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QVGAサイズの液晶でムービーを堪能できる「A5402S」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2003年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


Mサイズムービー対応A5400シリーズ第2弾

 ムービーケータイのラインアップを充実させるau。今年に入り、Mサイズムービー(128×96ドット)にも対応した端末を拡充し、さらにムービー指向を強く打ち出している。ソニー・エリクソンから発売されたA5402Sは、CDMA2000 1x端末として、はじめてQVGAサイズの液晶を搭載する。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。


カメラとディスプレイの微妙な関係

au/ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ「A5402S」サイズ:49(W)×98(H)×25(D)mm(折りたたみ時)、128g。ノアールブラック(写真)、ルミエールホワイト、ルージュレッドをラインアップ
 この夏、各地でカメラ付きケータイを使う姿を見かけた。はじめてカメラ付きケータイが登場してからわずか3年で、ここまで普及するとは誰も予想しなかっただろう。しかし、カメラ付きケータイが普及した背景にはさまざまな要因があり、ただケータイにカメラが付いたから売れたというわけではない。その要因のひとつとして挙げられるのがカメラとディスプレイのマッチングだ。

 今から約3年前。はじめてのカメラ付きケータイとして登場したのはJ-フォンのシャープ製端末「J-SH04」だ。11万画素のカメラを搭載したストレートデザインの端末で、ディスプレイは最大256色表示が可能なSTNカラー液晶を採用していた。当時、筆者や編集スタッフは「撮る」「見る」「送る」という楽しさにたいへん盛り上がったが、市場で見ると、話題性こそあったものの、爆発的なヒットというほどではなかったと記憶している。これに対し、後継モデルとして登場したJ-SH07は、カメラの基本スペックこそ同じだったものの、65,536色表示が可能なTFTカラー液晶を採用していた。J-SH07に対する市場の反応はJ-SH04を明らかに上回り、カメラ付きケータイの基本的なスタイルを確立した名機と評価されている。

 このことからもわかるように、カメラ付きケータイという視点で端末を捉えた場合、カメラとディスプレイのスペックには、一定のバランスが必要とされる。カメラを高画素化をすれば、ディスプレイも高解像度化や大型化が必要になり、そのバランスによって、使い勝手もユーザーの反応も大きく変わってくる。

 今回紹介するauのソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(以下、ソニー・エリクソン)製端末「A5402S」は、auの高機能モデル「A5400シリーズ」の第2弾として登場した端末で、CDMA2000 1x対応端末として、はじめてQVGAサイズの液晶ディスプレイを搭載している。NTTドコモの505iシリーズやJ-フォンの一部モデルでは、すでにQVGAサイズの液晶ディスプレイが搭載されているが、現時点ではau唯一のQVGAサイズの液晶ディスプレイ搭載端末ということになる。

 また、auは冒頭でも触れたように、ムービーケータイを強く打ち出しており、今年はMサイズムービーに対応した端末のラインアップを拡充している。Mサイズのムービーは録画こそ、A5402Sと先日発売されたA1401Kを含め、合計4機種しか対応していないが、再生はA5400/5300シリーズやA1300シリーズ(一部機種を除く)の合計11機種が対応しており、Mサイズムービーによるメールが送りやすい環境を整いつつある。

 さらに、ソニー・エリクソン製端末ではおなじみの着せかえにも対応しており、端末のパーソナライズを主張したいユーザーには非常に魅力的な端末となっている。QVGAサイズの出来なども踏まえながら、実機の出来をチェックしてみよう。


2.2インチのQVGAサイズ液晶を搭載

ヒンジ部にカメラを内蔵するA1301Sのデザインを踏襲。充電台は縦置き式を採用
 製品のスペックや細かい仕様については、auソニー・エリクソンの製品情報ページ、ケータイ新製品SHOW CASEを参考にしていただくとして、ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。

