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クロスメニューとセンタージョグで操作性を考えた「W21S」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


クロスメニューとモバイルムービーに注目

au/ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ『W21S』サイズ:50(W)×105(H)×26(D)mm(折りたたみ時)、133g。エナジーレッド(写真)、フューチャーホワイト、ヒーリングシルバーをラインアップ
 W21Sは従来のWIN端末と違い、EZアプリ(BREW)に対応した新しいWIN端末のラインアップだ。なかでも注目されるのは、新しいユーザーインターフェイス「クロスメニュー」、A5404Sから継承した「モバイルムービー」だろう。まずはこの2つのポイントに絞って、仕上りをチェックしてみよう。

● センタージョグを活かしたクロスメニュー

 現在、多くの端末では9分割や16分割などのアイコン表示のメニューを採用しているが、W21Sはアイコンを十字方向に並べた「クロスメニュー」を採用している。同様のメニュー画面は、ソニーのHDD/DVDレコーダー「PSX」で採用されており、パソコンの「VAIO」の「DoVAIO」などでも同じ方向性のメニュー画面が搭載され始めている。

 クロスメニューはセンタージョグを押すと表示され、縦方向でアイコン、左右ボタンでグループを選ぶことができる。クロスメニューは着せかえメニューにも対応し、同社の公式サイト「SonyEricsson@ez」から着せかえ用のデータをダウンロードできる。


アイコンを上下左右に並べた「クロスメニュー」を採用。PSXなどのメニューに影響されたデザイン。センタージョグとのマッチングもいい 待受画面の上部にメニューアイコンが並ぶが、個別のアイコンは選択できない仕様なので、必ずクロスメニューから操作することになる

 分割式のアイコンメニューに比べ、クルクルとセンタージョグを回しながら操作できるのは軽快だが、クロスメニューのどこにどの機能が登録されているのかはある程度、頭に入れておく必要がある。覚えにくいときは最初に表示される「マイセレクト」に自分のよく利用する機能を追加登録しておくといいだろう。

 待受画面にはクロスメニューのグループを表わす「メニューアイコン」が表示されているが、W21SはW21SAのようにメニューアイコンのグループを選択できない。そのため、センタージョグを押すと、必ずクロスメニューが表示され、カーソルは[メニュー]-[マイセレクト]に合った状態で開始される。つまり、メニューアイコンそのものは、待受画面に表示されている意味があまりない。メニューアイコンの表示は設定で変更できるので、慣れてしまったら、表示をOFFにした方がスッキリするだろう。


● QVGAサイズでモバイルムービーが楽しめる

 W21SはA5404Sに引き続き、ソニーが提唱する「モバイルムービー」の再生に対応している。モバイルムービーは同社のテレビ「WEGA(ベガ)」やメモリースティックビデオレコーダー「PEGA-VR100K」などで録画した番組を端末上で再生できる機能だ。A5404Sでは利用できるモードが限られていたが、3つのモードで録画した番組の再生に対応している。ちなみに、各モードの仕様は次の通りだ。

「モバイルムービー」各モードの仕様
モード 画面サイズ 動画レート フレームレート 音声レート
高画質 320×240ドット 384kbps 15fps 128kbps
標 準 320×240ドット 216kbps 15fps 64kbps
長時間 176×144ドット 64kbps 15fps 64kbps


 W21Sはメモリーカードとして、メモリースティックDuoを採用しており、「メモリースティック PRO Duo」「メモリースティック Duo」「メモリースティック Duo(マジックゲート/高速データ転送対応)」「マジックゲートメモリースティック Duo」が利用できる。ただ、これらの内、一部はすでに生産を完了しており、実質的に利用できるのは256/512MBの「メモリースティック PRO Duo」、32/64/128MB「メモリースティック Duo(マジックゲート/高速データ転送対応)」の合計5種類に限られている。

 モバイルムービーのファイルサイズは番組によって異なるが、録画時間の目安が公開されている。ただし、1つの番組の連続録画は2時間までとなっている。

「モバイルムービー」録画時間の目安
モード 32MB 64MB 128MB 256MB 512MB
高画質 約8分 約15分 約30分 約55分 約120分
標準 約15分 約30分 約60分 約105分 約220分
長時間 約30分 約65分 約130分 約230分 約490分


