今週のケータイ Watchの読み方 (2012年5月11日)


注目の新端末がグローバルで発表


 

 現地時間で5月3日にサムスンから、5月10日にはソニーモバイルから、期待の新端末が発表された。サムスンは「GALAXY S III」を全世界で、ソニーは「Xperia GX」「Xperia SX」を日本でも発売と明言するなど、看板商品の大々的な展開になるようだ。

 「GALAXY S III」は、ブラック一辺倒で追加的にホワイトを発売してきたこれまでの流れを脱し、ヘアライン加工の模様が見えるブルー系の色とホワイトの2種類を当初からラインナップしている点が新しい。より持ちやすさに配慮されたラウンドフォルムで、持ちにくさの原因となりつつある大きな画面の存在をうまくカバーしているようだ。また、センサーやカメラを駆使した“ちょっと便利な機能”が大々的にアピールされた点も見逃せない。実際の利用シーンを意識したこれらの特徴は、スマートフォンの進化の新たな指標になりそうだ。数百万台規模を一気に展開できる、全世界を対象にした製品開発では、こうしたコンセプトの変更にも大きな決断、研ぎ澄まされた狙いが込められているといっていいだろう。

 「Xperia GX」「Xperia SX」は、「SONY」のロゴを配し、「WALKMAN」アプリを搭載するなど、ソニーモバイルとして新たにスタートした同社を象徴する端末になりそう。LTE、おサイフケータイと、日本市場向けの仕様に抜かりはないようだ。3.7インチの液晶を搭載した、比較的小型の「Xperia SX」は、赤外線通信やワンセグもサポートする“全部入り”に近い構成なのが興味深い。新世代のチップセットによる省電力化にも期待がかかる。


サムスン、「GALAXY S III」を発表

ソニー、LTE対応で日本向け「Xperia GX」「Xperia SX」

 


ソフトバンクとPayPalが決済サービス


 

 世界的に大きなシェアを持つiPhoneを使い、手軽にクレジットカード決済を行う仕組みを提供しようという試みは、北米などを中心に大手各社が開発・検討しているところ。そんな中、ソフトバンクがPayPalと合弁会社を設立し、日本で小売店向けの決済サービス「PayPal Here」を提供すると発表した。専用アダプター(カードリーダー)を装着すれば、iPhoneがクレジットカードなどの決済端末に早変わりするというものだ。3月に米PayPalが発表した決済サービスで、日本でも導入されることになった。

 日本では当日に急遽発表会の開催が案内され、電撃的に発表された形。一方、店舗側に提供するクレジットカード関連のスキームなど、ソフトバンク側ではすでに一部の準備が進められているようだ。おサイフケータイに対抗できる手段として大きく期待されている様子は、孫社長の「おサイフケータイは日本における一時的なビジネスモデルだった、と数年後には言われるのではないか」という発言からも窺える。

 決済に関連するサービスは、日本市場の環境などもあり、新機軸のサービスは登場しづらい状況だ。PayPalは、米国における寄付の習慣など、Webサイト上で個人間の送金を安全に仲介するサービスとして躍進してきたが、iPhoneなどスマートフォンの普及により、そのフィールドが現実世界にも広がった格好だ。新サービスが日本にも登場することで、既存サービスが対抗したり、新サービスが登場したりといった環境の前向きな変化にも期待したいところだ。


ソフトバンクとPayPal、合弁会社を設立

けーたい お題部屋
「PayPal Here」日本上陸、期待する?

 

(太田 亮三)

2012/5/11 16:24