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4つのシリーズで新ラインアップを構成するドコモの冬モデル
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるPRO BlackBerry サーバー構築」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。


 11月5日、NTTドコモは2008年冬から2009年春にかけて発売される新モデル22機種を発表した。auやソフトバンクなどと違い、NTTドコモは昨年来、半年分の新製品をまとめて、一気に発表するという手法を採っているため、他社よりもモデル数が圧倒的に多いが、今回はシリーズ構成やネーミングルールも大きく変更し、完全に内容を一新している。発表会の詳細な内容は、すでに本誌レポートが掲載されているので、そちらを参照していただきたいが、ここでは筆者が発表会そのものやタッチ&トライで試用した端末の印象、全体の捉え方などについて、紹介しよう。



90Xi/70Xiシリーズから「STYLE」「PRIME」「SMART」「PRO」へ

 新ドコモ宣言とともに、ロゴを含めたコーポレートブランドを一新し、新たなスタートを切ったNTTドコモ。つい先日、行われた2008年上半期の決算会見に合わせ、「新たな成長を目指したドコモの変革とチャレンジ」と題したニュースリリースを発表するなど、新ドコモ宣言から半年近くが経過した現在も変革の姿勢を強く打ち出そうとしている。NTTドコモについては、今年、iモード育ての親であり、自らを「おサイフケータイの父」とも呼んだ夏野剛氏が退職したことで、ひとつの節目になったとも言われているが、まるで夏野氏らの時代のイメージを払拭するかのように、積極的に「変革」を演出しているように見える。そして、今回の発表では慣れ親しんできた端末のシリーズ名やネーミングルールも変更し、端末ラインアップを完全に一新している。

 今回発表された2008年冬モデルは、先に発表されたものも含め、全22機種がラインアップされている。単純に機種数だけを比較すると、今年夏に発表された906i/706iシリーズが19機種、2007年冬に発表された905i/705iシリーズが23機種であり、従来と変わらないボリューム感だ。しかし、昨年冬の905i/705iシリーズの段階ではDシリーズの三菱電機、SOシリーズのソニー・エリクソンがラインアップに存在しており、それらの2社が撤退、もしくは供給の見合わせをしたにもかかわらず、今回も変わらない数を揃えてきたことは、ある意味、驚きとも言える。もっとも今回は従来の構成で別枠に扱われていたスマートフォンがラインアップに数えられているため、一概に比較はできないのだが……。

 各機種については、後ほど個別に解説するが、今回のラインアップを支えているのは、今までもNTTドコモのラインアップを支えてきたメーカーが中心となっている。メーカー別に分布を見てみると、パナソニックがもっとも多い5機種、これにシャープとNECと富士通が4機種ずつ、以下、HTCが2機種、LGエレクトロニクスとノキアとResearch In Motion(BlackBerry)が1機種ずつとなっており、国内の主要4社がしっかりとラインアップを揃えてきたという印象だ。わずか2年ほど前までは、1社が半年に90Xiと70Xiを1機種ずつ開発するのが一般的だったことを考えると、FOMAも熟成の領域に達してきたということなのかもしれない。


PRIMEシリーズ

 こうして登場してきた新モデルのラインアップだが、ユーザーにとって、あるいは業界関係者にとって、もっともインパクトがあったのは、4つのシリーズとネーミングルールの変更だろう。

 まず、シリーズとしては、「STYLE」「PRIME」「SMART」「PRO」の4つのセグメントに分けられ、これらに「らくらくホンシリーズ」を加えた5つのシリーズがNTTドコモのラインアップを構成することになる。それぞれのシリーズの特徴については後述するが、NTTドコモの基本的な考え方として、ユーザーの価値観やライフスタイルに合ったケータイを提供するために、今回のような新ラインアップの構成になったという。関係者によれば、ユーザーの好みや方向性などを分析するため、グループインタビューや分析をくり返し、最終的に導き出されたのが今回の4シリーズだという。

