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俺のHDDったら……激遅!?
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


俺のHDDったら……激遅!?

わしのVistaマシン、Windowsエクスペリエンスインデックス基本スコアは4.4。比較的にハイパフォーマンスなPCなので、Vistaをサクサク使えております
 Windows Vistaを使い始めてから1カ月程度。日常、コンピュータ上で行なうコトは、業務から趣味までだいたい全部Vista上でやるようになった。

 拙者のWindows Vista環境は、マシンがNECのVALUESTAR G タイプXで、VistaのバージョンはUltimate。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、プロセッサ4.9、メモリ5.5、グラフィックス4.4、ゲーム用グラフィックス4.7、プライマリハードディスク5.8、てコトで基本スコア4.4。フツーに仕事したり遊んだりするには十分快適に使えるパフォーマンスだと思う。

 で、古い自作PC(Windows XP)からVista環境へ乗り換えて、何が快適かっちゅーと、全体的な速さ。PCが高性能になったのでエンコードが速い、とかって話ではなく、全体的に“待たされる感じ”がしないのだ。

 第一にHDDが速くなったのはあると思う。IDE→SATAとなったことで、転送速度自体が高くなって快適。また、Vistaがもたらすパフォーマンス向上も大きい。例えばWindows SuperFetch(頻繁に使うアプリなどをメモリに先読みしたりする機能)やVistaのロープライオリティI/O機能等々の効果もあり、以前は「もー早くしてヨ!!」とイラッとした逆上エクスペリエンスが激減エクスペリエンスだ。あと、スリープ機能もエラく快適。デスクトップPCでスリープ(ていうかレジューム)はなぁ……と思っていた拙者だが、現在は一日何度もスリープ派。非常に爽快なので、一度試してみてほしい。

 でまあ、Vista使い始めてから、XP時代にあった細々した待ち時間的ストレスがずいぶん解消され、全体的にサクサクとコンピューティングできるようになったと思う。のだが。しかし。ところが。このVistaの快適さに対し、相対的にマジで遅くてイラつく状況が出現した。

 それはHDDの読み書き速度。Vistaマシン上のHDDは快適に使えているが、それに比べると拙者手持ちの外付けHDDが激遅でありイラつくのであり呆れるのであって脱力した挙げ句、NEC水冷PCおよびWindowsVistaがもたらした快適さがプラマイゼロのトレードオフかよ!! みたいな印象に。


これまで使っていた古い外付けHDD各種。もっと高速でデータ転送を行なえる外付けHDD環境が欲しいのダ

 あーっ!! もーっ!! 遅ぇんだよ俺の外付けHDD!! これをどうにかしてゆきたい!! ていうか絶対にどうにかする!! てなわけで、手持ちの外付けHDDをなるべく高速に読み書きすべく行動開始。


単にSATAキャニスター買っただけでした

ラトックシステムのSA-DK2EU-R本体。専用トレイ(金属製)が2つ付属する。対応するHDDはSATA
 さて、俺のコンピューティング環境の速度的ボトルネックとなっている外付けHDD、を、どっしよーかな~、と考え初めて約32分で答えが出たので実行に移した。すなわち、SATA接続の外付けHDDを導入したのだ。

 買ったのはラトックシステムのSA-DK2EU-R。eSATAおよびUSB2.0でPCと接続できるHDDケースである。いわゆるキャニスター製品で、HDDを入れた専用トレイを入れ替えることで、リムーバブルHDDケースとして使える。ちなみに、2台のHDD(トレイ)を入れて使うと、RAID0/1、スパニングでの使用も可能だが、拙者の場合は2台のHDDを抜き挿ししつつ使うスタンダードモードでのみの使用っス。


トレイに入れたHDDを抜き差し可能。HDDをリムーバブルメディアとして扱えるのはキャニスター製品ならではの利便だ 専用の追加用トレイ(プラスチック製)。アルミ製も売られている トレイの中には市販のベアHDDを入れる。電源コネクタとデータコネクタを繋いでネジを締めるだけ。取り付けは簡単

 このSA-DK2EU-Rを買ったのは、以前からラトックのキャニスター製品を使っていたからだ。SATA対応のキャニスター製品は他にも多々あるわけだが、ぶっちゃけ、俺的には非常に安心できるメーカーだと感じている。日本語マニュアル&サポート&ウェブサイトありってあたりは当然だし、ドライバ等のアップデートも早いし、このテのキャニスター製品を長期間継続的に供給しているあたりも助かる。値段とか高価いんですけどねラトック製。でも長年使っていて大きな不満がなく安心できつつ使える点で、今回もラトック製にした。

