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Hello Messengerやワンセグ対応端末〜au冬モデルの印象
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


「Hello Messenger」対応端末のラインナップ
 10月24日、先週のNTTドコモに引き続き、auが2005年冬商戦向けの新ラインナップを発表した。モデル数は3機種だが、新サービス「Hello Messenger」の開始や、日本初のワンセグ対応端末を発表するなど、話題性の多いラインナップだ。発表内容の詳細については発表会レポートの記事を読んでいただくとして、記者発表で触れた実機の印象などを含め、その内容をチェックしてみよう。


ひと味違ったアプローチの新サービスも登場

 電気通信事業者協会(TCA)の統計を伝える本誌ニュースなどでもご存知のように、昨年来の好調を維持し続けているau。2006年秋にも開始されると言われる番号ポータビリティで、もっとも加入者を増やすのではないかという調査結果もあり、しばらく好調ぶりが続きそうな気配だが、こうした動きの背景には魅力的な端末ラインナップや連動性の高いサービスを展開してきたことも関係している。

 今回発表された2005年冬モデルは、CDMA 1X対応端末が1機種、CDMA 1X WIN対応端末が2機種の合計3機種のみだが、新サービス「Hello Messenger」、日本初のワンセグ対応端末が発表に含まれるなど、話題性には事欠かない内容となっている。発表された内容をまとめてチェックしてみよう。

  1. Push to Talkを利用した「Hello Messenger」
  2. 日本初のワンセグ放送対応「EZテレビ(ワンセグ対応)」
  3. 新端末3機種


もうひとつのPush to Talk「Hello Messenger」

Hello Messenger
 今回発表された内容で、もっとも興味深いのはPush to Talk技術を利用した新サービス「Hello Messenger」だろう。Push to Talk技術を利用したサービスとしては、先週、NTTドコモが902iシリーズを対応機種とする「プッシュトーク」を発表しているが、同じ技術を利用しながら、かなり方向性が異なる内容となっている。

 Push to Talkという技術については、902iシリーズの記事や「ケータイ用語の基礎知識」でも解説されているように、ケータイをトランシーバーのように使い、交互に通話をするためのものだ。米国では法人向けに利用が拡大していると言われており、au、NTTドコモともに、これを日本のケータイのサービスに取り込んだ格好となっている。

 ただ、提供されるサービス内容を見てみると、明らかに方向性が異なる。NTTドコモのプッシュトークが音声通話のみを提供しているのに対し、auは音声、文字メッセージ、画像をやり取りできるようにしている。FOMA 902iシリーズの記事において、プッシュトークを「メッセンジャーソフトの音声版」と評したが、Hello Messengerは音声版という限定がなく、パソコンで広く利用されているメッセンジャーソフトをそのままケータイで再現した形に近い。山下浩平氏によってにデザインされた世界観で演出するなど、コンシューマーを強く意識したアプローチとなっている。

 Windows(MSN) MessengerやYahoo! Messengerなどが広く普及した現状を考えると、ユーザーとしてはHello Messengerのようなスタイルの方が入り込みやすいように見える。ちなみに、FOMA 902iシリーズの記者発表で「プッシュトークに文字メッセージ機能を組み込まなかったのはなぜか?」という質問をしたところ、関係者からは「FOMAにはチャットメールがあるので、そちらをご利用いただきたい」という回答が得られた。

 逆に、本来、Push to Talk技術によるサービスが強いと言われる法人向けの用途については、NTTドコモが定額プランを用意し、プレゼンス機能(現在のステータスなどを表示する機能)を追加したプッシュトークプラスも提供するなど、かなり充実した構成になっているのに対し、auは「法人向けは今後、検討したい」と表明するにとどまっている。キャリアごとのユーザー層の違いは関係しているのだろうが、せっかくPush to Talk技術によるサービスを提供するのだから、auももう少し法人ユーザーを考慮したプランやサービスを提供しても良かったのではないだろうか。

