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第272回:メモリー性液晶 とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


シチズンが4月に発表したメモリー性液晶ディスプレイの試作品
 メモリー性液晶ディスプレイとは、電源を切ってもそのまま画面に表示させた内容が維持される液晶ディスプレイです。

 液晶ディスプレイでは、液晶が光を“通す”“通さない”を画素ごとに切り替えることで画像を表示しています。そして、一般的に液晶ディスプレイでは、光を通す状態、あるいは通さない状態どちらかに安定性があります。たとえば、TN型液晶ディスプレイでは、画素ごとの電源をONにして電流を流している間だけその部分が黒くなります。

 メモリー性液晶ディスプレイの画素は、光を通す状態、あるいは通さない状態どちらにも安定性がある、双安定性(バイステイブル性)のある液晶です。

 メモリー性液晶では、ディスプレイに表示させる画像を書き込む瞬間は電力が必要ですが、それ以外の時間は電力を必要としません。そのため、表示中は常に電源が必要な一般的な液晶ディスプレイに比べて、非常に少ない電力で利用できるというメリットがあります。これは、静止画の表示だけでなく、動画の表示でも秒間あたりの書き換え回数が少なければ、それだけ従来の液晶ディスプレイより少ない電力で済むということでもあります。

 用途としては、その特性から光源を内蔵しなければならない用途には向きません。光源を内蔵すると結局それに電源を食われるので、省電力性があまり意味をなさないからです。しかし省電力が要求される携帯電話やモバイル機器のディスプレイ、店頭に置かれ、電源を確保しにくい電子棚札やメーターなどの表示部、電子ブックや電子ペーパーとしての利用が期待できます。シチズンでは腕時計から採用する方針を明らかにしています。

 このように市場の拡大が期待されるためか、現在、さまざまな方式を使ったメモリー性液晶が開発されていますが、同様の省電力ディスプレイとして液晶でなく、高分子ポリマーを利用した「電子粉流体ディスプレイ」や、電気泳動マイクロカプセルを利用したE Inkなども実用化に向けて開発されており、競争の激しい分野でもあります。


さまざまなメモリー性液晶の技術

 液晶はいろいろな方法で分類できますが、分子配列による分類では「ネマティック液晶」「コレステリック液晶」「スメクティック液晶」と、大きく3つのタイプに分けることができます。いずれもメモリー性を持つ液晶ディスプレイの開発が進められています。

 現在、多くの携帯電話のディスプレイや、パソコン、テレビなどでも使われているのは、ネマティック液晶です。

 またメモリー性液晶ディスプレイで最も使われているのは、コレステリック液晶で、。松下電器産業の電子ブック端末「ΣBook」のディスプレイなどで利用されています。

 シチズンの腕時計に使われる液晶パネルは、強誘電性液晶(FLC:Ferroelectric Liquid Crystal)ディスプレイと呼ばれるもので、液晶分子が螺旋構造をとっているスメクティック液晶の一種です。

 強誘電性液晶は、ネマティック液晶に比べ2〜3桁速い応答速度が得られるなどの特徴があり、この液晶の原理であるClark-Lagerwall効果が1980年に学会で公表されて以来注目され、研究されていたディスプレイでした。

 しかし、原理上、同じメモリー性液晶でも、ガラス板とガラス板の間を1〜2μmという非常に狭いギャップとして作らなくてはならず、そのギャップに組み込む液晶の配向処理が非常に難しいこと、さらに、片方のメモリ状態で放置すると、電圧を掛けても他の安定状態に変移しない「焼き付き」という現象を起こすという問題があり、製品として量産されることはこれまであまりありませんでしたが、最近になって、先述のように製品として開発され、再び注目されるようになっています。


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(大和 哲)
2006/05/09 12:13

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