 なお、SATAの外付けHDDケースってコトで、拙者のVALUESTAR G タイプXとどう接続しようかナ? と思ったが、結局、ラトックのeSATA PCI ExpressボードREX-PE30Sを買った。


SATAアダプタとして、同じくラトックシステムのREX-PE30Sを使った。PCI Expressカードですな REX-PE30Sカード本体 SA-DK2EU-Rに付属するeSATAケーブル。外付けのSATAドライブを接続するに便利な形状・機構になっている。不意に抜けたりしにくい

 VALUESTAR G タイプXのマザーボード上にはSATAポートがいくつか余っているのだが、果たしてマザボSATAと上記HDDケースの相性は!? ホットプラグできるのか? ポートマルチプライヤ対応なのか? VALUESTAR G タイプXのマザーボード仕様がイマヒトツわからなかったので、あー面倒だってことでメーカー側でホットプラグ等まで検証済みのREX-PE30Sに手を出した。

 で、早速セットアップ。使用開始。すると、これが、なるほど、確かに、速い、っていうか!! 今後は外付けHDDも極力SATA化していくしか!! と確信した俺であった。


SATAで2倍速くなりストレス激減!!

 結論から申し上げると、外付けHDDとしてSA-DK2EU-Rを使ったら、拙者の外付けHDD環境の転送スピードが2倍以上速くなった。これまで2時間かかってたPCのバックアップが1時間に!! 30分待たされたデータコピーが15分に!! というわけである。ま、IEEE1394やUSB2.0が、SATAに置き換わったので、当然っちゃあ当然だが、ヒジョーに良い気分である。

 てなわけで以下に、各種外付けHDD等のザックリとしたベンチマーク結果を乗せつつ、話を続けてみたい。ベンチマークに使ったソフトはHD Tune。ベンチマークは、ホントに大ざっぱに行なった結果であり、拙者のPC環境上ということで、あくまでも各結果を相対的に見ていただき、ご参考までに。

 まず、拙者PCの内蔵HDDのベンチマーク結果をば。PCにはSATA HDDが2台入っているが、OS入りのドライブが平均で63.6MB/sec、増設HDDが64.9MB/sec。どちらもSeagateのST3320620ASだが、OS入りのほーは時々バックグラウンドでVistaさんが何かヤッてるからプチ遅いのかナ!?


内蔵SATA HDD(OS入りドライブ)の平均転送速度は63.6MB/sec OSが入っていない内蔵SATA HDDの平均転送速度は64.9MB/sec

内蔵C:63.6MB/sec
内蔵D:64.9MB/sec


 ちなみに、SATAのHDDベンチマークとか言うと、インターフェイスカードやHDD(機種・回転速度)により、100MB/secを上回るケースもある。が、特に何か工夫したりこだわったりしていない(拙者のPCのようなメーカーお仕着せ系の)システムの場合、この程度の転送速度が平均的だと思われる。
 さて、これに対して、バックアップ作業等で常用していたIEEE1394接続のキャニスター製品の値。HDDケースはラトックのFR-DK2で、HDDはSeagateのST3160021A。平均で27.0MB/secですな。上記の内蔵HDDと比べると半分未満の転送速度しか出ていない。それから、手軽なので時々使っているポータブルHDD。USB2.0接続のアイ・オー・データHDP-U120だが、平均で23.1MB/sec。


これまで使っていたUSB2.0接続(左)とIEEE1394接続(右)の外付けHDD。PC全体のパフォーマンスから考えると遅さが目立つ

IEEE-1394接続の外付けHDD(内部はIDE)の平均転送速度は27.0MB/sec USB 2.0接続の外付けHDD(内部はIDE)の平均転送速度は23.1MB/sec

RATOC IEEE 16027.0MB/sec
IO USB23.1MB/sec


 どちらも凄く遅い!! ってわけではない。フツーのSATAの内蔵HDDと比べると遅いんだが、小径HDD搭載ノートPCとかで使う分には、体感的に十分な速度を得られるレベルだと思う。

 ちなみに、SA-DK2EU-RはSATA接続(eSATA)以外に、USB2.0接続の外付けHDDとして使うことができる。常用にはSATA接続で、他のPCと汎用的に接続する場合USB2.0が使えて便利だったりするが、USB接続時の転送速度は平均で25.0MB/secとなった。


SA-DK2EU-R背面。動作モードの設定はディップスイッチで行なう。また、接続ポートはeSATAの他、USB2.0ポートも(排他利用で)使える SA-DK2EU-RをUSB2.0接続で使った場合の平均転送速度は25.0MB/sec

