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N-06Aの最近のブログ記事

 以前から憶測は流れていたものの、いざ発表されるとあれこれと思いが巡るNEC、カシオ、日立の携帯端末事業統合の話。そんな話はさておき、今回は『N-06A』についての最終回です。

 無線LAN(Wi-Fi)接続するとiモードが速くなり、大容量コンテンツを無線LAN接続でダウンロードすればパケ代が節約できるという話やら、ヨコスタイルのときには受信メールを参照しながら、返信メールを作成できる話などなどありますが、これらはよく知られたことではないかとも思うので、あえて小ネタを紹介して締めくくることにします。

・なんか便利な「折り返し着信」

 こんな事から書き始めると「お前はそんなところにしかヒットしないのかよ」と怒られてしまうかもしれません。が、私が『N-06A』を使い始めて最初に新しいケータイらしさを感じたので、この機能から紹介します。

 それは「折り返し着信」。電話帳登録していない相手へ発信し、そこから着信があると、「折り返し着信」という表示が現れるという単純な機能です。

 着信履歴をみりゃわかるじゃん、と思われるかもしれませんが、実は、そうでもない。私は、慌ただしくしているときに見覚えのない電話番号の着信があると、電話に出るのが億劫だったりするんです。でも「折り返し着信」という表示を出てくれるおかげで、"あぁ、自分が発信した相手から電話がかかってきたな"ということがわかる。そして、心の準備ができるのです。こういう使用頻度が高い機能に手を加えてくれるのは大歓迎。今後も、こういう細かい心配りを期待しています。

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・メニュー画面からメロディーコールへ辿れる

n06a02.jpg 『N-06A』固有の機能ではありませんが、メニュー画面から「設定/NWサービス」→「着信」→「メロディコール設定」と操作すると、メロディコールのサイトへアクセスできます。iメニュー(iMenu)Menuからアクセスしたほうが便利では? と思われるかもしれませんが、メニュー画面のような機器の設定画面からサービスへ辿れるのも悪くない。音に関することは機器、サービスに関係なく集約されているわけですから。欲をいえば、もう少し階層が浅いと良いのですけれど。

・マルチファンクションボタンと同様にアサインされたタッチメニュー

n06a03.jpg 私は、従来型ケータイのメニュー体系を崩さずにタッチ操作をさせることには、アクロバティックな何かが必要ではないかと思っています。上下左右の十字キーと決定ボタン+ダイヤルボタン+αで操作することを前提にしたメニュー体系なのだから、そこには限界があることは否めないからです。

 といっておきながら、矛盾するようですけれど、『N-06A』の待ち受け画面状態で上下左右にフリック(画面を指ではらうように操作すること)すると、マルチファンクションボタンの上下左右を押したときと同じ操作ができて便利なのです。左フリックすると着信履歴、右フリックすると発信履歴が出てきて、タッチすると電話ができる。わざわざ画面を回転させずに電話がかけられるのはなかなかです。ただ上フリックしたときの「iウィジェット」、下フリックしたときの電話帳の使い勝手は……。まぁ、左右にフリックすると、便利に使えるってことだけご紹介しておくことにします。







 前回触れたとおり、いま国内のケータイで日本語変換ソフトを自社開発しているのはNECだけになってしまいました。そのNECも最近の報道ではあれこれあるようですが......。まぁ、そんな話はともかくとして、今回は『N-06A』の文字入力について具体的なお話をしてみます。

 同社の日本語入力は「MogicEngine」です。『N-06A』は、「MogicEngine V」が搭載されています。私の記憶が正確であれば、


「MogicEngine I」→N902iS
「MogicEngine II」→N903i、N904i、N905i
「MogicEngine III」→N906i
「MogicEngine IV」→N-01A
「MogicEngine V」→N-06A

という進化だったと思います。

 「MogicEngine V」の特徴のひとつは、時間と連動する予測変換候補が現れることです。たとえば午前6時に「お」と入力すると「おはよう」「おはよー」、午後6時に「お」と入力すると「おやすみ」「お休み」といった候補が出てきます。このほか「きょう」と入力すると「9月1日」、「あした」なら「9月2日」と日付が出てきます。

