通信対応PNDカタログ

手頃な月額料金でここまで使える! 通信モジュール内蔵PND


 手ごろな価格、車載でも手持ちでも使える汎用性から、着実に人気を高めている「PND」。「Personal Navigation Device」もしくは「Portable Navigation Device」の略称とされ、日本では「簡易カーナビ」と位置づけられることが多かったが、ついにその進化は“通信機能の内蔵”に到達。高級カーナビに限られていたテレマティクス的な機能を安価に享受できる時代となった。今回は趣向を変えて、携帯電話やスマートフォン向けナビソフトとは異なる、PNDならではの魅力に迫ってみよう。




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CAR NAVITIME(WND-01K)
ナビタイムジャパン
4万3800円(直販価格)
 au携帯電話網の通信機能を内蔵したPND。このことから発売元ではPNDをさらに進化させた「WND(Wireless Navigation Device)」と定義している。主要スペックは、抵抗膜方式のタッチパネル機能を内蔵した5V型モニター(WQVGA・480×272ドット)、内蔵8GBメモリー、ワンセグ。シガーライターソケットからの給電で動作する。

 目的地の検索、渋滞情報、高速道路料金など各種の情報を通信網経由で取得するため、常に鮮度の高い情報を得られるのが魅力。また、携帯電話向けのサービス「NAVITIME」とも連携。携帯電話で保存した情報をCAR NAVITIMEからも確認できる。なお一部の連携機能を利用する際には、「NAVITIME」の有料コースに別途登録する必要がある。

 通信機能を内蔵しているため、利用にあたっては毎月の料金がかかる。具体的には、auがCAR NAVITIME向けに用意している完全定額制の専用料金プラン「WNDプラン」を契約する必要がある。2年継続契約(誰でも割シングル(特定機器))適用時の月額料金は525円。契約の途中解除料は9975円。

 カーナビは通常、内蔵地図データを最新版へ更新するために年1回1~2万円前後のコストが発生する。しかしCAR NAVITIMEでは年3回予定されている地図更新をすべて無償で行うと発表している。WNDプランの年間コストは6300円となるため、コストパフォーマンスは非常に高い。

 地図および内蔵ソフトウェアの更新方法は2種類ある。大規模な更新時には、まず4GB以上の市販SDHCカードをユーザー側で用意し、データをWindows PC経由でダウンロード・保存。その後、CAR NAVITIMEの内蔵SDカードスロットを利用してデータを転送する。一方、比較的小規模なバージョンアップは通信網経由で行う。なお、建造物や道路形状変更についてはナビゲーション時に逐次更新される。

 すでにメーカーやauの直販サイト、auショップで販売中。車内ダッシュボード用の吸盤付きスタンド、ACアダプターなどが付属する。なお、バッテリーを内蔵しているが、徒歩ナビゲーションを想定していない点は覚えておこう。

 


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ゴリラプラス NV-SP200DT
三洋電機コンシューマエレクトロニクス
5万円前後(店頭予想価格)
 NTTドコモのカーナビ・スマートフォン向け情報サービス「ドコモ ドライブネット」に対応したPND。FOMA通信モジュールを内蔵する。5V型モニター、SSD(地図保存容量8GB)、ワンセグチューナー搭載。MP3、WMA、MPEG4、JPEGなど音楽や映像、写真の再生も行える。

 ドライブネット対応によって、通信網経由での地図データ更新に対応した。5km四方の「スポット」という単位でダウンロードできる。また、都道府県単位での地図更新も別途サポートするという。このほか、ドライブネット契約者の実走データを加えた高精度な渋滞情報「プローブ交通情報」、駐車場混雑情報などが随時提供される。