 また、ネーミングについては、「ブランド名」「数字(登場順)」「発表された年(時期)」を表わすという。たとえば、「N-01A」であれば、NEC製端末であること、最初に発売される(予定の)端末であること、2008年冬発表のモデルであることを表わしている。メーカー名に続く数字については、あくまでも単純に発売順でカウントするもので、翌年秋に発売される新モデルのタイミングでリセットされる。末尾の「A」については、来年秋発表のモデルであれば「B」、その翌年は「C」とカウントしていき、メーカー名などと重なる年(直近では2013年予定の「F」)については欠番扱いにする方向で考えているそうだ。ちなみに、従来の90Xi/70Xiシリーズでは末尾にiモード端末であることを表わす「i」が付けられていたが、今回の新シリーズから削除されている。ただし、今回発表されたモデルの内、PROシリーズのSH-04Aを除く4機種はiモードに対応していない。


 一方、サービス面では、山田 隆持社長が何度となく、会見で予告していた「○○してくれるケータイ」を実現する「iコンシェル」、待受画面にさまざまな情報ツールを貼り付けることができる「iウィジェット」、ゲームショウでも先駆けてアナウンスされていた「iアプリオンライン」、位置情報サービスを強化する「地図アプリ&モバイルGoogleマップ」などが発表されている。iコンシェルについては、実際の利用シーンに当てはめてみないと、どれだけ役に立つのかが今ひとつ判断できないが、情報を能動的に取りに行くようなケータイのリテラシーが高いユーザーだけでなく、どちらかと言えば、受動的にケータイを利用するユーザーがケータイを便利に活用できるようになるという点において、かなり可能性があると見るべきなのかもしれない。ただ、今年6月にiモード付加機能使用料が月額210円から315円に値上げされ、ほぼ標準サービスのように使われているiチャネルで月額157.5円が掛かっていることを考慮すると、さらに月額210円の負担が増えるiコンシェルはちょっと導入を躊躇してしまうユーザーも多そうだ。iコンシェルは電話帳お預かりサービスの機能を含んでいるため、iコンシェルのためだけに負担が増えるわけではないのだが、留守番電話サービスなどのオプションパック割引のように、iモード、iチャネル、iコンシェルなどの付加サービスをまとめて契約するユーザーの割引サービスの導入も検討して欲しいところだ。


新シリーズとネーミングルール変更に見え隠れする事情

 4つの新シリーズ展開、ネーミングルールの変更は、ユーザーも業界もかなり戸惑うことが予想されるが、その背景にはNTTドコモの端末ラインアップが抱える事情も少し見え隠れする。新シリーズと各機種の説明に入る前に、ラインアップとネーミングルール変更にについて、少し補足しておこう。

 少し古い時代からの話になるが、NTTドコモは音声サービスが中心だった時代、「P101 HYPER」といったネーミングで、ムーバの10X/20Xシリーズを展開してきた。1999年のiモード登場で50Xiシリーズが登場したのを機に、2つのシリーズ展開がスタートしている(当時、その他にもドッチーモの8XXシリーズや特殊モデルの60Xシリーズが存在したが……)。このとき、当初は20Xシリーズにiモードが搭載されず、iモード対応の50Xiシリーズが大画面ディスプレイを搭載するなど、ハイスペック指向が強かったため、「ハイエンドの50Xiシリーズ」「普及モデルの20Xシリーズ」といったラインアップの図式ができあがった。

 この「上下」とも言える2つのシリーズの関係は、FOMAサービスの開始当初、2XXXシリーズのみが展開されたため、一時的に崩れたが、2003年に主力モデルが90Xiシリーズに変更され、2005年に70Xiシリーズが登場したことで、再び、2つのシリーズでラインアップが構成されることになった。その後は読者のみなさんもご存知のように、高機能モデルの90Xiシリーズと普及モデルの70Xiシリーズが併売され、70Xiシリーズは702iシリーズの頃から個性派モデルの方向性を強め、その流れは今夏の906i/706iシリーズまで続いた。

 しかし、昨年、新販売方式がスタートし、NTTドコモでも割賦販売がスタートしたことで、シリーズの売れ方が大きく変わってしまった。高機能モデルの90Xiシリーズと個性派の70Xiシリーズでは、割賦販売を選択すると、月々の支払いが数百円しか差がなく、同時に割賦販売では事実上の2年縛りを受けるため(実際には複数台を同時に割賦で購入することは可能)、少しでも長く使えるように、ユーザーはできるだけ、高機能モデルを選ぶようになったからだ。その結果、705iシリーズや706iシリーズは不振に陥り、販売は905iシリーズと906iシリーズに偏る結果になったわけだ。


