記事検索
インタビュー過去記事

「GALAPAGOS」開発者インタビュー

スマートフォンに対応したGALAPAGOSのこれから


いよいよスマートフォンに対応
写真右から、千葉氏、松本氏、中村氏

 シャープは昨年12月、専用端末とサービスを連携させた「GALAPAGOS」サービスを開始した。「GALAPAGOS」は、総合家電メーカーの同社が端末、サービスプラットフォーム、配信ストアまでを手がける新たな挑戦だ。

 3月2日、これまで専用端末で展開してきた「GALAPAGOS」が、スマートフォンでも利用できるようになった。開始当初、シャープ製6モデル(うち1モデルは発売されたばかり)に対応し、6モデルのキャリアへの出荷数は100万台を超えている。今回、スマートフォン対応や今後の展開について担当者に話を聞いた。

――本日は、GALAPAGOSについてうかがいます。

シャープ 執行役員 ネットワークサービス事業推進本部長 千葉徹氏
 GALAPAGOSのサービスは、シャープとしてはこれまでとは違うビジネスになります。昨年12月より、まずは専用端末でのサービスを開始し、今回のスマートフォン対応や今後のテレビへの展開は、ユーザーさんが別の用途で使っている端末についてもGALAPAGOSが楽しめ、さらに利用者を拡大したいという思いから提供したものです。

――率直に手応えはいかがでしょうか。

千葉氏
 ユーザーさんからたくさんの反響をいただいております。同時におしかりも受けている状況です。端末を買いにくい、コンテンツをもっと増やして欲しいといったさまざまな声があり、できるだけ早く、毎日でも改善させていこうと取り組んでいます。ただ、各ユーザーさんの利用動向は、我々が思い描いていた以上に手応えを感じています。

 当初は月に200〜300円の利用になるかなと想定していましたが、今のところ平均して月に1000円以上はお使いいただいています。


 GALAPAGOSサービスによって、本をより身近に感じていただいているようです。先日の三連休では雨で外に出られない状況でしたが、みるみるうちにストアのページビューが上昇し、コンバージョンレートもすごく上がりました。少し時間ができればストアをのぞき、新しい電子書籍が入れば、すぐに興味を持っていただける。それに応じてコンテンツの売り上げも順調に拡大しています。

――今回のスマートフォン対応ですが、まずはシャープ製の6モデルへのアプリ提供となっています。そもそもスマートフォン向けのアプリ提供は予定されていたのでしょうか。

松本氏
 そうですね、昨年の発表会でもご案内しており、計画通りです。



――なるほど、フィーチャーフォンではなくスマートフォン向けに提供されるのは、市場のニーズによるものなのですか?

千葉氏
 ご要望もたくさんいただいております。当社のスマートフォンは既に累計出荷台数が100万台を超えており、より多くの方にGALAPAGOSサービスの楽しさを体験していただきたいと考えました。

シャープ ネットワークサービス事業推進本部 ネットワークサービス推進センター副所長 中村宏之氏
 当社では、10年以上前に「ザウルス文庫」の名前で電子書籍サービスを開始しました。以降、フィーチャーフォン向けにも電子書籍サービスを提供してきております。そのため、フィーチャーフォン向けビューワーは、他社製を含め累計7000〜8000万台は搭載されており、ゲーム機など全てを含めれば1億を超えているかも知れません。

松本氏
 フィーチャーフォンで売れているのはコミックが中心で、文字コンテンツについては画面サイズから厳しいものがありました。スマートフォンの3.5インチ以上のサイズというのは、文字モノを読む際にはちょうどいいと思っています。

千葉氏
 スマートフォンによって、ようやく書籍が読みやすいものが登場したのではないでしょうか。より大きなディスプレイの専用端末もあるので、ようやく、年齢やライフスタイルによって見やすいものを選べるようになりました。