 ドライブネットの利用料金は準定額制的なシステム。まず月額使用料315円がかならず発生、このほかに通信料が必要となる。「ドライブネットプラン割(2年契約)」併用時の「ドライブネットプラン」は月額525円で、20万パケット上限を越えると当月の通信はストップする。「ドライブネットプラン フル」も月額525円で20万パケットまで利用できるが、それを越えても1パケットあたり0.021円で通信が継続。最大5985円まで料金は上昇するが、通信量自体の制限はない。

 「ゴリラ」シリーズならではの機能に「Gアプリ」がある。PCで公式サイトからダウンロードしたアプリを、SDカード経由でゴリラプラスに転送して楽しめる。おすすめ観光ルート紹介、ナビ目的地設定にジオタグ付き写真データを流用する機能、計算機ソフトなどが追加可能だ。

 本体のカラーバリエーションはシルバーとグリーンの2種類。吸盤式の車載取付キット、シガーライター用接続ケーブル、AC100V電源コード、パーキングブレーキ接続ケーブルなどが付属する。

 


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エアーナビ AVIC-T07II
パイオニア
6万4000円前後(店頭予想価格)
 「カロッツェリア」シリーズで知られるパイオニアの製品で、11月中旬発売予定。ソフトバンクモバイル3G網対応の通信機能を搭載するが、モジュール自体は外付け式。エアーナビ購入後、Webサイトから注文する。また、通信契約はパイオニア販売との間で行う。

 モニターは5.8型のWVGA(800×480ドット)表示のタッチパネル式高解像度タイプ。ワンセグ視聴、MP3やMP4などの各種映像・音声をmicroSDメモリーカードに保存して楽しむことができる。地図保存容量は8GBだが、独自の圧縮技術「L-format」の採用により、収録データ容量は24GB相だとアピールしている。

 AVIC-T07IIには「マップチャージ最大3年分」が付与されている。2014年4月までの間、地図更新サービスを追加コスト無しで提供するというサービスで、PCを使ってmicroSDカードに地図データをダウンロードし、ナビ本体に転送できる。毎年5月・11月には収録全テータの更新が実施される。

 全データ更新が行われる月以外でも、差分による地図更新が毎月行われている。この更新情報を3G網経由で受信するためには通信サービスが必須となる。2年契約前提の定額制で、料金は月額525円。モジュール本体は無料で提供される。途中解約には9975円の手数料がかかる。

 通信サービス利用時は、最新の施設情報、リアルタイムでの駐車場混雑度などを踏まえた目的地検索が可能。PC・携帯電話対応サイト「ナビポータル」で目的地を検索し、そのデータをエアーナビから参照することもできる。また、「スマートループ渋滞情報(約33万㎞)」を反映させたルート探索にも対応。

 AVIC-T07IIでは外部オーディオ機器との連携など、ハードウェアの追加によるシステムアップを可能にしている。後進ギア連動機能こそないものの、バックカメラとしても利用できる。また、標準で渋滞情報受信用のFM VICSチューナーを内蔵しているのもPNDとしては異色だ。なお、本体パッケージには吸盤タイプの取付スタンド、シガーライター電源ケーブルなどが付属する。家庭用ACアダプターは別売。

 


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エアーナビ AVIC-T05II
パイオニア
5万3000円前後(店頭予想価格)
  AVIC-T07IIからFM VICS機能を省略、モニターをは4.8型のWVGA(800×480ドット)に変更した姉妹品。発売予定日もおなじく11月中旬。また、SV、GRのカラーバリエーション2種類が用意されている。

 


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ドコモ ドライブネット powered by カロッツェリア
パイオニア
価格未定
 NTTドコモとパイオニアが協業し、2011年3月をめどにリリース予定のAndroid向けナビゲーションアプリ。あくまでもスマートフォンであり、PNDとは異なるが、専用の車載用クレードルを併用することで、カーナビに近い操作感が実現される見込みだ。「ドコモ ドライブネット」に対応する予定だが、料金は今後発表される。なお、画像はイベント出展時の参考モデルとなる。

 

(森田 秀一)

2010/11/22 11:00