 また、その一方で、ケータイは高機能化やハイスペック化で推し進めてきたが、NTTドコモだけでも5000万を超える契約数に達し、ユーザーのニーズも一段と細分化してきたことで、既存のラインアップやシリーズ展開では十分に応えることができなくなりつつあった。たとえば、連載でも取り上げた「706ieシリーズ」などは、4機種もラインアップしている「らくらくホンシリーズ」ではカバーしきれないユーザーのニーズに応えるために開発されたものだが、70Xiシリーズのひとつであるため、十分に魅力を伝え切れなかった印象も残る。

 こうした事情を踏まえて発表されたのが今回の4シリーズ展開とネーミングルールの変更だ。4シリーズ展開については、ユーザーの好みや方向性を上手に分けたという印象で、それぞれが想定するユーザー像も何となく理解できる。ただ、こうした区分はどちらかと言えば、マーケティング的な発想で分けられたもので、ユーザーオリエンテッドに作られたシリーズとは言いにくい面もある。

 ネーミングについては、従来以上に無機質になった印象で、ユーザーとしては端末をかなりイメージしづらい。関係者は明言を避けたが、やはり、ユーザーの目から見ると、「ネーミングルールを変更することで、敢えて、90Xiシリーズと70Xiシリーズを区別にしにくくした」ように受け取れてしまう。





ユーザーの多様なニーズに対応する22機種をラインアップ

 さて、ここではいつものように、発表会後のタッチ&トライコーナーで試用したファーストインプレッションを紹介しよう。ただし、今回は22機種とモデル数が飛び抜けて多く、ほとんど試用時間を採ることができなかったため、十分な情報がお伝えできないことはあらかじめ、お断りしておく。また、発表会で展示された端末は、いずれも最終的な製品ではないため、実際に市場に出荷されたときと差異があるかもしれない点もご了承いただきたい。各機種の詳しい情報については、ぜひ本誌のレポート記事も合わせて、参照して欲しい。


【STYLEシリーズ】

 「“自分らしい”がきっと見つかる。選べるファッショナブルケータイ」と銘打たれたSTYLEシリーズは、ケータイのファッション性やデザイン性を重視するユーザーを意識しており、具体的には20〜30代の女性ユーザーなどがメインターゲットに位置付けられる。全6機種中、4機種が折りたたみデザインを採用し、Wオープンとスライド式が1機種ずつで構成される。ボディカラーも特徴的なものが多く、8色のバリエーションが楽しめるモデルもラインアップされる。全体的に見て、旧70Xiシリーズのモデルが多いが、サービス面ではiコンシェルやiウィジェット、iアプリオンライン、国際ローミングの対応などに差がある。


・ F-02A(富士通)
 F706iの後継モデルをベースにした折りたたみデザインの防水ケータイで、従来の型番で言えば、『F707iバリエーションモデル』。2インチQVGAというかなり大きなサイズの液晶ディスプレイが特徴的で、カメラのファインダーとして利用したり、iチャネルや歩数計の情報が閲覧できるほか、背面ミニゲームも楽しめる。ジュエリーブランドの「4℃」とのコラボレーションモデル(ダイヤ入り)もラインアップするなど、女性ユーザーを強く意識したモデルだ。


・ N-02A(NEC)
 STYLEシリーズの中で、もっともハイスペックなモデルのひとつ。従来のN906iμのデザインを継承したモデルで、従来モデル風に表現すれば、『N907iμ』に相当する。基本的なサイズは従来と同じ12.9mmのスリムボディだが、今回はカメラも5.2Mピクセルになり、従来のN906iと変わらないスペックを実現している。カラーリングや仕上げも非常にきれいで、個人的には「アンティークゴールド」がかなり気に入った。意外に面白いのが「カラフルキーイルミネーション」で、端末の開閉時やメール閲覧時など、イベントに応じた光り方が選べる。端末を開くことが楽しくなる演出と言えそうだ。


・ N-03A(NEC)
 人気スイーツブランド「ピエール エルメ パリ」とのコラボレーションにより、カラフルなボディカラーを実現したモデル。基本的なデザインやスペックはN706iを踏襲しており、従来の型番で言えば、『N707i』相当ということになる。スイーツの名前をモチーフにした5色のカラーの内、ショコラブラウンはキープリントが違い、マカロンピンクはキー部分がグラデーションで仕上げられるなど、個性を際立たせている。