――海外のイベントを中心にタブレットに注目が集まりつつあるようです。タブレットへのニーズの高まりは、シャープにとってチャンスになりますか。

千葉氏
 サービス事業者としても端末メーカーとしてもチャンスになると思います。今後は、タブレット端末やスマートフォンと液晶テレビAQUOSとの連携機能も強化して、用途や利用シーンを拡げていきたいと考えております。また、スマートフォンは他社製だけど、家のテレビはAQUOSというユーザーさんもいますよね。ユーザーさん側からすれば、そういう環境であっても、同じようにサービスを使いたいと考えると思います。応えられる範囲でそういったニーズにも対応していきたいです。

iPad 2

――アップルからiPad 2が発表されましたが、そこも応えられる範囲なのでしょうか。

千葉氏
 ありえない話ではないと思います。が、iPadが全く違う世界を作ろうとしていているならば難しいでしょうし、重なる部分があるのであれば可能性がないわけではないと思います。

――現在のGALAPAGOSでは、クレジットカードのみの対応です。スマートフォンに対応したことで、キャリア課金にも期待したいところです。

松本氏
 そこはユーザーのニーズ次第と思っています。ご要望があればしっかり検討していきたいと思います。対応によるコスト増についても、裏側できちんと考えなければならないでしょう。

――TSUTAYAと組み、専用端末の販路にコンビニも使っていることを考えると、リアル店舗でプリペイドカードを販売するような取り組みについても可能性がありそうです。未成年の利用であれば、その方がいいかもしれません。

松本氏
 そうですね、未成年に限らず、高齢の方もクレジットカードでなく、現金がいいという方が多いので、そこはきっちり考えていきたいと思っています。

次は動画サービス、と千葉氏は語る

――動画サービスの提供を案内されていますが、どういったイメージのサービスになるのでしょうか。

千葉氏
 動画をスマートフォンや専用端末で楽しむという利用方法ももちろんありますが、やっぱり、家にいる時はテレビの大きな画面でみたいという声もあるでしょう。GALAPAGOSのサービスでは、たとえば外ではメディアタブレットで楽しんで、家ではテレビで視聴するとかいろいろなことができると思っています。気楽に動画が楽しめるように、力を入れていくのでどうぞご期待ください。

――今回のスマートフォン対応、その次が動画サービスと考えていいのでしょうか。

松本氏
 発表会でもお伝えした通り、まずはメディアタブレット向けに動画サービスを展開していきたいと考えています。そして、メディアタブレットのメジャーアップデートもまだですので、それも提供して、お客さんの利便性を高めていきたいと考えております。

――ソーシャルサービスとの連携なども、1つのキーワードになっていきそうですが、どのようにお考えですか。

松本氏
 ソーシャル対応は非常に重要だと思っており、今すぐにでも提供したいというのが本音です。今のところ、足下をしっかり固めるのが先決と捉えています。しっかりとしたプラットフォーム、しっかりとしたストアを作った上で、SNSやコミュニティに展開していきたいと考えています。

――サービス開始から3カ月経ち、見えてきた課題はありますか。

松本氏
 IDとハードが強く結びついていたために、ギフト需要や譲渡などへのニーズが吸収できなかったところがあります。早急に対策するとともに、今回のスマートフォンではオンラインサインアップの仕組みを設けており、端末の販売とIDの配布を切り離して、より柔軟な売り方、多様なサービスが提供できるようにして参ります。

 また、ストアに関してレコメンド型のストアとして構築してきましたが、ユーザーからやっぱり検索もしたいという声をいただきました。そこで検索窓を用意するなど、ストアは毎週コンテンツや機能を拡充させている状況です。

千葉氏
 “GALAPAGOS”という名前をつけた以上、進化させていかないと具合が悪いですから(笑)。ユーザーさんのご要望には真摯に応えていきたいと思っています。

――お忙しい中、ありがとうございました。



 



(津田 啓夢)

2011/3/9 13:46