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au「ダブル定額」関係者インタビュー
「定額制をみんな使えるように」

「ダブル定額」のロゴマーク
 昨秋から提供されているKDDIの「CDMA 1X WIN」は、「CDMA2000 1xEV-DO」と呼ばれる通信方式を採用したことで、安価なパケット通信サービスを実現している。その「CDMA 1X WIN」において最も特徴的なのは、月額4,410円のパケット通信定額制サービス「EZフラット」だ。

 携帯電話の利用スタイルに一石を投じる形となった「EZフラット」が、8月からは変動制を採りいれた「ダブル定額」に生まれ変わる。今回は、KDDI関係者から「ダブル定額」のコンセプトやその魅力について話を聞いた。


一定量以下のパケット通信は月額2,100円に

 そもそも「ダブル定額」とはどんなサービスなのか。現在提供中の「EZフラット」は、1X WIN端末でどれだけパケット通信を行なっても、基本使用料プラス月額4,410円で済むというサービスだ。

 KDDIが公開しているデータによれば、CDMA2000 1xおよびCDMA 1X WINを合算した総合APRUは8,100円。そのうちデータ通信は2,030円。また2003年度末(2004年3月末)時点で、CDMA 1X WINのユーザー数は34万3,000人で、そのうち87%がEZフラットを利用しているという。

 8月1日から開始される「ダブル定額」では、1カ月の利用パケットが40,000パケット以下であれば月額2,100円、40,000〜84,000パケットであれば1パケット0.0525円の従量課金制、84,000パケット以上は4,410円となる変則的な料金体系になっている。

 CDMA2000 1xとCDMA 1X WIN向けに提供されている「パケット割」および「パケット割WIN」(※パケット割WINは8月1日より月額1,050円で12,500パケット無料、1パケットの通信料が0.084円に料金値下げされる)では、1パケットの通信料は0.105円であり、40,000パケットでは4,200円になる。パケット割では月額利用料がそのまま無料通信分になるが、それでも「ダブル定額」のほうが安い。パケット通信をほとんど使わないというユーザーはパケット割を利用するほうが良いだろうが、ある程度使うスタイルであれば、「ダブル定額」をオススメしたい。

「ダブル定額」の料金体系を示したグラフ

10代〜30代ユーザーが多いEZフラット

KDDI au営業本部 au営業企画部サービスグループリーダーの竹迫 伸二次長
 「ダブル定額」のスタートに先立ち、KDDI au営業本部 au営業企画部サービスグループリーダーの竹迫 伸二次長と同グループの河越 弘幸課長補佐の両氏に話を聞いた。

−現在提供中の「EZフラット」は、どういった人に利用されているんでしょう?

竹迫氏
 「年齢で見れば10代〜30代の方が多いですね。性別としては、端末デザインの影響もあってか、若干男性が多いかなという印象です」

−1X WINユーザーのうち、87%がEZフラットを利用しています。この数値をどう分析されていますか?

竹迫氏
 「1X WIN端末はまだ3機種、そしてこういったサービスを最初に利用していただけるお客さまは、新しもの好きのやや限られた方々です。どちらかと言えば“EZフラットを楽しみたいために1X WINにした”という方が多いでしょう。そういう意味では、全員に入って頂きたかったですね」

−CDMA2000 1xがスタートしてから、cdmaOneからは大変スムーズに第3世代への移行が進みました。一方、同じ第3世代でも1X WINへの移行はゆっくりしているという印象がありますが。

竹迫氏
 「正直やや強気な面はありました。ただ、1X WINがスタートした昨秋から冬にかけてはCDMA2000 1x端末のラインナップが非常に充実していました。またCDMA2000 1xへの乗り換えがスムーズに進んだのは、時代の流れとしてカメラ搭載などへのニーズが高まっていたことやcdmaOneとサービス内容はほとんど変わっていなかったため、単に端末を買い換えるだけで移行したことになります」

−ということは、より良い端末が揃えば1X WINのユーザーは増えるという考えでしょうか?