・ P-02A(パナソニック)
 今回発表されたモデルの中で、まったく新たに登場したスライド式端末で、従来モデルで言えば、『P907iバリエーションモデル』に相当する。NTTドコモのスライド式と言えば、三菱電機製のDシリーズがおなじみだが、Dシリーズに搭載されていた回転式方向キーの「スピードセレクター」を継承し、同様の操作感を実現(再現)しているのが特徴だ。スライド機構も上下ボディの合わせ部分を曲線的に仕上げることで、弧を描くように開く「スイングスライド」というユニークな構造を採用する。スイングスライドにより、上下ボディの段差を小さくでき、文字入力時などの使い勝手を折りたたみデザインに近づけたいという狙いがあるようだが、今回試用した端末は開発中ということで、上下ボディのがたつきが気になった。同時に、[CLR]キーがスピードセレクターに近いため、やや操作に慣れが必要な印象も残った。しかし、新しいPシリーズの一台として、期待できるモデルのひとつだ。


・ P-03A(パナソニック)
 P905iとP906iで好評を得たWオープンのボディを継承しながら、スペックを少し抑えたモデルだ。従来モデルで言えば、『P707iバリエーションモデル』に相当する。ボディの基本レイアウトは同じだが、今回発表されたP-01Aの16.9mm、P906iの17.4mm、P905iの18.5mmに比べ、14.7mmという女性でも持ちやすいスリムボディに仕上げられている。


・ SH-02A(シャープ)
 今回発表された端末では最多となる8色のカラーバリエーションを実現したモデルだ。基本的なレイアウトはSH705iの流れをくむもので、従来モデルで言えば、『SH707i』に相当する。トップパネルのサブディスプレイはカラー有機ELで、グラフィック表示なども可能。折りたたみボディがかなり広く開く構造ということもあり、開く方向に対してのボディ剛性がやや気になる印象も残った。GPSに対応し、ダイヤルボタン下の[MAP]キーを押すことで地図アプリを起動できる。


【PRIMEシリーズ】

 「フルに楽しむ。先取りする。新世代エンターテインメントケータイ」と銘打たれたPRIMEシリーズは、タッチパネルなどの新しいユーザーインターフェイスやユニークなボディデザイン、高画素カメラなど、ケータイを積極的に使いこなしたいユーザーを意識した7機種がラインアップされている。7機種中、6機種がiコンシェルなどの新サービスに対応し、BluetoothやGPSなどの機能面もほとんどをカバーしており、事実上の主力ラインアップという印象だ。


・ F-01A(富士通)
 富士通製としては、F706iに引き続き、二軸回転式ボディを採用した防水モデル。二軸回転式ボディで防水というコンセプトはF706iと共通だが、iコンシェルやiウィジェットに対応し、BluetoothやGPSに対応し、ディスプレイ反転時にはタッチ操作が可能など、スペック的にはハイエンドモデルであり、従来モデルで言えば、『F907i』に相当する。富士通としてはF703i以降、防水が人気を得ているが、F903i以降で採用しているヨコモーションのボディでは防水がまだ実現できていないため、二軸回転式ボディに90Xiシリーズ相当の機能を搭載したようだ。PRIMEシリーズでは唯一の防水であり、バスタイムなどでもケータイを活用したいユーザーにはおすすめのモデルだ。


・ F-03A(富士通)
 富士通製の通常デザインのケータイとしては、初のスライド式ボディを採用した端末。F-01Aと違い、防水ではないが、ラウンドしたディスプレイ面をタッチして操作できるユーザーインターフェイスを採用する。Dシリーズで採用されていたスピードセレクターに似た回転式ユーザーインターフェイスを画面上で再現した「タッチセレクター」がユニークだ。画面に表示されたセレクターを回せば、メニューが上下に移動するが、実はセレクターのグラフィック部ではなく、他の場所(ディスプレイの中央など)で同じように指で回転動作をしてもカーソルを動かすことができる。フルスライド式を採用しながらもダイヤルボタンは一定のサイズを確保しており、操作はしやすい。従来モデルで言えば、『F907iバリエーションモデル』に相当する。