 まず、ボディから見てみよう。auのソニー・エリクソン製端末は最近、ややコンパクトなモデルが続いていたが、今回のA5402Sはわずかに大ぶりな折りたたみデザインを採用している。背面側のパネルはA1301Sなどと同じように、着せかえパネルが装備されており、ヒンジ側のツメを動かすことで着脱できるようにしている。着せかえパネルはボディカラーに合わせた「ノーマル」「キルティング」「パンチング」の3種類が標準添付されており、別売パネルも各色ごとに「ラムスキン」「クロス」の2種類が用意されている。従来の着せかえモデルに比べると、ややバリエーションが減った印象だが、パネルそのものは非常に凝っており、ファッションにうるさいユーザーのニーズにも応えられそうな出来だ。また、A1101Sなどのときと同じように、着せかえパネルが装着される部分の内側にイルミネーションがあるため、装着するパネルによっては着信時や通話時などに、ひと味違った光り方を楽しむこともできる。


本体背面には直径20mmの大口径スピーカーが内蔵される 着せかえパネルは3種類が標準で付属。パネルの内側にはイルミネーションランプを内蔵

 ヒンジ部分にはA1301Sと同じように、「MOTION EYE(モーション・アイ)」と呼ばれる34万画素のカメラが内蔵されている。カメラを使わないときはレンズ部がテンキー側に格納されており、カメラ部を前後に285度回転させることにより、自分撮りと相手撮りの両方を可能にしている。A1301S同様、カメラ部の左右にはライトが装備されており、カメラ機能を起動したときに光るようになっている。ライト機能をONにして、さらにもう一段、明るく光らせることも可能だ。


ヒンジ部にカメラを内蔵した「MOTION EYE」。ソニーのVAIO C1などで採用されていたカメラのネーミングを継承 本体を開き、背面側にカメラを向けると、やや埋まったような印象

ボタン類は従来のソニー・エリクソン製端末同様、ヒンジ側にセンタージョグを配したレイアウトを採用している。センタージョグの左に[メール]キー、右に[EZ]キー、テンキーの左下に[マナー]キー、右下に[メモ]キーというレイアウトもA1301Sと同様だ。本体右側面には[カメラ]キーと[クイックディスプレイ/シャッター]キーを備えており、[カメラ]キーは長押しでムービーモード、短押しでフォトモードが起動する。


ボタン類は従来のソニー・エリクソン製端末と同じようにセンタージョグを採用 側面のキーはカメラモードの起動やシャッターとして利用する

 ディスプレイは前述のように、320×240ドットのQVGAサイズの表示が可能な2.2インチTFTカラー液晶を採用する。背面側のクイックディスプレイは4,096色表示が可能な1インチSTNカラー液晶を採用する。QVGAサイズの液晶ディスプレイは、auのラインアップで唯一のものであり、カメラで撮影した画像やムービーをきれいに再生することができる。実は、筆者もはじめて端末を見たとき、「これはモックアップ?」と勘違いしてしまったほど、高精細な表示が可能だ。


液晶ディスプレイはau初のQVGAサイズを採用。画像表示はとにかくキレイ 背面液晶はSTNカラー液晶を採用。4,096色表示だが、カメラモードでは利用しないので、十分なスペック

最大60秒のロングムービーも撮影可能

 機能面について見てみよう。ソニー・エリクソン製端末といえば、センタージョグとPOBoxによる予測変換を組み合わせた「スピードメーラー」が人気だが、A5402Sにも受け継がれており、非常に快適なメール作成が可能だ。ダウンロード辞書にも対応しており、ソニー・エリクソンの公式サイト「SonyEricsson@ez」から追加辞書をダウンロードすることが可能だ。ちなみに、同サイトでは着せかえメニューや高音質な着信メロディなども配布されている。ソニー・エリクソン製端末のユーザーなら、忘れずにチェックしておきたい。また、メールについてはフォルダ管理に対応しており、メールアドレスによる自動振り分けも可能だ。ただし、お気に入りはフォルダ管理に対応していない。


メールはフォルダ管理に対応する。標準でメインフォルダ以外に9つのフォルダが設定されている メニュー画面も従来端末のデザインを継承。メニュー画面のデザイン(カラー)も変更することができる