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 このあたりは、カタログにも書いてある機能なので、よく知られていると思います。私が使っていて発見したのは予測変換候補を簡単に消す機能があること。予測変換候補を選択中にクリアボタンを長押しすると、「選択した予測候補の学習履歴を削除します よろしいですか?」という画面が現れ、その単語が消せます。この機能の重要性については『P-01A』のときに指摘したとおり。この簡単さは『SO906i』以来じゃん! と感激してしまいました。で、もしかしてと思い、以前使っていた『N-01A』を確認してみると、こちらにも実装されているじゃありませんか。ということは、他のNEC製の機種もそうなんだ、と妙に関心。この分野を地道にブラッシュアップし続けている開発陣の方々に脱帽する思いでした。

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 実は、これまで扱っていた「P-01A」と同時に「N-01A」を使っていました。理由は、「まったくの新しいスタイルであるため、何かと戸惑うことが多かったN-01Aだけど、独特の使い勝手にも少しずつ慣れてきた」という経緯を法林さんから漏れ聞いていたから。そんな機種なら自分でも体験してみなきゃ、と思って使ってみたわけです。

 「N-01A」の最大の特徴は、使用場面に応じて本体が3つのスタイルに変化すること。デフォルト状態の「タッチスタイル」、その状態からディスプレーを90度回転させた「シェアスタイル」、さらにディスプレーを90度回転させた「コミュニケーションスタイル」と3つです。

 「タッチスタイル」は、待受状態でも直接画面を触れて操作ができますよ、という提案。「シェアスタイル」は、ワンセグ、フルブラウザー、カメラなど画面をヨコ位置にしたときに親和性の高いマルチメディア系のコンテンツを楽しむことを想定したスタイル。ヨコ位置の画面を2分割し、複数のコンテンツを同時に使えることも提案しています。「コミュニケーションスタイル」は、通話やメールなどを想定したスタイル。私は、もっとも利用頻度の多いスタイルですが、この状態にするまでにディスプレーを回転させるのが恐ろしく面倒。私は、「N-01A」に対する不満の多くは、この機構もしくはタッチ操作からみのことに集約されると思っています。逆にいうと、ここが改善されていれば、もっとポジティブに評価されてもいい機種ではないかと思っています。

n06a_hashimoto.jpg なので、上述の機構やタッチ操作からみのことが改良されているかな? と期待を込めて私は「N-06A」を使い始めてみました。結論からいうと、機構そしてタッチ操作に関する印象に変更はありません。ただ、ここで別の疑問も沸いてきます。NECのようにシェアも定評も持つメーカーの製品が、なぜ? という疑問です。何が言いたいのか、といえばスタイルチェンジやタッチによってNECが何を目指しているのか、なぜそれが伝わってこないのか、という疑問です。

 まず、私の理解が足りないのではないか、使い込みが足りないのではないか、このあたりから疑ってみることにしてみます。新しいスタイルなのだから、今までどおりの使い方だけでは違いがわからないですものね。

 あとスタイルチェンジやタッチ操作に注目が集まりがちですが、ケータイそのものとして進化しているところもたくさんあるはず。そのあたりもチェックしてみたいと思っています。

 その一例が文字入力。ご存じの方は多いと思いますが、いま自社で日本語変換ソフトを開発するメーカーはNECだけになってしまいました。他のメーカーは、ソフトベンダーから供給を受け、自社なりの工夫を加えるのみになっています。それ自体は悪いことだとは思いませんが、なぜNECが日本語入力を自社でやろうと考えているのか、このあたりは、とても興味深いテーマです。

 これは私の勝手な思いこみなのですが、インターネットとの親和性が高まるほど日本語入力の使いやすさは重要度を増してこないでしょうか。『iPhone 3GS』や『HT-03A』を使っていてそう感じるのです。メールをする、インターネットで情報を調べる、何かをメモする、検索をするなどの各種操作は日本語でコマンドを出すからかな、というのが理由かな? というのが私の仮説です。カメラやワンセグなどハードウェアで実現する機能が注目されていたころは外装、ボタン、画面のメニューなどがどんな風に設計/デザインされているかが使い勝手を左右していたように思います。が、『iPhone 3GS』や『HT-03A』のようなインターネットに浸りきりな機種では、言葉でコマンドを出す機会が増える。ゆえに日本語入力の重要性が増してくる。NECは、そうした世界も睨んで自社で日本語入力ソフトの開発を続けているのか? そんな風にも思えてくるのです。