・ L-01A(LGエレクトロニクス)
 海外で販売されているLG Secretをベースにしたスライド式モデル。従来のLGエレクトロニクス製端末同様、ワンセグの搭載や円形の方向キーなど、日本市場に合わせた作り込みがなされている。注目すべき点はQVGAサイズで最大毎秒120コマのムービー撮影ができるカメラ機能で、いわゆるスーパースローのムービーを手軽に撮影することができる。この機能は同社の海外向けモデル「Viewty」で採用され、人気を得たものが受け継がれている。カメラはかなり魅力的だが、他のPRIMEシリーズに比べ、機能面ではGPSやBluetoothがなく、iコンシェルなどの新サービスにも対応していないなど、やや見劣りがする印象も残る。従来モデルでは言えば、『L707i』に相当する。


・ N-01A(NEC)
 今回発表された22機種の中で、もっともユニークな形状で注目を集めたモデルだ。従来モデルでは言えば、『N907i』に相当する。端末を閉じた「Touch Style」、90度回転させた「Share Style」、ディスプレイを縦にした「Communication Style」という3つのスタイルに変化する二段階の回転式スライド機構を採用する。閉じた状態は他のフルスライド同様のフラットで、タッチ操作が可能だが、iモードについてはトップページのFlashメニューがタッチ操作に対応していないため、操作ができなかった。端末の開閉にはちょっと慣れが必要で、ダイヤルボタンも少し小さめなところが気になるが、従来のNシリーズにはなかったユニークなメカニズムはかなりインパクトがあり、使いこなし甲斐のある端末と言えそうだ。


・ P-01A(パナソニック)
 P906iの後継に位置付けられるモデルで、従来モデルで表現すれば、『P907i』に相当する。Wオープンなどのデザインは基本的に同じだが、ダイヤルボタンは横開きのときに、キー表示が切り替えわる2Wayキーを採用する。しくみとしては、キートップに小さな窓が開いていて、キー内部に表示パーツが内蔵され、端末の開く向きに応じて、表示パーツがスライドして、切り替わる構造。ふた昔くらい前の路線バス前面の行き先表示(クルクル回って、表示を変える機構)に似た構造とも言える。Wオープンを活かすしくみとして、非常に注目されるが、ダイヤルボタン部分の構造が複雑なためか、ボタンの操作感はややフカフカしているような印象も受けた。


・ SH-01A(シャープ)
 SH906iTVの後継に相当するモデルで、従来モデルで言えば、『SH907iTV』ということになる。従来同様、サイクロイド機構を採用しているが、SH906i同様、ディスプレイ部が後ろ側に回り込むヒンジを採用しており、ヒンジ周辺部分がかなりスッキリした印象だ。また、サイクロイド機構は端末を片手で開けようとすると、ディスプレイ部が少し動いてしまうような印象があったが、SH-01Aはサイクロイド機構の剛性がしっかりしており、開閉時にディスプレイ部が動きにくくなっている。SH-03Aと同等の8メガピクセルのCCDカメラを採用し、光学式指紋センサーを内蔵した光TOUCH CRUISERも共通となっており、おそらくダイヤルボタン部の筐体は基本的に同じ構造で作られていると推察される。


・ SH-03A(シャープ)
 SH906iのデザインを継承した後継モデルで、従来モデルで言えば、『SH907i』に相当する。SH906i同様、ディスプレイ部分が後ろ側に回り込むタイプのヒンジを採用した二軸回転式ボディとなっている。ディスプレイ反転時にはタッチ操作も可能で、従来よりもメニューが見やすくなった印象だ。注目すべきは8MピクセルのCCDカメラだ。おそらく、ソフトバンク向けの930SHに搭載されているものと同じセンサー(CCD)が採用されているようだ。タッチ&トライでは回転する円盤の撮影や小さな箱の中の撮影などが体験できたが、CCDのアドバンテージが活かされ、被写体ブレも少なく、暗所でもある程度、明るく撮影ができた。光TOUCH CRUISERにはデバイスが変更され、光学式の指紋センサーを内蔵したタイプが採用されている。操作感は少し反応が遅くなったような印象も残った。


【SMARTシリーズ】

 「ONもOFFもマネジメントする。大人のインテリジェントケータイ」と銘打たれたSMARTシリーズは、ビジネスパーソンをメインターゲットに据えたモデルであり、どちらかと言えば、30〜40代の男性ユーザーを狙ったラインアップだ。各機種ともスリムなカバンやスーツの内ポケットなどでもかさばらないサイズ感を実現している。ドキュメントビューアやフルブラウザ、2in1、国際ローミングなど、ビジネスユーザーに必要とされる機能は全機種に搭載されているが、iコンシェルやiウィジェットの対応などは機種ごとに違いがある。