 予算的に制限がなければ、512MBのメモリースティックPRO Duoを購入し、モバイルムービーのデータ、内蔵カメラで撮影した静止画や動画などをすべて保存するのが簡単だが、10,000円台後半と価格的にも高いため、当面は10,000円以下で購入できる256MBのメモリースティックPRO Duoを利用するのが現実的だろう。

 また、メモリーカード周りでは、W21Sはダウンロードした着うたやEZムービーなど、著作権のあるデータをメモリーカードへ移動する機能がサポートされている。ただ、実際に移動できるかどうかは、コンテンツプロバイダの判断(設定)によって異なる。ちなみに、このメモリーカードへの移動ができるのは、著作権保護機能に対応した「メモリースティック PRO Duo」「メモリースティック Duo(マジックゲート/高速データ転送対応)」「マジックゲートメモリースティック Duo」に限られる。


センタージョグを活かした使いやすさ

センタージョグはA5404Sのフラットなデザインから変更され、操作性が改善されている。やはり、これくらいの方が操作しやすいだろう
 ソニー・エリクソン製端末と言えば、独特のボディデザインやセンタージョグなどが人気の秘密と言われている。W21Sの使い勝手や標準的な機能についてチェックしてみよう。

● メール

 W21Sのメール環境は従来モデル同様、センタージョグと日本語入力の「POBox」の組み合わせによる「SpeedMailer」を採用している。従来のA5404Sはセンタージョグの操作性が今ひとつだったが、W21Sはセンタージョグ周囲の処理も改良され、本来の使いやすさが復活した印象だ。


メールのフォルダ自動振り分けは件名やメールアドレスで条件設定ができ、フォルダ別に再振り分けもできる
 メールはフォルダによる管理、自動振り分けに対応しており、振り分け条件は件名、メールアドレス、アドレス帳グループを設定できる。条件設定後の再振り分けも可能で、その際、特定のフォルダのみと全メールのどちらでも再振り分けができる。送受信ボックスの一覧表示は、差出人や宛先、件名での1行表示だけでなく、これらを組み合わせた3行表示も可能だ。送受信したメールから電話を掛けられる(アドレス帳への登録が必要)「EVメール」機能も継承されている。

 日本語入力はおなじみの「POBox」を採用し、最大20個までのダウンロード辞書を登録可能だ。ただ、「SonyEricsson@ez」で配布されているダウンロード辞書はカテゴリーがかなり細分化されており、すぐに20個に達してしまうこともある。また、「SonyEricsson@ez」ではユーザーがパソコン上で作成した辞書データをダウンロードできるサービスも提供されている。次期モデルではEZアプリ(BREW)などで辞書作成もサポートして欲しいところだ。


● カメラ及び画像編集


カメラは130万画素CCDを採用。起動は側面の[カメラ]キー長押しが基本。クロスメニューの[マイセレクト]以外にも登録されているべきではないだろうか SXGAサイズでのサンプル画像。リンク先の画像は無加工。(モデル:
篠崎ゆき
/スーパーウイング所属)

 内蔵カメラは130万画素CCDを採用している。オートフォーカスには対応していないが、右側面のスイッチで接写モードへの切替が可能だ。使い勝手は基本的にA5404Sを継承しているが、カメラの起動は右側面に[カメラ]キーの長押しが基本となっている。クロスメニューの[マイセレクト]に登録されているが、それ以外の項目(ツールなど)にはカメラの項目がなく、はじめて触るときはかなり戸惑いそうだ。やはり、クロスメニュー内にもきちんと項目を用意すべきだろう。撮影サイズ(撮影モード)はセンタージョグ右上の[アプリ]キーで切り替えることができ、シーンに合わせた撮影が可能なシーンセレクションは右上の[フォルダ]キーからメニューを呼び出して選択できる。