竹迫氏
 「アンケート調査などでは料金面での要望は多いんです。しかし、実際に買い換える場合にお客さまが意識するのは端末です。お客さまからすれば、1X WIN端末を、同時期に登場したCDMA2000 1x端末に比べた時、やや見劣りする面があったのでしょう。もちろんメーカーさんから見れば、CDMA2000 1xと1X WINを同時期に開発しなければならなかったり、使用する部品が新技術のものだったりするなど、かなりご苦労されたのではと思います。いずれにしても今夏は1X WINを高機能化させたいと考えています。ただ価格に関しては他社も攻勢をかけてくるようですから、可能な限りローコストで提供できなければいけないでしょう」


本当はどんどん使って欲しい

KDDI au営業本部 au営業企画部サービスグループの河越 弘幸課長補佐
−EZフラットが最初発表された際、エントリーユーザーに利用されるためにはいずれは「ダブル定額」のような措置が必要に思えましたが、実際はいつから検討されてきたのでしょう?

竹迫氏
 「この形に収まったのは最近です。ドコモのパケ・ホーダイが発表される前後でしょうか。昨年までは、パケット割の導入など、auは他社に先行していたと思います。しかし今年になって状況は変化しています。特にNTTドコモさんはiモード FeliCaなど、新しい分野に着手されており、その布石として定額制も導入されるのではないか、と予想しておりました。ダブル定額の導入については決してドコモさんの動きを見て決定したわけではなく既定の路線だったのです。もっとも、お客さまにとっては両社が競争した効果として歓迎されるでしょう」

−ダブル定額の2,100円という水準はどうやって決定されたのでしょう? たとえば3,000円コースというように値下げするような形もあったのではないでしょうか?

竹迫氏
 「EZフラットはスタート時点では試行錯誤でしたが、4,410円という水準は妥当、と判断していました。実際お客さまのご利用動向を分析すると、EZフラットはかなりお徳だと思えますよ(笑)。しかし、どうしても固定網のADSLと比較されますよね。お客さまのイメージには2,000円台という数字が浮かんでいるわけです。また実際のARPUにおける平均的な通信料も2,000円付近なんですね。まずはこれにあわせるのが良いだろうと考えました。仮に3,000円とすると尻込みしてしまうお客さまは相当数いらっしゃるのではないかと思いますし、逆に1,000円を切るような価格では無理があります。

 ダブル定額では、2,100円を超えると最大4,410円までは通信量に比例して料金が上がります。仮に2,100円を超えた途端に3,000円になる、という階段状の設定にしてしまうと、お客さまはパケット通信をしないように抑制することになるでしょう。もともと定額制は、パケット通信を気兼ねなく利用して欲しいというのが原点です。階段状にしてお客さまが抑制するようになってしまうと、結局みなさん2,000円にしてしまう。抑制されるということは、月初に通信していても月末に近づくにつれてトラフィック量が減ってしまうのです。我々としては、もしお客さまがさほど使われなかったらその分をキャッシュバックしよう、という発想なんです。もちろん定額制を利用されることで4,410円以上は絶対請求されない、という安心感もあるはずです。私たちは最大額以上に使っていただきたいのです。また、快適にご利用いただくためにピークにあわせた設備にしていますので、もし抑制するようなことになれば設備投資も効率が悪くなります」

−はたして「ダブル定額」の仕組みは理解してもらえるでしょうか?

竹迫氏
 「確かに3,000円定額のプランにしたほうがわかりやすいかもしれません。しかしダブル定額のほうが大部分のお客さまにとっては圧倒的にお得なはずです。完全定額の3,000円は私どもにとっても単純値下げであり、実現困難だったのですが、変動制は実現可能でした。また3,800円等の値下げは、お客さまにとってメリットがわかりにくいのではないでしょうか。2,100円は利用拡大が見込める水準として自信をもっています。利用者の方々は、ご自分のパケット料を非常に気にされていますから」

−ちなみに「ダブル定額」という名称は、どういうところから名付けられたのでしょう?