 ところで、A5402Sは前述のように、CDMA2000 1x対応端末初のQVGA液晶を採用している。505iシリーズなどを見てもわかるように、液晶ディスプレイがQVGA化することで、内蔵カメラで撮影した画像をより大きな画面で見られるようになるが、それ以前にメールやブラウザの画面が広くなり、視認性が向上するというメリットがある。ただ、A5402Sでは表示フォントが従来の環境と変わらないため、メールやブラウザの画面は非常に粗く、ただ単に画面が広くなっただけという印象が強い。

 たとえば、同じA5400シリーズのA5401CAは132×176ドットの2.1インチ液晶を採用しているが、A5401CAの最大表示文字数が13文字×14行表示であるのに対し、A5402Sは240×320ドットの2.2インチ液晶であるにも関わらず、10字×8行しかできない。つまり、A5402Sは約3倍近い高解像度(ドット数)でありながら、文字については半分程度の情報しか表示できないわけだ。表示文字数が多ければいいというわけではないが、せっかくQVGA液晶を搭載するのであれば、表示フォントも高精細なものに変更し、画像だけでなく、文字情報も見やすい環境を提供して欲しかったところだ。事業者が違うため、一概に比較できないが、このあたりはNTTドコモのソニー・エリクソン製端末「SO505i」にも共通している。いくらカメラが搭載され、画像を利用する機会が増えたとは言え、多くのユーザーが最も利用するのはアドレス帳やメール、ブラウザの画面であり、それらの表示がここまで粗くなってしまうのはいただけない。これでは無理に高コストなQVGAサイズの液晶を搭載する意義が少ないのではないだろうか。


せっかくのQVGAサイズ液晶を活かしていないメール作成画面。こんなギザギザのフォントはちょっといただけない ブラウザの画面もあまりQVGAサイズの液晶を活かしているとは言えない

静止画の撮影サイズは3種類から選択が可能。ただし、リサイズができないので、撮影時はサイズをよく確認しよう
 一方、ヒンジ部に内蔵されたカメラ「MOTION EYE」については、34万画素のCMOSイメージセンサを採用し、前後に285度回転する構造となっている。カメラを利用しないときはヒンジ部のテンキー側に格納し、カメラを起動したときはカメラ部左右のライトが光るしくみとなっているが、これは周囲の人に自分がカメラを使っているか否かを明確に示すことを意図している。周囲の人がそういった情報を知っているとは限らないが、ソニー・エリクソンらしいスマートな配慮と言えるだろう。

 撮影できる静止画サイズは、240×320ドットの「待受画面モード」、120×160ドットの「ケータイモード」、640×480ドットの「PCモード」の3種類から選択することができる。ムービーについては、96×80ドットで最大15秒「S(メール用)」、128×96ドットで最大15秒の「M(メール用)」、96×80ドットで最大60秒「Sロング」、128×96ドットで最大45秒の「Mロング」、176×144ドットで最大25秒の「Lロング」が撮影可能だ。これらの内、「S(メール用)」と「M(メール用)」についてはメールに添付することができ、これら以外については端末上で楽しむか、MySyncなどのアプリケーションでパソコンに読み出して利用することになる。

 撮影時の機能としては、ズーム、明るさ、ホワイトバランス、フォトライトなどが用意されている。ズームは待受画面モードで最大6倍の4段階、ケータイモードで最大8倍の4段階、PCモードで最大3倍の3段階で調節が可能だ。PCモードでも最大3倍のズームが利用できるのは、同スペックのカメラを搭載した他機種にない特長だ。ホワイトバランスは基本的に[AUTO]で撮影するのがおすすめだが、色合いに違和感を覚えるときは[屋内][蛍光灯][屋外]などに切り替えて撮影してみるといいだろう。フォトライトについては、[機能]キーを押して表示されるメニューから操作することもできるが、[メモ]キーでON/OFFすることもできる。また、ケータイモードで撮影する場合に限られるが、モニター画面表示時に[0]キーを押すと、画像を拡大して表示することが可能だ。連写もケータイモードのみで利用可能で、マニュアル及びオートで4枚の画像を連続撮影することができる。

