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「GALAXY S」ファーストインプレッション

高精細で鮮やかなスクリーンを搭載したAndroid端末


GALAXY S

 10月28日、NTTドコモよりサムスン電子製スマートフォン「GALAXY S」が発売された。5月に行われた夏モデル製品発表会で山田隆持社長が投入を宣言してから5カ月、満を持しての発売となった。本稿では発売されたばかりの「GALAXY S」のスペックや使用感など、ファーストインプレッションをお届けしよう。

Android 2.2搭載

 GALAXY Sは、サムスン電子製のAndroidスマートフォン。海外ではすでに発売されており、500万台を超えるヒットを飛ばしている。サムスン電子ではGALAXY Sを投入する地域ごとに少しずつカスタマイズして提供しており、国内版もインカメラが非搭載だったり、ベースバンドチップが変更されていたりとカスタマイズされた仕様となっている。なお、ドコモの型番上では「SC-02B」となる。

 採用するOSは、最新バージョンとなるAndroid 2.2で、海外モデルの2.1よりも1つ進んだバージョンが採用されている。Androidの他のバージョンと同様、コードネームにはスイーツの名前が割り当てられており、2.2はフローズンヨーグルトを意味する「Froyo」と名付けられている。

 Android 2.2では、ブラウザの高速化やアプリ実行速度の向上、Flash 10.1などへの対応のほか、複数のGoogleアカウントが利用や、無線LAN接続を簡単に行える「WPS」のサポート、アプリの自動アップデートおよび複数アプリの一括アップデートなどに対応する。OSのバージョンとしてはテザリング機能(通信モデムとして使う機能)もサポートされているが、GALAXY S(SC-02B)では対応していない。



GALAXY S概要

ディスプレイの上にドコモのロゴが入る

 端末の外観は、メタリックブラックのボディカラーを採用しており、大きさは122×64×9.9mm、バッテリー側下部だけ厚く約12mmとなっている。重さは電池パックを含めて約118g。

 64mmという横幅は、国内の一般的な携帯電話を利用しているユーザーからすればかなり大きく感じるところだ。手の大きい筆者だが、それでも端末をホールドするというより、手のひらの上に端末をのせる感覚になる。サイズ感としては幅63mmのXperiaに近く、iPhone 4やHTC Desireのユーザーは若干大きい感じがするだろう。

 ただし、重さは約118gと軽量で、130g台後半のほかのスマートフォンと比較すると20gほど軽い。9.9mmという薄さも手伝ってか、GALAXY Sは体感的にも軽さを感じる端末となっている。

 端末前面には、“iPhoneのような”と言ってしまえばわかりやすいか、フルタッチタイプのディスプレイを搭載している。ディスプレイは約4.0インチ、480×800ドット、1677万7216色表示のSuper有機ELディスプレイ「Super AMOLED」を装備し、マルチタッチにも対応している。

 発色の豊かな有機ELディスプレイは、スマートフォンではHTC Desireなどにも採用されている。ただし、見た目の印象はGALAXY Sの方がきれいに見える。精細感や表現力についての評価はディスプレイの専門家に譲るとして、ガラスパネルとディスプレイ面に隙間がないGALAXY Sは、ガラスの反射が非常に少なく、その分きれいに見えている。

 ディスプレイの下には、左から、メニューボタン、ホームボタン、バックボタンが並ぶ。中央のホームボタンのみ押下感あるハードウェアキーで、左右のキーはタッチセンサーキーとなる。なお、中央のホームボタンはホーム画面に戻るほか、長押しで直近に起動した6件のアプリが一覧表示される。この一覧画面からタスクマネージャーにも遷移できる。



 バッテリー側の面には、ボディ中央付近にGALAXY Sのロゴがあり、下部にサムスンのロゴと型番「SC-02B」の記載がある。上部左には約500万画素のカメラ機能が用意されている。CMOSセンサーを採用し、撮像素子のサイズは1/4インチとなる。上部右側にはスピーカーが用意されている。カメラはオートフォーカス機能を搭載しており、手ぶれ補正機能などもある。顔検出機能や笑顔検出機能なども用意されているが、フォトライトはない。

 端末の側面部には、一方に電源/終了ボタンを配し、もう一方には、ストラップホールや音量ボタンなどが配されている。使っていて少し気になったのは、音量ボタンを押下する際に、反対側にある電源/終了ボタンを押してしまう場合があったこと。慣れれば問題なさそうなポイントだが、念のため記しておく。

 上部には3.5mmのステレオイヤホンジャックが用意されており、同梱されるマイク付きステレオヘッドセット(試供品)などが装着できる。上部には外部接続端子(microUSB)もあり、スライド式のカバーを開閉して利用する。