竹迫氏
 「ダブル定額そのものは、他社を意識した対抗策ではありません。しかし、ネーミングだけは意識しましたね。我々は昨年から『EZフラット』で定額制をスタートし、独自性をアピールしてきましたが、早晩定額のイメージもドコモさんに奪われるのではないか、という懸念がありました。ですから、ストレートに『定額』に変更するのは今回のタイミングしかなかったと思います。また、定額制と言ってもEZフラットとは内容が異なりますので、“名は体を表わす”ようなものにしたかったのです」

河越氏
 「他の候補はいろいろありましたね。アテネオリンピックに因んで、“段違い平行棒”とか。でもこれだと2,100円を超えたときの従量課金について説明がつかなかったので没になりました」

竹迫氏
 「auの料金には、“家族割”や“年割”があります。こういった割引サービスは他社にもありますから、お客さまから見れば違いがわかりにくいですよね。auは複雑と思われがちな料金サービスのネーミングに統一感を持たせお客さまに理解されやすいように工夫をしています。ただしダブル定額は割引サービスではありませんから、敢えて“〜割”という名称は避けました」


今以上に“使える”機能に

−コンテンツ面でユーザーにアピールできる新たなポイントはあるんでしょうか?

竹迫氏
 「定額制の魅力を最大限引き出すためには、新たなサービスが必要です。EZチャンネルがもっと受け入れられるためには、もっとブラッシュアップすることになるでしょう。しかし、定額制を利用する方々にとって大きなポイントは、大きなサイズのデータをダウンロードできるということです。新たなコンテンツ、サービスを開発することも大事ですが、たとえばメールで送受信できる容量を拡大したり、従来よりも良い音質の着うたが聞けたりするといった機能拡張のほうがより現実的でもあります。今後1〜2年は新しいサービスを投入するのと並行で現状のサービスを拡張していく方向になるのではないかと考えています。少なくともCDMA2000 1xで可能なことは、1X WINでもできるようにしたいですね。

 今後コンテンツプロバイダさんがより魅力的なゲームや着うた等のコンテンツを提供し、お客さまに受け入れてもらうためにはデータサイズの拡大と、適正な料金の両立が必要になってきます。待受画像にしてもQVGA画面になったことで、以前の小さなディスプレイ向けのものよりも格段にパケット通信量は大きくなります。定額制の裾野が広がることでお客さまとコンテンツプロバイダ双方にとってメリットが大きくなるということです」

−どんどん良いコンテンツを購入できるということになれば、もし機種変更した際に購入済のコンテンツを移行したいという要望もあると思うのですが。

竹迫氏
 「実現できること、できないことというものがあるでしょうね。KDDIだけで実現できる範囲は限られます。しかし、できることから提供したいという考えはあります。外部メモリカードに出力できるようにするために、工夫するといった考え方もありますし、EZメモリーポケットのような形でデータをストレージするという形もあるかもしれません」

−定額制導入は、KDDIにとってトラフィックがいくら向上しても収入に反映されない状況になります。今後はどういうビジネスモデルになっていくのでしょう?

竹迫氏
 「一般的に言われているのは広告ビジネスの拡大などですが、“auでオカイモノ”のように課金システムを利用し、物販ビジネスを拡大してもらうという形態もありますね。海外だと難しいかもしれませんが、日本で展開していくのであれば、ショッピングのニーズは高いと考えています。お客さまにとっては決済手段が選べることは良いわけですから」

−最後にユーザーへ一言お願いします。

竹迫氏
 「あえてダブル定額という形にしたのは、どなたにも手軽に定額制の楽しさ、便利さを体感して欲しい、という思いがあるからです。もちろんまだ定額制はちょっと、という方にはパケット割WINがお奨めです。しかし毎月のパケット通信料に2,100円お支払いの方なら、ダブル定額のほうが本当にお得です。同じ2,100円でも現状以上に多くのデータをやり取りできますから。もちろんWIN新端末についても期待していただいていいですよ」

−ありがとうございました。



URL
  KDDI
  http://www.kddi.com/

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(関口 聖)
2004/07/01 12:00

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