexScan EV3237と見比べると「なんかLCD-M4K401XVBはマゼンタかぶりしてない?」みたいな感じです。

 ただ、前述のように色調整を行い、LCD-M4K401XVB単体で使っていれば、慣れてしまえるレベル。発色に厳密さを求める作業以外なら、気にならない「赤っぽさ」だとは思います。赤系の色が僅かに強いというイメージなので、あるいは演色性的には「人の肌や食べ物の色がイイ」という感じに見えるかもしれません。

 バックライトとして、白色LEDに加えて赤色LEDも使っていたりするんでしょうか? 「演色性は数値的に良好なものの、パッと見で赤っぽいとか、撮影すると明らかにマゼンタかぶりしているLED光源」って、最近わりと遭遇しがちです。

 ちなみに、ワタクシの場合、静止画や動画の編集も行うので、発色の厳密さも求めます。じゃあどうしているのかと言えば、LCD-M4K401XVBとFlexScan EV3237を同時に使っています。4K×2枚のデュアルディスプレイ環境とし、映像の色の吟味はFlexScan EV3237で行っています。

LCD-M4K401XVB後、しばらくはLCD-M4K401XVBのみで使っていましたが、厳密な色の吟味のためにFlexScan EV3237を追加。4Kディスプレイ×2枚のデュアルディスプレイ環境となっています。当初は圧迫感が大きかったんですが、現在は慣れて非常に快適に使っています。設置スペースの関係上、やむなくFlexScan EV3237は縦置きにしています(ホントは横置きにしたい)。

 もうひとつの残念点は、DisplayPortの不調……というか、なんか、Mac Proとこのディスプレイとでは、DisplayPort経由での接続に相性問題っぽいものがあるのかもしれません。DisplayPort経由で接続すると、イロイロと不安定です。

 具体的には、Mac ProとLCD-M4K401XVBをDisplayPort経由でつなぐと、たまに表示できなくなったりします。再現性はなく「ナニカの拍子に画面がパッと消える」みたいな。また、ナニカの拍子に表示が正常に戻ったりもします。

 それから、同じくDisplayPort経由でつないだ場合、Mac Proをいったんスリープしてそこから復帰させると、表示が消えたままで戻らなかったりします。たまに戻ることがあります。

 最初は「ケーブルに問題があるのかな?」と思い、ケーブルの交換も試しましたが、どうもそれが原因ではないようです。ディスプレイやMac Pro側の設定もアレコレとイジりましたが、設定の問題でもないようです。最初は「やった〜4Kで60p環境だ〜!」とか喜んでいたんですが、結局、Displayport経由でつなぐと不安定なので諦めてHDMI接続で使用中。Mac ProのHDMI出力はHDMI 2.0非対応=4K/60p表示不能で、4K/60p表示を行うためにはDisplayport経由での接続が必須です。結果、拙宅環境では4K/60p表示では使えておりません。

 ちなみに、HDMI接続だと全然問題ナシです。また、Mac ProとFlexScan EV3237をDisplayPort経由で接続しても全然問題ナシ。現在はこの接続で安定的に両モニターを利用できています。

 メーカーの製品紹介ページに「4K解像度については、AMD製グラフィックチップとの組合せにおいて、正常に表示されない場合があります」と書かれています。Mac Proのグラフィックチップは「AMD FirePro D500」です。もしかすると、上記の不安定さはこの相性問題なのかもしれません。

 3つめの残念感は、LCD-M4K401XVBが「ハーフグレアパネル」だということ。画面表面がテカテカってほどではないんですが、若干写り込みが多めです。昼間、室内に外光が強めに差し込む場合、家具や自分の姿などの写り込みで画面表示が見にくくなったりします。また、静電気によってホコリも付着しやすい感じ。「ノングレアにして欲しかったな〜」と思います。

 ほかはとくに残念と感じる点はありません。「まあこういう仕様ということで」と納得できたり慣れることができたり、別の対処をできる程度のものです。また、発色以外についても最近では「まあそういうディスプレイだし」ということで、気にならなくなりつつあります。

PC用4Kモニタは40インチくらいがナイスバランスかも!

