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電脳フィギュアARisで、話題の“拡張現実感”体験!
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


電脳フィギュアARisで拡張現実感体験

 ここ数年、にわかに注目を集めている拡張現実感絡みの技術。実際にそのデモや動画なんかを見ると「ええっ!!」な感じでオモシロい。ので、俺も拙者もわしも!! ということで、芸者東京エンターテインメントの電脳フィギュアを買ってみた。……若干遅ればせながら、ですけど。


芸者東京エンターテインメントの電脳フィギュアARis(アリス)のパッケージ。Amazonにて5027円で購入した

 このパッケージを見る限り、萌え系な感じであり、フィギュアとか書いてあったりもするので、いわばソチラ系の人向けなマニア玩具かなんか? と思ったりしがちだ。ま、それでも合ってると言えば合ってるんですけどね。

 しかしこの製品、技術的にタイヘン興味深い一品。上記の拡張現実感(Augmented Reality)系の技術によって実現した仮想フィギュアだからだ。

 拡張現実感=Augmented Reality=ARと呼ばれる技術は、昔からよく知られる仮想現実感=Virtual Reality=VRと呼ばれる技術のひとつの流れと言われている。ぶっちゃけ、(ドラゴンボールの)スカウターや(電脳コイルの)電脳メガネで見える風景は、ARによるもの(という設定だと思われる)。現実の世界では見えていない情報などを、AR技術によって風景などと重ねて見せたりする、てなモノである。

 VRは何も無いところに“いかにも本物っぽいモノ”を見せたり感じさせたりするが、ARの場合は本物に仮想的な映像などの情報を加えて見せたり感じさせたりする。本物に情報を追加することで、現実感/実在感をさらに拡張するってわけですな。

 細かい話はググッていただくとして、ARの具体例はARToolKitを取り巻くコミュニティ方面で見ることができる。って、なんか初音ミクばっかりですけど。でも、オモシロいですよね。こういうコトがパソコン+Webカメラ程度でデキちゃう時代なのだ。

 ただ、ARToolKitの場合はプログラミングのスキルが必要なので一般向けとは言えない。そこで、誰でも簡単にそのARを体験できるモノとして、電脳フィギュアを試してみたというわけだ。


Webカメラの映像上にARisが現れる

 電脳フィギュアを楽しむためには、そのパッケージ以外に、パソコン、Webカメラ、ソフトウェア、ネット接続環境が必要になる。パッケージにはマーカー(電脳キューブや電脳スティック、カード)や取扱説明書くらいしか入っていない。


電脳フィギュアのパッケージに含まれるもの。電脳キューブや電脳スティックと呼ばれるマーカー類、カード、カードスタンド、説明書くらい 電脳フィギュアアプリ。電脳フィギュアで遊ぶには、ソフトウェアのダウンロードが必要になる。なお、ソフトウェアの起動/使用にはパッケージに含まれているシリアルコードが必要。アップデートなどもネット経由で行われる Webカメラも必須。今回はロジクールのQcam Orbit AF(QCAM-200R)を使ってみた

 このドコがどー電脳フィギュアなのか!? みたいな気がしてくるわけだが、パソコンにソフトウェアやWebカメラをインストールし、電脳フィギュアアプリを起動すると、あらま、電脳な感じのフィギュアですな、という印象に。


こんなふうにセットアップしてみた。Webカメラの前に、パッケージに付属するマーカーを置く。そしてアプリを起動するのだ Webカメラはこのような映像が捉えられている 電脳フィギュアアプリを起動すると、Webカメラからの映像の上に仮想フィギュアがオーバーラップ表示される。立てかけたカードにも衣服のグラフィックが

 てな感じ。電脳キューブと呼ばれるマーカーの上に、電脳フィギュアのARis(アリス)が登場するわけですな。しかし、これだけだと、「あ、そう」的な印象になるかも。特定の柄を認識し、その上にキャラクターを描画しただけじゃん、的に見えがちだ。

 が、この先がARの愉快なところ。例えばWebカメラを置く位置を変えてみると、AR映像も違和感なく見え方が変わる。ARisを上から見たり、横から見たりすることができる。


