【2012 International CES】
ソニエリが「Xperia S/ion」を紹介、同社の戦略も明かす


 ソニー・エリクソンは、9日(現地時間)にソニーのプレスカンファレンスで発表された、「Xperia S」および「Xperia ion」を解説するイベントを開催した。イベントには、同社のCMO(Chief Marketing Officer)のSteve Walker氏が登壇。「スマートフォンは、ソニーグループのコンバージョン(転換、変化などの意)戦略を進める際の、基礎となる」とし、Xperiaがソニーの完全子会社化後も重要な役割を担うことを語った。その上で、「ソニーブランド初のXperiaになる」というXperia Sや、「ソニー初のLTE対応スマートフォン」というXperia ionを紹介した。

会見に登壇したCMOのSteve Walker氏端末の詳細な解説はHead of Xperia Marketing Program、Calum MacDougall氏が行った

Xperiaのネクストシリーズ

 Xperia Sは、「Xperiaのネクストシリーズ」に位置づけられ、720pのHDディスプレイや、ソニーの技術を活かした音楽再生機能などを採用。ロック画面から即起動できる、高画質なカメラも、搭載する。CPUは1.5GHzのデュアルコアとなり、「Music Unlimited」「Video Unlimited」「PlayStation Store」といった「ソニーワールドにつながる」(Head of Xperia Marketing Program、Calum MacDougall氏)ことも特徴だ。OSはAndroid 2.3だが、同端末は第2四半期までにはAndroid 4.0にアップデートされる。

1.5GHzのデュアルコアCPUを搭載したXperia Sソニーの技術やコンテンツなどに対応する
ユーザーインターフェイスは、「Dynamic Simplicity」というコンセプトに基づいて設計され、必要な時に必要な情報を表示する。たとえば、カメラは初期状態ではアイコンが少なく、設定からカスタマイズできる。音楽プレイヤー起動時には、DLNA連携が可能な場合だけにアイコンが表示されるが、これも同じ発想によるものだ

 Xperia ionは、「LTEとスリムなデザインを両立させたスマートフォン」(MacDougall氏)という端末で、こちらも1.5GHzのデュアルコアCPUや、720pのHDディスプレイを搭載している。ソニーのコンテンツサービスや、カメラ、音楽機能に優れている点などのベースは、Xperia Sと共通だ。

Xperia ionはAT&T限定でLTEに対応ヘアライン加工された背面が高級感あふれる
Xperia ionに対応する機能やサービスアプリケーションの追加が可能な「SmartWatch」も展示された
ポップなカラーのリストバンドが取り揃えられている情報を書き込んだタグにタッチするだけで、NFC対応Xperiaの設定変更やアプリの起動ができる「Xperia SmartTags」

 同イベントは全世界を対象にしており、各国のメディアが集まっていたが、日本市場についても話が及んだ。Walker氏は「日本では、Xperia SをベースにしたXperia NXが発売される」とし、「Xperia acro HD」を「日本市場では非常にポピュラーな、モバイルウォレット(おサイフケータイ)、モバイルTV(ワンセグ)などに対応した機種」と述べ、Xperiaシリーズの広がりをアピールした。

ソニーモバイルコミュニケーションズの戦略

 プレゼンテーション終了後には、Walker氏がインタビューに応じた。Walker氏は、ソニーの完全子会社化が完了したあとも「戦略には変わりはない。むしろ、ソニーと一体になることで戦略を加速することができる」という見方を示した。

 ソニー・エリクソンは、AndroidスマートフォンでNO.1になるという目標を掲げているが、このスタンスも継続していく。Androidに注力する理由としてWalker氏は「エコシステム」を挙げ、「スマートフォンやタブレットではアプリが重要。現時点では、Androidがベストなプラットフォーム」と強調した。

 また、Walker氏はAndroid 4.0へのアップデート方針も語った。ソニー・エリクソンは「2011年から発売されたすべてのXperiaをAndroid 4.0にする」と計画している。ただし、キャリアから販売されているモデルは調整が必要となり、時期は確定していない。たとえば、Xperia ionはAT&Tのモデルとなるため、「現在調整している」という。最新のOSに対して前向きな姿勢に変わりはなく、日本で発売されるXperia acro HDについても「タイミングは言えないが、Android 4.0にアップデートを行う計画はある」と明かした。

 LTEに対応したXperia ionが米国限定で発売される理由は、「ユーザーやキャリアといった、マーケットのニーズが非常に高かった」ためだという。日本での展開については、「時期は言えないが、早い時期に、必ず日本にもお届けする」といい、LTE対応スマートフォンを投入する計画があることを語った。




(石野 純也)

2012/1/11 18:57