記事検索
インタビュー過去記事

キーパーソン・インタビュー

NECカシオ小島氏がN-08Bに見るケータイの将来像


NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 取締役 執行役員常務 兼 第一事業本部長の小島立氏

 他のメーカーがスマートフォンを市場に投入する中、フルキーボード付きのiモード端末「N-08B」を開発したNECカシオモバイルコミュニケーションズ。PCを遠隔操作できる「Lui」機能を搭載するなど、スマートフォンとも違う、独特のポジショニングだ。

 メーカーとして、なぜN-08Bのような端末を開発するに至ったのか、同社取締役 執行役員常務 兼 第一事業本部長の小島立氏に伺った。

――先日、ブロガーを集めたイベントを取材させていただきましたが、なぜこのような取り組みを行うことになったのでしょうか。

 さまざまなスマートフォンが登場する中、N-08Bをリリースするに至ったのですが、「フルキーボードのiモード端末」というと、ユーザーにとってはやはりどこか違和感があるかもしれないので、実際に端末を使ってもらい、その良さに気付いていただきたい、という気持ちがありました。

 最初はブログにどんなことを書かれるのか少々心配でしたが、「フルキーボード」「大容量バッテリー」「アクセスポイントモード」などを評価いただき、ホッとしています。また、お使いいただいた方ならではの視点、例えば、キーボードにバックライトが無いから夜の枕元で使えないなど、今後の開発のヒントとなるようなご意見もいただき、非常に有意義だったと感じています。

 NECのケータイというと、コンサバな折りたたみ型端末をイメージされる方が多く、N-01AやN-06Aのような「T-STYLE」にもトライしてきましたが、新しいことにチャレンジしているということをなかなか伝えきれていないな、と感じていました。これも今回のような企画を行った理由の一つです。

――N-08Bは、巷のスマートフォンともちょっと違う、面白いポジショニングの端末ですよね。

 正直なところ、商品の企画時には、ここまでスマートフォンが急速に浸透していくとは思っていなかったのですが(笑)、NECの強みは何か、ということを考えたとき、「ネットワーク」や「PC」というキーワードが見えてきていました。

PCを遠隔操作できるLui機能

 これまでもPC側にFeliCaポートを搭載するなど、小さな取り組みは行っていましたが、N-08Bでは「Lui」や「アクセスポイントモード」というように、さらに一歩踏み込んだ形です。ノートPCよりも高いモビリティを実現しようと、ケータイ側からアプローチした結果、とも言えるでしょう。バッテリーの持ちが良く、使いたいときにサッと使えるというのは、その象徴でしょう。

 また、携帯電話のマーケット自体が成長市場から成熟市場に変化してきたこともあり、2台目需要をどう狙っていくか、というのもテーマの一つとなりました。例えば2枚のSIMカードで1つの電話番号、というような形で、なるべくユーザーの料金負担を小さくできるような仕組みが出てくると良いと思います。

――ブロガーの皆さんは、あまりLuiについて触れていませんでしたが、NECグループとしては総力を発揮できる機能ですよね。PCはNEC、ケータイはNECカシオ、ISPはBIGLOBE、ブロードバンドルーターはNECアクセステクニカといった風に。

 そうですね。そこは当社の強みとして意識しているところです。カシオ日立と一緒になったことで、日立のAV家電との連携もイメージできるようになってきました。

 Luiはいわゆるシンクライアントをイメージさせる機能ですが、ネットワークが3GからLTEへと進化し、ストレスなく利用できるようになるだろうと、将来性を見越して搭載しました。非常に便利な機能なので、N-08BをLuiとともに法人向けに拡販していくことも検討しています。

 とくに今の形にこだわるわけではなく、例えば、OSがAndroidであってもいいでしょうし、通信回線はLTEに変わってもいいでしょう。通話専用の子機のようなものを作って、普通に1台目として使っていただくなど、いろんな展開が期待できると思います。

――お忙しい中、ありがとうございました。



(湯野 康隆)

2010/9/17 19:49