・ F-04A(富士通)
 従来のF703iから続く防水ケータイの進化形に位置付けられるモデルで、従来モデルで言えば、『F707i』に相当する。同じ防水ケータイのF-02Aと違い、サブディスプレイをなくすことで、12.8mmのスリム化を実現。その他のスペックはF-02Aとほぼ同等。F-02Aの4℃に対し、こちらはUNITED ARROWSとのコラボレーションモデルがラインアップされる。デザイン的にもスッキリまとめられているが、トップパネルにはかなり指紋が目立ってしまう印象だ。


・ N-04A(NEC)
 スライド式ボディを採用した新amadanaケータイ。従来のamadanaケータイはいずれも70Xiシリーズで実現されていたが、N-04Aはスペック的にもかなり90Xiシリーズに近く、プッシュトークやGPSに対応しない程度で、iコンシェルやiウィジェットにも対応する。スライド機構もユニークで、弧を描くようにボディが開く「アークスライド」というデザインを採用する。同様の曲線型スライド機構を採用するP-02Aと比べると、こちらの方がカーブが緩やかで、通常のスライド式に近い使用感だ。ディスプレイ部の横にはタッチセンサーが内蔵されており、端末を閉じた状態でも操作できる。従来モデルで表現すれば、一応、『N707i』ということになるのだが、スペック面を考慮すると、『N907iバリエーションモデル』という見方もできる。今回発表された端末の中で、もっとも従来モデルのカテゴリー分けに当てはめにくいモデルと言えるだろう。


・ P-04A(パナソニック)
 9.8mmのスリムボディで人気を得たP706iμの後継モデル。基本的なスペックはほぼ同等だが、国際ローミングは3Gに加え、GSMにも対応し、サービスもデコメアニメに対応するなどの違いがある。従来モデルで言えば、『P707iμ』に相当する。


・ P-05A(パナソニック)
 P-04Aをベースに、カメラをなくしたモデル。カメラ以外のスペックはまったく同じ。705iシリーズにはP705iμをベースにした「PROSOLIDμ」というモデルがラインアップされていたが、その後継モデルという位置付けになる。従来モデルで言えば、『P707iCL』に相当する。


【PROシリーズ】

 「先進テクノロジーを自在に操る。デジタルマスターケータイ」と銘打たれたPROシリーズは、従来のNTTドコモのラインアップにおいて、通常デザインの端末と完全に区別されていたスマートフォンなどを中心に構成されている。ちょうどソフトバンクのXシリーズのような位置付けと考えれば、わかりやすい。今回発表された4機種に、9月に発表されたBlackBerry Boldを加え、合計5機種がラインアップされることになる。5機種の内、BlackBerry BoldとNOKIA E71はNTTドコモの新しいネーミングルールが適用されず、それぞれのメーカーブランドで使われているネーミングのまま、販売される。


・ HT-01A(HTC)
 HTC社がすでに海外で販売している「HTC Touch Pro」だ。QWERTY配列のフルキーボードが本体下からスライド式で引き出す構造を採用する。フルキーボードも4列になっており、数字の直接入力が可能だ。フルキーボードの操作感は小さいながらも十分に打てるレベルに仕上がっているが、大容量バッテリーを搭載していることもあり、ボディそのものが少し分厚く、端末を閉じた状態では手に持った印象もヘビー級に感じられてしまう。


・ HT-02A(HTC)
 同じくHTCがすでに海外で販売を開始している「HTC Touch Diamond」だ。こちらはフルキーボードやダイヤルボタンがないデザインで、基本的な操作はタッチパネルディスプレイとその横に装備されたボタン類を利用する。背面のダイヤモンドカットのボディデザインも美しいのだが、タッチ操作は少し慣れが必要で、操作をしていると、ついダイヤルボタンを探してしまいそうになる。