RATOC USB 32025.0MB/sec


 で、肝心要のSATA接続時の転送速度はどうだったかと言えば、平均で54.6MB/sec(HDDはWesternDigitalのWD3200JS)。内蔵SATA HDDに近い速度が出てますな。


IDE-SATA HDD変換トレイのコネクタ部。IDE接続のHDDをSATA接続に変換して(SA-DK2EU-R等で)使える

SA-DK2EU-RでSATA HDD用トレイを使うと、平均転送速度は54.6MB/sec SA-DK2EU-RでIDE-SATA HDD変換トレイを使うと、平均転送速度は60.8MB/sec

RATOC SATA 32054.6MB/sec
RATOC IDE-SATA 32060.8MB/sec


 ちなみに、SA-DK2EU-Rに挿すキャニスターとして、IDE接続のHDDをSATAに変換するタイプがある。これまで使っていたIDE HDDを、SATA対応の(ラトック製の)外付けHDDケースに挿すためのもの。これにIDE HDD(SeagateのST3300622A)を入れて使った時の平均転送速度は60.8MB/secだった。IDE HDDの方が速かったのは微妙にショックっつーか予想外だが、今回の大ざっぱベンチ、HDD機種を揃えてないテキトーな比較なので、やはりご参考までにとどめていただくってコトで。

 ともあれ、上記のIEEE1394接続の外付けHDDの倍。俺のバックアップ作業等々は、SA-DK2EU-Rにより、かかる時間がホントに半分になったんダ!! わーい!! いやマジで非常にバックアップやコピーや環境移行等々の作業が軽快になって嬉しい次第だ。


高価だけれど、使い回せるSA-DK2EU-R

 SA-DK2EU-Rは、ホントは手軽に外付けでRAID0とかを組めるという点がウリだと思われる。製品紹介ページにあるように、RAID0(ストライピング)での使用だと100MB/sec程度のパフォーマンスが出る、らしい。

 RAID1(ミラーリング)使用も可能で、この場合、高速(つまりSATA接続)の外付けHDDを、例えば大容量データディスクとしつつ、常時完全なバックアップコピーを取りつつ使えるという利便がある。複数台のHDDを1台の大容量HDDとして使うスパニング動作モードもあるので、使い道の多い製品だと言えよう。

 でも、俺の場合、スタンダード動作モードで、つまり入れたHDDをそれぞれ単体で独立させて使っている。上記機能を考えると、若干もったいない使い方ではある。けど、スタンダード動作モード以外の使い方、俺、好きじゃないんスよ実は。

 例えばRAID0でのHDD高速読み書きは魅力的ではあるが、SA-DK2EU-R上のパーツがイッちゃったら……データもヤバいわけですな。RAID1運用だと、確かに自動的にバックアップが取れるものの、データが消えた状態だろうがウィルスが入った状態だろうが全部機械的にバックアップっちゅーのが怖い。以前、PCIカードによるRAID5環境でRAIDカードがお陀仏化して超痛い目に遭った俺は、ここ数年、RAID各種環境と距離を置いている感じ。マジメにRAID使おうとすると、HDDやRAIDカード等ハードウェアの予備も必要になるので、お金もかな~りかかるんですな。

 さておき、SA-DK2EU-Rをスタンダード動作モードのみで使っていて、どうなのよ>俺、と。ハードウェア価格分の価値はあんのか>拙者、ということである。

 メーカーの標準価格が42,500円(税別)で、実勢価格は3万円台半ば~後半あたりのSA-DK2EU-R。ぶっちゃけ、単なる外付けHDDケースとして考えると高いわけですな。しかし、前述の十分速い(内蔵SATA HDDと同等の)速度で外付けHDDを取っ替え引っ替え使えて、USB接続の汎用性もある、と考えると、俺的には十分出せる金額だ。

 つーかですね、ここ何年かIEEE-1394接続のキャニスター製品ことラトックFR-DK2を使ってきたんですよ。メーカーの標準価格は34,800円(税別)の外付けHDDケース。買った当時は「高っカぁ!!」とか思ったものだが、このテの外付けキャニスター製品、使い始めると常用しまくり。市販のベアHDDを次々と増設できる感じなんで、結局、ファイルの保存やバックアップはキャニスターばかり使うようになる。そういう経験があるので、恐らくSA-DK2EU-Rもずーっと使い続けるんだろうなぁと思うのだ。



URL
  ラトックシステム「SA-DK2EU-R」(eSATAとUSB2.0両対応HDDケース)製品情報
  http://www.ratocsystems.com/products/subpage/sadk2eur.html
  ラトックシステム「eSATA PCI ExpressボードREX-PE30S」製品情報
  http://www.rexpccard.co.jp/products/subpage/pe30s.html

2007/03/12 15:35

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