 そのほかにもGPS情報の付加やフレームの設定、セピアなどの特殊効果も用意されているが、やはり、面白いのはA1301Sのレビューでも紹介した「フォトミキサー」だろう。標準で10種類のテンプレートが用意されており、それぞれのシナリオに合わせた写真を撮れば、かなり楽しいメロディ付きアニメーションメールを作成することが可能だ。ただ、このフォトミキサーで利用できる画像はケータイモードで撮影したものに限られ、受信・再生できる端末もA5402S、A1303SA、A1301S、A5304T、A1401K、A1304T、A1302SAのみ(2003年8月現在)に限られる。


 撮影した画像の編集については、スタンプや文字入力、回転、サイズ変換などの機能が用意されているが、PCモードで撮影した画像は基本的に編集ができないうえ、待受画面モードで撮影した画像も回転ができないなどの制約がある。CDMA2000 1xはVGAサイズの画像をメールで送信できるため、やはり、PCモードで撮影した画像の切り抜きやリサイズなどはサポートして欲しかったところだ。ムービーについては、アフレコやテロップなどの編集機能がサポートされている。なかでもテロップは「Mail to」や「Phone to」「URL to」などのハイパーリンクも埋め込むことができ、かなり凝ったムービーメールを作成することが可能だ。ただし、これらの機能は基本的にメール用サイズの画像で撮影したムービーのみで、そのほかのサイズで撮影したムービーはアフレコやテロップを設定することができないので、注意が必要だ。


右上のアイコン(120と書かれている)で撮影サイズが確認できる。この状態で[0]キーを押すと、全画面表示に切り替わる VGAサイズのサンプル画像。モデル:寺崎佑紀サンタ・クローチェ所属(リンク先画像は無加工) 撮影した画像はサムネイル表示が可能

大きな画面で画像を見たいなら「買い」

 さて、最後にA5402Sの「買い」について診断してみよう。au初のQVGA液晶を搭載した端末として登場したA5402Sは、普及モデルとして販売されているA1301Sで好評を得たMOTION EYEやフォトミキサーを継承しながら、ソニー・エリクソン製端末お得意の着せかえパネルやスピードメーラーで、個性と快適性を実現している。最大60秒のムービーやLサイズのムービーを撮影できるようにするなど、ムービーの使い道をさらに拡大しようとしている。ただ、QVGA液晶を採用しているわりに、表示フォントが粗く、メールやコンテンツ閲覧、アドレス帳など、最も頻繁に利用するインターフェイスの視認性が損なわれているのは非常に残念だ。やはり、QVGA液晶を採用するのであれば、それに見合ったフォントを採用し、全体的な快適性を向上させるべきだろう。

 これらのことを総合すると、A5402Sを「買い」と言えるのは大きな画面で『画像』を見たいユーザー、着せかえパネルでファッション性を追求したいユーザーということになる。メールやコンテンツ閲覧画面は見栄えが悪いが、待受画面や撮影した画像を大きな画面で閲覧できるというのは、ひとつのメリットと言えるだろう。ただ、カメラが34万画素であるため、最新のメガピクセルケータイほどの高品質な画像が撮影できるわけではなく、どちらかと言えば、自作待受画面向けという印象だ。また、ソニー・エリクソン製端末でおなじみのスピードメーラーの環境も表示フォントが粗いため、視認性がやや損なわれ、本来の快適性に水を差している感もある。最終的には、QVGAサイズの表示が可能な液晶ディスプレイで、主に何を見たいのかで判断するしかなさそうだ。

 ソニー・エリクソン製端末は、auのラインアップで最も注目度の高いブランドのひとつであり、過去には個人的にも愛用してきた経験がある。しかし、A5402Sはすでに販売されている普及モデルのA1301Sとの差がそれほど大きくなく、今ひとつグッと来るものがない。ぜひ次期モデルではQVGA液晶を活かし、もっとユーザーを「ときめかせる」端末の登場を期待したい。



URL
  ニュースリリース(au)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/0514/
  製品情報(au)
  http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/a5402s/
  ニュースリリース(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
  http://www.sonyericsson.co.jp/company/press/20030514_a5402s.html
  製品情報(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/a5402s/

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(法林岳之)
2003/08/27 14:23

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