 また、料金についてもプッシュトークが「1プッシュ5.25円」であるのに対し、Hello Messengerは音声通話が「2秒1.05円」(2006年4月30日までは「20秒1.05円」)、文字メッセージや写真のパケット通信料はCDMA 1X WINが「1パケット0.21円」、CDMA 1Xが「1パケット0.2835円」となっており、CDMA 1X WINでのパケット通信についてはダブル定額の適用範囲になる。提供されるサービス内容が異なるため、一概に比較できるものではないが、既存の定額制サービスが利用できるという点ではHello Messengerの方がユーザーにとって、やさしいサービスと言える面もあるだろう。


インターフェイスやキャラクターは山下浩平氏のデザイン。コンシューマーを強く意識したアプローチとなっている 文字メッセージ、写真を扱えるため、耳も目も使ってコミュニケーションをする必要がある

 しかし、Hello Messengerの実際の利用シーンについては、プッシュトーク以上に慣れが必要になるかもしれない。プッシュトークは音声通話のみを提供しているため、まさにトランシーバー感覚で使うことができるが、Hello Messengerは音声だけでなく、文字メッセージ、写真を扱えるため、耳も目も使うことを考えて、コミュニケーションをする必要がある。パソコンなどでメッセンジャーソフトを利用しているユーザーであれば、ある程度、受け入れられるが、こうしたソフトを未体験のユーザーはちょっと戸惑ってしまうかもしれない。その他、ボタンを押したままで話す、発言権を獲得してから話すといったユーザーインターフェイスもプッシュトーク同様、慣れが必要とされそうだ。

 Hello Messengerでもうひとつ気になるのが接続する相手先の問題だ。今後、auではHello Messengerを標準機能にするとコメントしているが、今のところは今回発表された3機種しか接続する相手が存在しない。しかも対応端末のアドレス帳には、相手がHello Messenger対応かどうかを記録しておくことができないため、接続できる相手を覚えておいて使うしかない。

 また、NTTドコモのプッシュトークをはじめとする他事業者との接続については、「各社のサービスが出揃った段階で、将来的には検討したい」とコメントしている。技術的には標準仕様に基づいているとのことだが、NTTドコモのプッシュトークには文字メッセージや画像を送る機能がないため、当面はauの対応端末間のみで使うしかなさそうだ。

 ただ、過去のサービスの例を見るまでもなく、他事業者間で接続できないコミュニケーションサービスは普及しない傾向があるため、できるだけ早い時期に事業者間で仕様の統一などを図って欲しいところだ。


日本初のワンセグ放送「EZテレビ(ワンセグ対応)」

EZテレビ(ワンセグ対応)
 今回の発表で、もうひとつの目玉となったのがワンセグ対応の「EZテレビ(ワンセグ対応)」だ。ワンセグ対応端末については、どこが最初の製品をリリースするかで、業界内で注目を集めていたが、開発の発表としてはNTTドコモの「P901iTV」、製品の発表としてはauの「W33SA」という形になった。

 ワンセグ放送の詳細については、「ケータイ用語の基礎知識」(第246回:ワンセグとは)を参照していただきたいが、正式なサービス開始は2006年4月を予定している。つまり、今回の対応端末発表はサービス開始より約半年も早く投入されたことになる。そのため、当面は試験放送しか見ることができないうえ、視聴可能エリアもまだ限られているため、ワンセグ放送の恩恵を受けられるシチュエーションは限られている。

 そういった事情も考慮してか、W33SAについては地上アナログ放送用のテレビチューナーも搭載されており、ワンセグ放送が正式に開始されるまではこちらを主力で使うこともできる。ただし、地上アナログ放送はワンセグに比べ、かなりバッテリーを消費するうえ、電波状態によっては映像が乱れてしまうので、注意が必要だ。個人的な見解だが、2006年前半にはワンセグ対応端末がもう数機種、出てくると予想されるため、ユーザーによってはじっくり待ってから購入するという手も考えられるだろう。