 LCD-M4K401XVBを買った理由は、40インチの4Kディスプレイだからです。4K(3840×2160ドット)の解像度だと非常に豊富な情報量が得られますが、あまり大きくない4Kディスプレイだと文字が小さすぎるなどして実用的ではありません。かと言ってOSやディスプレイのスケーリング機能で文字などを大きくすると、こんどは表示される情報量が減ってしまいます。そんな観点で「4Kで40型前後はちょうどいいのでは」と考えたわけです。

 LCD-M4K401XVBを使う前は、FlexScan EV3237を使っていました。FlexScan EV3237は31.5型の4Kディスプレイです。最初はディスプレイ最大解像度の3840×2160ドットで表示させていましたが、全体的に文字が小さいため、長時間使っていると目が疲れます。結局、OS側で3008×1692ドットに設定し、4Kフル解像度で得られる情報量を少し諦め、かわりに見やすさを高めて使っていました。

 で、結果どうだったかと言うと、40型(可視領域39.5型)の4Kディスプレイだと、最大解像度で表示させると「ちょうどいい」という感じ。ほとんどのアプリで文字サイズ等を調節せず、初期値のままで快適に利用できます。UIサイズも文字サイズも、バランスよく見やすく表示されると感じています。

 ただ、導入した直後は「ん? 見やすいけど、疲れる!?」と思いました。拙宅環境では、目から70cmくらいのところにLCD-M4K401XVBがあります。以前はその位置にFlexScan EV3237を置いていました。FlexScan EV3237の画面上下幅は約43cm、LCD-M4K401XVBの画面上下幅は約53cm。10cmくらい上方向に広くなった感じなので、メニューバーなど画面上方にある要素を目視するとき、「前より少し顔を上に向ける必要がある」という印象になったのです。これにより、最初はやや使いにくく感じました。

左写真の赤枠はLCD-M4K401XVBの「最初見にくく感じたエリア」です。少し顔を上に向けて目視する感覚でした。ですが、椅子を上げたらその違和感はほぼ解消されました。右写真は、縦置きにしたFlexScan EV3237です。表示面の縦幅は約70cmあります。上部15cmくらいと下部10cmくらいのエリアは、椅子を上げるなどしても(顔の振り幅が大きいので)見づらいエリアです。

 しかし簡潔に対処できました。椅子の座面をこれまでより少し上げ、顔の位置そのものをやや高くしたのです。椅子を10cm高くすればいいのかなと単純に思いましたが、14cm高めたあたりでちょうどいい感じになりました。

 現在はだいぶ慣れてきましたが、若干の違和感を言えば「40インチの4Kモニタだと視線を動かす範囲がやや広すぎるかも」と思うことも。約縦49×横88cmの表示を一望できるので、情報量たっぷりで見やすさも十分ではありますが、部分部分を見るにはけっこー視線移動が多いです。ちょうど、両腕をいっぱいに伸ばして新聞を広げて一望する感じとよく似ています。もしかすると、もう少しだけ、たとえば38型前後の4Kディスプレイだと、より快適なバランスなのかもしれません。

 余談ですが、LCD-M4K401XVB(表示設定3840×2160ドット)と縦置きのFlexScan EV3237(表示設定3008×1692)、画面サイズも表示設定も異なるわけですが、この表示設定にするとUIやフォントやウィンドウのサイズがだいたい同じ(FlexScanの方が若干大きめ)です。偶然ですが、2枚のディスプレイ間で表示サイズが極端に異ならない設定にできたので、デュアルディスプレイで使っていての違和感は、ほぼありません。

広〜い♪ 激・快・適!