画像編集は最大サイズで撮った画像のトリミングやリサイズをサポート。メガピクセルカメラを活かす仕様に改良されている
 撮影した画像は9分割及び3行表示のサムネイル形式、ファイル名一覧形式で閲覧できる。最大サイズのSXGAサイズで撮影した画像もリサイズやトリミング(拡大)が可能で、ヨコ撮りした画像を回転させることもできる。リサイズやトリミングで生成される静止画サイズはQVGAサイズに限定されるが、メガピクセル級のカメラを活かした画像編集機能を備えていると言っていいだろう。

 また、ムービーについては、最大320×240ドット/15fpsの「ビデオLLモード」に対応し、ビデオLLモードで撮影したムービーをムービーメールで利用できるサイズに変換したり、一部を静止画に切り出すこともできる。


● 付加機能


スケジュールはツールメニューから呼び出す。画面のようなカレンダー表示のほか、週単位での表示も可能。もう少し呼び出しやすいと便利だが…… 休日や祝日は個別に設定が可能。暦通りの休日ではない人にも便利だ。シークレットモードで予定を隠すこともできる

 スケジュール機能はクロスメニューの[ツール]-[スケジュール]で呼び出すことができる。登録件数は最大100件までで、くり返して実行するスケジュールの登録やアラーム設定、シークレット登録なども可能だ。ただ、複数の日にまたがるスケジュール設定があまり考慮されていないのが気になる。また、スケジュール登録時、アラームをONに設定し、音やバイブレータをOFFに設定する(画面とLEDのみで知らせる状態)できるが、マナーモードを設定していると、バイブレータが動作してしまうのはやや不可解な印象だ。ちなみに、スケジュールにはアドレス帳に登録した誕生日データ、ユーザー定義の休日などを表示可能で、祝祭日の表示/非表示も切り替えられる。


赤外線通信ポートを利用したEZアプリ(BREW)として、「DVDリモコン」「TVリモコン」が「SonyEricsson@ez」で公開されている

 W21SはA1402Sに続き、赤外線通信がサポートされている。同一機種及びA1402S/S IIとの赤外線通信によるデータ送受信が可能な他、「SonyEricsson@ez」では赤外線通信をTVリモコンやDVDリモコンのEZアプリ(BREW)が公開されており、テレビなどを操作できる。赤外線によるデータ送受信は赤外線通信ポートを備えたパソコンなどが対象だが、筆者が試した範囲ではV602SHとも画像をやり取りができた。iモード端末については画像データなどを送受信できないものの、スケジュールなどのデータはやり取りできている。


クロスメニューが気に入れば「買い」

テンキー部背面にはステレオスピーカーを装備。GSM端末などではおなじみのソニー・エリクソンのエンブレムを装備されている
 最後に、W21Sの買いのポイントについて考えてみよう。W21SはCDMA1X WIN端末の本命と言われるEZアプリ(BREW)に対応した端末で、EZナビウォークを利用できる点などが従来のWIN端末と大きく位置付けが異なる。独自の機能としては、センタージョグと予測変換のPOBoxによる「Speed Mailer」、WEGA(ベガ)などで録画したテレビ番組を再生できる「モバイルムービー」などが挙げられる。カメラは最高スペックではないものの、ひと通りの機能をサポートしており、画像編集なども従来モデルより充実している。auからは秋冬商戦向けのWIN端末がリリースされているが、全体的な完成度の高さは遜色ないと言えそうだ。ただ、長時間、端末を触っていると、やや端末の底面が熱くなる傾向があるので注意が必要だ。

 これらのことを総合すると、W21SはSpeed Mailerの環境を重視したいユーザー、モバイルムービーを楽しみたいユーザーにオススメということになる。クロスメニューについては気に入れば、「買い」だが、やや好き嫌いが分かれそうな印象もある。使いやすさという点については、カメラの起動をはじめ、やや親切さが足りない面も見受けられるため、次期モデルでの改良を期待したい。



URL
  ニュースリリース(KDDI)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2004/0712/besshi3.html
  製品情報(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w21s/
  ニュースリリース(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
  http://www.sonyericsson.co.jp/company/press/20040712_w21s.html
  製品情報(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/w21s/
  モバイルムービーの使い方
  http://www.sonyericsson.co.jp/product/au/w21s/im/mm/00.html

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(法林岳之)
2004/11/09 14:22

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