 バッテリーカバーは背面前面を覆うタイプを採用する。カバーを外すと、バッテリー、SIMカードスロット、microSDカードスロットなどがある。バッテリー下側は12mmと最も厚い部分で、ここにアンテナが内蔵されている。

 なお、バッテリーは1500mAhと大容量のリチウムイオン充電池となり、連続待受時間は移動時約320時間で、静止時約510時間、通話時間は約380分となる。



1GHzアプリプロセッサ装備、HSPA対応

 ベースバンドチップはクアルコム製のMSM6290を搭載し、アプリケーションプロセッサーとして、クロック周波数1GHzのサムスン製「S5PC110」を別途装備している。メモリは、ROM512MB、RAM512MBで、最大16GBのmicroSDHCカードをROMとして利用できる。

 3Gの通信機能はHSPA(W-CDMA 800/2100MHz)方式をサポートし、下り最大7.2Mbps、上り最大5.76MbpsのFOMAハイスピードに対応する。海外ではGSM 850/900/1800/1900MHzのクワッドバンドをサポートする。ドコモでは、対象事業者との接続で海外でもパケット通信料が定額となる「海外パケ・ホーダイ」を提供しており、もちろんGALAXY Sでも利用できる。

 無線LAN機能は、IEEE802.11b/g/nに準拠し、セキュアかつ簡単に接続が可能な「WPS」機能もサポートしている。Bluetoothはバージョン3.0に対応、プロファイルは、OPP/HSP/HFP/A2DP/AVRCP/BPP/FTP/SAP/SPP/PBAPなどをサポートする。このほか、GPSにも対応しているが、赤外線通信機能は用意されていない。

いいとこどりのユーザーインターフェイス

 GALAXY Sのユーザーインターフェイス(UI)は、サムスンの独自UIを採用している。画面ロックは、画面を上下左右どの方向にスライドさせても解除できる。ホーム画面は複数枚用意されており、左右にスライドさせることで利用できる。このあたりは従来のAndroid端末などでも共通の操作方法だ。

 特徴的な点は、画面最下部の4つのアプリアイコンだろう。Android端末のインターフェイスでは、ホーム画面を左右に送る際に、全てのショートカットアイコンが切り替わるものが多い。XperiaやDesireも画面全体が切り替わるタイプだが、GALAXY Sでは、最下部の4つのアイコンはホーム画面の移動やメニュー画面の遷移では常に固定される。

 端的に言ってしまうと、こうした表示方法はiPhoneのインターフェイスと近しいものと言えるだろう。ただし、iPhoneには待受画面に相当する部分はなく、アプリアイコンが並ぶ一覧がホーム画面になる。GALAXY Sの場合は、待受画面のページでもアプリ一覧表示でも4つの固定アプリが表示される。固定される4つのアイコンは、アプリ一覧表示の編集によって任意に設定できる。なお、4つの固定アプリを表示させる手法は、シャープのAndroid端末「IS03」などでも採用されている。

 従来のAndroid端末と同様に、待受画面にはウィジェットが設定できる。初期状態では、ネット検索やアプリ検索、電話帳検索の横断検索に対応したグーグルの検索ウィジェットなどがセットされている。検索は音声入力もサポートしている。このほか、Twitterやmixi、Facebookなどの投稿の流れがまとめて表示される「SNS browser」なども利用できる。こうしたSNS系のサービスやSMSを統合して管理できるメッセージアプリ「ソーシャルハブ」なども用意されている。

 Android 2.2を採用し、メインのベースバンドチップとは別にアプリケーションプロセッサーを搭載しているだけあって、アプリの起動や動作に関しても特筆するようなもたつきを感じる場面はない。もっとも、アプリの入れ替えなどをしてある程度の期間使ってみることで、気になる部分が出てくるのかもしれない。

 このほか、画面が切り替わる際に画面が瞬間的にフェードイン・アウトするなど、UI周りの演出効果はiPhoneを思わせる、感覚に訴えかけるような処理が取り入れられている。各アプリのアイコンもXperiaやDesireではより自由な形が採用されている中、iPhoneのアイコンと同様に、角が丸く面取りされた四角いアイコンに統一されている。



ブラウザ、入力関連

 標準搭載されるブラウザは、Googleの「Chrome lite」ブラウザを採用し、HTML5やJavaScript(V8)がサポートされる。AdobeのFlash Playerをダウンロードすれば、Flash 10.1にも対応する。ニコニコ動画やUstream、YouTubeといった動画ストリーミングサービスが視聴可能で、ニコニコ動画では動画に重ねて表示されるコメントも表示可能。“弾幕”などと呼ばれる画面を覆うような大量コメントも確認できた。

 文字の日本語変換はオムロンのiWnnを採用する。入力インターフェイスは、初期状態で「Samsung日本語キーボード」が用意されている。従来の携帯電話のキーのように、「あかさたなはまやらわ」の各行が割り当てられたボタンを必要な回数押下する「ケータイ」モードと、フルキーボード「QWERTY」モードが利用できる。