 さて、LCD-M4K401XVBをPC用ディスプレイとして使ったときの快適さですが、これはヒッジョーにイイ感じです♪ 前述のとおり画面サイズと解像度のバランスが、まず良好。そうなると単純に、4K(3840×2160ドット)の解像度から来る情報量の多さがサイコーに実用的です。以下、使用中のMac OS環境で説明していきます。

 情報量は、たとえばテキストエディタですと、日本語40字詰め×76行のウィンドウを4つ開いてもまだ余白ができます。少し重ねればこのウィンドウを5つ開けますな。ちなみに、フォントはヒラギノ角ゴシックW1でサイズは18ポイントとしていますが、70cmの距離からでも十分な視認性・可読性があります。Webブラウザのウィンドウも3〜4つ同時に開けます。

左はテキストエディタのウィンドウ(日本語40文字×76行)を4つ開いたところ。まだ余裕があります。右はウェブブラウザウィンドウを4つ開いたところ。ちょっと窮屈ですが、インプレス系サイトの場合は右側に広告スペースがあったりするので、記事を読むなら実用的です。
左は最近よくやる「原稿書きスタイル」です。ウェブブラウザで資料を表示させつつ、中央のテキストエディタで原稿を書いています。必要に応じてFinderウィンドウにPDFなどの資料を並べ、プレビューで閲覧したりも。右は「お買い物モード」。製品情報を調べつつ、通販サイトにて実売価格などをチェックしていきます。

 テキストエディタのウィンドウがいくつ開けて、ウェブブラウザのウィンドウがいくつ開けて……というのは、人によっては「あまり意味ないじゃん」となるかもしれません。現在はタブで複数ウィンドウを同時に扱えたりもしますし。ただ、ワタクシ的には「視線移動だけで情報を見比べられる」という点が非常に重要です。たとえばハードウェア3機種のスペック表を並べて閲覧できれば、パパパッと視線移動だけで3機種の違いを把握していけます。LCD-M4K401XVBだとそういう「情報の鳥瞰」が非常に快適です。

 あと、個人的には4Kディスプレイでのマップ閲覧が超楽しいです。たとえばGoogleマップを文字通り鳥瞰。広い範囲を一望できて痛快です。何年か前、某ショールームで4Kディスプレイ(当時は4Kとは呼ばれていなかった)にGoogleマップを表示していて、その情報量に圧倒されましたが、それを自宅でできるようになって非常に嬉しいです。

ウェブブラウザChromeを4Kディスプレイ画面いっぱいに開き、そこにGoogleマップを表示させている様子。大画面の電子地図には、紙の地図とは別次元の情報量&インタラクティビティがあります。表示スタイルを変えたり各種情報を重ねたりしても楽しいです。
Chromeのウィンドウを2枚並べても愉快。左は同じ位置の地図表示とGogle Earthの3D表示を並べた様子です。右は地図と地形図を並べたところ。余談ですが、Googleマップの表示はやっぱりChromeがいちばん快適でトラブルが少ないようです。

 ほか、Adobe PhotoshopとAdobe Bridgeを画面の左右に並べて作業するとか、ウェブブラウザとスプレッドシートを並べてウェブからデータを取りつつ表を作るとか、画面全体を使ってDTVやDTMなど時系列トラックが並ぶアプリを使うとか、イロイロと快適です。以前は限られた画面スペースを有効活用すべく、各ウィンドウの位置やサイズを細かく決めて使っていましたが、最近はテキトー。テキトーなウィンドウ位置・サイズでも、スペースに余裕があるため作業効率に影響しない感じです。

 単純明快に「画面の広さと情報量の多さは正義」ですな。広い画面に多くの情報が表示されることは、よくたとえられる話ではありますが「広い作業机」そのものです。

 狭い机だと、少ないスペースをやりくりして作業することになります。作業Aを終えたら、いったん片付けて、作業Bに取りかかり、それを終えたらまた片付けて、その後に作業C……、みたいに個別に作業を行う必要があります。

 一方、広い机だと、作業A〜Cを並列的に行えます。適当に作業A、作業B、作業C……と場所を取って、やりやすいように、また全体を一望しながら、作業を進められます。上記の狭い机での作業がリニアなら、広い机での作業はノンリニア、みたいな作業効率の差がありますな。

 PCにおけるとても広い作業机ことLCD-M4K401XVB、激・快・適! です♪ 興味のある方はぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。