・ SH-04A(シャープ)
 QWERTY配列のフルキーボードをスライド式で引き出す構造を採用した端末で、言わば、NTTドコモ版『インターネットマシン』。3.5インチのフルワイドVGA液晶を搭載。5メガカメラ、ワンセグ、Bluetooth、GPS、7.2Mbps対応、DOLBY Mobile対応など、スペック的にはSH-03Aと同等で、iモードも利用できる。従来モデルで言えば、『SH907iバリエーションモデル』に相当する。基本的な操作はタッチパネルを利用するが、[CLR]キーがディスプレイ横に装備されており、この位置に慣れると、操作がしやすくなる。


・ BlackBerry Bold(Research In Motion)
 すでに9月に発表されたBlackBerryの新モデルだ。QWERTY配列のフルキーボードは少しカーブを描くように配列されており、他のフルキーボードよりも押しやすい印象だ。中央に装備されたトラックボールは、まさに通常のパソコンで使うトラックボールに相当するもので、かなり快適に操作できる印象だ。料金プランなどは気になるところだが、高いセキュリティで定評のあるBlackBerryの環境をカッコいいデザインで利用できるように仕上げたのは、個人ユーザーにとっても魅力的な端末と言えそうだ。


・ NOKIA E71(ノキア)
 こちらもすでに海外で販売されているNOKIA E71のNTTドコモ向けモデル。基本的にはソフトバンク向けに供給されるモデルとほぼ同じ仕様となっている。従来のNTTドコモ向けNOKIA端末は、S60用アプリケーションのインストールができなかったが、NOKIA E71はスマートフォンという位置付けであるため、Windows Mobile端末などと同じように、S60用アプリケーションが利用できるという。





『質』を高めた22機種という『量』で攻めるNTTドコモの新ラインアップ

 今年、NTTドコモは「変革」をテーマに掲げ、さまざまな形で「新しいNTTドコモ」を生み出そうとしてきた。新ドコモ宣言に始まり、コーポレートロゴやカラーの変更、AnswerシリーズのテレビCM、ドコモショップのデザイン変更といった具合いに、着実に変革を推し進めてきたが、今回発表された22機種はその変革の第一ステップの仕上げに位置付けられるラインアップということになるのだろう。ここまでの説明を見てもわかるように、何れ劣らぬ質の高いラインアップと言えそうだ。

 ただ、その一方で、この22機種というボリュームとネーミングルールの変更には、少なからず疑問が残った。機種の多さについては、過去にも発表会レポートで触れてきたが、これだけの数を並ぶと、ユーザーは選択肢が増えてうれしいという半面、たくさんありすぎて選べないという声が聞こえてきそうだ。同時に、販売の現場でも旧機種との区別も含め、売り分けがかなり難しくなりそうだ。4つにシリーズを分け、それぞれに個性的かつ魅力的な端末をラインアップすることになったわけだが、今までNTTドコモが採ってきた手法で、それぞれの端末が持つ個性や魅力がきちんとユーザーに届くのだろうか。

 そして、何と言っても気になるのは、ネーミングルールの変更だ。今回の変更はユーザーだけでなく、販売の現場などでも混乱を起こすことが容易に想像できる。ユーザーからの視点で見た場合、冒頭でも触れたように、4つのシリーズへの分類は理解できるものの、ネーミングルールの変更は「90Xiシリーズと70Xiシリーズを区別にしにくくした」ように見え、少し歪んだ見方をすれば、ややユーザーを軽視したような判断とも受け取ることができてしまう。NTTドコモは『主権在民』のように、ユーザー本位の事業を展開するようなことを話していたはずだが、今回のネーミングルールの変更は、本当にユーザーのためを考えて、判断されたことなのだろうか。少なくとも今回の説明や発表内容を見る限り、あまりユーザー本位の判断であるようには見えないのだが……。

 昨年の新販売方式の変更で、NTTドコモに限らず、各社のユーザーは慎重に端末を選ぶ傾向が強くなったと言われている。今回の22機種という新モデルは、ユーザーの選択肢が増えたという半面、シリーズが4つに分かれ、型番などから機能などが想像しにくくなったため、今まで以上にきちんと情報を確認したうえで、選ぶ必要がありそうだ。デザインやスペック、コンセプト、カラーリング、機能、対応サービスなど、ケータイを使っていくうえで大切な項目をしっかりと確認し、本誌に掲載される記事や開発者インタビュー、レビューなどを参考にしながら、店頭で実機なども試してみて、着実に自分のスタイルに合ったケータイを選んで欲しい。


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(法林岳之)
2008/11/06 14:19

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