 また、単語の読みの文字数を入力して変換候補を絞り込んでいく「ワイルドカード予測」機能のほか、欧文入力のみとなるが、キーボード部分から指を離さずに入力文字列を順番になぞっていく「Swype」入力機能なども用意されている。

 さらに、spモードのメールアプリも利用できるので、スマートフォンでiモードメールも受けられる。もちろんGmailやSMSなども利用できる。

ハイビジョン撮影対応カメラ、充実のアプリ

 カメラ機能は、撮影画面の左右に機能メニューが並ぶUIを採用しており、国内ではシャープ製のタッチ対応携帯電話などで同じような方法を採用している。通常撮影や美肌モード、スマイル撮影、連写、パノラマ撮影のほか、分割撮影やマンガモードといったユニークな撮影モードも用意されている。

 また、シーン撮影機能として、ポートレイトや風景、夜景など撮影シーンを選択した上で撮影も可能だ。フォーカスを合わせたい位置にタッチしてピント合わせもできる。

 このほか動画撮影機能では、720pのハイビジョン撮影に対応する。静止画撮影、および動画撮影のどちらにも言えることだが、有機ELの発色のよいディスプレイで表示させるため、写真がキレイに見える印象だ。

 GPSを使った地図機能はGoogleの地図&ナビアプリのほか、ゼンリンの「いつもNAVI」などもセットされている。GALAXY Sには、Office文書が閲覧できる管理アプリ「ThinkFree Office」や、DLNA対応アプリ「AllShare」、辞書アプリ「DioDict」、クラウド型のメモアプリ「Evernote」といったアプリから、バックアップアプリや電話帳コピーツール、ボイスレコーダーアプリなど、とりあえず、一通りのアプリがあらかじめセットされている点も特徴だろう。

 アプリはAndroid Marketのほか、ドコモマーケットでもダウンロードできる。サムスン電子の「Samsung Apps」では、ウィジェットも公開されており、電子書籍については「MAGASTORE」からダウンロード可能だ。



ベンチマーク

 いろいろ説明してきたが、アプリの出し入れが多くなりがちなスマートフォンなので、処理速度が気になるユーザーもいることだろう。今回、ラスターワークスの提供するAndroid向けの処理速度計測アプリ「Smartphone Bench」を利用して、ベンチマークを計測を試みた。

 同アプリは3Dや文字列、線画、透過PNGといった描画処理や、演算測定、ファイルの書き込み・読み込みなどをテストして、それぞれ数値化するというもの。各アプリの実際の体感速度は、さまざまな要因が絡み合うため、あくまで参考値として確認いただきたい。比較として、Desireの数値も併記する。DesireはAndroid 2.2にアップデート済みのもの。

テスト項目 GALAXY S HTC Desire
3D(テクスチャあり) 58 fps 62 fps
文字列描画 55 fps 60 fps
ライン描画 55 fps 60 fps
多角形描画 55 fps 60 fps
透過PNG描画 55 fps 60 fps
整数演算 72677 point 46063 point
浮動小数点演算 219200
point
274000
point
ファイル書込み 85019675
Byte/sec
310719
Byte/sec
ファイル読込み 524288000
Byte/sec
262144000
Byte/sec
SQLite 25000 INSERTs 2981 msec 8620 msec
100 SELECTs
on a string comparison
120 msec 90 msec
25000 UPDATEs
with an index
10448 msec 18572 msec
DELETE with an index 2110 msec 10343 msec

購入しやすい価格

 発表から5カ月、この間、各事業者からスマートフォンが登場しているが、GALAXY Sの登場を待ちわびていたユーザーも多いことだろう。端末販売価格も新規一括の価格で3万円を切る予価が案内され、PRIMEシリーズの販売価格などを考えれば、ドコモがスマートフォンに注力していることがわかる。

 他キャリアのスマートフォンも含めて検討する場合、ソフトバンクの「iPhone 4」や「HTC Desire HD」、auの「IS03」「SIRIUSα IS06」あたりが当面のライバル機種といえそうだ。単純に一括価格を比較すると、iPhone 4が約5万8000円、HTC Desire HDが8万円超、KDDIについては発表会時点の情報となるが、いずれも4万円程度と案内されている。購入方法や利用料なども鑑みれば、一概には言えないところではあるが、GALAXY Sは購入しやすい端末になるのではないか。

 最新のOSを採用し、ディスプレイも見やすく、初期段階での印象ではあるものの、機能的な過不足は非常に少ない印象だ。スマートフォンの購入を検討しているなら、使いでのある1台になることだろう。

 



(津田 啓夢)

2010/10/28 11:01