Webカメラをマーカーに近づけてみた。するとARisもそのまま大きく描画される 今度はWebカメラを上方に移動。するとARisの姿も上から見た状態になる さらにWebカメラの位置を移動。遠くにいるARis。右側のカードの存在感もリアルだ

 ARisなどの向きやサイズは、マーカー(電脳キューブ)の向きや見えている大きさから判断/描画されている。マーカーが小さく写ればARisも小さく描画され、マーカーの向きが変わればARisの向きも変わる。現実の風景のなかにあるマーカーがARis描画の軸となり、現実とARisの存在感をリアルタイムで摺り合わせているのだ。


電脳キューブと呼ばれるマーカーの向きを変えると、ARisの向きも変わる。マーカーの向きは側面の模様で認識される マーカーを反時計回りに90度動かすと、ARisも90度回転する マーカーを180度動かすと、ARisも180度回転して後ろ向きに

 なるほどねぇ、そーゆーコトなんですかァ。と、この電脳フィギュアをイジっているとARというモンが非常に身近に感じられる。

 ARisの場合は(場合も)明らかに認識のためのマーカーが存在するが、こういった特殊なマーカーを使わずにAR表現ができたら……例えば電信柱とか道路とかドアとかクルマとか、そういった身の回りの様々なモノを認識させてのAR表現を行えれば、スカウターや電脳メガネも夢じゃないですな。てか、実際、そーゆー方向でシッカリ研究が進められているとも聞く。


ARisと遊ぼう!!

 さて、技術的側面はさておいて、電脳フィギュアARisという商品としてのオモシロミを見ていこう。

 設定としては、電脳フィギュアことARisは仮想的なメイドさん。Webカメラ映像のなかに登場し、勝手にいろいろと動いたりする。そこまでだと見るだけなソフトだが、ARisにはチョッカイを出せたりする。また、そのチョッカイに対して、ARisが反応する。ユーザーとARisはインタラクティブな関係にあるわけだ。


右に見える電脳スティックというマーカーを出すと、指などのグラフィックが現れ、ARisにチョッカイを出せる つまり、ツンツンしたりドツイたりできるわけですな。すると、嫌がったり喜んだり倒れたりする 3DキャラクターとしてのARisは、細かいオブジェクトまで描かれている。動きは若干カクカクしているが、存在感は十分

同じく電脳スティックにより、手のひらを出すこともできる。手のひらを使うと…… このようにARisの衣服を脱がすことができる。というか、問答無用で衣服を剥ぎ取る感じですな 衣服をさらに脱がすことができる、が、一応モザイク入れてみました。ちなみに、チョッカイ出したときのARisの反応は、ユーザーとの関係により様々に変わる

 ちなみに、ARisは萌えな感じの声でイロイロと話す。お約束的にユーザーを「ご主人様ぁ」と呼ぶ。話す内容はユーザーとの関係により大きく変わり、不機嫌だったりフツーだったり上機嫌だったりちょっとエッチだったりと、このあたりもお約束的な演出があるようだ。なお、声優は「ふたりはプリキュア」の雪城ほのか役でおなじみ(って古い!?)のゆかなさん。

 ARisには、手のひらや指(電脳スティック)で接するだけでなく、着替えさせたり、プレゼントを贈ることもできる。衣服やプレゼントの種類は、ユーザーとARisの関係で変わる(増える)。上記のチョッカイに関しても、ユーザーとの関係によってはARisから「触られたい」という旨の発言が飛び出したりも。


カードと電脳スティックを使って衣服やプレゼントの種類を選べる。同じく電脳スティックで、選んだものをARisにあげられる ドレスや制服など、いろいろな衣服がある 湯上がりな感じの着衣も

プレゼントも様々。なかにはイタズラ的なプレゼントも プレゼントはグリーンの箱に入った状態で出てくる。ARisはそこからプレゼントを取り出す スゴそーなほうきをプレゼントしてみた。ARisは大喜びだが……!?