 EZテレビ(ワンセグ対応)で注目すべきは、データ放送とauのサービスとの連携だろう。発表会ではデータ放送に含まれるラーメン店の位置情報を使い、EZナビウォークで道案内をするというデモが行なわれたが、auはEZ・FMやEZテレビを開始したときから、着うたなどのコンテンツをダウンロードできるようにするなど、連携を強く意識してきた。データ放送に含まれる情報は、放送局によるものなので、どのような情報が送られてくるのかはわからないが、ケータイ側でこれらを利用できるサービス環境が整っているのはアドバンテージだろう。

 ただ、ワンセグ放送は当面、地上デジタル放送と同じ時間帯に並行して放送される「サイマル放送」になるため、どの程度の利用が見込めるのかは未知数だ。個人的には、ケータイならではの短時間で楽しめる番組の放送も期待したいが、ユーザーとしては今後、放送局がワンセグ放送をどのように展開していくのかなどをじっくりと見極めながら、対応端末の利用を検討したいところだ。


2005年冬モデルは3機種のみ?

 さて、最後に今回発表された3機種について、発表会で試用した印象などをお伝えしよう。ただし、毎度のことながら、発表会で試用した端末は開発中のものであり、出荷時には仕様が変更されている可能性があることもお含みおきいただきたい。


【W33SA】


 日本初となるワンセグ放送対応端末だ。すでに、CEATEC JAPAN 2005などでも公開されていたが、同じ三洋電機製端末のW21SAに近い二軸回転式ヒンジを採用している。ワンセグ放送対応のほか、新サービスのHello Messengerに対応しているが、それ以外の部分についてはSD-Audio対応、赤外線通信、ICレコーダーなど、基本的にはW32SAの仕様を継承している。ボディは「全部入り」とも言える仕様になっているため、やや大ぶりな印象は否めない。重量も150gとヘビー級であることも気になる点だ。


【W32T】


 auの数あるラインナップの内、ここ数カ月、好調な売れ行きを記録しているW31Tの流れを継承したスリムボディの端末だ。Hello Messengerが搭載されている部分以外は、基本的にW31Tとまったく同等の仕様で、BluetoothやPCサイトビューアーなども搭載されている。外見上の違いは、ボディカラーと背面側のデザイン処理などになる。W31Tであまり評判の良くなかった236万画素カメラについては、低照度時のノイズ低減、モニター中の画像のノイズ対策に加え、手ぶれ防止のためにシャッター音がなるタイミングの調整などをしている。ただ、試用した端末はまだ十分な調整ができていないようで、シャッターを押したときの画像と実際に撮影される画像のずれが気になった。このほか、着信音の音圧調整などもされているという。


【A5515K】


 業界最上級となる323万画素カメラを搭載した端末だ。カメラ部分はオートフォーカスにも対応しており、かなりレベルの高い仕上りに見受けられた。ボディはW31K/K IIと同じように、液晶ディスプレイ部分が少し離れた位置に開く独特のヒンジを採用しており、ヒンジ部分には3つのペアダイレクトキーを装備している。でか受話音やでか着信音、使いかたナビ、声サポートなどで、使いやすさに配慮されたフレンドリーデザイン端末だが、ペアダイレクトキーを目立たないようにデザインすることで、いかにもシニア向けらしい雰囲気を避けようとしているのも注目すべき点だろう。ただ、CDMA 1X対応端末で、こうしたユーザー層向けに対し、そこまでハイスペックの端末が求められているのかどうかは、少々疑問が残るところだ。


 以上が今回発表された端末3機種だ。秋モデルでおサイフケータイ2機種を投入し、その後も数機種が発表されており、今回発表された端末と合わせて、ラインナップ的にはある程度、揃ったことになるが、NTTドコモやボーダフォンの新製品に比べると、やや物足りなさも感じられる。例年、10〜11月頃にCDMA 1X WINや着うたフルの開始など、比較的、大きな発表を行なってきたことを考えると、今回の発表は今ひとつインパクトに欠ける感があることは確かだ。あくまでも筆者の予想に過ぎないが、今回の発表は2005年秋冬商戦向けモデル第1弾で、今後、第2弾の追加発表、あるいは新年のシーズンを狙った発表があるのかもしれない。



URL
  ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2005/1024/
  au
  http://www.au.kddi.com/

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(法林岳之)
2005/10/26 14:03

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