 といった感じで、ARisの動きを見つつ声を聞きつつ、ときには着替えさせたりプレゼントを贈ったりして遊ぶわけですな。

 単なる二次元なギャルゲーとは違い、実際の空間に現れる。そんな、非常に立体感/存在感のあるところが、この電脳フィギュアの妙味だ。AR云々に興味がない人でも、リアル風味溢れる動くフィギュア・ソフトウェアとして楽しめると思う。

 ちなみに、電脳“フィギュア”というだけあって、ARisを様々な角度から眺めることもできる。


カードを使ってARisを静止させることができる。静止状態で電脳キューブを動かせば、静止したARisを自由な角度から眺められる 電脳キューブの絵柄位置の関係で、全ての角度からのARis観察はやや難しいが、このように後ろ向きなどはフツーに見られる こんな角度からもOK

 遊ぶソフトウェアとしては、ユーザーが手に持って使う電脳スティックの扱いで、少々煩わしさを感じるかもしれない。すぐに慣れるが、最初は電脳スティックを動かす動作と、Webカメラの映像の追従性および電脳フィギュアアプリの反応のタイミングを取りにくい。ちょっとタイムラグがある感じですな。

 とは言っても、可愛らしい電脳フィギュアと現実空間でインタラクティブに遊べるってのは、かなり斬新な体験。ネットにはARis絡みの動画が多々アップロードされているので、その動きやグラフィックを見て、購入を判断するといいだろう。


蛇足/ゲームとしての電脳フィギュアARis

 電脳フィギュアARis未体験状態で、これをゲームとして捉えている方もあると思うので、少々蛇足を。

 ARisにプレゼントを贈ると機嫌がよくなったり、あるいはより親密に接してきたりする。逆に、イタズラばかりしていると不機嫌になる。キャラクターの喜怒哀楽を感じるには十分の演出ですな。ARisとインタラクティブにやり取りすること自体を楽しめれば、それで満足できると思う。

 実は、ARisとの関係の持ち方次第で、ARisの言動がデレデレな感じになったりもする。っていうか余分なチョッカイを減らしてプレゼントあげたりする程度で良く、声優さんの甘い声とともに微妙に過度な萌え状況を楽しめる。

 ので、単にゲームとして遊んでも、まあまあ成り立っているような印象がある。ARを具体的に体験できて、ARisの様々な声や姿を楽しめて、ま、十分イイんじゃないスか、と。

 しかし、現実の空間で仮想的なキャラクターとリアルタイムにやりとりできるという斬新さがあるだけに、「もっとゲーム性を」と求めてしまう拙者。

 例えば、ARisの行動やセリフが少々マンネリなんですな。ARisを喜ばせる/怒らせるためのパターンも見えやすく、それらの状態になったときのARisの行動バリエーションも少ない。要は攻略しやすい。ので、ゲームとして接すると、わりと短い時間で飽きてしまう。

 それから、Webカメラと電脳キューブなどのマーカーだけで、シチュエーションというか場所を様々に変えて遊べるという点。確かにARによるARisの実在感はジョリーグッドなのだが、そこで止まっちゃってる感じ。実際の空間(背景)に応じてARisの挙動を変えてくれとまでは言わないが、マーカー(カードや電脳スティック)のバリエーションを増やして、状況に応じて各種マーカーを出すとARisとの関係性やARisの気分が変わるなど、もう一工夫あって欲しかった。

 ゲーム、というアタマでこのパッケージを考えると、「コレってプロトタイプでしょ?」とか思っちゃう拙者。ゲーマー的スタンスで考えたら、キャラはひとりだし、アイテム少ないし、変化にも乏しいし、と難点が多々目につく。ので、「電脳フィギュアゲームなんでしょ」と思って買っちゃうと……ね。

 ま、メーカーも「世界初の一般向け拡張現実(Augmented Reality)エンタメソフトウェア」と言っているので、ゲームじゃなくて、ARを楽しむソフトとして接するのが吉ですな。ARを体験して遊べる、という観点では十分よくできていると思う。



URL
  「電脳フィギュアARis(アリス)」製品情報(芸者東京エンターテインメント)
  http://www.geishatokyo.com/jp/ar-figure/

2009/04/06 10:56

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